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健達ねっと>認知症を学ぶ>うつ病と認知症の違いは?関係性や見分け方を解説します!

うつ病と認知症の違いは?関係性や見分け方を解説します!

うつ病と認知症は一見まったく違う病気のようですが、共通点もあります。
うつ病と認知症の関係や違いをご存知ですか?

今回は、うつ病と認知症について以下の点を中心に解説します。

  • うつ病と認知症の関係
  • うつ病と認知症の併発について
  • 見分け方の難しい「老人性うつ」「うつ病性仮性認知症」
  • うつ病と認知症の治療方法

誤解を防ぐためにも、参考にしていただけると幸いです。
ぜひ最後までご覧ください。

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認知症とは

認知症

認知症とは、認知機能の低下によって日常生活に支障が出てくる状態をいいます。

認知症と聞くと、物忘れや徘徊をイメージする方が多いでしょう。
しかし、中核症状や、付随して発症する周辺症状など、認知症の症状は多岐にわたります。

さらに、認知症に対する根本的な治療方法をまだ見つかっていません。
認知症の症状を理解し、早期発見に繋げることが大切です。

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うつ病とは

うつ病

では、うつ病はどのような症状を指すのでしょうか。
うつ病の症状は、「何をしても楽しめない」「気分が落ち込んだまま」などです。

人は誰でも気分が落ち込むこともあれば、何をしても楽しめない日もあります。

しかし「日常生活に支障をきたしている」ことが、うつ病の特徴です。

うつ病と認知症の関係

うつ病と認知症の関係

認知症とうつ病は、どちらも日常生活に支障をきたすことがわかりました。

認知症とうつ病は併発する可能性があるということが厄介です。

認知症を患えば「自分が周囲の人々の重荷になっている」などの感情が生じ、うつ病になるケースがあります。

うつ病の人が引きこもると、脳への刺激が減少します。
脳への刺激が減少すると、認知症を併発してしまう可能性が高いです。

また、うつ病と認知症はどちらも脳の病気といわれています。
脳の病気を患った本人が、「自分は認知症なのか、それともうつ病なのか」を判別するのは難しいです。

うつ病と認知症の違い

うつ病と認知症の違い

共通点のあるうつ病、認知症ですが、決定的な違いはどこにあるのでしょうか。

続いてうつ病、認知症の違いについて解説していきます。

原因

認知症とうつ病、どちらも決定的な原因がないというのが頭を悩ませる部分です。

認知症の原因は1つではなく、さまざまなことが重なり進行するとされています。
その中でも、最も大きな原因は加齢です。

一方うつ病は、大きなライフイベントが原因となる点が特徴です。

「事業に失敗する」「離婚する」「別居する」といった挫折がきっかけで、抑うつ症状が見られるようになることが多いです。

症状

「認知症とうつ病、どちらの症状なのかわからない」と感じた場合、老人性うつを疑った方がいいかもしれません。

認知症だと思っていた方が、じつは老人性うつだった場合があります。
老人性うつの特徴は、突然「眠れない」「何をしても楽しくない」「死にたい」といったことを口にすることです。

