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アミロイドβにはコーヒーが効果的?カフェインによるリスクを紹介

アミロイドβはアルツハイマー型認知症の原因物質として知られています。

実はコーヒーには、アミロイドβに作用して認知症を防ぐ作用があります。

コーヒーがアルツハイマー予防に役立つ仕組みとは、どのようなものでしょうか。

また、認知症予防のためにはどれくらいのコーヒーを飲めばよいのでしょうか。

本記事では、アミロイドβとコーヒーについて、以下の点を中心にご紹介します。

  • そもそもアミロイドβとはなんなのか
  • コーヒーが認知症予防に役立つ理由
  • 認知症予防のためには1日にどれくらいのコーヒーを飲むべきか

アミロイドβとコーヒーについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。

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アミロイドβとは

※画像はイメージです


アミロイドβは、脳内で合成されるたんぱく質です。
アルツハイマー型認知症の原因物質としても知られています。

アミロイドβは、もともとは無害な成分です。
通常であれば時間をかけて分解され、体外にゴミとして排出されます。

しかし何らかの原因で、アミロイドβの分解・排出が行われなくなることがあります。
体外に排出されなかったアミロイドβは、有毒な物質に変化し、やがて脳に蓄積し始めます。
アミロイドβが蓄積した部位では、脳細胞が破壊されます。

脳細胞の破壊範囲が広がれば、それだけ脳機能には重大な支障があらわれます。
脳機能や認知機能が極端に低下し、日常生活に支障をきたすようになった状態が、アルツハイマー型認知症です。

なお、認知症は原因・症状によって様々なタイプに分けられます。
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβを原因として発症するタイプの認知症です。

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アミロイドβにコーヒーが効果的な理由

※画像はイメージです


実はコーヒーには認知症の予防効果が期待できます。
理由は、コーヒーにはアミロイドβの蓄積を防ぐ作用があるためです。

具体的な仕組みについてみていきましょう。

フェニルインダンの働きにより蓄積を防ぐ

アルツハイマー型認知症の予防に役立つのは、コーヒーに含まれるフェニルインダンという成分です。
フェニルインダンはコーヒーの苦み成分の1種で、コーヒー豆を焙煎する過程で生成されます。

先ほど紹介したように、フェニルインダンはアミロイドβの脳への蓄積を防ぐ作用があります。
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβの脳への蓄積によって発症します。
フェニルインダンによってアミロイドβの蓄積を防げれば、アルツハイマー型認知症のリスクは低下します。

ちなみにフェニルインダンは、コーヒー豆の焙煎過程が長いほど含有量が増えます。
つまり、浅煎りより深煎りコーヒーのほうがフェニルインダンは豊富です。

なお、フェニルインダンはノンカフェインコーヒーにも含まれます。
カフェインを摂りたくないという場合は、深煎りのノンカフェインコーヒーを選ぶのもおすすめです。

クロロゲン酸も認知症には効果がある

クロロゲン酸は、コーヒー豆に含まれるポリフェノールです。

クロロゲン酸は強い抗酸化作用があることで有名です。
抗酸化作用は活性酸素を取り除く力のことです。

活性酸素とは簡単にいえば体内の「サビ」のもとで、血管や脳を老化させる作用があります。
クロロゲン酸は活性酸素を取り除くことで、脳がサビるのを防ぐ作用があります。
結果、脳の老化が防止されるため、認知機能の維持・向上が期待できます。

さらにクロロゲン酸はアミロイドβが脳に蓄積するのを防ぐ作用もあります。
くわえて、すでに蓄積したアミロイドβを取り除く作用があるとも指摘されています。
いずれも脳細胞の保護につながるため、アルツハイマー型認知症のリスク低下が期待できます。

