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健達ねっと>認知症を学ぶ>認知症の対応>認知症の方のプライドが高い時はどうする?対応法を解説します!

認知症の方のプライドが高い時はどうする?対応法を解説します!

人は誰しもプライドを持っています。
もちろん認知症の方も同じです。

しかし、認知症の方の高いプライドが原因で頭を悩ませる介護者は少なくありません。

本記事では、プライドが高い認知症の方への対応法について以下の点を中心にご紹介します。

  • 認知症の方のプライドが高くなる理由
  • プライドが高い認知症の方への対応方法やケア
  • 介護者がストレスを溜めないための方法

介護の不安を解消するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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認知症を発症するとプライドが高くなる?

認知症の発症とプライドの高さ

人はみなプライドを持っていますが、判断力や抑制力でコントロールしています。

しかし、認知症を発症すると判断力や抑制力が低下するので、プライドが表に出やすくなります。

思い通りにならないことに腹を立て、自分にとって不利なことを認めようとはしません。

周囲の方に対する配慮や気遣いが難しくなるのです。

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プライドが高い認知症の方への対応法

プライドの高い認知症患者の対処法

プライドが高い認知症の方の介護は、決して簡単なものではありません。

間違った対応をしてしまうと気分を害してしまい、さらに状況が悪化する可能性があるからです。

「プライドが高い認知症の方への対応法」を3つご紹介します。

他の人と比べない

プライドが高い方に限らず、誰しも他人と自分を比べられると嫌な気持ちになるはずです。

プライドが高い方は特に他人と比べられることを嫌います。
認知症の方の中には、「自分は何でもできる」「若い頃は優秀だった」などのプライドを持っている方もいます。

認知症によりできないことが増えても、本人の中では「できる」というイメージが強く残っています。

だからこそ、認知症の方と他人を比べるような発言をすると、「あなたは劣っている」と言われたような感覚になるのでしょう。

劣っていると思われるかのような発言により、認知症の方のプライドは傷付けられてしまいます。
機嫌が悪くなるだけでなく、興奮状態に陥り手が付けられなくなる可能性があります。

また、「私のことが気に入らないから言っている」「嫌な人間だ」などと思われ、逆に悪者扱いされる可能性も否定できません。

したがって、認知症の方と他人を比べるような発言はしないように意識しましょう。

張り合わない

認知症の方の介護を行っていると、思うように進まず心に余裕がなくなってしまう方は少なくありません。

自分が良かれと思ったことに対し文句を言われ、感謝の気持ちを感じられないときもあるでしょう。

しかし、そこで「私はこれだけやっている」「あなたより私の方がしっかりしている」などと張り合うと余計に状況が悪化する場合もあります。

もちろん介護者側も言われっぱなしでは腹が立つのも分かります。
ときには言い返したくもなりますし、間違ったことを指摘されれば正したくもなるでしょう。

しかし、張り合ってしまうと言い合いに終わりが見えません。

自分の不利を認めることが困難な認知症の方が「私が悪かった」と折れる確率は極めて低いです。

そのため、ときには相手の主張を聞き流す精神的な強さを示すことも必要なのです。

バカにしない

認知症の方に文句を言われると、やりきれない気持ちになるかもしれません。

しかし、そこで認知症の方をバカにするような態度を取ると怒らせたり、プライドを傷つけたりしてしまいます。

また、言い合いがヒートアップすれば介護者自身も怒りが抑えきれなくなり、どんどん感情を乱されていきます。

その場で言いたいことをグッと堪えるのは非常に難しいことです。
しかし、介護者が自分を強く持ちコントロールしなければ、その場を収めることはできません。

バカにするような発言や態度は極力控え、大人な対応を意識することが重要です。

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認知症の人への接し方の注意点

認知症の人へ接する際にやってはいけないことを紹介します。

認知症の人は、独自の世界観で生活されています。
ご本人が言うこと、することは正しいと思っており悪気もありません。
悪気がないため、指摘されたり行動を遮られたりすることに戸惑いや憤りを感じます。

以下のような接し方は、より症状を助長させる対応です。

  • 「トイレにはさっき行ったでしょ」
  • 「ご飯はもう食べたでしょ」
  • 「何度も同じことを言わないで」
  • 「危ないから立たないで座ってて」
  • 「勝手に動かないでそこにいて」
  • 「どうしてそんなことしたの」

