超高齢社会の日本において、年々増加している認知症。
認知症とは、認知機能が低下している状態をいいます。
では、認知症の方は自身の症状を自覚できているのでしょうか?
この記事では、認知症と自覚について以下の点を中心に解説します。
- 認知症の方による自覚の有無
- 認知症を自覚するきっかけ
- 認知症を自覚したあとの流れ
- 治療拒否された場合の対処法
認知症について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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本人は認知症を自覚するのか?
認知症の方による自覚は難しいと思っている方が多いのではないでしょうか?
しかし認知症を自覚できるケースもあります。
ここでは、認知症を自覚するケースと自覚できないケースについて解説します。
自覚がある場合
最初は、日常生活のなかで家事や仕事がうまくいかなくなるといったことが起きます。
そしてもの忘れが増えるなど具体的な症状が現れ不安を覚えます。
認知症を自覚する場合、日常生活に不安や困難を感じている方が多いです。
自覚がない場合
認知症の自覚がない場合は、自分の行動自体を忘れてしまっているケースがあります。
人から指摘されても、相手がおかしなことを言っているだけだと思ってしまうのです。
家族や友人は善意で指摘やアドバイスをしていても、本人はストレスを感じてしまいます。
精神状態が不安定になり、自覚しないまま症状が悪化する可能性も高いです。
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認知症を自覚するきっかけ
認知症を自覚するためにも、初期症状を把握しておくことが大切です。
代表的な認知症の初期症状を以下にまとめます。
- 同じことを何度も話す
- 約束を忘れる
- 日付がわからなくなる
- 今までできていたことが急にできなくなる
初期症状は、記憶障害や実行機能障害が原因となって起こります。
日常生活のなかでの違和感がある場合、なるべく早く受診しましょう。
認知症を自覚したあとの流れ
認知症を自覚したらどうすればいいのか解説します。
認知症の疑いを持った場合、まずは本当に認知症かどうかを確認すべきです。
具体的な方法を以下で解説します。
認知機能テストを試す
ネット上では、認知症を自己診断できるテストもあります。
医療機関で受診するのと比べると、もちろん確実性は劣っています。
しかし、家で簡単に受けることができるので、受診を迷っている人は一度受けてみるとよいでしょう。
ただしネットの情報には誤りがある場合もあります。
本当に信頼のおけるテストかどうか自分でチェックしておきましょう。
医療機関を受診する
認知症の診断を受ける場合は、精神科や心療内科、脳神経外科、神経内科といった診療科を選ぶのが一般的です。
基本的に検査自体はどの診療科でも受診することができます。
もしかかりつけ医がいる場合は、一度相談してみるといいでしょう。
最近では認知症の専門外来や高齢者専門の診療を行う病院も増えてきています。
認知症と向き合う
認知症だと診断された場合、絶望や不安でいっぱいになる可能性があります。
しかし、認知症を理解し対策することが大切です。
まずは慌てず認知症についての理解を深めましょう。
次に、認知症の進行に応じてサポート体制を整えましょう。
お住まいの市区村町にある地域包括支援センターで相談することをおすすめします。
介護保険は要介護認定によってサービスの範囲が変わりますが、少ない負担で利用できるので積極的に活用しましょう。
認知症を自覚せず、治療拒否をする場合
認知症の診断を受ける過程で大変なのが、本人に自覚してもらうことです。
自分が認知症であると指摘されるのは決していい気持ちではありません。
認知症だということを素直に認められない方がいるのも当然です。
また、自覚はあっても症状から目をそむけてしまうというケースもあります。
医療機関の受診が難しい場合は、健康診断という名目で医療機関への受診を間接的に促すことがおすすめです。
地域包括支援センターや自治体の福祉課を利用するといった方法もあります。
医療機関への受診を強要すると、本人の自尊心を傷つけ逆効果になる場合があるので注意してください。
遠くに住む家族が認知症だと感じたら?対処法
両親との電話で認知症を疑ったものの、遠くに住んでいてなかなか会えない人もいるでしょう。
そうした場合に役に立つのが認知症初期集中支援チームです。
認知症初期集中支援チームは、2015年に厚労省がはじめた取り組みです。
家族や周囲からの連絡に応じて訪問などを行い、認知症かどうかの評価をします。
認知症の疑いがあれば、専門医や介護事務所と連携をとってさまざまな支援を行います。
何か不安を感じた際は、認知症初期集中支援チームを活用しましょう。
認知症の方による自覚のまとめ
ここまで認知症の方による自覚についてお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 認知症は、自覚するケースと自覚しないケースに分けられる
- 約束を忘れる、日付が分からないといった症状がきっかけで認知症を自覚できる
- 認知症を自覚したら、医療機関を受診し認知症と向き合うことが大切
- 本人に認知症の自覚がない場合、間接的に受診を促す
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。