おやつは子供に限らず大人も、もらったり食べたりできると嬉しいですよね。
ですが特に高齢者には、健康にも配慮したおやつが好ましいです。
高齢者の健康に適したおやつには、どんなものがあるでしょうか?
本記事では高齢者のおやつについて、以下の点を中心にご紹介します。
- 高齢者向けおやつの役割と目的
- 高齢者向けおやつの注意点
- 高齢者向けおやつ・おすすめレシピ
高齢者向けのおやつについて理解するためにも、ご参考いただけましたら幸いです。
ぜひ最後までお読み下さい。
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高齢者向けおやつの役割&目的
高齢者のためのおやつには、以下の3つの役割・目的があります。
- 栄養補給
- 水分補給
- コミュニケーション
それぞれの役割・目的について、ご説明します。
栄養補給
おやつには、高齢者の食事の補助として栄養を補う役割があります。
厚生労働省の「令和元年度国民健康・栄養調査結果の概要」によると、高齢者は低栄養状態になるリスクが高いことがわかっています。
低栄養とは「食事量の減退が進み、活動に必要なエネルギーや体を作るタンパク質などが不足した状態」のことです。
加齢による食欲減退、嚥下・咀嚼などの口腔機能低下などにより、食事の量が低下してしまうからです。
おやつを食べることで、不足する栄養素を補い、さらに低栄養状態を防げます。
また食べやすいおやつであれば少々、食欲のない時でも食べられます。
水分補給
おやつには、高齢者が不足しがちな水分を補給する役割もあります。
高齢者の水分不足には、いろいろな原因があります。
- 加齢による、体の水分保持機能の低下
- 腎臓機能の低下による頻尿
- のどの渇きを感じる機能の低下
- 糖尿病・高血圧などの疾患や、薬の副作用によるもの
以上のような原因に気づかず、水分が不足していることもあるため、注意が必要です。
水分の多い果物や野菜、食事からも水分補給は可能ですが、おやつを上手く活用して水分補給するのもおすすめです。
おやつを活用すると、好みの味のゼリーやプリンなど、食べやすいものでおいしく水分を補給できる利点もあります。
また、おやつの時間を「お茶の時間」と考えて、おやつと一緒にお茶・牛乳などの水分を積極的にとるのも一つの方法です。
コミュニケーションがとれる
自宅で家族や友人と、また介護施設であれば入居者と過ごすおやつの時間は楽しみの一つです。
高齢者にとって、他の人と一緒に食べる楽しい「おやつタイム」には、こんなメリットがあります。
- 家族や友人とコミュニケーションがとれる
- 毎日の生活にハリがでる
- 脳の活性化につながる
- 孤独感の緩和
高齢者の食事について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
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高齢者向けおやつの注意点&ポイント
高齢者向けのおやつには、注意すべき点やポイントがあります。
主な注意点とポイントは、以下の3つです。
- おやつの時間に注意
- 介護食の方の嚥下の状態に注意
- 量・カロリーに配慮
それぞれ具体的にご紹介します。
おやつの時間に注意
おやつの時間は、昼食・夕食に影響しない程度の時間配分で、14時〜15時くらいにしましょう。
高齢者の場合は、おやつで満腹になってしまうと夕食の食欲に影響し、栄養不足の原因になります。
また、おやつの時間は、昼食後や夕食までの過ごし方も考えて、ゆったりと楽しむことが大切です。
介護食の方の嚥下の状態に注意
介護食を利用されている方は、おやつの種類に注意が必要です。
介護食の方は、咀嚼能力や嚥下能力の衰えから、個々の状況に応じた介護食を食べています。
おやつも嚥下の状態に応じ、ゼリーやプリンでも硬さを調整したりするなど、工夫が必要です。
嚥下に関する苦痛がなく、おやつを楽しめる工夫をすることで、嚥下状態の改善につながることもあります。
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量やカロリーに配慮する
おやつのカロリー摂取量の目安は、1日の必要エネルギーの約10%にあたる100〜200カロリーになります。
栄養不足を補いつつも、夕食に影響しないカロリー(エネルギー量)であることが重要です。
しかし、高血圧・糖尿病・肥満などの疾患のある方は、疾患の状態に合わせて塩分・糖分などに注意が必要です。
またエネルギー量も(1食で)100キロカロリー以下に抑える・低カロリーのおやつを選ぶなどの配慮が必要です。
