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トップページ>認知症を学ぶ>認知症の予防に適した食事とは?栄養素や食事を徹底解説!

認知症の予防に適した食事とは?栄養素や食事を徹底解説!

私たちの体には、食事から摂取する栄養が欠かせません。
栄養バランスを考えた食事は体を動かすエネルギー源になると同時に、認知症予防にも効果的とされています。
今回は、認知症の発症を防ぐ栄養素やそれを含む食物、予防に適した食事を紹介します。

  • 認知症の原因と症状について
  • 認知症予防に適した食事や栄養素
  • 認知症予防に適さない食事や栄養素

この記事をご覧いただき、認知症と栄養素についての知識を深めるための参考にしてください。
ぜひ最後までお読みください。

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認知症とは

認知症とは、脳の障害や病気などが原因で、日常生活に様々な支障をきたす状態です。
認知症には、中核症状と周辺症状の2種類があります。

以下で認知症の原因や、中核症状と周辺症状の具体的な症状をご紹介します。

認知症の原因

アルツハイマー型認知症の発症原因は、アミロイドβという異常なたんぱく質です。
アミロイドβたんぱく質が脳内に溜まることで、脳細胞の損傷や神経伝達物質が減少します。
その結果、脳全体が萎縮しアルツハイマー型認知症を発症します。

また、脳梗塞や脳出血など脳の血管障害によって起こる血管性認知症は、高血圧が関係しています。
そのため、アミロイドβの蓄積の抑制や、高血圧の予防が認知症の発症を防ぐことに繋がります。

中核症状

中核症状とは、脳細胞の減少や死滅などによって直接的に起こる症状です。

中核症状の具体的な症状は以下の通りです。

記憶障害

認知症で起こる記憶障害は、加齢による物忘れとは違います。
数分前に財布を置いた場所や食べた食事の内容など、近い出来事を思い出せなくなります。
さらに、新しいことを記憶するのが困難になります。

そのため、同じものを何度も買ってきたり、約束を忘れたりといったことが起こります。
長期的な記憶は保たれやすいですが、症状が進行すると昔のことも思い出せなくなります。

見当識障害

見当識障害とは時間や場所、人などに関することが正常に認識できなくなる状態です。
そのため、日付や時間、季節などが分からなくなり、夏なのに厚着するといったことが起こります。
そのほかにも、見慣れた場所で道に迷ったり、家族や親戚などの身近な人のことも分からなくなったりします。

実行機能障害

実行機能障害とは、物事を順序立てて効率的にこなすことが難しくなる状態です。
以前できていた料理や家事などができなくなったり、電化製品の使い方が分からなくなったりします。

また、予想外の出来事に対しても上手く対処できなくなり、混乱状態に陥ることがあります。

理解力・判断力の低下

情報処理能力が低下し、物事を理解するのに時間がかかります。
また、一度に複数のことを言われると理解が難しくなったり、いつもと違う出来事への対応ができなくなったりします。

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周辺症状

周辺症状とは、中核症状に加えて本人の性格や環境などが影響し合って起こる二次的な症状です。
中核症状は認知症を発症した全ての方に現れますが、周辺症状は個人差があります。

周辺症状の具体的な症状は以下の通りです。

徘徊

場所の見当識障害によって今いる場所が分からなくなると、徘徊を繰り返すことがあります。
自宅にいても「家に帰りたい」と訴えたり、すでに亡くなっている方に会いに行こうとします。

認知症の方には本人なりの理由や目的があるため、周囲の方が止めるのは非常に困難です。

妄想

妄想には、物盗られ妄想や嫉妬妄想などがあります。
こうした妄想は、認知症を発症したことによる不安や焦り、恐怖心などから引き起こされます。

幻覚

幻覚が起こると、知らない男性が家にいるなどと、実際には存在しないものを訴えるようになります。
対象のものが存在していなくても、認知症の方にははっきりとした感覚があります。

