高齢化が進む中、認知症は年々増加しています。
認知機能の低下は40代からあらわれ始めます。
「脳トレ」を行うことで認知症の予防につながるのでしょうか?
認知症の予防に役立つ「脳トレ」は、どのようなものなのでしょう?
本記事では、高齢者向けの脳トレについて以下の点を中心にご紹介します。
- 高齢者におすすめの脳トレ
- 脳トレにおすすめの体操
- 脳トレ以外の認知症予防方法
高齢者の脳トレを理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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脳トレとは
脳トレとは、さまざまな問題を解きながら頭の体操をすることです。
考えることで脳の働きが活性化されます。
脳トレゲームは老若男女問わず楽しむことができ、レクリエーションの際に活用されることも多いです。
ゲームやパズルを行うことで、同時に複数のことを処理する能力を鍛えることができ、高齢者の認知機能を高めることにつながります。
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高齢者におすすめの脳トレ
脳トレを行うと脳内の血流が促進され、認知機能の低下を防ぐ効果が期待できます。
認知症の予防として、老人ホームや病院、自治体のイベントなどでも実施されています。
道具などを使わなくても、大人数で楽しめる脳トレも多いです。
友人や家族などと、時間を共有しながら脳トレを行うことにより脳も活性化します。
高齢者が、楽しみながら考えたり思い出したりすることで、脳が刺激されて認知症の予防効果を得ることが可能です。
計算問題
問題を見て計算方法を考えることや、頭を使うことを目的としています。
そして計算を繰り返すことで、認知症やボケの防止につながると考えられています。
小学生のときに習った九九や簡単な計算を解いていくことも脳トレの一つです。
紙とえんぴつを使って問題を解くことで、指先の刺激も伴います。
そのため、脳の働きをより効果的に活性化することにつながります。
なぞなぞ
なぞなぞを解くときは、過去の記憶や言葉を思い出したり映像を想像したりするので、頭の回転が早くなり脳を活性化します。
さらに、なぞなぞが解けたときの満足感・充実感が脳に心地よく、ストレス解消にもなります。
例)
山や森に行ったときに、たくさん見られる鳥は何色?
ヒント:自然には何色が多いでしょうか?「〇ドリ」が多い。
答え:みどり
漢字問題
漢字問題は高齢者にとって、比較的得意なものかもしれません。
思い出すという作業も脳のトレーニングの一つです。
漢字問題は、よく聞く言葉から少し難しい言葉まで使用して、自由に問題を作ることができます。
四字熟語などを使って難易度を上げるのもおすすめです。
例)
「不如帰」は何と読むのでしょう?
- フクロウ
- スズメ
- ホトトギス
答え:ホトトギス
後出しじゃんけん
誰もが知っているじゃんけんを使った脳トレゲームです。
手・足・口を一緒に動かしながら行う「後出しじゃんけん」も、効果的な脳トレが実施できます。
例)
- 手で勝つ・負け
勝つ:相手がグーをだしたら、少し遅れてパーをだす
負け:相手がグーをだしたら、少し遅れてチョキをだす - 足で勝つ・負け
勝つ:相手が足でパーを作ったら、少し遅れて足でチョキを作る
負け:相手が足でパーを作ったら、少し遅れて足でグーを作る - 口で勝つ・負け
勝つ:相手が「チョキ」といったら、少し遅れて「グー」という
負け:相手が「チョキ」いったら、少し遅れて「パー」という
手・足・口で、いろいろな組み合わせで後出しじゃんけんするなど、さまざまなバリエーションを楽しむことができます。
若くても意外と難しいですが、身体を動かしながら楽しめるのでおすすめです。
ユニークしりとり
誰も思いつかないような答えを考えながら、しりとりをするゲームです。
想像力を働かせることで脳の活性化を図ることができます。
言葉を紙に書くことで、手や指を動かすという刺激を加えることもでき、さらに脳の働きを促すメリットもあります。
例)
4人〜20人くらいまでのグループで行うと盛り上がります。
最初に全員分の紙とペンを用意しておきましょう。
「バナナ」→「なっとう」といったありきたりなものではなく、誰も思いつかないような答えを考えます。
たとえば、「奈良漬け」「なると」「名残」などです。
その答えを紙に書いておき、みんなで答えを言い合います。
答えが誰とも被らなければポイントを加算します。
ユニークしりとりは、高齢者同士のコミュニケーションを図ることができる利点もあります。
オノマトペクイズ
「『…』に入る音は何でしょう?」というクイズをだします。
ホワイトボードとマーカーがあれば、みんなで盛り上がりながら楽しむことができます。
例)
ホタルが『…』と光る。
「ぽっ・パラ・どーん」
ヒント:ホタルの光をあらわしています。
脳トレは、初めから難題を出すと高齢者のストレスにつながりかねません。
まず簡単な問題から出して、様子を見ながら脳トレーニングを続けるとよいでしょう。
都道府県当て
連想させるものをいくつかそろえて、どこの都道府県の説明をしているのかをクイズにします。
問題を考えることも脳トレになるので、チャレンジしてみるのもおすすめです。
例)
ヒント:
- 日本でいちばん人口密度が低い都道府県です
- 日本全体の5分の1の広さがあります
- アイヌ民族
- 雪まつりが有名です
- 五稜郭があります(函館市)
答え:北海道
クロスワード
日ごろから、クロスワードや数独などのパズルに取り組んでいる人ほど、記憶力や注意力、推理力に向上が見られるようです。
クロスワードは単独でどこでもできて、普段使わない脳を使うメリットがあります。
ことわざクイズ
普段の生活では意識しない「ことわざ」は、高齢者の方にとってはなじみ深いものです。
脳を活性化するためには、簡単そうで意外に難しい問題こそが役立ちます。
歌クイズ
何の歌の説明かを当てるクイズです。
一緒に歌を歌うきっかけにもなり、楽しい気分も味わえます。
例)
ヒント:
- 別名はスキヤキ
- 坂本九さんが第12回紅白歌合戦で歌った
- どこを向いて歩こう?