出典:厚生労働省【間食のエネルギー(カロリー) | e-ヘルスネット】
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高齢者向けおやつ・おすすめレシピ
それでは、高齢者向けのおやつ・おすすめレシピを、レシピサイトより3つご紹介します。
高齢者の方は、個々の状態に合わせて選んで下さい。
また、おやつと一緒にお茶などの水分補給もお忘れなくどうぞ。
- ツルンと食べやすい「ぷるるん緑茶ぷりん」
- サッパリ美味しい「ゆかり羊羹」
- 簡単で作りやすい「卵白ミルクプリン」
ツルンと食べやすい「ぷるるん緑茶ぷりん」
- 『材料(2個分)』
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2. 作り方
- ゼラチンを水でふやかしておく
- 牛乳を弱火にかけ、緑茶の茶葉を入れて煮出す(沸騰に注意)
- 煮出したら、砂糖とゼラチンを入れてよく溶かす
溶いた卵を入れる
かき混ぜながら弱火で加熱し、とろみが少し出てきたら止める - 目の細かいザルなどで濾し、器に入れる
- 粗熱をとり、冷蔵庫で冷やし固めたら、できあがり
3. コツ・ポイント
- 卵を入れるときは、少し冷ましてから混ぜると良い(牛乳が熱すぎると卵が固まってしまうため)
- お好みで黒蜜や、あんこを添えても良い
- 緑茶に限らず、抹茶・ほうじ茶・紅茶・コーヒーなどでも作れる
- 100円ショップで手に入る「プッチン容器」が重宝
サッパリ美味しい「ゆかり羊羹」
- 『材料 20×14㎝の角パッド容器(6~8人分)』
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2. 作り方
- 鍋に水・粉寒天を入れて火にかけ、かき混ぜながら煮溶かす
- 沸騰してきたら砂糖・こし餡を入れ、再度加熱する
- 溶けたら時々かき混ぜながら50度まで冷やす
- 最後にゆかりを入れて、かき混ぜたら型に流して、冷やし固める
3. コツ・ポイント
- ゆかり以外の材料をかき混ぜながら50度まで冷ますと、寒天とあんが分離しなくなる
- 白あんを使う時はゆかりを混ぜるタイミングで食紅を少し入れるとゆかりの色が鮮やかに仕上がる
- ゆかりはお好みの量で調整する。
- 甘さの中の塩気がいいアクセントになっていて、夏にぴったりのデザート
- 寒天の量が控えめなので、軟らかめな仕上がりで食べやすい
簡単で作りやすい「卵白ミルクプリン」
- 『材料(マグカップ1つ分)』
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2. 作り方
- 卵白を切るように混ぜ合わせる
- 牛乳を加えて混ぜ合わせる
- 砂糖も加えて混ぜ合わせる
- 一度、濾す
- マグカップに移す(耐熱性の容器ならなんでもOK)
- ふんわりとラップして、600Wのレンジで2分加熱する
- ここから10秒ずつ、様子を見ながら加熱する
- 溢れそうになったら、加熱をすぐに止める
- 取り出して、ラップをしたまま2分ほど余熱で固める
- カップから取り出してお皿に移す
3. コツ・ポイント
- バニラエッセンス(バニラオイル)を入れると、美味しさが増す
高齢者のためのおやつは「食べる楽しみ」も考慮して選ぶことが大切です。
厚生労働省の調査結果も、高齢者に対する「食べる楽しみ」の支援の重要性を指摘しています。
また「医療的アプローチの偏重」が「食べる楽しみの阻害因子」になっているとの指摘もあります。
例えば、誤嚥を恐れてとろみのついたものだけを提供したり、(要介護者を病人に近いものと見なして)食事を共にしないといったことです。
ですが現在は医療・栄養面の配慮だけでなく、高齢者本人が自ら楽しく食べることの大切さが推奨されています。
高齢者のためのおやつも、食事と同じように「食べる楽しみ」を十分考慮して選んだり、作ったりしたいものです。
出展:厚生労働省【在宅高齢者の口から食べる楽しみの支援の在り方に関する調査研究】
高齢者向けのおやつ・まとめ
ここまで、高齢者のためのおやつについて、お伝えしてきました。
高齢者向けのおやつの要点は、以下の通りです。
- おやつには栄養・水分の補給、さらにコミュニケーションの役割がある
- おやつを食べる時間帯に配慮が必要
- 高齢者に適した硬さ・量に配慮が必要
- 高齢者おやつには「食べる楽しみ」を考えた、おすすめレシピが多数ある
これらの情報が、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。