認知症予防に重要なことの一つとして、食生活の見直しが挙げられます。
そして最近では特に、認知症予防と食用油の関係性が注目されています。
食用油には、認知症予防に良い影響を及ぼすものもあれば、悪い影響を及ぼすものもあります。
そのため、認知症予防に良い食用油を知っておくことは重要です。
今回は認知症予防と油について、以下の項目を中心に解説します。
- 認知症と油の関係
- 認知症予防に良い油
- 認知症予防と油の注意点
認知症予防のために、認知症と油の関係性について正しい知識を身に着けましょう。
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認知症と油の関係
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認知症は「第3の糖尿病」であると言われています。
そのため、認知症予防には適度な運動、脳のトレーニング、そして食生活の改善を含めた生活習慣の改善が重要です。
食事を摂る上で、中鎖脂肪酸(MCT)とオメガ3系脂肪酸が、認知症予防に効果的とされています。
そのため、中鎖脂肪酸とオメガ3系脂肪酸が含まれた食用油の摂取が重要です。
また、中鎖脂肪酸は脳のエネルギー源を生み出すことができるので、認知症が進行している患者へのオイル療法に用いられる場合があります。
しかし、サラダ油などの植物油脂は、脳の神経細胞を死滅させる効果があるため、認知症を進行させる油として知られています。
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認知症予防に良い油
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ここからは、認知症予防に良い油の種類について、詳しく解説します。
えごま油
えごま油には、α-リノレン酸という脂肪酸が多く含まれています。
α-リノレン酸の働きについては次項で解説します。
えごま油は加熱されてしまうと、α-リノレン酸が酸化してしまい過酸化脂質という物質に変化してしまいます。
そのため、加熱がすんだ料理などに少量かけて摂取するようにしましょう。
ココナッツオイル
ココナッツオイルは、主成分が中鎖脂肪酸です。
中鎖脂肪酸の働きについては次項で解説します。
ココナッツオイルを摂取する場合は、加熱しないで1日にスプーン1杯摂取することを習慣づけましょう。
なお、開封すると酸化が進んでしまうため、1〜2ヶ月で使い切れる量の物を購入してください。
また、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は、中性脂肪になりにくいという性質もあるため、肥満予防にも役立ちます。
その他
えごま油、ココナッツオイルの他にも、アマニ油、MCTオイル、オリーブオイル等が認知症予防に有効です。
これらの油は、サラダ油などに多く含まれているリノール酸が少ない油です。
アマニ油やMCTオイルは、えごま油やココナッツオイルと同様に酸化しやすいため、加熱せずに1日にスプーン1杯の摂取が効果的です。
オリーブオイルは酸化しにくいため、保存性も高く、加熱調理しても効果を発揮します。
また、オリーブオイルには脳の炎症を抑えるオレオカンタールという成分が含まれている点が、他の油と比べても良い点です。
オリーブオイルには様々な種類がありますが、加熱処理、化学的処理がされていない、エクストラバージンオリーブオイルを選ぶようにしましょう。
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油が認知症予防に良い理由
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ここからは、油が認知症予防に良い理由について、詳しく解説します。
α-リノレン酸
先述したえごま油、アマニ油などの油には「オメガ3系脂肪酸」という脂肪酸が含まれています。
代表的なオメガ3系脂肪酸に「α-リノレン酸」という物質があります。
α-リノレン酸は体内で生成することができず、食品からの摂取が必要です。
α-リノレン酸は体内に入ると、その一部は青魚に多く含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)に変化されます。
DHAやEPAは血流の改善につながります。
特にDHAは脳細胞膜の材料になるため、神経組織の維持に欠かせない成分です。
DHAは、神経細胞の情報伝達を活性化させる働きがあるとされています。
認知症の原因は、脳の神経細胞が死滅し、脳がうまく働かなくなることです。
そのため、脳細胞の活性化は認知症予防において重要です。
α-リノレン酸は酸化しやすいため、加熱せずに完成した料理にかけるなどして摂取するようにしましょう。
厚生労働省は、1日に男性2.4g、女性2gのオメガ3系脂肪酸の摂取を推奨しています。
中鎖脂肪酸
中鎖脂肪酸は、先述したココナッツオイルや、パームなどヤシ科の植物の種子などに含まれている脂肪酸です。