答え:上を向いて歩こう
高齢者の脳トレにおすすめの体操
脳トレにおすすめの効果的な体操があります。
座ったままでも簡単にできるので、膝などに痛みを抱えていても行うことが可能です。
自分の体を無理なく動かすことで、脳を活性化させて認知症の予防効果を期待できます。
指折り体操
普段意識して動かすことのない「指先」を動かすことで、脳を活性化する効果が期待できます。
場所や時間を問わず、1人でできることも魅力の一つです。
例)
- 親指から小指まで、1本ずつ数を数えながら曲げていく
- 小指まで曲げたら、逆の手にも同じように数えながら曲げていく
折り曲げづらい指があれば重点的に行いましょう。
指先体操
両手の指先同士を合わせ、順番に同じ指先だけを外して1つずつ回します。
ほかの指にあたらないようにスムーズにまわすことで、脳の活性化や運動機能の改善が期待できます。
例)
- 両手のひらを向かい合わせて、同じ指先同士をつける
- 親指から順番に、指先が当たらないように回す
薬指は若い人でも難しいかもしれませんが、楽しみながら行いましょう。
足踏み体操
手足をテンポよく動かすことで全身運動ができ、筋肉のクールダウン効果も期待できます。
周りにつまずくものなど危険がないか、注意しながら行いましょう。
例)
- 前を向いて背筋を伸ばし、太ももを無理のない高さに上げて足踏みをする
- 手の指先は伸ばし、後ろに引くようにまっすぐに腕を振る
ひざなど身体に痛みがある場合は、いすに座ったりペースを落としたりしましょう。
無理のない範囲で行うようにしてください。
普段、運動習慣のない高齢者が行う場合も、わずかなスペースで手軽に取り組むことができます。
高齢者に脳トレをする際の注意点
高齢者に脳トレをする際は、幅広い分野のゲームをすることが大切です。
少し悩み、頭を使えば解くことができる問題であれば、脳トレや認知症予防に最適です。
高齢者が脳トレを行うことは、認知症予防の観点からとても効果的といえます。
楽しくクイズ問題に取り組めることが一番です。
そのためにも、脳トレを行う際は結果よりも過程を重視することをおすすめします。
脳トレを盛り上げることは非常に良いことです。
ただし高齢者が解答できずに、落ち込んでしまうことは避けなければなりません。
自信を失ったり自尊心まで傷ついてしまったりすると、逆効果になってしまいます。
脳トレを行うにあたり、認知症予防を目指す高齢者やその家族と周りの方も、しっかりと理解しておきましょう。
脳トレ以外の高齢者の認知症予防
脳トレ以外にも、認知症予防に効果的とされていることがいくつかあります。
今わかっていることをご紹介します。
- 外に出る機会や人と話す機会を増やす
- 生活習慣病を予防し、持病を治療する
- 栄養バランスの良い食事(多様なポリフェノールやDHA・EPAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸などを含む食品など)を摂る
- ガムを噛む(噛む行為がストレス発散になる、脳を活性化する)
- ウォーキングやフィットネス(エアロビクス)などの適切な運動を行う
参考:第7章 認知機能低下予防・支援マニュアル 7-1 事業の趣旨
高齢者の脳トレまとめ
今回は、高齢者の脳トレについてご紹介しました。
高齢者の脳トレについて要点を以下にまとめます。
- 高齢者におすすめの脳トレは簡単で楽しくできるもの
- 指先を使ったものや簡単な足踏みは脳トレにおすすめの体操
- 脳トレ以外にも軽い運動や食事によって認知症予防ができる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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