そのため、周囲の人が否定すると混乱や興奮状態に陥ることもあります。
また、幻覚を悪化させる可能性も考えられます。

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認知症予防に適した栄養素

DHA・EPA

DHA・EPAなどの不飽和脂肪酸は、青魚に多く含まれている栄養素の1つです。

DHAは脳細胞に多く存在しており、脳神経の再生や神経保護などの働きをしています。
そのため、記憶力や判断力、注意力などの維持や向上が期待できます。

EPAはDHAと異なり脳まで届くことはありません。
しかし、脳梗塞や心筋梗塞などの原因となる血栓を予防し、血液をサラサラにする効果があります。

ポリフェノール

赤ワインやコーヒーなどに含まれるポリフェノールは、体内で生成される過酸化酸素を取り除く作用があります。
過酸化酸素は体内の脂質を過酸化脂質に変え、免疫機能の低下や老化を引き起こし、さらには高血圧の原因にもなります。

しかし、ポリフェノールはこのような悪影響を防ぐため、健康維持や向上が期待できます。
また、アミロイドβたんぱく質の蓄積を抑制する効果もあるとされています。

カテキン

緑茶に含まれるカテキンはポリフェノールの一種です。

強い抗酸化作用により老化を防ぎ、間接的に認知症予防へ繋がります。
また、カテキンに含まれるエピガロカテキンガレートはアミロイドβたんぱく質の蓄積を抑制する作用があります。

その他には血管を健康的に保ち、血栓の生成を抑えるため、血管性認知症のリスクを高める動脈硬化や血栓を防いでくれます。

ビタミンB12

アルツハイマー型認知症の方の血液内には、ホモシステインというアミノ酸の濃度が高いことが分かっています。
ホモシステインは脳や血液に活性酸素を発生させ、脳萎縮や動脈硬化を引き起こす可能性があります。

ホモシステインを減らす効果を期待できるのがビタミンB12です。
また、ビタミンB12は脳神経の機能維持に関わっているため、不足することで認知機能の低下を引き起こします。
ビタミンB12を積極的に摂取することで、アルツハイマー型認知症を予防することに繋がります。

葉酸

葉酸は水溶性のビタミンB群の一種であり、ビタミンB12と共にホモシステインを減らす働をしています。
葉酸が不足すると血栓を形成し、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などの原因になります。

葉酸を摂取することでホモシステイン血栓や動脈硬化を予防して血流を維持できます。

 

認知症の予防に適した食事は?

ここまで、認知症予防に適した栄養素について紹介してきました。

以下で、これらの栄養素を含んだ食品を紹介します。

魚の中でも、サンマやアジ、サバなどの青魚にはDHA・EPAが多く含まれています。
サンマやアジなどの青魚は手に入りやすく、焼いたり煮たりなど様々な食べ方ができるためおすすめです。

しかし、毎日調理したり摂取したりすることが難しい場合もあります。
その場合におすすめな食品はしらすや缶詰です。

しらすはわざわざ調理する必要がない上に、DHA・EPAが豊富に含まれています。
また、缶詰であればそのまま食べられるため、忙しい方や調理の時間がない方でも気軽にDHA・EPAを摂取することが可能です。

牛や豚、鶏の内臓であるレバーにはビタミンB12が豊富に含まれています。
また、肉以外の食物であれば牛乳や卵、しじみなどの食物もビタミンB12の含有量が多い食物です。

ビタミンB12は植物性の食物にはほとんど含まれていないため、肉類など動物性の食物を積極的に食事に取り入れることをおすすめします。

野菜・果物

ほうれん草や枝豆、とうもろこしなどの野菜と、イチゴやキウイなどの果物には葉酸が多く含まれています。

野菜は肉や魚と一緒に食事に取り入れ、積極的に摂取することをおすすめします。
果物はそのままでもヨーグルトに入れたりしても美味しく食べられるため、時間がなく疎かにしがちな朝食におすすめです。

飲み物

カテキンは烏龍茶や紅茶などの飲み物に含まれていますが、中でも緑茶はカテキン含有量が多い飲み物です。
また、赤ワインやコーヒーにはポリフェノールが豊富に含まれています。

しかし、赤ワインはアルコールであり飲みすぎはかえって認知症のリスクを高めるため、摂取する量に注意して飲むことをおすすめします。

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認知症予防に適さない食べ物は?

