これらの認知症の治療法として、リハビリや薬を使った方法が一般的に知られているものだと思います。
今回は、レビー小体型認知症の治療方法について紹介した上で、自宅でできるレビー小体型認知症の治療方法や治療費用についてご紹介します。
- レビー小体型認知症の治療方法
- 認知症の方のための環境
- レビー小体型認知症の治療の注意点
レビー小体型認知症の治療について役立つ記事となっているので、ぜひ最後までお読みください。
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レビー小体型認知症の治療方法
レビー小体型認知症に対して治療する方法はないため、症状を緩和することが目的の治療方法となります。
また認知機能障害や幻覚、睡眠障害など症状が多岐にわたるため、認知症の方ごとに合わせて治療方法を決めるのが一般的です。
治療法には、薬物療法と非薬物療法の2種類に分けられるので、その2種類についてご紹介します。
薬物療法
レビー小体型認知症の薬物療法に使用されているのは、アリセプトです。
他にも、行動・心理症状(BPSD)と呼ばれる症状が強く出ている場合には、抗うつ薬・抗不安薬・漢方薬・抗精神病薬などを使用する場合があります。
薬物療法のデメリットとして認知症の方が飲み忘れてしまうことが多いので、家族などが薬の飲み忘れをしないように声をかける、飲むところを確認するなどして周囲の方が支えてあげましょう。
非薬物療法
非薬物療法としてリハビリテーションがありますが、見る・聞く・味わう・触る・嗅ぐ、の感覚を刺激し、脳を活性化させ症状の進行を抑制することが可能です。
具体的なリハビリ方法は、作業療法、回想法、園芸療法、音楽療法、アニマルセラピーなどがあります。
リハビリは薬を使用せずに症状を緩和できる良い方法ですが、無理に行ってしまうとストレスの原因となってしまいます。
逆に症状を悪化させるおそれもあるため、本人が楽しくできるリハビリを行いましょう。
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症状別|レビー小体型認知症の治療薬
レビー小体型認知症は症状の種類が多いため、軽減・緩和させたい症状に優先順位をつけて処方する場面が多くみられます。
認知機能障害
認知機能障害がある場合には、ドネペジル塩酸塩であるアリセプトを使用します。
アリセプトは、アルツハイマー型認知症でも処方される薬です。
妄想や幻覚症状
妄想や幻覚症状がある場合には、抑肝散という漢方薬や抗精神病薬であるルーランやセロクエルなどを使用します。
睡眠障害
睡眠障害がある場合には、抗てんかん薬のリボトリールやランドセン、睡眠導入薬のマイスリーなどを服用します。
パーキンソン症状
パーキンソン症状がある場合には、パーキンソン病治療薬であるメネシット・ネオドパストン・マドパーなどを使用します。
自律神経障害による症状
自律神経障害による症状がある場合には、立ちくらみに効果のあるドプスや低血圧の治療で使用させるメトリジンなどが処方されます。
レビー小体型認知症の非薬物療法
レビー小体型認知症の非薬物療法は本人の性格や症状、好みなどによって行うものを選ぶことが大切です。
運動療法
運動療法とは、座りながらできる体操や軽いウォーキングなどの身体を動かす療法です。
身体を動かすことで筋肉から脳へ刺激を与えられる効果や、血行促進する効果も期待できます。
本人がストレスなく楽しんで行えるような運動方法を見つけることが大切です。
回想法
回想法とは、思い出話をすることで昔を思い出してもらう療法です。
アルバムなど本人にとって思い入れがあるものを使うことで、より鮮明に過去を思い出しやすくなるのでより効果が期待できます。
また、話す内容は辛かった思い出を話すのではなく、楽しかった思い出や幸せな記憶を話してもらうようにしましょう。
認知機能訓練
認知機能訓練とは一般的にも脳トレとして行われる簡単なゲームや計算、少し難易度が高いものであればトランプやパズルなどです。
脳トレグッズとして、多くのものが市販されているので手軽に行える療法になります。
音楽療法
