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第22回 日本自立支援介護・パワーリハ学術大会で特別賞を受賞

ニュースリリース
2023.07.03

~認知症介護現場の食事摂取状況と栄養状態調査から
ご入居者へのアプロ―チを再考~

2023年6月3日(土)、4日(日)に行われた第22回 日本自立支援介護・パワーリハ学術大会において特別賞を受賞しましたので、お知らせいたします。


■日本自立支援介護・パワーリハ学術大会とは

一般社団法人日本自立支援介護・パワーリハ学会が主催する自立支援介護、パワーリハビリテーションに関する研究結果や取り組み、実践を発表する学術大会です。毎年テーマが定められており、第22回は「老いゆくアジアへの貢献」というテーマで、タワーホール船橋(東京)会場と中国、タイ、韓国の発表者がオンラインで参加するハイブリット開催となりました。

■特別賞 受賞について

第22回は、33の研究結果・取り組み・実践の中から「最優秀賞」「優秀賞」「特別賞」の3つが選ばれ、当社の発表は「特別賞」を受賞しました。

■受賞内容

「認知症対応型共同生活介護入居者の食事摂取状況と栄養状態の調査」

■発表内容

高齢者は低栄養を起因としたさまざまな生活課題を有していることが多く、適切な栄養補助やケアアプローチが必要とされています。当社が運営する認知症対応型共同生活介護(以下認知症グループホーム)のご入居者においても同様のことが課題として考えられ、本調査は、ご入居者の食事摂取状況と栄養状態の実態を把握し、ケアアプローチを再考するために実施しました。

<低栄養が起因となる生活課題の例>

・歩行障害や転倒、骨折、死亡リスクの増加 など※1

1Jane E Winter, Robert J MacInnis, Naiyana Wattanapenpaiboon, Caryl A Nowson.BMI and all-cause mortality in older adults: a meta-analysis The American Journal of Clinical Nutrition, Volume 99, Issue 4, April 2014, Pages 875–890,Ensrud KE, Cauley J, Lipschutz R, et al. Weight change and fractures in older women. Study of Osteoporotic Fractures Research Group. Arch Intern Med 157: 857-63, 1997.

当社の認知症グループホームご入居者の食事摂取状況と栄養状態について、食事摂取状況と直近の血液検査データ、BMI※2を分類し、補食の有無を含め、クロス集計を行いました。その結果、食事の摂取状況とご入居者のBMI、補食の有無から、1,500kcal/日の献立では栄養状態を改善するには十分ではないケースも存在していることがわかりました。
また、BMI24以上の肥満体型の入居者においても血液検査上、低栄養の疑いがあるご入居者が一定数みられることから、BMIのみでの栄養状態の判断は危険であり、ご入居者の栄養状態はBMI、血液検査データを併用すること、1日あたりの提供カロリーの見直しが必要である可能性が示唆されました。

※2BMI(Body Mass Index)=体重(kg)÷身長(m)² 、 単位:kg/㎡

【調査方法】
 期間:2021年2月1日~2021年2月6日
 対象:当社が運営する認知症グループホーム295事業所のうち、80事業所に上記期間在所していたご入居者1,453名

【発表学会情報】
 法人名:一般社団法人日本自立支援介護・パワーリハ学会(https://jsfrc-powerreha.jp/)
 代表者:代表理事 望月 秀樹
     代表理事 古川 和稔
     代表理事 小平 めぐみ
 所在地:〒162-0065 東京都新宿区住吉町6-3 ヤマギシコーポラス404
 日時:2023年6月3日(土)、4日(日)
 会場:東京都江戸川区タワーホール船堀 大ホール・小ホール

■当社の学会発表について

当社は認知症グループホームを中心に、全国32都道府県330以上の介護事業所を運営し、認知症ケアをけん引する中で、ケアの品質にもこだわり、私たちにしかできないサービスの実現に向けて取り組んでいます。
そのために、介護現場で抱えるさまざまな課題に対し、実態調査・分析を行いご入居者へのアプローチ方法を検討・実践しています。実態調査・分析は、看護師・理学療法士・作業療法士・介護福祉士などの専門職チームが行い、介護現場に共有することで、科学的根拠に基づいたケアの実施ができる体制を構築しています。
今後も学会発表などを通じ、介護や認知症を世の中に正しく理解してもらうための発信を続けていきます。