「マイコプラズマってどうやって感染するんだろう」
「マイコプラズマに感染したかもしれない」
自分や家族が体調不良になってしまった方の中には、マイコプラズマの感染を疑っている方もいるのではないでしょうか。
マイコプラズマ肺炎は、子どもに発症しやすい病気として知られていますが、大人でも感染して発症するケースがあります。
そこで本記事では、以下の点を中心に詳しく解説していきます。
- マイコプラズマの感染経路
- マイコプラズマ感染後の出社・登校の目安
- マイコプラズマの感染を防ぐ対策
ぜひ最後までお読みください。
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マイコプラズマの感染経路は2種類
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早速本題ですが、マイコプラズマの感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」の2種類です。
病原体が含まれた唾液がくしゃみなどによって空中に飛散し、それを吸い込むことで感染することを飛沫感染と言います。
また、接触感染は、感染者と直接皮膚や粘膜が接触することによる感染と、感染者が使った物に触れる、
または使うといった、間接的な経路による感染があります。
マイコプラズマの感染経路は、風邪がうつるときと同じなので、誰でも感染する病気です。
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マイコプラズマはどんな病気?風邪との違いも紹介
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本項目では、マイコプラズマがどんな病気なのか、風邪との違いを分かりやすく解説していきます。
結論から述べると、マイコプラズマは風邪と似ている部分が多く、医療の知識がない人では見極めが難しい病気です。
とは言え、明確な違いもありますので以下の4点を中心に解説します。
- 原因となる病原体
- 症状
- 感染力の強さ
- 潜伏期間
原因となる病原体
マイコプラズマと風邪の明確な違いの1つ目は「病原体」です。
風邪は、主にウイルスによって引き起こされる病気です。
ウイルスは自己増殖機能がなく、人の細胞に侵入して増殖するという特徴があります。
一方のマイコプラズマは、マイコプラズマ・ニューモニエという細菌に感染することで引き起こされる病気です。
マイコプラズマ・ニューモニエは、人や生物の体内に侵入しなくても自己増殖できるという特徴を持っています。
生物学的な視点で言うと、マイコプラズマと風邪の原因となるそれぞれの病原体の違いは、生物がいなくても単独で生存できるかという点です。
症状
2つ目は「症状」です。
マイコプラズマに感染すると「マイコプラズマ肺炎」という病気を引き起こし、次のような症状があらわれます。
- 発熱
- 全身の倦怠感
- 頭痛
- 乾いた咳
発熱と倦怠感、さらに頭痛といった症状が感染初期にあらわれ、その後3~4日遅れて乾いた咳が出始めます。
また、若年層の間では、乾いた咳から「ゴホゴホ」と淡が絡む咳に変化し、咳症状が長期化するといった特徴があります。
咳症状は風邪にもあらわれる症状のため、マイコプラズマ肺炎との見極めが難しく、正確な診断には検査が必要です。
感染力の強さ
3つ目は「感染力の強さ」です。
マイコプラズマは、風邪やインフルエンザと比べると感染力が強くありません。
そのため、風邪やインフルエンザで見られる、集団感染が少ないのも特徴です。
ただし、感染者と長時間、車内や室内で会話するなどの濃厚接触をすると、感染リスクは上がります。
また、患者の約8割が14歳以下の子どもであるという報告もあるので、子どもは特に注意が必要です。
感染力が強くはないとは言え、日頃から感染予防を行い、健康状態を維持しましょう。
潜伏期間
4つ目は「潜伏期間」です。
潜伏期間とは、感染してから症状があらわれるまでの期間を指します。
風邪の潜伏期間が5〜6日といわれているのに対し、マイコプラズマの潜伏期間は2〜3週間と比較的長めです。
症状が出るまで感染したことに気づかず、周囲の人にうつしてしまうこともあります。
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マイコプラズマを疑ったときの受診の目安
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本項目では、マイコプラズマの感染を疑ったときの受診の目安となる症状をご紹介します。
前述したとおり、マイコプラズマに感染すると、マイコプラズマ肺炎となり、身体に様々な症状があらわれます。
その中でも、受診の目安となる症状は次の6つです。
- 発熱が1週間以上続く