認知症予防に適さない食物の中には、アルコールや塩分過多なもの、トランス脂肪酸を含むものなどがあります。

塩分の摂りすぎは高血圧を引き起こす可能性が高いため、血管性認知症の原因となる脳梗塞を招くリスクを高くします。
そして、マーガリンやショートニングなどのトランス脂肪酸を多く含む食物は動脈硬化を引き起こし、脳梗塞を発症しやすくなります。

特にお菓子や菓子パンばかりを食べていると、トランス脂肪酸の摂取量が増加するため非常に危険です。
また、日常的にアルコールの摂取量が多いと脳が萎縮しやすくなり、認知症の発症リスクを高めます。

そのため、アルコールや塩分・トランス脂肪酸が多い食物を控えることが重要です。

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低栄養素は認知症発症リスクを上げる?低栄養素による認知症発症リスク

低栄養素とは、体に必要な栄養素が不足して健康を維持することが困難な状態です。
低栄養素状態に陥ると、歩きづらくなったり筋力が低下したりするなど体に様々な悪影響を及ぼします。

さらに、低栄養素は認知症の発症リスクを高める可能性があります。
なぜなら、栄養を十分に摂取できないことによる脳のエネルギー不足が、認知機能の低下を引き起こすからです。

脳のエネルギー源はブドウ糖です。
ご飯や麺類などの炭水化物や糖質が消化されることで作られますが、脳はブドウ糖を溜めておけません。
そのため、常時脳に十分なブドウ糖を送る必要があります。

しかし、食事から十分な栄養が摂取できていないとブドウ糖が不足すると共に、脳がエネルギー不足に陥るのです。

薬の使い方

認知症のための栄養を考えた食事作りが難しい場合は?

認知症の発症を防ぐ栄養素やバランスの取れた食事が大切とはいえ、毎日の食事作りが難しい場合もあります。

そこでおすすめなのが、高齢者・介護者向けの配食サービスです。

高齢者・介護者向けの配食サービスとは、調理した食事やお弁当を自宅に届けてくれるものです。
栄養バランスを整えていることはもちろん、カロリーや塩分、糖質などを抑えたり、食べやすくしたりなど様々なことを考えて作られています。

自分や家族に合ったものを選べるため、栄養を考えた食事作りができない場合でも安心して利用できます。
高齢者・介護者の配食サービスでは、冷凍・冷蔵・常温からお届け時の食事状態も自由に選ぶことが可能です。

冷凍タイプであれば何日分かまとめて受け取り、保存できます。
冷蔵タイプは冷凍に比べて温める時間が短く、美味しさをしっかり保った状態のまま食べられます。
常温タイプは温める時間を要することなく、受け取ってからすぐに食べられることが良い点です。

また、宅配サービスはお弁当だけではなく、主菜や副菜を組み合わせた惣菜だけでも配達してくれます。
惣菜だけの配達であれば、主食は自分の好みのものを用意できるので、その日の気分で変えることができます。

自分のライフスタイルに合ったものを選べたり、毎日の料理の負担を軽減できたりするのは宅配サービスの大きなメリットです。

「栄養バランスの整った食事が食べたい」「忙しくて毎日料理するのが難しい」などと悩まれている方は、ぜひ宅配サービスを試してみてください。

認知症と栄養のまとめ

認知症と栄養のまとめ

今回は、認知症と栄養についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。

  • 認知症は記憶障害などの中核症状と、妄想や徘徊などの周辺症状の2種類がある
  • 認知症の予防には、DHAやEPA、ポリフェノールなどが含まれる食事が効果的
  • 反対に過剰なアルコールや塩分摂取、トランス脂肪酸などは認知症予防には適さない

これらの情報が皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
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