認知症は、加齢や病気に伴って認知機能が低下している状態です。
なかでも20代から発症する可能性のある若年性認知症に不安があるという方もいるかと思います。
普通の認知症と若年性認知症の違いがわからないという方も多いのではないでしょうか?
今回は、若年性認知症について以下の点を中心にご紹介します。
- 若年性認知症と認知症の違い
- 若年性認知症の症状
- 若年性認知症の原因や予防法
- 若年性認知症の診断
20代からの認知症予防に繋げるためにも、参考にしていただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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若年性認知症と認知症の違い
若年性認知症と認知症の違いは発症する年齢です。
発症した年齢が65歳未満の方は若年性認知症、65際以上の方は認知症と呼ばれます。
若年性認知症を発症する平均年齢は51歳前後となっており、男性の発症が多い傾向にあります。
若年性認知症の症状は判断力の低下やもの忘れなど、認知症とほとんど同じです。
また、若年性認知症は本人や家庭に経済的な問題が生じるなど、認知症とは別の問題が生じる可能性もあります。
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20代でも若年性認知症になるの?
若年性認知症は20代でも発症する可能性があります。
ただし年齢が若ければ若いほど発症率は低いです。
発症する年齢によって、若年性認知症は以下の2つに分けられます。
- 18歳から39歳までの人は若年期認知症
- 40歳から64歳までの人は初老期認知症
また、若年性認知症はアルツハイマー型が最も多いです。
アルツハイマー型は遺伝が原因で発症するという研究結果もあるため、心配な方は調べてみてください。
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若年性認知症の症状とは
ここからは若年性認知症の症状について解説します。
症状には中核症状と周辺症状の2種類があります。
中核症状とは、記憶障害や判断力・理解力の低下といった認知症の代表的な症状です。
周辺症状とは、周囲の環境や心身の状態によって引き起こされる、中核症状の二次的な症状をいいます。
精神面だけでなく、徘徊のように行動面の症状があらわれることも周辺症状の特徴です。
若年性認知症の中核症状
若年性認知症の中核症状は以下になります。
記憶障害
「薬を飲んだかどうか」「食事をしたかどうか」などが分からなくなってしまう症状です。
認知症の代表的な症状のもの忘れが記憶障害に該当します。
見当識障害
日付が分からなくなったり、家族や友人を認識できなくなります。
また、別の人と記憶が混同してしまい、妻と娘の名前を間違えるというケースもあります。
理解力や判断力の低下
理解力や判断力が低下すると、「赤信号なのに道路をわたってしまう」「レジの支払いが困難になる」といった症状が現れます。
重度の場合、自動車の接近や踏切が降りていることに気がつかなくなります。
実行機能障害
実行機能障害では、連続した行動をすることが困難になります。
計画を立てること、順序だてて説明することが難しくなっていくといった症状が代表的です。
感情が不安定になる
若年性認知症になると、感情が不安定になっていきます。
特に、血管性認知症の人に多い症状です。
例えば、話しかけただけで怒ったり、急激な気分の浮き沈みがあったりと情緒不安定な面が目立つようになります。
若年性認知症の周辺症状
認知症と若年性認知症の周辺症状に大きな違いはありません。
ここでは、若年性認知症の周辺症状をご紹介します。
徘徊
徘徊は認知症の周辺症状のひとつで、行動・心理症状に該当します。
徘徊は、状況認識能力の低下によって自分の居場所が分からなくなり、迷子になってしまう症状です。
馴染みのない道に入ってしまったなど、環境の要因によっても起こり得ます。
また、トイレや食事のとれる場所に向かう途中で目的地を忘れ、あてもなく徘徊してしまうこともあります。
妄想
妄想は、実際に起きていないことを起きたと考えてしまう症状です。
もっとも多いパターンが被害妄想になります。
被害妄想では、物を盗まれた、ストーカー被害にあっていると思い込んだりしてしまいます。
幻覚
幻覚症状は幻視と幻聴の2種類に分かれます。
仕事中に幻視や幻聴が起きると集中力が乱されるだけでなく、夜中に眠れなくなってしまったりと生活に支障がでてきます。
無気力・うつ状態
認知症の人は、急に趣味への関心をなくすことがあります。
何事にも興味を示さなくなった結果、無気力状態となり、認知症と密接な関係にあるうつ病が併発する可能性もあります。
