代表者インタビュー

– 介護は間違いなく国内有数の成長産業 –

こういう選択肢もあるんだと、多くの人に気づいて欲しい。

代表取締役社長 山本教雄

MCSに入る前はどのような仕事をされていたのですか?

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私自身、恥ずかしながら学生の時からだらしない性格でした。それもあって、「早く親元を離れて経済的にも精神的にも自立したい、そうであれば、より厳しい環境に身を置いてみよう」と防衛大学に入学し、最初は航空自衛隊に入りました。もともとは、大学の時から自分で独立して商売がしたいという思いがあり、卒業後は起業しようと思っていました。
ところが、卒業前になって急に教官から呼び出され、「お前はまだ学生で、知ったようで何も分かっていない。組織マネジメントを学ぶには、実働部隊を一度は見るべき」と背中を押されることになり(半ば強引!?)、そこまで言うならやってやろうじゃないかと、まんまと乗せられ部隊に入ることになりました。

退官後は、「やるからには人も情報も集まる東京のど真ん中で」と考え、カバンひとつで真っ先に東京に出ました。ただ、思い切りの良さと勢いはあったのですが、明確なビジネスプランがあるわけでもなく。まずはモノを売れなきゃ商売にならないなと、営業スキルを身につけるため大手外資系企業で営業の仕事に就きました。

MCSに入ったきっかけは?

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営業マンになって2年目の時に、取引先の紹介でたまたま出会ったのがMCSの先代の創業社長でした。話すと長くなるのですが、実は、伺った際に面接に来た人と間違われて採用されました(実話です…)。
ただ話をしていると、先代の経営に対する考え方が松下幸之助の本のことばと瓜二つで。松下幸之助は、私が大学時代に経営の本を読み漁る中で「起業をしたい」と思うきっかけになった人でした。ある種の偶然ですが、人に対する不思議なご縁を感じ、

「この人のもとで経営を学んでみたい」

と強く思ったことが決め手でした。そして次の日には辞表を提出。退職フラグも立っていなかったので、勤務先ではそれはもう驚かれました。
そんなこんなでMCSに入社することになるのですが、「来てみたら介護の会社だった」というような、これまた計画的とは言えないスタートでした。

MCSに入社して、どのようなことを感じましたか?

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何も知らない業界で突然仕事をすることになり、最初は結構カルチャーショックでした。介護をしたこともなく、当時は介護施設にあまり良いイメージも持っていなかったので、正直身構えていました。
初めはグループホームで研修することからスタートしましたが、ここで転機が訪れました。私はラッキーだったのか、一番最初の研修先が会社の中でも指折りの良いホームだったんです。いざ現場に入ってみると私のイメージは一転。入居者が驚くほど自由に生活し、明るい表情をしていました。「本当に認知症の方ですか?」とホーム長に聞いてしまったことを今でも鮮明に覚えています。

後から詳しく知ることになるのですが、スタッフが入居者の生活設計のために様々な洞察を行い、緻密なプランを作っていて、計画的にその場が実現されていました。そして何よりも、この仕事をしている人のハートが良い。
私は現場に触れて、

介護施設の印象と介護の仕事のイメージが180度変わりました。

それからスタッフと話をする中で、介護職の処遇や働き方、介護保険制度や認知症に対する社会イメージを含め、介護に対する社会のあり方には変化が必要だと強く感じました。また、公務員や大企業の世界では当然の制度やシステムがこの業界にはない。マーケティングや営業の基本的な視点や活動、人事制度やコスト管理に至るまで、驚くほど普通のことができていないと思いました。
そして、何よりも高齢者数とニーズの増加はインパクトがありました。このビジネスは30年以上増加し続ける市場がある。課題の大きさと市場の広がり、そのギャップがあるからこそ魅力があると感じました。こんなに成長が見込めるビジネスは、日本国内にはそうないですから。

その頃から社長になることを考えていたのですか?

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いいえ、全く(笑)。働いている中でも、自分で商売しようという思いはずっとありましたから。当初は早くて3年、長くても5年、などと考えていました。ただ、ありがたいことに経営の中心で仕事をすることになり、事業拡大に向けて物事を進めていく中で、自分が本質的に求めていたことは、「商売で儲けるというよりも、世の中や社会に価値や変化を与えたいということなのでは」と思い始めました。現に、介護は社会に貢献するど真ん中の事業なので。それから自然と、この会社でやりたいことを着実に実現していきたいと思うようになっていきました。当然ですが、自ら描いたものを実現するには、そうできる立場が必要です。おそらく私は、手段として社長になることを選んだんだと思います。
先代から「お前がやりたいようにやってみろ」とバトンを引き継ぎ、社員みんなの努力のお陰で、「認知症グループホーム日本一の企業」に成長することができました。今となっては、介護の仕事に携わることは自分のライフワークだと思っています。

今後、力を入れていきたい新たな分野はありますか?

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我々は、創業来 介護の中でも特に「認知症ケア」に軸足を置いてきました。今は、グループホームという認知症高齢者のための住まいのサービスを行っていますが、果たして住む場所だけで良いのかと感じています。認知症は、老いとともにそのリスクは隣り合わせになってきますが、誰もが家族や大切な人と少しでも長く居たいのは当たり前。そういう意味では、認知症予防の取り組みや自宅で生活するためのサポート、もっと言うなら、健康であり続けるための支援こそ、我々の会社の役割だと思っています。
今や医学的知見やテクノロジーの進化を含めて、これまで出来なかったことが出来るようになる可能性が広がっています。「介護施設に入って安心」は十分大切なことですが、そうなる前、あるいは入れない人に対して、我々が果たすべきことがあると考えています。

健康であり続ける予防の領域は、認知症に対する新たなチャレンジ分野だと思います。

そして、介護のグルーバル化にも力を入れていきたいと思っています。私たちは既に中国を中心にアジアで介護施設を展開していますが、高齢先進国である日本が世界にもたらす影響は非常に大きい。また、その責任があると思っています。

介護をグローバルに展開することで、社員にとっては新たなキャリアアップに繋がり、日本ならではの介護のあり方を世界に提供できると考えています。

新卒や若い人材に期待することは何ですか?

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私は、「成長を追求し、事業を通じて社会に貢献すること」が会社の役割だと思っています。個人も同じで、社員には自らを成長させ、仕事を通じて社会に繋がる何かをしていって欲しい。
介護は予防も含めて、日本においてはこの先20~30年、またアジアを中心とした世界に目を向けると、更に長い期間、必要とされる事業です。これから長きに渡って若い力がますます必要となってきます。MCSには、日本の介護、しいては世界の高齢化に「変化」を起こしたいという人に少しでも集まってもらいたいですね。この事業は間違いなく、日本が世界をリードするアドバンテージを持っている事業ですから。日本の介護も、今の延長線上の姿ではなく、もっと豊かに過ごせる環境が作れるはず。そして、これまでに培った

経験に基づく人知と、AIやロボットをはじめとするテクノロジーを掛け合わせることにより、大きな変化を起こせる可能性は十分にあります。

今の時代に合った、新しい介護のあり方を創り出す時期に来ています。そういう意味で、介護は重要な過渡期にあり間違いなく成長産業と言えるでしょう。
人生100年。働くことと多くの時間を共にする時代。こういう選択肢もあるんだと、多くの人に気づいて欲しいですね。

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