- 痰が絡む咳が1週間以上続く
- 咳が激しくて眠れない
- 息苦しさや息切れがある
- ぐったりしている
- 顔色が良くない
このような症状は、放置すると重症化のリスクが高まるので、早めの受診が必要です。
以下の記事では、感染症の種類について詳しく紹介しています。
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マイコプラズマの検査と診断までの流れ
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マイコプラズマの感染の有無は、検査を行って診断します。
医療機関で行うマイコプラズマの検査は、主に次の3通りです。
検査方法 | 結果が出るまでの期間 | 精度 | |
血液検査 | 2回採血して、血液中のIgM抗体を検査をする | 3週間近く | 高め |
抗原検査 | 綿棒で喉の粘膜をこすり、検査キットにかけて細菌の有無を調べる | 15分ほど | 低め |
レントゲン検査 | 胸部をX線で撮影し、画像から病気の有無を調べる | 当日 | 他の検査と合わせて総合的に判断 |
精度の高い検査方法は、血液検査になりますが、結果が出るまでに時間がかかるのがデメリットです。
そのため、多くの医療機関では、すぐに診断結果が出る、抗原検査を利用しています。
レントゲン検査は、それ単体で判断するというよりは、根拠を持たせるために他の検査と組み合わせて利用することが多いです。
医療機関の検査でマイコプラズマ肺炎と診断された後は、抗生剤の服用による治療を行っていくことになります。
マイコプラズマ感染後の治療法
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本項目では、マイコプラズマに感染した後の治療法について、以下の2つをご紹介します。
- 自然治癒
- 抗生剤治療
自然治療
治療法の1つ目は「自然治癒」です。
マイコプラズマの感染によって引き起こされる咳などの症状は、自然に改善していくものがほとんどです。
自然治癒に要する期間は3週間程度なので、時間が経つにつれ症状が軽くなっているなら、わざわざ病院にかかって抗生剤治療をする必要はありません。
症状が軽いなら、水分と栄養のある食事、そして十分な休養も取り、身体の治癒力を上げて早期回復に努めましょう。
抗生剤治療
2つ目は「抗生剤治療」です。
咳などの症状が悪化したり、長引くようであれば抗生剤を服用して治療していきます。
マイコプラズマ感染における有効な抗生剤は、主に次の3つです。
- マクロライド系抗菌薬
- テトラサイクリン系抗菌薬
- ニューキノロン系抗菌薬
マクロライド系抗菌薬は、第一選択薬として服用することの多い薬ですが、子どもには効きづらいのが特徴です。
そのため、マクロライド系抗菌薬の服用で症状が改善しないときは、テトラサイクリン系抗菌薬やニューキノロン系抗菌薬の服用に切り替えて治療を行います。
ただし、テトラサイクリン系抗菌薬は、8歳以下の子どもが2週間以上使用すると、歯が黄色くなったり、
骨の発達に影響を与える可能性があるため、短期間の服用にとどめます。
服用する薬は、医師と相談して決めるのがよいでしょう。
マイコプラズマ感染後の出社・登校の目安
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本項目では、マイコプラズマ感染後の出社・登校の目安についてご紹介します。
結論を述べると、マイコプラズマは明確な出勤・出席停止の期間が設けられていないため、基本的には自己判断で休む日数を決めます。
出勤や出席の目安は、発熱が見られる場合は解熱してから2日後ですが、咳などの諸症状が悪化しているようであれば、1週間の自宅療養が望ましいです。
どうしても外出しなければならない場合は、マスクを着用して感染症対策を行うなど、周囲への配慮を行いましょう。
マイコプラズマの感染を防ぐ対策
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本項目では、マイコプラズマの感染を防ぐ対策について、以下の7つをご紹介します。
- 手洗いとうがいを徹底する
- マスクを着用する
- 人混みを避ける
- 食器類やタオルは共用しない
- 室内を定期的に換気する
- 質の良い食事や睡眠を心がける
- 衣類をこまめに変える
手洗いとうがいを徹底する
マイコプラズマの感染予防対策の1つ目は「手洗いとうがいを徹底してやること」です。
まず、マイコプラズマを身体の中に入れないためには、手や喉に付着した菌を洗い流すことが大切になります。
手洗いとうがいは付着した細菌を落とす効果があるとされるため、帰宅時や食事の前には必ず行い、
習慣化しましょう。
また、感染者が手洗いとうがいをすることで、周りに感染を広げないといった効果も期待できます。
