メディカル・ケア・サービス（MCS）のはじまり

日本は既に高齢化の時代を迎えているなかで、「高齢者がいつまでもいきいきと暮らせる社会を創りたい」、「地域社会に貢献できることをしていきたい」という思いから介護事業の運営を決意し、1999年にMCSを設立しました。この思いは事業領域・規模が拡大した現在も引き継がれ、「誰もが年齢を重ねることを楽しむ社会」を目指しMCSは企業活動を続けています。

「愛の家」はグループホームからはじまりました

グループホーム「愛の家」の第1棟目は桶川市に開設しました。介護事業所を開設するにあたり調査を進めると、認知症のケアは専門性が高く敬遠する事業者が多いこと、またそれにより認知症の方とそのご家族を支える施設が圧倒的に不足していたことがわかりました。一層深刻化する認知症介護のセーフティネットとして、地域に寄り添いたいという思いからグループホーム事業に着手しました。

初の介護付有料老人ホーム「アンサンブル」～より豊かな時間を～

一貫したサービスを提供するため、医療が必要になった方や、重度化した際に対応が可能な介護施設が必要だと考え、介護付有料老人ホームの運営を開始しました。アンサンブル（Ensemble）には、「重奏」「重唱」という意味があります。一つの音に、もう一つの音が重なれば、和音となってより豊かな音楽を奏でることができるように、人と人も、集い、寄り添うことで、より豊かな時間を奏でることができるはず。アンサンブルというブランド名には、そんな思いが込められています。

シニアの食事を支えるグリーンフード株式会社を設立

全国に施設を拡大する中、各事業所における食材の品質や調理技術もさまざまであり、一定の品質基準を確保することに対する課題やご利用者の日々を彩る食をいっそう大切にしていきたいという思いを抱くようになりました。そこで食事に関する全ての業務を一元管理し、より一層の品質向上を目的として新会社を設立しました。2024年現在、グリーンフード株式会社は、学研グループの施設400拠点以上の食材の調達や調理技術・衛生面に対する管理・指導・教育等を行うとともに、地域に根ざした献立の作成で高齢者の食を支援しています。

障がい者雇用を促進

MCSは、認知症のあるご高齢者の介護を専門に事業運営しているなかで、そのお一人おひとりの能力や可能性を十分に発揮していただき、普通の生活を当たり前に送っていただくことに重きを置いています。その理念や思想は障がい者雇用にも通じるものがあり、障がいのある人の潜在能力を十分に引き出し、社会で役立てるための環境を拡大したいとの思いから2010年に特例子会社「MCSハートフル株式会社」を設立しました。2023年７月には学研グループの障がい者支援をより一層推し進めることを目的とし、株式会社学研スマイルハートと合併し、株式会社学研スマイルハートフルとして新たにスタートしています。

住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けるための支援体制を

住み慣れた地域でより自分らしく暮らし続けられる社会にするためには、施設介護だけでなく、在宅介護へのサポートが必要だと考え、小規模多機能型居宅介護やデイサービスとグループホームの複合施設の展開を開始しました。
MCSでは、「認知症介護」をキーワードとした在宅サービスの展開も行っています。

スポーツを通じた地域貢献活動を浦和レッズと共に

埼玉県で創業したMCSと埼玉県さいたま市をホームタウンとする浦和レッズは、「健康で心豊かな社会づくりに貢献したい」という思いが一致し、スポーツを通じた地域貢献を行うこととなりました。

高齢化が進む中国を中心に海外市場に挑戦

世界的な高齢化を受けて、介護サービスの需要に貢献すべく海外事業を開始しました。当時、中国においては、急速な高齢化率の高まりと合わせ、一人っ子政策による将来的な高齢者介護の担い手不足が見込まれていました。中国は介護サービスが発展途上であったことから、中国・国営上場企業である上海三毛と合弁会社を設立。2014年には1棟目を開設し、日経企業として初の黒字化を達成。当社が培った介護技術・ノウハウを生かし、事業展開を行っています。