1日の目安量

コーヒーは1日3杯程度が適量です。
中毒症状などを防ぐためにも、飲みすぎには注意しましょう。

なお、コーヒーの1日の摂取目安量については、後ほど詳しく解説します。

認知症の種類によってはコーヒーによる効果はない

※画像はイメージです


認知症には様々なタイプがあります。
たとえばアルツハイマー型の他には、レビー小体型認知症や血管性認知症が代表的です。

コーヒーが予防効果を発揮するのは、アルツハイマー型認知症のみです。

レビー小体型認知症や血管性認知症への予防効果は期待できません。
理由は、レビー小体型・血管性認知症は発症原因がそれぞれ異なるからです。

たとえばレビー小体型認知症は、レビー小体という物質が脳に蓄積するために発症します。
血管性認知症は、脳卒中などによる脳血管へのダメージが主な原因です。

対してコーヒーが持つのは、アミロイドβの蓄積を防ぐ効果です。
つまりアミロイドβを原因としないレビー小体型・血管性認知症においては、予防効果は見込めません。

コーヒーの過剰摂取によるリスク

※画像はイメージです


認知症予防のためといっても、コーヒーを飲みすぎるのは危険です。
理由は、コーヒーに含まれるカフェインには中毒のおそれがあるためです。

コーヒーを過剰摂取した場合のリスクと、1日あたりのカフェインの摂取目安量を紹介します。

カフェインの過剰摂取症状とは

カフェインはコーヒーに含まれる天然ポリフェノールです。
適量であれば人体に健康効果をもたらしますが、過剰に摂るとかえって健康を害することがあります。

カフェインを過剰摂取した場合の代表的な症状は以下の通りです。

  • 吐き気・嘔吐
  • 不眠症
  • 手足のしびれ
  • 動悸・息切れ
  • めまい
  • 意識消失・心肺停止

カフェインには交感神経を刺激する作用があります。
交感神経とは、血圧・心拍数などを上昇させる神経系です。

カフェインの過剰摂取によって交感神経が必要以上に刺激されると、心拍数や血圧が異常に上昇することがあります。
結果、動悸・息切れや吐き気、めまいなどの不快な症状が起こりやすくなります。
最悪の場合は、昏睡や心肺停止につながりかねません。

特に一度に多量のカフェインを摂取した場合は、急性中毒による死亡リスクが高まります。
カフェイン中毒を防ぐためにも、1日あたりのカフェイン摂取量を守りましょう。

1日の推奨摂取量

1日のカフェインの摂取目安量は以下の通りです。

1日当たりの悪影響のない最大摂取量 飲料換算機関名
妊婦コーヒー カップ 3~4杯世界保健機関(WHO)
300mg/日コーヒー カップ 4~6杯(150ml/杯)オーストリア保健・食品安全局(AGES)
200㎎/日コーヒー マグカップ 2杯 英国食品安全庁(FSA)
300mg/日コーヒー マグカップ 2杯(237ml/杯)カナダ保健省
子供2.5㎎/体重/日コーラ缶(355 ml)当たりのカフェイン 含有量 36~46 mg
子供(4~6歳)45㎎/日
子供(7~9歳) 62.5㎎/日
子供(10~12歳)85㎎/日
健康な成人400㎎/日コーヒー マグカップ 3杯(237 ml/杯)

出典:内閣府食品安全委員会「食品中のカフェイン」
出典:厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」

健康な成人のカフェイン摂取目安量は、1日につき最大400mgです。
妊娠中・授乳中の女性は200〜300mg以内が適当とされています。

なお、カフェインが豊富な食品の含有量目安は以下の通りです。

食品名カフェイン濃度(100mlあたり)備考
コーヒー60mg浸出方法:コーヒー粉末10g/熱湯150ml
インスタントコーヒー57mg浸出方法:インスタントコーヒー2g/熱湯140ml
玉露 160mg浸出方法:茶葉 10 g/60 ℃の湯60ml、2.5分
煎茶20mg浸出方法:茶10g/90 ℃430ml、1分
紅茶30mg浸出方法:5g/熱湯360ml、1.5~4分
エナジードリンク又は 眠気覚まし用飲料 (清涼飲料水)32~300mg(製品1本当たりでは36~150mg)製品によって、カフェイン濃度及び内容量が異なる

出典:内閣府食品安全委員会「食品中のカフェイン」

コーヒーは、100mlにつき約60mgのカフェインが含まれます。
つまりカフェインの上限値から考えると、1日あたりのコーヒーは約670mlに収めるのが適正です。
簡単にいえば、コーヒーカップでおよそ2杯半〜3杯程度が適量です。

