WHOは「World Health Organization」の頭文字をとった世界保健機関の略語です。
世界中の人々が健康に過ごせるようにさまざまな取り組みを行っています。
WHOは認知症リスク低減のためのポイントとして「社会活動」を挙げています。
社会活動とは具体的にどのようなものなのでしょうか?
本記事ではWHOの推奨する社会活動について以下の点を中心にご紹介します。
- 社会活動と認知症の関係性について
- WHOの社会活動の内容とは
- 社会活動による死亡率の低下について
社会活動の効果について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
スポンサーリンク
WHOが示す社会活動とは
まずはWHOが示す社会活動について紹介していきます。
社会活動とは、地域の活動や社会福祉などに参加することです。
社会活動には身近な存在である町内会への参加なども含まれます。
以下で詳しく紹介していきます。
スポンサーリンク
社会活動と認知症の関係性
WHOは社会活動が認知症リスク低減と関連があると指摘しています。
以下で詳しく説明していくので参考にしてください。
社会活動の効果
社会的な交流を持たずに孤独感を感じていると、認知症の発症リスクは上がるとされています。
社会活動に参加することで、他者とコミュニケーションを図る機会となります。
会話をすることで脳が活性化され、認知機能維持につながります。
さらにコミュニケーションの中で喜怒哀楽を感じることで、平坦な生活に刺激を与える機会にもなります。
そのため、社会活動に参加することで、認知症の予防につながります。
また社会活動の中で行う作業によって体を動かす機会が生じ、筋力低下を防ぐことにもつながります。
WHOの認知症予防に対するエビデンス
会話をすることによって脳が活性化されることは明らかになっています。
しかし現状では、社会活動への参加が認知症に与える影響に十分なエビデンスは存在していません。
そのため、WHOではまずは一般的な認知症ケアを第一に考え、社会活動への参加は補足的な意味合いと認識されています。
ただし、社会活動に参加して交流を広げることで社会とのつながりや友人作りにもつながります。
助け合いができる環境を整えることにもつながるため、社旗活動への参加は大切なことといえます。
社会活動の主な内容
社会活動と一言にいってもさまざまな活動があります。
以下で具体例をいくつか挙げて紹介していきますので、参考にしてください。
町内会
町内会とは一定の町内に住んでいる住民のコミュニティーのことです。
住民同士が交流を深められるように活動している住民自治組織のことです。
指定された住民から町内会費を集め、その会費にてさまざまなイベントが催されることが多いです。
また町内会があることで、災害時などの万が一のときに住民同士が協力することができます。
敬老会
敬老会とは、町内会の中でも高齢者を主体とした団体組織のことです。
レクリエーションなどを通して地域の高齢者同士が交流する機会を設けています。
年を重ねることで外出する機会が少なくなるお年寄りのためにあるものです。
落語や音楽鑑賞、ボーリングなどのさまざまなイベントを通して交流を深めることができます。
例大祭
例大祭とは神社で一定の時期になると、毎年行われるお祭りのことです。
地域によってお神輿を担いだり、盆踊りをしたりとその内容はさまざまです。
華やかなイベントなので、地域住民や子どもたちの楽しみの場になっていることが多いです。
美化活動
美化活動とは地域住民が気持ちよく生活できるように清掃や除雪、植栽、除草などを行うことです。
クリーンな環境を整えることで、住みやすい町作りにつながります。
それだけでなく、住民の意識づけにもなり、ゴミのポイ捨てなども減ることが期待されます。
社会活動は引きこもりの解消にもなる
高齢になると、身体機能や体力が低下していきます。
そのため、出歩くことが億劫となり、引きこもりになりやすい傾向にあります。
さらに、毎日家の中で刺激のない同じような生活を送ることで、認知症のリスクも上がるのです。
近年は核家族世帯が一般的になっており、配偶者の死別などにより高齢者の一人暮らしも増加しています。
高齢者の一人暮らしの増加により孤独死が増えていることは社会問題にもなっています。
社会活動に参加し社会とのつながりを持つことは、孤独死などの社会問題対策にもつながります。
社会活動へ参加することは外出の機会にもなるため引きこもりが解消され、何かあったときにもすぐに気づいてもらえます。
このように社会活動への参加にはさまざまなメリットがあるのです。
社会活動による死亡率の低下
静岡県が行った調査によると、社会活動に参加することで死亡率が低下することがわかりました。
若い頃は仕事や育児などで、自然と社会とのつながりが生まれる機会が多いです。
しかし、高齢者は外に出る機会が少なくなり、孤独感を感じやすくなります。
そのため、高齢者には特に社会活動への参加がおすすめです。
社会活動に参加することで自然に社会とつながり、孤独感が軽減して精神的に充実します。
さらに外出する機会を作ることになり、適度な運動や健康を意識するきっかけ作りになるのです。
このように社会活動に参加することで、心身共に健康な体作りができます。
その結果、死亡率が低下することにつながります。
参考:静岡県「ふじ33プログラム」
社会活動の現状
最後に社会活動の現状について紹介していきます。
現在の地域で社会活動を行っている人の割合について以下にまとめます。
内容 | 割合 |
自治会、町内会などの自治組織の活動 | 18.9% |
まちや地域作り安全などの活動 | 3.5% |
趣味やスポーツを通じたボランティア・社会奉仕などの活動 | 11.0% |
伝統芸能・工芸技術などを伝承する活動 | 1.2% |
生活の支援・子育て支援などの活動 | 1.5% |
その他 | 2.9% |
特に活動はしていない | 69.9% |
このように比較して見ると、約7割の人が社会活動はしていないという結果でした。
社会活動をしていない人が大半であることがわかります。
WHOの推奨する社会活動まとめ
ここまでWHOの推奨する社会活動についてお伝えしてきました。
WHOの推奨する社会活動の要点を以下にまとめます。
- 社会活動に参加することで外出する機会になり認知症予防につながる
- 社会活動の中には町内会や敬老会、美化活動などがある
- 社会活動に参加することで心身の健康につながり、死亡率が低下する
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。