マスクを着用する
2つ目は「マスクの着用」です。
マスクの着用は、会話時などの飛沫感染を防ぐことができます。
咳が頻発に出たり、大きな声を出すときは、咳エチケットとしてマスクを必ず着用してください。
人混みを避ける
3つ目は「人混みを避けること」です。
人混みなどの密集した空間は、人と人との距離が近く、くしゃみや会話から飛沫感染しやすいといった危険性があります。
公共交通機関の中など、相手との間隔が保てない場合は、その場にいる時間をなるべく短くするようにしましょう。
マイコプラズマに感染している際は、なるべく人混みを避け、周囲の人に感染させるリスクを抑えることが重要です。
食器類やタオルは共用しない
4つ目は「食器類やタオルは共用しないこと」です。
感染者が使用した食器やタオルには、菌が付着しており、共用することで感染が広がってしまいます。
マイコプラズマは潜伏期間が長く、いつ、どこで感染するか分からないので、普段から自分用の食器やタオルを用意して、共用を避けるよう心がけましょう。
室内を定期的に換気する
5つ目は「室内の定期的な換気」です。
室内の空気を入れ替えることで、菌やウイルスなどが滞留した空気を外に逃がすことができます。
効果的な換気を行うためにも、1時間で2回以上、5分間窓を開けることをおすすめします。
「人へうつさない」「人からもらわない」ためにも、普段から室内を換気する癖をつけておきましょう。
質の良い食事や睡眠を心がける
6つ目は「質の良い食事や睡眠を心がけること」です。
マイコプラズマに感染すると咳症状が出て、人にうつしやすくなるので、症状を早く緩和させたり、改善させることが必要になります。
そこで自然治癒力を高めるために必要なのが、質の良い食事と睡眠です。
特に、納豆やヨーグルトなどの発酵食品は、治癒力が高まる食品として昔から注目を集めてきました。
発酵食品などを中心とした質の良い食事と十分な睡眠により、免疫力を上げて、早く治す努力をしましょう。
衣類をこまめに変える
7つ目は「衣類をこまめに変えること」です。
外出時に着ていた服には、人との会話や接触で菌が付着している可能性があります。
感染のリスクを下げるためにも、外から帰宅したら、清潔な衣類に着替えましょう。
また、着ていた衣類を振ってしまうと、付着していた菌が飛び散るため注意が必要です。
衣類に付着した菌は洗濯で除去できますので、脱衣後はすみやかに洗濯することをおすすめします。
また、洗濯が難しいコートやスーツなどの衣類は、除菌スプレーを使って手入れをすることで、付着した菌を除去できます。
マイコプラズマの感染を防ぐためにも、衣類の手入れは習慣化しましょう。
感染症の予防方法について、以下の記事で詳しく解説しています。
感染症予防について感染症は、私たちの日常生活や社会活動に深刻な影響を及ぼす可能性があります。その影響を最小限に抑えるためには、感染症の予防が不可欠です。しかし、具体的にどのような予防方法があるのか分からない場合は対応が難しいです[…]
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マイコプラズマは再感染や合併症のリスクも
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マイコプラズマ肺炎は、一度症状が治ったとしても、再発する可能性のある病気です。
なぜなら、マイコプラズマに感染しても、十分な免疫は獲得できないからです。
また、マイコプラズマの症状が悪化しているにもかかわらず放置すると、以下のような合併症のリスクが上がります。
- 髄膜炎
- ギランバレー症候群
- 膵炎
- 肝機能障害
- 貧血
合併症を患うと、最悪の場合、入院や手術などを行うことになるので費用もかさみます。
咳などの諸症状が一向に改善しないなど、不安なときは医療機関を受診しましょう。
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マイコプラズマの感染経路まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、マイコプラズマの感染経路や症状、受診の目安など幅広く紹介してきました。
要点を以下にまとめます。
- マイコプラズマの感染経路は主に、「飛沫感染」と「接触感染」の2種類がある
- マイコプラズマは明確な出勤・出席停止の期間が設けられていないため、基本的には自己判断で休む日数を決める
- マイコプラズマの感染を防ぐ対策として、手洗いとうがいを徹底する、マスクを着用する、
人混みを避ける、食器類やタオルは共用しない、室内を定期的に換気する、
質の良い食事や睡眠を心がける、衣類をこまめに変えるなどが重要である
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。