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健達ねっと>認知症を学ぶ>認知症は告知すべき?認知症を告知するメリット・デメリットを解説!

認知症は告知すべき?認知症を告知するメリット・デメリットを解説!

認知症の人とそうでない人の境は曖昧です。
そのため、突然認知症と診断された場合、ほとんどの方が戸惑ってしまいます。

本人に告知するべきかどうか悩んでいる家族も多いのではないでしょうか。

今回は、認知症の告知について以下の点を中心にご紹介します。

  • 認知症であることを告知すべきか
  • 認知症の告知のメリット・デメリット
  • 告知するかしないかはどう決めるのか
  • 告知をする上で気を付ける点
  • 認知症を告知した後のサポート

認知症を告知する時のためにも、参考にしていただけると幸いです。
ぜひ最後までご覧ください。

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認知症を告知すべきか

認知症を告知すべきか悩む医者

認知症の告知はとても難しい問題です。

2019年に日経メディカルが行った医師へのアンケート結果では、49.6%が「本人と家族に告知する」と回答。
「本人への告知は家族と相談して決める」との回答が34.1%でした。

このように、医師の間でも告知方法に差が出ているのが現状です。

認知症であることは本人に告知するべきなのでしょうか?

実際に告知をする理由と、逆に告知をしない理由は以下の通りです。

告知する理由

患者本人に告知する理由は、「病気への理解を深める」「患者の知る権利を尊重する」「患者の決める権利を尊重する」などがあります。

病気への理解を深めてもらう

告知することで、病気を患っているという事を認識することができます。
それによって自分の病気や病態を理解し、患者本人が適切に対処する事を期待しています。

患者の知る権利を尊重する

全ての患者は、自分の状態を知る権利を持っています。
患者の知る権利を尊重するために、患者本人には辛い事実であっても伝える医師が多いです。

患者の決める権利を尊重する

患者の知る権利と同様に、患者には自身の治療を決める権利を持っています。
自分自身が望む治療を受けるためにも、自分の病気を知る必要があります。

告知しない理由

逆に、患者本人に告知しない理由としては「病態の理解が難しい」「家族からの依頼」「患者のショックを避ける」が挙げられます。

病態の理解が難しい

認知症という病気の特性上、病気が進行してしまうと病態を理解することが難しくなります。

患者本人に理解できないような情報を与え、混乱させてしまうよりも告知せずに治療を進める選択をする医師もいます。

家族からの依頼

患者家族から、患者本人には告知しないでほしいと依頼されることもあります。
このような場合は、患者本人の性格や状況を一番よく見ている家族の意思を尊重しています。

患者がショックを受け、失望する可能性がある

認知症という病気は、一度かかってしまうと根治治療が難しい病気として知られています。

そのため、不意に告知された時のショックは大きいです。
ショックから立ち直ることが出来ない場合もあります。

そういった事態を防ぐため、患者本人の性格を見て告知しないと判断されることもあります。

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認知症の告知のメリット・デメリット

認知症の告知のメリット・デメリットを考える高齢者

どのような病気でも同じなのですが、認知症を告知することにはメリットとデメリットがあります。

メリット

患者本人へ告知をするメリットは「不安の解消」「本人が治療に納得できる」「時間の確保」が挙げられます。

不安の解消

認知症の患者は、程度には差があるものの、日常生活に異変を感じています。

今までできていたことができなくなったけど、理由はわからない方が多いです。
理由がわからない状況を不安に感じない方はいません。

しかし、原因を理解することができれば、少しずつ不安を解消できます。
今までできていたことができなくなったのは認知症のせいだと知ることで、安心することができます。

また、余計な不安は症状の悪化に繋がるため、症状を安定させるといったメリットもあります。

本人が治療に納得できる

認知症は自己管理や毎日の工夫・意識が必要な病気です。
本人に告知をせず、家族だけで認知症の治療をする事は難しい場合もあります。

治療の必要性が理解できず、本来なら必要な治療が拒否されることも考えられます。
本人に認知症初期の段階で告知をすることで、本人が納得して必要な治療に臨むことができるのです。

時間の確保

認知症の根本的な治療方法はまだ見つかっていません。
進行を遅らせる事はできても、症状は少しずつ進んでいきます。

認知症が進行すると、自分自身や周囲の事が分からなくなってしまいます。
その前に、本人のやりたいことややっておくべきことを実行する必要があります。

ただ、本人への告知なしに時間の確保や動機付けは難しいです。
早期の告知によって患者本人の時間が確保され、納得のいく人生を送ることができるのです。

デメリット

本人へ告知するデメリットとしては「患者が混乱」「深く落ち込む」「治療に影響」が考えられます。

患者が混乱

認知症は治療が難しい病気です。
告知により、患者本人が傷つき、混乱してしまうも充分に考えられます。

そのため、患者ができるだけ傷つかないような対応が必要です。

深く落ち込む

認知症は時折「人格の死」と言われることがあります。
自分自身の事が分からなくなり、性格も変わってしまうからです。

認知症の診断を受けた場合、自分の人格は死んでしまったと考え深く落ち込む方もいらっしゃいます。

治療に影響

認知症と診断されることで、今後の人生に不安を覚え、精神面が不安定になることも多々あります。
精神状態が不安定になると、認知症の症状も悪化し、治療に影響することがあります。

精神状態にできるだけ影響を与えないような告知の工夫が必要です。

告知するかしないかはどう決める?