グループホームの運営居室数日本一達成

愛の家グループホーム「二本松油井」「三芳竹間沢」「草加谷塚」「秦野大けやき」を開設し、グループホームの運営居室数が日本一に！2024年3月には学研グループとして運営棟数1位を達成しました。

よりよい社会の実現と、認知症対策という社会課題解決を目指して

当社の親会社となった学研HDは「すべての人が心ゆたかに生きることを願い、今日の感動・満足・安心と、明日への夢・希望を提供します」というグループ理念の下「学研版地域包括ケアシステム」の実現を掲げ、多世代が支えあいながら地域の中で安心して暮らし続けられる社会づくりのため「サービス付き高齢者住宅事業」を展開しています。
当社が学研グループに入ることにより、両社が今まで培ってきた介護に関するノウハウを相互に連携させることによって、よりよい社会の実現と、認知症対策という社会課題解決に向け両社が一丸となって取り組んでいきます。

2018年～認知症の社会課題解決に向けた共同研究を開始

当社のミッション「認知症を取り巻く、あらゆる社会環境を変革する」ためには、認知症ケアにおける緩和のみならず、認知症予防や早期発見に関する取り組みが必要です。そのことから、2018年より医療機関や大学機関との共同研究や学会発表を行っています。

ロボットやAI・ICT化へのチャレンジ～介護現場の生産性向上・ご利用者のQOL向上を目指して～

ロボットやAI・見守りセンサーの活用による介護現場の生産性向上に取り組んでいます。当社の介護サービスにおける生産性向上とは、テクノロジーの活用による業務改善や効率化等を進めることによる職員の業務負担軽減を図るとともに、生み出された時間をケアに当てることで、ご利用者のQOLの向上を目指すものです。さまざまな試行錯誤を繰り返すとともに、現在は、介護記録システムの電子化により、介護記録の時間削減やエビデンスに基づいたケアの提供、睡眠センサーを活用したサービス品質の向上などにも注力しています。また、集約したデータを活用し、更なるサービス品質向上や社会環境変革のための研究・開発にも力を入れています。

働き方改革・生産性向上を目指し、本社を移転

グループホームを中心に事業拡大を続け、社員が増加するなか、先般より働き方改革・生産性向上に向けた取り組みに注力しています。現場の運営体制への柔軟で効率的なサポートを目指し、現場の支え手である本社機能の質の向上を目的に本社をさいたま新都心へ移転しました。本社移転とあわせてリモートワークの推進も同時に行いました。現在では、リモートワークと出社勤務のハイブリットな働き方を行うことで、家庭の事情等にあわせた多様な働き方への対応も行っています。

「認知症を取り巻く、あらゆる社会環境を変革する」その決意を込めて

「認知症」という言葉が連想させる先入観や誤解を無くし、認知症当事者や関わる人々にとって、より暮らしやすい社会となるよう、認知症の概念を一新していきたいという思いを込めて、ブランドメッセージを刷新しました。
その先の未来は、「誰もが年齢を重ねることを楽しむ社会」。

介護サービス、介護事業者向けサービス、ウェルネスサービスなどの事業を通じて、認知症を取り巻く、あらゆる社会環境の変革を目指していきます。
同時期にはブランドメッセージの刷新とともに、価値基準体系なども見直しを行いました。

創立20周年、新ポーレートロゴ・カラーと共に新たな２０年を

創業20周年を機に、企業ブランドメッセージ・価値基準体系も刷新したMCS。
時代の変化に合わせ、新しい時代の新しい介護・価値観を創っていくために、コーポレートカラーをグリーンからインディゴに変更し、コーポレートロゴのデザインも一新しました。
新たなロゴ・カラーとともに、新たな20年を築いていきます。