上記の発言は、「指摘」「行動の強要」「責め立てる」などの要素を含んでおり、介護者がつい言ってしまいがちです。
しかし認知症の人は、「何も悪いことをしていないのに、どうしてこんなことを言われるのだろう」と思っていることでしょう。

認知症の人への対応の仕方を症状別でご紹介

認知症の人への対応は、共感を意識しましょう。
決して否定してはいけません。

以下で代表的な症状別に対処法を紹介します。

記憶障害

直近にあった出来事を体験ごと忘れてしまうのが記憶障害です。
「まだご飯を食べていない」といった訴えはよく聞くフレーズではないでしょうか。

食事を要求された際は、

  • 「今用意しますね」
  • 「お腹が空きましたね。何にしましょうか。」

などのように、訴えに対してこちらが応じている姿勢を見せましょう。

何度訴えてきても、できるだけ共感を意識し上記のような返答を心がけましょう。

見当識障害

見当識障害は日時・人・場所などの認識ができなくなる症状です。

例えば「今は何月だっけ?」のように日付が認識できない場合、

  • 風景を見て「桜が咲いたので4月ですね。もう春になって気持ちいいですね。」
  • カレンダーを見て「もう4月になりました。そろそろ桜が咲きそうですね。」

などのように、日時がわからないという事実の指摘はせず、困りごとを解決する声掛けを心がけるとよいでしょう。

妄想

妄想は、本当にそうであるかのように思い込んでいる症状です。
認知症の人は正しいと思って言っているため、共感の姿勢で対応することが重要です。

「そんなことはありませんよ。」と否定してしまうと、より妄想が強くなり攻撃的な態度を示すこともあるため注意しましょう。

幻覚

幻覚は実際にないものが見えたり、聞こえたりする症状です。

  • 「そこに人が立っている」
  • 「虫がいる」

といった、本当に体験しているかのような訴えが特徴的です。

幻覚に対しても共感の気持ちを示しましょう。

  • 「それは困りましたね」
  • 「虫は私が追い払っておきますよ」

などのように、不安を払拭できるような声掛けを心がけてください。

徘徊

「家に帰りたい」と言って、部屋の中や外を歩き回ることがあります。
たとえ今いる場所が家でも、家を探して歩いてしまいます。

徘徊に対しては、可能な限り一緒について歩くことが大切です。
「帰る場所を探してくれている」と思ってもらえるように対応すると、落ち着くこともあります。

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プライドが高い認知症の方へのケア

プライドが高い認知症患者のケア

認知症の症状を緩和するためのケアやセラピーは様々です。

「プライドが高い認知症の方のケア」を2つご紹介します。

タクティールケア


「タクティールケア」を耳にしたことがある方は少ないかもしれません。

タクティールケアはスウェーデンで発症されたタッチケア方法です。
認知症の方の手足や背中に優しく触れるという非常にシンプルなものになっています。

特別な道具はいらず、自分の手を使うだけで誰でも簡単に行うことができます。

優しく体に触れることにより、幸せホルモンである「オキシトシン」が分泌されます。
オキシトシンが分泌されることで、認知症の方に安心感や信頼感を与えることができます。

認知症の方はストレスや不安が原因となり、介護者に対して攻撃的な態度をしてしまう場合があります。

タクティールケアを行うことで攻撃的な態度が減り、穏やかな表情を見せてくれるようになります。

アニマルセラピー

アニマルセラピーは動物を用いた療法であり、犬を用いた「ドッグセラピー」を行っている施設が増えています。

実際に動物と触れ合うことで、ストレスが緩和し自発的な行動や動作の増加が期待できます。

アニマルセラピーの効果は行動や動作だけに現れるのではありません。

表情に変化がみられない認知症の方がよく笑うようになったり、穏やかな表情になったりするなどの効果もあります。

また、昔飼っていた動物を思い出し涙を流すなど、情動の変化が現われることもあります。
アニマルセラピーは認知症の方の心身に良い影響を与えてくれるのです。

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薬の使い方

プライドが高い認知症の方の心理

プライドが高い認知症の方の心理

認知症の方のプライドの高さには、周囲に自分をよく見せたいという心理自分自身の過大評価が隠れています。

認知症によりできないことが増えても、自分のダメなところや恥ずかしいところは見せたくないのでしょう。

また、認知症の方は自分が家族のためにやってきた仕事や家事などに自信を持っています。
「自分は優秀」「何でもできる」という思いから自分自身を過大評価していると考えられます。

