何も知らない業界で突然仕事をすることになり、最初は結構カルチャーショックでした。介護をしたこともなく、当時は介護施設にあまり良いイメージも持っていなかったので、正直身構えていました。
初めはグループホームで研修することからスタートしましたが、ここで転機が訪れました。私はラッキーだったのか、一番最初の研修先が会社の中でも指折りの良いホームだったんです。いざ現場に入ってみると私のイメージは一転。入居者が驚くほど自由に生活し、明るい表情をしていました。「本当に認知症の方ですか?」とホーム長に聞いてしまったことを今でも鮮明に覚えています。
後から詳しく知ることになるのですが、スタッフが入居者の生活設計のために様々な洞察を行い、緻密なプランを作っていて、計画的にその場が実現されていました。そして何よりも、この仕事をしている人のハートが良い。
私は現場に触れて、
介護施設の印象と介護の仕事のイメージが180度変わりました。
それからスタッフと話をする中で、介護職の処遇や働き方、介護保険制度や認知症に対する社会イメージを含め、介護に対する社会のあり方には変化が必要だと強く感じました。また、公務員や大企業の世界では当然の制度やシステムがこの業界にはない。マーケティングや営業の基本的な視点や活動、人事制度やコスト管理に至るまで、驚くほど普通のことができていないと思いました。
そして、何よりも高齢者数とニーズの増加はインパクトがありました。このビジネスは30年以上増加し続ける市場がある。課題の大きさと市場の広がり、そのギャップがあるからこそ魅力があると感じました。こんなに成長が見込めるビジネスは、日本国内にはそうないですから。