告知するかしないかはどう決めるかどうか考える男女

医師は認知症患者に告知するのか、しないのかをどのような基準で決めているのでしょうか?
基本的には相手の性格や考え方を踏まえる、家族の方針の2点に重点を置いています。

相手の性格や考え方を踏まえる

ここまでお伝えしたように、認知症の告知は非常に難しいです。
認知症患者の受け止め方によっては、今後の治療にも多く影響を与えてしまいます。

そこで、医師は相手の性格や考え方を踏まえて告知の有無を決定する必要があります。

症状の原因がわからず不安に悩まされている方には告知が必要です。
一方で、認知症を重く受け止めてしまう方には告知しない方がいい場合もあります。

同じ症状を抱えていても、不安の感じ方は人それぞれです。

現在患者が抱えている症状に対して、どう感じているのか、どう対処したいのかを知る必要があります。

家族で方針を決める

認知症は患者本人の問題だけではありません。
患者の家族や周囲の支えなしに治療は困難です。

患者と患者の家族、医師の三人四脚で治療を進めていく中で、家族の方針は重要な意味を持ちます。
患者のことを一番近くで見ているからこそ、家族の情報は非常に貴重です。

患者と患者家族の双方が納得できる治療を進めていくために、患者の家族の想いと医師の知識や技術をすり合わせて行くことが重要です。

告知する上で気を付けるべき点

告知する上で気を付けるべき点を考える高齢者

患者の状態確認、家族との相談を経て告知が決まったとしても、さらに気を付ける事があります。
患者本人への伝え方です。

患者は認知症の症状を抱え、毎日不安な状態で過ごしています。
そんな中不適切な告知をしてしまうと、余計不安になり症状も悪化してしまいます

そのため、「ネガティブな表現は避ける」「認知症という言葉は使わない」などの点に気を付けて告知する必要があります。

ネガティブな表現は避ける

全ての状況に共通する事ですが、ネガティブな表現はネガティブな考えに繋がります

これから前向きに治療する状況で、ネガティブな考え方は出来るだけ排除することが望ましいです。

同じ内容を伝えるにしても、ネガティブな表現をポジティブな表現に言い換えましょう。

「認知症」という言葉を使わない

認知症という言葉はネガティブなイメージが強いです。

認知症という言葉をはっきりと使わずに「加齢に伴う病気」や「物忘れの病気」など簡単で分かりやすい言葉を使う事もできます。

「認知症」という言葉に敏感な方も多いので、認知症であることを段階的に理解してもらえるような工夫も有効です。

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認知症を告知した後のサポート

認知症を告知した後のサポートを考える高齢者

認知症と診断されると、患者の家族による支援は不可欠です。

認知症は根本的には治せない病気なので、介護の負担が大きい場合もあります。
家族が負担になりすぎないように公的支援などを利用しましょう。

認知症の場合、40歳から介護保険を利用できます。
介護保険の利用には、申請と認定が必要です。

認定区分(要支援1~2,要介護1~5)によって、利用できる内容や回数が違います。
お住まいの地域包括センターか介護保険の窓口へ相談してみましょう。

認定を受け、ケアプランを作成すると様々なサービスを受けることができます。
自宅でのサービスとしては「訪問介護」「訪問看護」「訪問リハビリテーション」「訪問入浴」があります。

通所サービスでは「デイサービス」「デイケア」があります。

施設サービスには「ショートステイ」「介護老人保健施設」「特別養護老人ホーム」「グループホーム」が該当します。

患者それぞれに合ったサービスを利用し、介護負担を出来るだけ削減するように工夫しましょう。

薬の使い方

認知症の告知まとめ

認知症の告知まとめを聞く高齢者

ここまで、認知症の告知についてご紹介しました。
この記事の要点を以下にまとめます。

  • 認知症の方への告知の割合は約半数
  • 認知症を告知するときは、患者本人の病気の受け止め方の違いを考慮する
  • 認知症の告知は家族の意思も重要
  • 認知症を告知するときはネガティブな表現を避け、認知症というワードは控える
  • 認知症の場合40歳から介護保険が利用できる

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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