そして、それらがプライドの高さへと繋がっているのでしょう。

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プライドが高い認知症患者の対応でストレスを溜めないために

プライドが高い認知症患者の対応とストレス

認知症の方を介護していると、「介護疲れ」に悩まされることもあるでしょう。
精神的な負担はもちろんですが、身体的にも負担がかかります。

介護者の健康を良好に保つためには、ストレスを溜めないことが重要です。

ここからは、「認知症の方への対応でストレスを溜めないための方法」を4つご紹介します。

誰かに相談する

認知症の方の介護を通して抱える悩みや不安をそのままにしておくと、どんどんストレスが溜まります。

特に自分の家族が認知症であることを周囲に話すのに抵抗がある方は、一人で抱え込みがちです。

しかし、認知症の方の介護をしていく上で基本となることは介護者の健康です。
介護者が体調を崩してしまっては元も子もありません。

一人で抱え込まず誰かに相談することが大切です。

自分から打ち明けなければ周囲は気付きません。
相談をしておけば助けが必要なときに協力してもらえる可能性もあります。

まずは信頼できる身近な方に相談しましょう。

介護保険サービス

日本には要介護認定を受けた方のみ利用できる介護保険制度があります。
被保険者の年齢や所得に応じて介護費用の自己負担割合が1~3割になります。

公的介護保険には支給限度額があるので、それらを考慮しながらケアマネージャーに介護サービスプランを組んでもらいます。

どのようなサポートが必要かは家族によって異なります。
ケアマネージャーに悩みや要望をしっかり伝えることが大切です。

介護保険で受けられるサービスは以下の通りです。

デイサービス

「排泄」「入浴」「食事」などの生活支援が中心です。
レクリエーション活動や機能訓練なども受けることができます。

基本的には施設の職員の方が送迎をしてくれるので、家族が送迎する必要はありません。

介護者の負担を軽減することができ、さらには認知症の方の自立支援にもなります。

ショートステイ

ショートステイは、介護施設などに宿泊するサービスです。

支援内容はデイサービスと同様に食事や入浴、レクリエーション活動などです。
介護者が旅行や出張などで家を空けるときや、体調を崩したときなどにも利用することができます。

訪問介護

訪問介護はホームヘルパーが自宅に訪問し、食事や入浴などの身体介護を行うサービスです。

また、掃除や洗濯、食事の準備などの生活支援も行ってもらえます。

介護保険外サービス

同居家族の援助として、掃除や洗濯などの生活支援や旅行の付き添いなど、公的な介護保険では提供できないサービスもあります。
これを介護保険外サービスといいます。

介護保険外サービスの具体的な内容は以下の通りです。

  • ヘアカットやヘアメイクを提供する「訪問理美容」
  • 健康を配慮した食事を自宅に届ける「食事宅配サービス」
  • 庭の草むしりや花の水やり、ペットの散歩

介護保険では利用できないサービスが受けられます。
一方で、費用は全額負担となるため注意が必要です。

ある程度の金銭的負担を把握し、トラブル防止のためにも費用を確認しておきましょう。

行政サービス

それぞれの市区町村には独自の高齢者支援サービスがあります。

住んでいる市区町村ごとに設けられているサービス内容もさまざまです。
市区町村のホームページや地域包括支援センターで確認しましょう。

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まとめ:プライドが高い認知症の方への対応

プライドが高い認知症の方への対応

ここまで、プライドが高い認知症の方への対応についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。

  • 認知症による判断力・抑制力の低下がプライドを表出しやすくなる
  • 他人と比べないことや張り合わないことなどがうまく対応するポイント
  • ケアとして「タクティールケア」や「アニマルセラピー」が効果的
  • 介護ストレスを溜めないために介護保険サービスの利用を検討する

これらの情報が皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
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