認知症介護を行ううえで重要な見守り。
大事とは思いつつも、時間的に余裕がないという悩みもあります。
十分に見守りができないと困っている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、認知症の方の見守りについて以下の点を中心にご紹介します。
- 認知症の方を見守る際のポイント
- 見守りに対する地域の取り組み
- 安全に見守りを行う方法
介護の不安を解消するためにもご参考いただけますと幸いです。
是非最後までお読みください。
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認知症の方の見守りとは?
認知症が進行するにつれて徘徊や妄想、抑うつといった症状が現れます。
そのため、周りの方のサポートが必要になってきます。
特に見守ることが大切ですが、どのようなことをすればよいでしょうか?
認知症の方の見守りでは、認知症の方に付き添いながら適宜声掛けを行います。
いつでもサポートできるような態勢でいることが大切です。
「見守り」は、熟視する、凝視するなどの意味もありますが、認知症介護での見守りは行動の制限が目的ではありません。
認知症の方の場合、理解力や判断力の低下から日常生活に多くの危険がともないます。
しかし、全て介護者が代行すると、本人の生きがいや尊厳を奪ってしまうことになりかねません。
認知症の方の見守りは、まず本人の自主性や主体性を尊重しましょう。
できること、できないことを見極め、危険を避けることが大切です。
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認知症の方を見守る際のポイント
前述のとおり、認知症の方の見守りはただ注視していればよいというものではありません。
適切な見守りを行うためにも、いくつかの方法や注意点があります。
以下、認知症の方への見守り方法について説明します。
本人の意思を尊重する
本人の意思の尊重はとても大切です。
認知症の方自身は見守りを快く思っていない可能性もあります。
監視されているように感じると、ストレスの要因にもなりかねません。
当然、危険な行為は防止し、本人の気持ちや意向に十分寄り添ったうえで見守りを行う必要があります。
環境を工夫する
認知症の方の見守りが必要になるのは、判断力や理解力が低下するからです。
一人ではできないことが増え、危険行動につながる可能性があります。
しかし、環境の工夫次第で危険を回避することは可能です。
たとえば、階段が苦手な方には、手すりやスロープを設置することでリスクを軽減できます。
また、寝室とトイレの導線を見直し、距離を近くする、ポータブルトイレを使用するなども方法として考えられます。
このように、見守りだけで問題解決を図ることはできません。
必要に応じて環境整備を行うことが問題解決に繋がることもあります。
見守りに対する地域の取り組み
見守りは家族や介護者のみに限られたものではありません。
現在、多くの自治体では、地域全体で認知症の方を支えていこうとする取り組みが進められています。
以下、見守りに対する地域の取り組みについて説明します。
見守り・SOS体制
見守り・SOS体制は自治体ごとに異なります。
地域全体で支援が必要な認知症の方や高齢者に対し、見守りを行おうとする取り組みです。
行政や警察のほか、介護事業者やタクシー会社、郵便局などが協力しながら支援を行います。
万が一行方不明になった場合の捜査協力や、高齢者への声かけ、そのほか関係機関や警察への連絡などを行います。
新オレンジプラン
新オレンジプランとは、厚生労働省がかかげる認知症高齢者等にやさしい地域づくりを目指していくための取り組みです。
別名「認知症施策推進総合戦略」ともいいます。
具体的施策には以下のものがあります。
- 認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
- 認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護の提供
- 若年性認知症施策の強化
- 認知症の方の介護者への支援
- 認知症の方を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進
- 認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進
- 認知症の方やその家族の視点の重視
オレンジプランは、上記の7つの柱を基盤に、医療・介護から生活支援までを包括的に支援する地域包括ケアシステムの実現を目指しています。
認知症カフェ
認知症カフェとは、認知症介護を行う家族や専門職が集い、認知症介護に対する日ごろの悩みやケアについて話し合える場です。
自治体ごとに開催内容や頻度は異なりますが、気軽に参加できお茶などを飲みながら話や相談ができることが特徴です。
専門職からのアドバイスのほか、実際に認知症介護を行っている家族の悩みや経験談を聞くことができます。
気付きを得たり、不安を取りのぞくきっかけにもなります。
安全な見守りを行うために
より安全な見守りを行うためには、見守りグッズや見守りシステムの利用も方法の一つです。
見守りグッズの中には高齢者の見守りを行う介護用カメラがあります。
スマートフォンとの連携により、離れていても自宅内の様子を見ることができます。
また、通話が可能なものなどもあります。
家族が離れて暮らしている場合や日中は家を離れている場合などに有効な手段です。
そのほか、見守りシステムとして見守りQRマークネットワークの提供を行っている自治体もあります。
申請することで、私服や私物に貼ることのできる専用QRコードが発行されます。
QRコードを読み取れば連絡先がわかるシステムになっています。
万が一、屋外へ外出し家に帰れなくなり、行方不明になってしまった場合の対策として有効な方法です。
認知症の方の見守りまとめ
ここまで認知症の方の見守りについてお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 認知症の方の見守りは、本人の意思を尊重することが大切
- 見守りを行うときは、SOS体制や新オレンジプランも活用できる
- 必要があれば市販の見守りグッズなども活用する
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。