廃用症候群とは寝たきりになり動かないことで身体にさまざまな悪影響が生じる病気です。
廃用症候群では負のスパイラルが生じて徐々に身体が弱くなってしまいます。
そもそも廃用症候群とはどのような病気なのでしょうか?
本記事では廃用症候群について、以下の点を中心に紹介していきます。
- 廃用症候群の原因とは
- 廃用症候群による症状とは
- 廃用症候群と予防、改善するには
高齢者に多い廃用症候群について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ、最後までお読みください。
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廃用症候群とは?
廃用症候群とは、寝たきり状態が長期間継続することで活動性が低下して生じる身体の変化を指します。
特に高齢者で発生しやすく、本人たちが気づかないうちに進行していることが多いです。
「ひとりで起きられない」「なかなか立てない」などの症状が出てきます。
加齢に伴う体力や筋力の低下によってベッド上で過ごす時間が増えがちですが、身体を動かさないと徐々に廃用症候群が進んでしまいます。
廃用症候群が悪化していくと座っているのも大変になり、起きられなくなるような悪循環に陥ってしまいます。
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廃用症候群の原因
廃用症候群は原因を知ることで改善・予防することができます。
具体的な原因は以下の通りです。
- 寝たきり生活
- 安静状態
- 過介護
- 人手不足
高齢者は怪我や病気になりやすく、ベッド上で過ごす時間が長くなりがちです。
骨折の場合はギプスや手術によって、起きたり立ったりすることが難しくなります。
動けないからと車いす生活やベッド上生活に慣れてしまうと、身体を動かす頻度がガクッと減っていき廃用症候群になります。
また、怪我や病気だからといって、介護者が何でも助けてしまうと高齢者が自分で動く機会が減ってしまい活動性の低下に繋がってしまいます。
他にも、小さな手助けがあれば立つことや歩くことができる高齢者でも、人手が足りずに手伝えない場合にも活動性が低下する危険性があります。
このような原因を取り除くことで、高齢者の廃用症候群を未然に防ぐことができます。
廃用症候群の症状
高齢者に起きやすい廃用症候群の症状についてご紹介します。
代表的な症状は以下のようになります。
- 筋力低下:立てない、起きられない、歩けないなど
- 関節拘縮:関節が固くなり伸びない、曲げられなくなる
- 骨萎縮:骨折しやすくなる
- 褥瘡:床ずれ(皮膚の傷)
- 心配機能低下:少しの運動で息切れ、動悸が起きる
- 血圧コントロール不良:起きたり立つとめまいが生じる起立性低血圧
- うつ状態:落ち込んでしまう
- 誤嚥性肺炎:飲み込む力が弱まり、食事が肺に入り炎症を引き起こす
- 逆流性食道炎:食事が逆流して炎症を引き起こす
- 栄養不足:逆流性食道炎や活動低下によって食欲が低下する
上記の症状のように長期間ほとんど動かないことで筋肉以外の内臓系にも悪影響が生じていきます。
廃用症候群の診断
廃用症候群と診断するのは医師の役割になります。
紹介する症状があてはまるからといって、ご自身で確定することは避けましょう。
あくまで医療機関を受診するかを判断する材料としてご覧ください。
また、廃用症候群の診断に決まった方法はありません。
怪我や病気によって長期間活動性が低下して、筋力低下や関節が固くなった経緯を聞き取りしたうえで診断されます。
他にも今まで立ち上がりや歩くことが出来ていたのに、長期間の安静で動けなくなった場合も廃用症候群に当てはまることがあります。
医師は今までの病歴や安静期間、活動量などをしっかり聞き取りして総合的に判断します。
廃用症候群になったときの対処法
廃用症候群になったときの対処法は身体を動かすことです。
先ほど紹介したように、廃用症候群の原因は長期間安静にすることや長時間ベッドに寝ていることです。
あまり動けない時期は、着替えやトイレ、食事を自分で行うなど身の回りのことはなるべく自力でやってもらいましょう。
その後、徐々に体力をつけてもらい自宅の中を自力で移動したり、散歩したりと少しずつ活動量を増やしていきましょう。
他にもリハビリを受けることも大きな効果を発揮します。
リハビリを提供している病院に通院したり、自宅に訪問してくれる訪問リハビリなどを利用することで、廃用症候群に特化したリハビリテーションを受けることができます。
しかし、無理にリハビリを受けさせてしまうと本人の反発を生み、さらに動かなくなる危険性があります。
本人に、リハビリの必要性や目標を伝えてやる気を生み出すことが大切です。
さらに、身体を動かしたり、リハビリを行う上で大切なのは適切な栄養を補給することです。
高齢者では栄養が不足していることが多く、特にタンパク質が不足しやすくなります。
タンパク質を豊富に含む肉や魚、大豆製品を中心に取りながらバランスの良い食事を心がけましょう。
また、廃用症候群によって誤嚥性肺炎や飲み込む力が衰えていることもあるので、無理して食べさせることはせず優しく促すようにしましょう。
以上のように、身体を動かして栄養を補給することが廃用症候群に対処する方法になります。
高齢者は、長期間の安静によって萎縮した筋肉や関節が回復するスピードはゆっくりです。
回復までの時間が掛かることを理解して、高齢者に接することが大切です。
廃用症候群の予防ポイント
廃用症候群の予防には、老化と廃用症候群の負のサイクルを断ち切る必要があります。
高齢になると筋力や体力が低下していき、自信や意欲が低下していきます。
すると、身体を動かす機会が減少していき廃用症候群に陥り更なる筋力低下を引き起こしてしまいます。
以上の負のサイクルを断ち切るために普段の生活に「できること」「していること」を増やして自信を持たせることが大切です。
自信や意欲を持つことで活動的になり廃用症候群に陥る危険性が減少していきます。
元気な高齢者が増えることで、介護の必要性も減少していき介護予防につながることになります。
廃用症候群の予防についてはこちらでより詳しく解説していますので、あわせてお読み下さい。
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廃用症候群まとめ
ここまで廃用症候群についてお伝えしてきました。
廃用症候群について要点をまとめると以下のようになります。
- 廃用症候群の原因は長時間の安静や寝たきり生活、過介護や介護者不足
- 廃用症候群は筋力低下や関節が固くなる、床ずれ、うつ状態などたくさんの症状が引き起こされる
- 廃用症候群と予防、改善するには身体を動かす機会を増やしてリハビリを受ける、不足しがちな栄養を補給する
これらの情報が皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。