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健達ねっと>認知症を学ぶ>レビー小体型認知症の診断基準は?診断方法や誤診される病気を解説!

レビー小体型認知症の診断基準は?診断方法や誤診される病気を解説!

皆さまはレビー小体型認知症という認知症をご存知でしょうか?
アルツハイマー型認知症、血管性認知症に次いで、3番目に多い認知症です。

診断基準を心に留めておき、早期発見に繋げましょう。

本記事では、レビー小体型認知症の診断基準について以下の点を中心に解説します。

  • レビー小体型認知症の診断基準
  • レビー小体型認知症の診断の流れ
  • レビー小体型認知症と誤診されやすい病気
  • レビー小体型認知症の症状

これらの情報が皆様の不安を減らし、健康的な生活を送る手がかりになればと思います。
ぜひ最後までお読みください。 

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レビー小体型認知症の診断基準

レビー小体型認知症の診断基準

レビー小体型認知症には臨床における診断基準が定められています。

そのため下記の3点について慎重に判断し、臨床診断を行うことになっています。

日常生活に支障をきたす程度の認知機能低下

レビー小体型認知症では、病気の進行とともに認知機能の低下が現れます。

日常生活に支障をきたす程の認知機能の低下はレビー小体型認知症の診断基準で必須です。

なお、初期から低下する認知機能は下記のとおりです。

  • 視空間認知
  • 遂行機能

視空間認知は、目から入った情報を脳で把握する能力です。 
遂行機能とは、順序を立てて実行する機能を指します。

認知機能が低下すると日常的に反応が鈍くなったり、金銭管理ができなくなったりします。

徐々に進行することで、社会的・日常的な活動に支障をきたしていきます。

中核的特徴

レビー小体型認知症の中核症状は主に4つです。
4つのうち2つ以上の症状が見られると、レビー小体型認知症と診断されます。

一つの症状がある場合は、指標的バイオマーカーとして認知機能検査を受けます。

  • 明確な変動を伴う認知の変動 
  • 繰り返し出現する幻視 
  • パーキンソン症状
  • レム睡眠行動障害

ちなみに臨床診断基準ではないですが支持的特徴としてあげられている症状があります。

立ちくらみや便秘、抑うつ状態、嗅覚消失、繰り返す転倒などでこれらも確認されます。

指標的バイオマーカー

上述した症状で一つを発症している場合、指標的バイオマーカーを使用します。

下記の検査では認知症で発生する認知機能障害や血流の変化などを全般的にみます。

  • ドパミントランスポーターSPECT
  • MIBG神経シンチグラフィ
  • 終夜睡眠ポリグラフ検査 

臨床的な診断基準として上記の検査を行います。
サポート的な検査としては、脳MRIなどが一般的です。

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レビー小体型認知症の診断の流れ

レビー小体型認知症の診断の流れ

レビー小体型認知症は問診や神経心理検査、画像検査から総合的に推定して診断します。

レビー小体型認知症の診断基準に沿って慎重な診断が進められます。

問診

初診時にスクリーニング質問紙を用いて、レビー小体型認知症の初期症状を評価します。

内容はめまいや便秘、嗅覚、寝言や寝相、抑うつ状態などの有無の確認です。
また、患者さまと一緒に生活しているご家族に対し普段の様子をヒアリングします。

睡眠時や寝起きなど日常生活の様子や既往歴、服用している薬などを聞きます。

神経学的診察

レビー小体型認知症では視覚認知障害、注意障害、遂行機能障害があります。

以下のような各検査を医療機関ごとに用いて認知機能を全般的に検査します。

  • MMSE
  • MoCA-J
  • COGNISTAT
  • パレイドリアテスト

血液検査

血液検査で血液中の特定のタンパク質を調べることで軽度認知障害のリスクを調べます。

また、認知症の要因となる糖尿病や高血圧や高脂血症がないかがわかります。

認知症の症状をきたす甲状腺機能低下症や橋本病との判別に使用します。
診断を確定させるものではなく、他の検査結果や診察と合わせて判断する材料です。

画像検査

診断基準として下記の3つの検査を実施します。

これらは上述した指標的バイオマーカーに該当します。

MIBG心筋シンチグラフィ

MIBGという物質を注射して心臓の交感神経の働きを画像で確認します。

ちなみにパーキンソン病ではMIBGの心筋への取り込みが低下するため観察します。

レビー小体型認知症でも交感神経が障害され心臓への薬剤の取り込みが低下します。

ドパミントランスポーターSPECT

脳神経に存在するドパミントランスポーターを画像化する検査です。

ドーパミンの神経の減少、 変性等を捉え、パーキンソン症状と関連した検査です。

終夜睡眠ポリグラフ検査 

睡眠と呼吸の質を調べる検査で、睡眠呼吸障害や睡眠障害の診断治療を行います。

他にも臨床診断基準ではないですが、診断をサポートする検査として下記があります。

脳MRI

レビー小体型認知症では脳皮質全体の軽度な萎縮がみられます。

アルツハイマー型認知症に比べて海馬の萎縮が軽く、側頭葉内側部が保たれています。

脳血流シンチグラフィ

血流によって脳に取り込まれる放射性医薬品を注射し、脳の血流を確認します。

脳血流のわずかな変化を見つけることができるため、認知症の診断に有効です。 

レビー小体型認知症では後頭葉の血流低下がみられます。

レビー小体型認知症と誤診されやすい病気

レビー小体型認知症と誤診されやすい病気

レビー小体型認知症は、記憶障害よりも他の症状が目につきます。