中鎖脂肪酸が認知症予防で注目されている理由は、体内に入るとケトン体という物質を作り出すことができるからです。
ケトン体にはブドウ糖の代わりに脳のエネルギー源として働く機能があります。
アルツハイマー型認知症の脳は、ブドウ糖をうまく取り込めず、うまく活用することができません。
ケトン体を摂取することで脳のエネルギー不足を補い、認知症予防につながります。
ただし、ココナッツオイルには特有の香りがあるため、好き嫌いが分かれます。
そのため、中鎖脂肪酸の摂取にはMCTオイルを使用することをおすすめします。
MCTオイルは加熱すると煙が出やすいので、食べ物や飲み物にかけると摂取しやすいです。
ただし、過剰な摂取は下痢の原因になります。
1日大さじ1杯(14g)を目安にして、小さじ1杯(4.6g)程度から徐々に摂取量を増やしていきましょう。
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植物油脂が認知症予防に悪い理由
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認知症予防に悪い油として植物油脂が挙げられます。
以下が植物油脂として知られる油の代表例です。
- キャノーラ油
- ひまわりサラダ油
- とうもろこしサラダ油
ここからは、植物油脂が認知症予防に悪い理由を、詳しく解説します。
トランス脂肪酸
植物油脂は製造過程で加熱処理が行われます。
加熱処理の際に、トランス脂肪酸という物質が少なからず入る可能性があります。
トランス脂肪酸は自然界には存在せず、人工的に作られた脂肪酸です。
そのため、体内で消化するのに時間がかかり、悪玉コレステロールを増やす原因となります。
悪玉コレステロールが増えると、血管中に油の塊を作り血管を狭めてしまいます。
その結果、高血圧などの生活習慣病につながり、認知症発症のリスクを増幅させてしまいます。
リノール酸と高熱処理
先述したキャノーラ油、ひまわりサラダ油、とうもろこしサラダ油には、リノール酸という物質が含まれています。
リノール酸を含む油は、200℃以上の高熱処理が施されると、脳の神経細胞を傷つける物質を生成してしまいます。
また、リノール酸の高熱処理によって生み出される物質は、摂取するたびに体内に蓄積される物質です。
蓄積されてしまうと、脳の神経細胞が徐々に傷つき、認知症発症のリスクが高まってしまいます。
しかし、リノール酸は体内では生み出すことができない、必須脂肪酸の一つです。
そのため、少なからず食品から摂取しなければなりません。
摂取量の目安については次項で紹介します。
認知症予防と油の注意点
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植物油脂は先述したサラダ油だけでなく、市販の菓子パン、スナック菓子、ケーキなど、あらゆる加工食品に含まれています。
そのため、料理用の油を替えただけでは、認知症予防として不十分な可能性があります。
しかし、植物油脂に含まれるリノール酸が必須脂肪酸であることも事実です。
リノール酸とDHA、EPA、α-リノレン酸の摂取バランスが非常に重要となります。
リノール酸とDHA、EPA、α-リノレン酸は、それぞれ2:1の割合で摂取することが推奨されています。
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油以外の認知症予防法
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ここまで紹介してきた認知症予防に効果的な油に加えてカカオにも、認知症予防効果の可能性があることが最近わかってきました。
カカオ豆には、体の健康を促進する抗酸化作用が強いポリフェノールが豊富に含まれています。
ポリフェノールには、認知症の進行を勧めてしまう異常タンパク質の凝集を抑制する効果が認められました。
カカオ豆が、認知症の原因である異常タンパク質を抑える効果はマウス実験での内容になります。
マウスで起きた減少が人間でも、まったく同じ作用が起きるかは不明です。
しかし、カカオの健康効果は認知症予防の他にも脳機能の向上や炎症を抑えるなどの健康効果があります。
砂糖の少ない高カカオ配合のチョコレートを選ぶと、高い健康効果を期待することができます。
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認知症予防と油のまとめ
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ここまで認知症予防と油についての関係性、認知症予防に良い油、油の注意点などを中心にお伝えしてきました。
ここまで解説してきた内容をまとめると以下のようになります。
- 認知症予防に効果的な油は存在し、オイル療法として用いられることもある
- 認知症予防に良い油は、α-リノレン酸、中鎖脂肪酸が含まれている油
- 植物油脂の過剰摂取には注意が必要だが、α-リノレン酸などとの摂取バランスが重要
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。