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健達ねっと>認知症を学ぶ>認知症に有効な貼り薬とは?種類や副作用についても解説

認知症に有効な貼り薬とは?種類や副作用についても解説

超高齢化社会の日本において、年々増加している認知症。
認知症に対する薬も多様化してきました。

薬のイメージとして飲み薬が主流かもしれませんが、実は貼り薬もあるということをご存知でしょうか?

飲み薬が苦手な認知症の方にとって、貼り薬は心強い味方ですが、有効な種類や副作用についても気になりますよね。
そこで今回の記事では、認知症に有効な貼り薬の種類や副作用について以下の点を中心にご紹介します。

  • 認知症に有効な貼り薬の種類
  • リバスタッチパッチ、イクセロンパッチの服用方法
  • 認知症に対する非薬物療法

認知症の貼り薬の知識を付けて、服用対策をするためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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認知症に有効な貼り薬の種類


認知症に有効な貼り薬とは、どのようなものがあるのでしょうか?
唯一の認知症への貼り薬として、リバスタッチパッチ、イクセロンパッチという薬があります。

ここからは効果や服用方法、注意点、副作用について詳しく解説していきます。

効果

リバスタッチパッチ、イクセロンパッチは企業による製品名が異なりますが、有効成分は同じです。
貼り薬のタイプの認知症の進行を抑制する薬で、軽度および中等度の認知症に適応があります。

そもそも認知症とは、脳内のアセチルコリンなどの神経伝達物質が減少している状態です。
アセチルコリンは、コリンエステラーゼなどの酵素により分解されてしまいます。

つまり、神経伝達物質の減少を抑えるには、この酵素を阻害し、神経伝達物質の分解を防がなければなりません。

リバスタッチパッチ・イクセロンパッチには、この脳内のアセチルコリンを分解する酵素を阻害する役割があります。

リバスタッチパッチ・イクセロンパッチの服用方法

貼り薬にも服用方法があります。

1日1回の貼り薬で、有効成分の量によって4.5mg、9mg、13.5mg、18mgの4種類に分けられます。

少量の服用から始め、段々と最も有効成分の多い18mgへと増量していきます。
徐々に身体を慣らしていき、副作用を軽減するためです。

以前は一番少量の4.5mgからスタートし、4週間ごとに増量していました。

しかし2015年8月からは、副作用の出現率に差異がないため、9mgから服用し、4週間後には18mgにする増量方法が認められ、速やかに有効用量まで増量できるようになりました。

使用上の注意

パッチは1日1枚まで使用できます。

一度に2枚以上は貼らないでください。

薬の接着面には有効成分が含まれているため、パッチを剥がしたあとは皮膚に残った薬の成分を拭き取るようにしてください。

食事や入浴に関係なく、毎日同じタイミングで貼るようにすると、貼り忘れ防止の点からもいいかもしれません。
もしも貼り忘れた場合は、気づいたときにすぐに貼るようにしましょう。

使用後のパッチは、他の方が誤って貼ってしまうことを防止するために、確実に破棄するようにしてください。

副作用

代表的な副作用としてかゆみなどの皮膚症状と嘔吐などの消化器症状があります。
このうち、皮膚症状は家庭内での対策ができます。

また前回と同じ部位にパッチを貼らないように、貼る場所を複数決めておいてローテーションするといいでしょう。
傷や皮膚病のある箇所は避けて貼ってください。

一方、消化器症状の副作用が出た場合は、使用にあたり注意が必要なので、すぐに使用をやめて主治医に相談してください。
皮膚症状が続く場合も、主治医への相談は大切です。

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認知症に有効な飲み薬


認知症には貼り薬だけではなく、有効な飲み薬もあります。
飲み薬には何種類かありますが、対象の認知症の種類や効果などに違いがあるということをご存知でしょうか?