音楽療法とは、音楽に触れることで脳を活性化させる療法です。
方法は音楽を聴くだけではなく、カスタネットなどの簡単に演奏できる楽器を使ったり歌を歌ったりなど、音楽に関するものであれば問題ありません。
レビー小体型認知症の方の治療のための環境
治療法としては薬物療法と非薬物療法が一般的ですが、本人が過ごしやすいような自宅の環境づくりも大切になります。
どのような環境が良いのかご紹介していきます。
転倒防止
レビー小体型認知症の特徴的な症状として、身体機能の低下があります。
そのため、転倒による怪我などを予防するための環境をつくることが大切です。
例えば、
- 段差がある箇所をスロープでなだらかにする
- 手すりをつける
などが挙げられます。
環境に応じて対策を行いましょう。
転倒により骨折をしてしまうと、日常生活が制限されるため、ストレスが溜まりやすくなります。
認知症の症状を悪化させるおそれもあるためしっかりと転倒防止を行いましょう。
室内をシンプルにする
レビー小体型認知症の幻視症状を起こしにくくする方法として、室内をシンプルにするのが効果的です。
例えば、部屋にものが多くある場合にはそのものが何か違うものに見えてしまうおそれがあります。
極力ものは置かない、部屋が暗いと幻視の症状があらわれやすいので、できるだけ部屋は明るくするなどの方法があります。
レビー小体型認知症の治療費用を抑える方法
レビー小体型認知症に限らず、認知症と診断された場合経済的負担が大きくなります。
そのため、介護サービスそれぞれの内容を把握し、上手に利用することが大切です。
介護サービス
40〜64歳で認知症と診断された方、介護が必要と判断された65歳以上の方が利用可能です。
グループホームの利用、介護ヘルパーの生活サポートやリハビリだけでなく、福祉用具のレンタル、住宅の改修にかかる費用の補助もあります。
自立支援医療
世帯の所得額により限度額が決まりますが、1ヶ月間の認知症によりかかる医療費の自己負担額が、原則1割負担になる制度です。
身体障害者手帳
身体障害が一定以上である場合に交付されるものです。
身体障害者手帳を使用することで、医療費の助成を受けることができたり、さまざまな福祉サービスを受けることが可能になります。
傷病手当金
怪我や病気などが原因となり、休職する必要があると判断された場合に受け取れる手当金です。
障害年金
日本年金機構が定める等級と認められた、65歳以下の障害がある方が受けることができる年金です。
住宅ローン支払い免除
認知症により収入が低下し、住宅ローンの支払いが困難になった場合に条件を満たすとローン支払いの免状が受けられる制度です。
レビー小体型認知症の治療の注意点
レビー小体型認知症は他の認知症よりも薬に過敏に反応してしまいます。
過敏に反応することで、多くの副作用を起こしたり逆に症状が悪化してしまう場合もあります。
ドラッグストアなどで市販されている薬でも、過敏な反応を起こす場合がありますので注意が必要です。
レビー小体型認知症の延命治療について
レビー小体型認知症の延命治療についてご紹介します。
延命治療の一つとしてACP(アドバンス・ケア・プランニング)というものがあり、これはどのような最期を迎えたいのかを認知症の方と家族が一緒に考えるというものです。
家族の最期を考えるのは簡単なことではありませんが、症状が進んでいくと本人と話し合うことが難しくなります。
そのため、体も心も元気なうちからどのように最期を迎えたいのかについて本人と家族が意思表明しておくことが大切になります。
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レビー小体型認知症の治療のまとめ
ここまでレビー小体型認知症の治療方法や環境づくりなどを中心にお伝えしてきました。
- レビー小体型認知症の治療には、薬物療法と非薬物療法の2種類ある
- 転倒防止、室内をシンプルにすることで環境を整えることが大切
- 薬に敏感なため、量やタイミングに十分注意する
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。