あわせて、1回あたりのカフェイン摂取量にも注意しましょう。
一度に多量のカフェインを摂ると、急性カフェイン中毒のおそれがあるためです。

カフェイン摂取量は1回につき200mg以内、コーヒーカップでは1〜2杯程度が適量です。

出典:農林水産省「カフェインの過剰摂取について:農林水産省」

認知症に効果のある食べ物

※画像はイメージです


認知症の予防効果がある食品を紹介します。
ぜひ毎日の食卓に取り入れてください。

なお、認知症を予防するには、栄養バランスを整えることが大切です。
特定の食品ばかりを摂るのではなく、様々な食品をバランスよく食べることを心がけましょう。

魚類

魚類に含まれるDHA・EPAは認知症予防に役立ちます。
理由は、DHAやEPAには脳機能を正常に保つ作用があるためです。

DHAは脳の構成成分として、脳細胞を正常に機能させます。
EPAは血流を促進することで、脳機能をサポートする作用があります。

DHAやEPAは特に青魚に豊富です。

具体的な食品は以下の通りです。

  • さば
  • あじ
  • いわし
  • さんま
  • マグロ

緑黄色野菜・果実類

緑黄色野菜や果実類にはビタミンが豊富です。
ビタミンは抗酸化作用が強いため、脳がサビるのを防ぐ効果が期待できます。

また、ビタミンは生活習慣病の予防にも役立ちます。
生活習慣病は、認知症の原因となることもしばしばです。
つまりビタミン摂取によって生活習慣病を予防することで、間接的な認知症予防につながります。

ビタミン類が豊富な緑黄色野菜や果実とは、たとえば以下があります。

  • ほうれん草
  • ブロッコリー
  • かぼちゃ
  • いちご
  • ブルーベリー

大豆類

大豆にはレシチンという成分が豊富です。
レシチンは、脳の記憶機能を向上させる作用があります。

記憶力を正常に保つことは、認知症の予防や進行の緩和に役立ちます。

なお、大豆類には、大豆そのものだけでなく加工品も含まれます。

  • 大豆
  • 豆腐
  • 納豆
  • きなこ
  • 豆乳

カレー

カレーに含まれるクルクミンという成分は、認知症の予防に役立ちます。
具体的にはアミロイドβの脳への蓄積を防ぐ作用があります。

また、クルクミンにはすでに蓄積したアミロイドβを取り除く作用も指摘されています。

緑茶

緑茶にはカテキンというポリフェノールが豊富です。
カテキンは、アミロイドβが脳に蓄積するのを防ぐ作用があります。

緑茶に含まれるテアニンという成分も認知症予防に役立ちます。
テアニンには、脳神経細胞を保護する作用があるためです。

いずれも脳神経細胞を正常に保つのに役立つため、認知機能の維持・向上が期待できます。

赤ワイン

赤ワインにはポリフェノールが豊富です。
ポリフェノールは抗酸化作用が強いことから、脳の老化防止効果を期待できます。

赤ワインは、特にアルツハイマー型認知症の予防に効果があると指摘されています。
かといって、認知症予防のために大量飲酒が推奨されているわけではありません。
過度な飲酒は健康を害するおそれがあるためです。

たとえ認知症予防のためであっても、赤ワインは1日につきワイングラス1〜2杯程度が適量です。

くれぐれも飲みすぎないようにしましょう。

若年性認知症の割合

※画像はイメージです


認知症は高齢者の疾患というイメージが強いですが、実は若年層でも発症します。
65歳未満の認知症は、若年性認知症と呼ばれます。

厚生労働省の推計によると、日本国内の若年性認知症患者は約3.57万人です。
人口10万につき約50人の患者がいることになります。

若年性認知症のうち、約52%を占めるのがアルツハイマー型認知症です。
ちなみに有病率が急激に高まるのは、40代後半から50代にかけてです。
なお、認知症は進行を完全に止めることはできません。

しかし生活習慣の見直しなどにより、進行を遅らせることは可能です。
認知症は治療開始が早いほど、その後の進行をコントロールしやすくなります。
悪化を防ぐにはできるかぎり早めに手を打つことが大切です。

ちなみにアルツハイマー型認知症は、ゆっくり進行するのが特徴です。
症状があらわれる10〜20年以上前から進行が始まっていたケースも少なくありません。

つまり若年性認知症の発症・進行を予防するには、認知症とは無縁に思える20代ごろから予防に取り組む必要があります。
たとえ認知症を身近に感じられない年代の方であっても、将来を意識して、若いうちから予防に取り組みましょう。

様々な食品をバランスよく摂るなどして、アルツハイマー型認知症の予防に努めましょう。

出典:厚生労働省「若年性認知症実態調査結果概要(R2.3)」

アミロイドβとコーヒーまとめ

※画像はイメージです


ここまでアミロイドβとコーヒーについてお伝えしてきました。

アミロイドβとコーヒーの要点を以下にまとめます。

  • アミロイドβはたんぱく質の1種で、脳に蓄積すると脳細胞を破壊して認知機能を低下させる
  • コーヒーが認知症予防に役立つのは、フェニルインダンやクロロゲンという成分がアミロイドβの脳への蓄積を防ぐため
  • コーヒーの飲みすぎは健康被害を招くため、1日2~3杯程度に収めるのが望ましい

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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