ここからは、飲み薬の効果について解説していきます。

アリセプト

リバスタッチパッチ・イクセロンパッチと同様に、内のアセチルコリンを分解する酵素を阻害し認知症進行を抑制します。
通常、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症に服用されます。

形状も錠剤だけでなく、水無しで飲める口腔内崩壊錠(D錠)や、高齢の方でも飲みやすいゼリー剤、ドライシロップタイプなどもあります。

レミニール

リバスタッチパッチ・イクセロンパッチと同様に、内のアセチルコリンを分解する酵素を阻害し認知症進行を抑制します。
通常、アルツハイマー型認知症に服用されます。

進行度が中程度までなら20~30%くらいの有効率とされていますが、対症療法薬であるため、服用をストップすると一気に薬を飲む前の状態まで悪化する可能性が高いです。

形状も錠剤だけでなく、水無しで飲める口腔内崩壊錠(OD錠)や、高齢の方でも飲みやすい内用液などがあります。

メマリー

思考力や判断力を低下させるグルタミン酸という物質の過剰分泌を抑制することで、アルツハイマー型認知症の諸症状を軽くします。

中度以降のアルツハイマー型認知症に服用されます。
攻撃的、怒りっぽい、興奮、徘徊といった周辺症状の軽減が期待されていますが、病気そのものの進行を止める薬ではありません。

形状は錠剤だけでなく、水無しで飲める口腔内崩壊錠(OD錠)や、高齢の方でも飲みやすいドライシロップタイプなどがあります。 

認知症に対する非薬物療法について


ここまで認知症に有効とされる貼り薬や飲み薬について解説してきました。
しかし、薬の服用を行わない認知症に対する非薬物療法もあります。

非薬物療法の目的は運動や作業を行うことで、その人が持っている本来の能力を引き出し、機能を最大限に活かした治療を行うことです。

自分に関することや興味のあることなので、治療を楽しく継続できるというメリットもあります。

回想法

昔のなじみのある音楽や写真に触れ、経験や想い出を思い出したり語ったりする方法です。
昔のことを思い出し、語ることで脳が活性化し、認知症進行の予防が期待できます。

また、誰かと会話をすることでコミュニケーションのきっかけになるというメリットもあります。

運動療法・作業療法

日々の運動や作業を積極的に行うことで、心身共に機能を高める療法です。
ハードな運動や複雑な作業をする必要はなく、散歩やストレッチ、ご飯の盛り付けなどでも脳の活性化に繋がります。

認知症の方本人だけでなく、介護者の方も合わせて楽しめるというメリットがあります。

リアリティオリエンテーション

現実見当識訓練とも言われ、「今が何時か?」「今いる場所はどこなのか?」という現状を把握するための訓練です。

例えば「もうすぐでお昼ご飯ですね」と認知症の方に伝えて、「お昼ご飯の時間ということは、今は〇時だ」ということを意識する機会を作ります。

その他の非薬物療法

その他にも非薬物療法があります。
以下に例を挙げますので、ぜひ参考にしてみてください。

音楽療法

音楽を聴いたり歌ったりすることで、脳の活性化を図ります。

芸術療法

絵や俳句を通して、五感を刺激しながら脳の活性化を図ります。

学習療法

一桁の計算など、簡単な問題を解いて正解し、他人に褒められることで脳の活性化を図ります。

アロマ療法

アロマの香りそのものを楽しんだり、オイルマッサージを行ったりすることで、香りが脳に刺激を与えます。

ペットセラピー

動物と触れ合うことで、ストレスを緩和したり精神を安定させたりする目的があります。

認知症に有効な貼り薬まとめ


ここまで認知症に有効な貼り薬の種類や副作用についてお伝えしました。
要点を以下にまとめます。

  • 認知症に有効な貼り薬の種類はリバスタッチパッチ、イクセロンパッチ
  • リバスタッチパッチ・イクセロンパッチの服用方法は有効成分が少量のものから服用していき、有効成分が多いものへと移行していく
  • 認知症に対する非薬物療法は回想法、運動療法、作業療法、リアリティオリエンテーションなど

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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監修者 メディカル・ケア・サービス

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