症状を発症するタイミングも個人差が大きいため、他の病気との鑑別が困難です。

下記のような病気と症状が重なる部分があるため慎重な観察が必要です。

パーキンソン病

パーキンソン病とレビー小体型認知症は、初期段階での判別が困難です

認知機能の低下や幻覚、妄想などはレビー小体型認知症の特徴的症状といわれます。
しかし、パーキンソン病でも運動障害の後に認知機能の低下などが現れます。

一般的にはレビー小体型認知症では認知機能低下の後に身体的症状が現れます。
また、レビー小体型認知症でパーキンソン症状がみられない事例もあります。

専門家でも判別は難しく、観察と対処を慎重に行わなければなりません。

うつ病

レビー小体型認知症では前兆や症状としてうつ状態が半数以上でみられます。

老年期のうつ状態では思い出すことが困難であったり、遂行機能障害、注意障害があります。

そのためレビー症体型認知症と高齢者のうつ病との鑑別は困難です。

鑑別には認知機能の変動や視空間認知障害、睡眠時行動障害の有無と画像診断を用います。

精神疾患

一般的に認知症は、周辺症状として精神疾患が多く見られます。
記憶障害や見当識障害などから不安や焦燥感が起き、精神疾患を発症するためです。

社会生活で強いストレスにさらされるとうつ病や解離性健忘、一過性全健忘を発症します。
記憶の一部が失われたり、新しく物事が覚えられないなどの症状が出ます。

一過性健忘などは50歳から70歳に多く発症するため、年齢的に認知症との鑑別が必要です。

認知症と似た症状が発生する精神疾患と誤診される可能性があります。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症には、抑うつ状態など気分に落ち込みが発生します。
意欲の減退や自発性の低下がみられ、元気がない時と活発に見られる時があります。

この感情の変化をレビー小体型認知症の認知機能の変動と間違えることがあります。

また、アルツハイマー型認知症で幻視がみられることがあります。

画像検査などを適正に行わなければ正確な鑑別は難しいです。

レビー小体型認知症の症状

レビー小体型認知症の症状

レビー小体型認知症は一般的な認知症でみられる記憶障害が目立ちません。
臨床診断基準では、初期には持続的な記憶障害は認めなくてもよいとされています。

下記の症状を心に留めて不安な症状がみられた場合には早期受診をしてください、

認知機能障害

初期では記憶障害、意識障害などの認知機能は目立ちませんが、進行に伴ってみられます。

なお、レビー小体型認知症の特徴としては、認知機能の変動があります。
一日の中でも反応や表情が乏しい時と反応も良く、以前の変わらない時があります。

パーキンソニズム

動作がゆっくりになる、姿勢が前かがみになる、体のバランスが悪いなどの症状です。
初期では下肢の力が入らない、転倒しやすい程度で進行には個人差があります。

また、進行すると嚥下障害が出てくるため誤嚥性肺炎を引き起こします。

幻視・誤認

比較的初期から幻視や誤認が認められ、レビー小体型認知症の特徴的症状といえます。
典型的な幻視は人や動物、虫などがドアや棚の影から出てくることなどです。

本人が幻視とわかっている場合と幻視と全くわかってない場合があります。

また吊るされた洋服を人と錯覚したり、人や物が歪んで見えるなど、変形視が起きたりします。
近づいたり触ったりすると消えますが、本人は強い不安や恐怖を感じるでしょう。

睡眠・覚醒の障害

眠りの浅いレム睡眠時に夢をみることで、暴れたり大声をあげるなどの異常行動がみられます。

本人や隣で寝ている人がケガをする危険性があります。
突然起こすと混乱し暴れる可能性があるため、電気をつけて自然と起きるように促します。

自律神経障害

失神や便秘、発汗異常、立ちくらみ、頻尿、尿失禁などといった症状がみられます。

血圧や体温、内臓などに関わる自律神経の働きが悪くなるため体調が悪くなります。
時にはめまいや失神で気を失うなど危険な状態にもなります。

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レビー小体型認知症が進行するとどうなる?

レビー小体型認知症の進行

レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症よりも進行が早いです。

発症から約7年ほどで亡くなる場合が多いとされています。

進行すると認知機能障害が悪化し、コミュニケーションが困難になります。

また、パーキンソン症状は十分な投薬治療が難しい傾向があります。
薬の副作用が出やすいからです。

運動障害や筋肉の硬化が進むと、誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。

免疫機能の低下により感染症にかかる可能性も高いです。
食事の摂取が困難になるため全身的に衰弱し、死に至ります。

早期発見・早期治療によって、症状の進行を抑制することが大切です。

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レビー小体型認知症の診断基準のまとめ

レビー小体型認知症の診断基準のまとめ

ここまでレビー小体型認知症の診断基準についてお伝えしました。
要点を以下にまとめます。

  • 診断基準は認知機能の低下、中核的症状、指標的バイオマーカー 
  • 診断の流れは問診から画像検査、認知機能テスト
  • パーキンソン病やうつ病、アルツハイマー型認知症と誤診されやすい
  • 特徴的な症状は、パーキンソニズムや睡眠障害

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

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