老人性うつでは「記憶力」「判断力」「認識力」も低下します。

もし周囲に、老人性うつの疑いのある方がいれば、4つのポイントを探ってみてください。

4つのポイントとは「悲観的かどうか」「記憶障害の有無」「症状の進行速度」「自覚の有無」です。

悲観的かどうか

老人性うつを患うと、それまで楽観的だった方が悲観的になる傾向があります。

特に「死にたい」ということを口走るようになったら、老人性うつを疑ってみてください。

記憶障害の有無

記憶障害は認知症の代表的な症状です。
認知症の場合、軽度の記憶障害に始まり、徐々に重症化していきます。

一方老人性うつは、突然数日前からの記憶を思い出せなくなります

症状の進行速度

認知症の症状はゆっくりと進行していきます。
しかし、老人性うつは、1ヵ月ほどの短期間でもの忘れがひどくなります

「突然もの忘れが激しくなった」と感じたら、老人性うつの可能性が高いです。

自覚の有無

認知症の方は認知機能の低下に伴い、介護者が困る行動をよく起こします。
老人性うつの方も同様の行動が増えてきます。

しかし老人性うつの場合、問題を起こしているという自覚があります

老人性うつの方は、認知機能の低下を自覚していることが多いです。
そして、自分の症状が回復しているのか、悪化しているのかを気にすることができます。

老人性うつであることを疑う場合、「介護者が困る行動を起こしていることを本人が自覚しているか」もチェックしてみましょう。

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うつ病性仮性認知症とは

うつ病性仮性認知症

紹介した4つのチェック項目に当てはまらなかった場合、うつ病性仮性認知症を疑ってみましょう。
ここでは、うつ病性仮性認知症の特徴と症状を解説します。

特徴

うつ病性仮性認知症では、認知症の症状、うつ病の症状どちらも見られます。
ただし、うつ病性仮性認知症は、認知症ではなくうつ病の一種です。

認知症に似た行動が見られるため、一見認知症のようにも思われますが認知症ではありません。

うつ病性仮性認知症の治療方法は、うつ病と同じ方法になります。

症状

うつ病性仮性認知症の症状は、認知症と非常に似ています
しかし、認知症とは異なり自分の行動を自覚しています。

症状の始まりは、「やる気がない」「食欲がない」といったうつ病ならではの症状です。
以上の症状が悪化することで、記憶障害や認知障害を引き起こします。

薬の使い方

うつ病と認知症の見分け方

うつ病と認知症の見分け方

うつ病と認知症の違いを紹介してきました。
しかし、周囲の方々の判断だけではわからないことがほとんどです。

最終的には医師に相談することが大切です。
ここでは、受診の流れを解説します。

問診

問診する時は、介護に深く携わっている方も付き添いましょう。
本人だけでは伝えきれない部分を補うことが大切です。

うつ病か認知症なのか、それとも老人性うつ、うつ病性仮性認知症なのか、医師に相談してみてください。

脳画像検査

よりはっきり症状を知りたい場合は、脳画像検査の利用がおすすめです。
脳画像検査では、目には見えない脳の断面、血管の状態を画像化してくれます。

脳画像検査では「脳が萎縮していないか」などの情報を視覚的に確認することができます。

そのため、認知症かどうかをより明確に判断できます

血液検査

「血中PEA濃度測定」の測定値によって、うつ病の判定を行っている医療機関もあります。

血中PEA濃度測定とは、血液検査で血中のPEAという物質の濃度を測定します。
PEAの濃度は、うつ病かどうかの判別に有効です。

診断に不安がある場合は、血中PEA濃度測定を実施している医療機関に問い合わせてみるのも1つの手です。

うつ病と認知症の治療方法

うつ病と認知症の治療方法

うつ病と認知症の治療方法を解説します。

うつ病と認知症の対策・予防策は似ていますが、治療方法については大きな違いがあります。

うつ病

うつ病にはさまざまな治療法が推奨されていますが、代表的なのが「心理教育」「精神療法」「薬物療法」です。
それぞれどのような治療方法なのか見ていきましょう。

心理教育

心理教育では、本人だけでなく、周囲の方々にも「うつ病とはどのような病気なのか」を伝えます。

また「患者さんの精神が今どのような状態か」を伝えることにより、周囲の方々にもうつ病について理解してもらいます。

誤解されがちなうつ病を、周囲の方々にも知ってもらうことで「周囲から理解してもらえない」状態から脱却することもできます。

支持的精神療法

支持的精神療法とは、うつ病に関する症状、悩みなどを医師に打ち明けることです。
うつ病の方は「誰にも理解してもらえない」と思い込んでいるケースが多く見られます。

話を聞いてもらい、医師に悩みを共感してもらうことで、症状を少しでも和らげるのが支持的精神療法です。

薬物療法

心理教育、支持的精神療法で症状が回復に向かわない場合、状況に応じて薬物療法を行うこともあります。

「薬物療法は出来るだけ避けたい」と抵抗のある方も多いかもしれません。
しかし近年の抗うつ剤、睡眠導入剤等の薬は安全性の高いものばかりです。

自分の症状にぴったり合う薬を相談し、用法用量を守って使用すれば、うつ病の改善に大いに役立つことでしょう。

認知症

認知症を完全に治す治療法はまだ確立されていません。
完治することはできませんが、「薬物療法」「非薬物療法」の2つによって進行を遅らせることが可能です。

薬物療法

薬物療法とは、薬を投与しながら経過観察していく治療法です。
「認知症の進行」「脳機能の低下」を抑制するのに大いに役立ちます。

非薬物療法

現在多くの医療機関で見直されているのが、薬物を使用しない非薬物療法です。
非薬物療法とは、簡単にいえばリハビリテーションです。

低下した脳を活性化し、認知症の進行を抑制します。
薬物療法ほどの劇的な効果は期待できないかもしれません。

しかし、運動や社会貢献を通じて「自分らしい生活」を取り戻すことができます

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うつ病の人は認知症になりやすい?

うつ病の人は認知症になりやすい?

うつ病と認知症は一見違う病気ですが、「日常生活に支障をきたしている」ことをはじめ、関連性のない病気とは言い切れません。

片方の病気を患うことで、もう片方の病気も併発してしまう可能性があります。

認知症の危険因子の1つがうつ病です。
併発してしまうと、より自分の居場所がなくなり社会との繋がりが断たれます。

うつ病の人は認知症になりやすいことの証明にもなるでしょう。

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うつ病と認知症のまとめ

うつ病と認知症のまとめ

ここまでうつ病と認知症の関係や見分け方、治療法などを中心にお伝えしてきました。
要点を以下にまとめます。

  • うつ病と認知症は、「日常生活に支障をきたしている」「決定的な原因がない」などの共通点がある
  • うつ病と認知症は、併発する可能性がある
  • どちらの症状かわからない場合は「老人性うつ」「うつ病性仮性認知症」を疑う
  • うつ病の治療方法は「心理教育」「支持的精神療法」「薬物療法」がある
  • 認知症の治療方法は「薬物療法」「非薬物療法」がある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
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  • 障がい者雇用

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