高齢者QOLの向上に向けたポリファーマシー解消を目指して

高齢者が多種類の薬を服用することによる「多剤併用」が社会問題となるなか、株式会社イエローエイト（セントラルグループ）との合弁会社、学研メディカルファーマシーを2021年4月に設立。2021年9月には1局目となるライクス薬局市川店を開局しました。超高齢社会において多剤併用による重複投薬や副作用のリスクは高まる一方です。また、フレイル・サルコペニアの主たる原因の一つである栄養管理についても、医療（薬物療法）と食事（栄養療法）のバランスが重要であり、薬剤師による在宅介入が求められています。学研メディカルファーマシーでは、地域密着型の在宅医療を積極的に行い、主治医や看護師、ケアマネジャー等と連携を図り、患者様のQOL向上、ポリファーマシー解消に向けた取り組みを実践しています。

健康増進や認知症への理解を深めてほしい～MCSの知見を発信する情報サイト「健達ねっと」

創業から一貫して認知症ケアに取り組んできた当社には、他社にはない知見や著名な専門家のネットワークがあります。 在宅介護を行うご家族や、自身の健康が気になる方々に向け、自分が知りたい情報の他に、認知症の情報にも触れ、認知症を自分ごととして捉えてほしいという想いから情報サイトを開設しました。 Webサイトでの情報発信を通じて、認知症を取り巻く、あらゆる社会環境を変革していきます。

未来を担う子どもたちに認知症の正しい理解を

2050年、認知症と軽度認知障害（MCI）の人数は1,000万人を超えると推計され、自分の大事な人が認知症になる可能性も十分にあります。しかし、まだまだ認知症に対する偏見や誤解があり、認知症を特別なものとして孤立や孤独を招いているのが実態です。この先の未来を担う子どもたちとともに「認知症」について考え、一人でも多くの方に「認知症」を正しく知ってもらうことで、認知症のある方も誰もが暮らしやすい社会を目指します。

出版を通じた、認知症・健康予防に関する情報発信を開始

看護・医学書、健康・家庭医学書を発行・発売してきた学研グループのなかで、当社はこれまで培ってきた認知症ケアを中心とした介護事業で培った知見を生かし、在宅介護者や介護従事者、学生、また健康づくりや予防に取り組む方々に向けた情報発信を進めています。Webメディア健達ねっとに続き、書籍を刊行することで、より多くの皆さんに認知症や介護、健康・予防分野の情報を伝え続けていきます。

合弁会社では、それぞれの特徴、リソースなどを生かし、認知症リスクの早期検査、継続的な見守りと予防、製品、サービスなどの分野で協力していきます。当社は、中国と日本の運営ノウハウを生かし、スマート介護事業の領域で人工知能とロボット技術の応用に研究開発の指導とサポートを提供。UBTECHは高度なAIとロボットの研究開発スキルを活用し、施設とコミュニティの発展に適したスマート介護運営支援システムを開発します。両社により、世界トップのAIとロボットスマート介護ソリューションを共同で構築していきます。
スマート介護事業を実現することで、ご利用者の生活の質の向上と介護スタッフの生産性の向上など、世界の介護の質の向上や、地域と在宅介護のアプリケーションの向上などに取り組み、スマート介護事業の新時代を目指します。

健康増進を目的とした運動事業を開始

これまで、家族介護者や介護従事者、健康づくりに取り組む方々に向けたメディア・出版事業や、薬局事業などを展開していました。「ピラティス事業」は、アクティブシニアや社会⼈向けに、健康増進を⽬的とした運動事業として新たに立ち上げました。ピラティスは、リハビリを目的に始まり、身体面からのアプローチで正しい姿勢の確保をします。それにより筋肉の痛みや凝りの解消、心身の状態改善に効果があるとされています。また、姿勢の改善や身体機能の向上、美容などの目的だけでなく、介護予防の一つとして取り入れられるなど、活用の幅も広がっています。当社の認知症・介護・健康領域での知見と、株式会社MOHIPILATESの専門的な知見と実績を生かし、これまでピラティスに興味があるけれど少し抵抗のある方々にも気軽に始めていただけるようなサービスをご提供しています。