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若年性認知症のチェックリスト
若年性認知症の人には以下のような特徴が見られます。
- ものを置いた場所を頻繁に忘れる
- 数分前に聞いた話を思い出せない
- 朝食のメニューが思い出せない
- 同じことを何度も聞いてしまう
- 西暦や今日の日付を把握できない
- 買い物をひとりで行うことができない
- 言葉がすぐに出てこない
- 貯金管理や料金の支払い管理ができない
- 電車や自動車など交通手段の利用に難がある
- 電話を番号を調べるところからかけるところまでできるか
数が多いほど、またひとつひとつの度合が強ければ強いほど若年性認知症の可能性が高いです。
当てはまるようでしたら速やかに病院で診察してもらいましょう。
若年性認知症の原因
若年性認知症の原因は、以下の5つが代表的です。
- 遺伝的要因
- 不規則な生活習慣
- 過度のアルコール摂取や喫煙
- 生活習慣病
- 外傷
若年性認知症のなかでもアルツハイマー型認知症は遺伝的要因が大きいといわれています。
また、不規則な生活習慣も大きな要因です。
禁煙や生活習慣の改善によってリスクを下げられるので、すぐにでも認知症予防を心掛けましょう。
若年性認知症の予防法
若年性認知症の予防法は、前述した原因を取り除くことになります。
暴飲暴食に注意して規則的に睡眠をとるようにするといったことが重要です。
また趣味をもつことや積極的に人と関わることは脳へのよい刺激となるため、若年性認知症を防ぐうえで効果的な方法です。
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若年性認知症の診断
若年性認知症を疑って医療機関を受診された際、どのような診断がされるか分からない人も多いです。
ここでは、どのようにして若年性認知症が診断されるのか解説していきます。
若年性認知症の診断の流れは以下の通りです。
- 日常生活についてなどの問診
- 心理テストなどの検査
- MRIやCTといった画像撮影による診断
- 医師による最終的な判断
ここでは、問診や検査について解説します。
日常生活の状態チェック
まず行われるのが日常生活についての問診です。
若年性認知症の疑いがある症状を医師からチェックされます。
医師にとって重要な判断基準となるので、気になった症状は事前にメモをとって答えられるようにしておくと診察がスムーズに進むでしょう。
心理テスト
心理テストは認知症の症状の有無、進行度合いをチェックするために行われます。
医学的なテストで大変そうだと思われる方もいますが、実際は患者の負担が少なく短時間で終わるものが多いです。
画像診断
画像診断では脳の写真をとって、その状態から若年性認知症の診断の判断材料とします。
画像診断には形態画像診断と機能画像診断の2種類があります。
形態画像診断はCTスキャンやMRIなどの画像診断が該当し、脳の形から脳の萎縮の状態などをチェックするものです。
機能画像診断はSPECT検査などが該当します。
若年性認知症になると脳機能が低下し血流が弱まるので、上記の方法は、その脳機能の状態をチェックするための検査です。
以下でそれぞれの検査について解説していきます。
CTスキャン
CTスキャンはコンピュータ断層撮影のことを指します。
この画像診断では放射線などを利用することで人の身体を走査し、その情報をコンピュータで処理することで内部構造を画像化します。
これによって脳の構造を把握することができるので、若年性認知症の診断の一助となるのです。
MRI
MRIは磁気の共鳴によって患者の身体を撮影する方法になります。
CTと比較したときに撮影方法が多岐にわたることが特徴です。
また撮影時間もCTが10~15分程度なのに対し、MRIは30分程度と長くかかります。
MRIはさまざまな撮影方法をとることができるので若年性認知症の場合だと、より詳しい脳の状態を知ることができるようです。
SPECT
脳血流シンチグラフィーのことを指します。
複数の方向から撮影を行う検査です。
身体から放出される放射線を計測して画像を作成していくため、画像ができあがるまで時間がかかります。
ただし機器の進化により、撮影時間の短縮が進んだり、患者の負担を減らすために検査に影響がないかぎり音楽を流したりと、さまざまな工夫が進んでいる検査です。
PET
PETは360度から放射線を用いた撮影を行うことでSPECTとは違った方法で断層画像を得るものになります。
MIBG
レビー小体型認知症の診断に用いられるものです。
この画像診断の方法は認知症以外にもDATスキャンとあわせてパーキンソン病の診断にも用いられることがあります。
