肥満は健康上良くありません。
一方、痩せすぎや急な体重減少も非常に危険です。
体重が減少する原因は様々ですが、認知症と関係があることを知っていますか?
本記事では、認知症と体重減少の関係について以下の点を中心にご紹介します。
- 体重減少が起こる原因
- 認知症と痩せ型の人の関係
- 認知症以外で体重減少がみられる病気
認知症への不安を解消するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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体重減少とは
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体重減少とは、名前の通り体重が減る症状のことです。
加齢とともに体重が減少することは珍しいわけではなく、体重が減ったからといって必ずしも何らかの病気であるとは限りません。
では、どのように体重減少が起こると病気の可能性が考えられるのでしょうか。
まず食事制限や運動などを行っていないのにも関わらず、半年で5%以上の体重減少がみられた場合は病気である可能性が高いです。
また、BMI(体重(kg)÷身長(m)の2乗)は22を標準体重とされていますが、18.5未満は低体重に分類されます。
体重減少が起こると「疲れやすい」「体が重くて動かない」などの症状が現れる場合があります。
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痩せてくることの原因
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では、一体なぜ体重減少が起こるのでしょうか。
ここからは「体重減少が起こる原因」を2つご紹介します。
加齢
まず、一つ目の体重減少の原因は加齢です。
人間は加齢に伴い筋肉量が減ります。
筋肉量が減ると基礎代謝が低下し運動不足に陥る方が多いです。
空腹感を感じにくくなることで食欲低下に繋がります。
また、口の中のものを上手く飲み込めなくなる「嚥下(えんげ)障害」が原因とも考えられます。
食事量が減り、体重減少が起こる場合もあります。
その他にも他者との交流が減ることで寂しさやストレスを感じ、体重が減ってしまう方もいます。
高齢者の方に体重減少が起こると、様々なリスクがあります。
たとえば、免疫力の低下による風邪や感染症の発症です。
加齢に伴い体重は減っていきますが、極端な体重減少には注意が必要です。
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は認知症の中で最も割合が多いです。
物忘れなどの記憶障害から始まることが多く、ゆっくりと進行していくという特徴があります。
では、どのようなことが理由となり体重減少が起こるのでしょうか?
アルツハイマー型認知症における体重減少の理由は以下の通りです。
- 記憶障害により食べることを忘れる
- 認知機能の低下により食べ物だと判断できない
- 箸の持ち方など、食事に関する一連の動作ができない
- 欲求を上手く伝えることができない
- 意欲の低下により食に興味を持てない
- テレビや外の音などで食事に集中できない
上記のようなことが起こると食事を拒否するようになり、必然的に食事量が減ります。
その結果、体重減少に繋がると考えられます。
また、重度のアルツハイマー型認知症の方はほとんどコミュニケーションが取れません。
寝たきり状態になる場合もあります。
食事を取ること自体が困難な方も多いです。
認知症と痩せ型の人の関係
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痩せたいという願望を持っている方は多くいますが、痩せている人ほど認知症になりやすいという研究結果が出ています。
では、一体なぜ痩せている人ほど認知症になりやすいのでしょうか。
理由には筋肉量が大きく関係しています。
痩せている人は他の人に比べ筋肉量が少ないです。
筋肉から分泌されるホルモンはたくさんありますが、その中でも「アディポネクチン」が認知症予防に効果的とされています。
しかし、痩せていて筋肉量が少ないとアディポネクチンが分泌されにくいです。
認知症になりやすいとも考えられます。
さらに筋肉量が少ない人は糖尿病にもなりやすいです。
糖尿病は、アルツハイマー型認知症や血管性認知症を発症する原因の一つでもあります。
痩せている人が認知症になりやすいとされている理由の一つは筋肉量ということになります。
認知症以外で痩せてくる原因
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体重減少がみられる原因は認知症だけではありません。
極端な体重減少には、その他の危険な病気が隠れている場合があります。
「認知症以外で体重減少がみられる病気」を5つご紹介します。
がん
がんは、何らかの原因により遺伝子が傷つき、異常な細胞が生まれることで発症します。
ごく小さな細胞から発生し、少しずつ大きくなっていきます。
種類によって異なりますが、初期段階で自覚症状はみられません。
がんは多くのエネルギーを使い増殖していきます。
進行に伴い食欲低下や体重減少が現れる方が多いです。
体重が減少すると体力が低下し、体力低下によって免疫力も低下します。
感染症を併発するリスクも上がるため、注意が必要です。
消化器疾患
胃・十二指腸潰瘍や潰瘍性大腸炎は消化器疾患の一つです。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍を発症すると、胃の中に食べ物の残留感が残り続けるため食欲が湧かなくなります。
潰瘍性大腸炎は腹痛や下痢が起こり、重症化すると発熱や腹痛などを生じます。
長期的に下痢が続くことが原因となり体重減少がみられます。
精神疾患
うつ病などの精神疾患は身体的な支障がないにも関わらず、慢性的に疲れや倦怠感があります。
また、何に対しても意欲や関心が湧きません。
趣味などへの楽しさも失われてしまいます。
食事や入浴などの基本的なことも自力で行えなくなると、体重や体力が低下します。
内分泌疾患
甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)や糖尿病などが内分泌疾患の一つです。
甲状腺機能亢進症はバセドウ病とも呼ばれており、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。
甲状腺機能亢進症では食欲があり、食べても食べても体重が減少するというのが特徴です。
体重減少は食欲低下によるものだけではなく、食欲があっても体重が減るという病気もあります。
対して糖尿病は、血糖値が慢性的に高くなる生活習慣病の一つです。
食事で摂取した糖質をエネルギーとして使えなくなるため、代わりに脂肪や筋肉からエネルギーを利用します。
そのため、体重が減少していきます。
呼吸器疾患
呼吸器疾患の代表的な病気は、慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)です。
慢性閉塞性肺疾患では、呼吸をするために必要な「呼吸筋」の負担が大きくなり、常に体力を使う状態が続きます。
活動量が減ることで、食欲低下や体重減少がみられる方も多いです。
感染症
細菌感染症や肺結核、真菌感染症などで体重減少がみられる場合があります。
多くの感染症で発熱を伴い、強い食欲不振や倦怠感が現われます。
特に結核菌は咳などから人にうつりやすいです。
軽感染症にかかっていると気付きにくいため注意しましょう。
体重減少の予防とケアについて
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体重減少がみられた場合、まずきちんとした食事が取れているか確認しましょう。
特に高齢者の方は自分で料理をするのが困難になり、栄養バランスが偏ることが多いです。
また高齢者の方だけではなく、若い世代の女性は過度な食事制限を伴うダイエットで栄養バランスが崩れがちです。
体重減少を伴う病気は年齢問わず誰でも発症するリスクがあります。
日頃から栄養バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
「一汁三菜」を意識した食事が体重減少の予防とケアに繋がります。
まとめ:認知症を発症すると痩せてくる?
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ここまで、認知症と体重減少についてお伝えしてきました。
要点を以下にまとめます。
- 半年で5%以上の体重減少がみられた場合は何かしらの病気のリスクが高い
- 体重減少が起こる原因には、加齢やアルツハイマー型認知症などが挙げられる
- 痩せている人が認知症になりやすい理由は、筋肉量が関係している
これらの情報が皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。