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若年性認知症の治療法
若年性認知症の治療法は非薬物療法と薬物療法に分けられます。
ここでは、それぞれの治療法について詳しく解説します。
非薬物療法
非薬物療法の内容は、主に以下のリハビリです。
どの方法も脳への刺激を目的としています。
- 認知機能のリハビリテーション
- 生活におけるリハビリテーション
- 園芸や音楽など趣味を用いたリハビリテーション
認知機能のリハビリテーションでは計算や図形を用いた問題を解き脳に刺激を与えます。
料理や洗濯などの家事は意外と脳に刺激を与えるので、リハビリとして効果があります。
園芸を用いたリハビリテーションでは、季節ごとの植物を育てることで時間感覚を失わないようにします。
薬物療法
若年性認知症に効果的とされている薬物は以下の2点です。
- アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
- NMDA受容体拮抗剤
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬はアルツハイマー型認知症に効果的です。
中核症状を抑えるために使用されます。
NMDA受容体拮抗剤は、重度の認知症にも用いられる薬物です。
攻撃性の抑制に効果があるとされています。
薬物療法は若年性認知症に対して一定の効果はみられますが、完治させる薬ではないことに注意しましょう。
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若年性認知症と診断されたら
若年性認知症と診断された場合、ひとりで抱え込まず周囲の助けを求めましょう。
ここでは、以下の2点について解説します。
- 勤務先への相談
- 公的サービスの利用
勤務先に相談
20代の多くの人は会社員として働いています。
たとえ経営者や自営業者であっても取引先との関係があるはずです。
若年性認知症になると20代であっても今までどおり働くことは難しいので、勤務先と今後について相談してみましょう。
公的サービスの利用
若年性認知症だとしても、20代の場合は公的サービスを利用できないと思っていませんか?
実際は以下のような公的サービスを利用できます。
- 自立支援医療制度
- 精神障害者保健福祉手帳
- 障害年金
- 傷病手当金
上記の制度を活用することで、経済的な負担を抑えることができます。
本人や家族のためにも、できるだけ活用するようにしましょう。
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プラズマローゲンとは?サプリについても説明
プラズマローゲンとは、グリセロリン脂質の一種であり、細胞を構成する主要な成分です。
人間の全身のリン脂質の約18%がこのプラズマローゲンであるといわれており、特に脳に多く存在しプラズマローゲンは人間が存在する上でとても重要な成分と考えられています。
しかし、このプラズマローゲンはさまざまな要因で減少しやすい成分でもあります。
酸化ストレスや炎症、神経の変性、感染症や外傷など、さまざまなストレスにさらされることで、プラズマローゲンが減少していきます。
特に、脳の海馬や前頭葉には多くのプラズマローゲンが含まれており、成分の減少と認知症の進行度には関連性があるという報告もあります。
プラズマローゲンは現在、認知症対策のサプリメントとして販売されています。 1995年にアルツハイマー型認知症の患者の、脳のプラズマローゲンが減少していることが確認されました。
その後、2007年にはアルツハイマー型認知症患者の血清でもプラズマローゲンの減少が認められており、プラズマローゲンは認知症と関係があると考えられています。
また、アルツハイマー型認知症の発症には、アミロイドβたんぱくの沈着が関係しているといわれています。
プラズマローゲンは、アミロイドβたんぱくの沈着を抑える効果のほか、脳神経細胞のアポトーシス抑制の効果も見込めるため、プラズマローゲンを摂取することで認知症への対策が期待できます。
出典:認知症との関係|AdvancedMedicalCareInc.
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20代の若年性認知症のまとめ
ここまで、20代の若年性認知症についてお伝えしてきました。
要点を以下にまとめます
- 若年性認知症と認知症では発症する年齢が違う
- 若年性認知症の原因は生活習慣や遺伝的要因
- 若年性認知症の予防法は生活習慣の改善や人との関わり
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。