日本の認知症の方の増加は、社会的に問題になっています。
しかし、認知機能の低下の原因が加齢、認知症、また他の疾患によるものなのかは専門家でも判断が難しいことがあります。特に、症状が似ているとされるレビー小体型認知症とパーキンソン病については、一般の方では判断が困難です。
そこで今回の記事ではレビー小体型認知症とパーキンソン病の関係について、以下の項目を中心に解説します。
- レビー小体型認知症とパーキンソン病の関係
- レビー小体型認知症とパーキンソン病の症状
- レビー小体型認知症とパーキンソン病の原因
レビー小体型認知症とパーキンソン病の違いを知り、症状を判断する際にお役に立てると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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レビー小体型認知症とは
レビー小体型認知症は、レビー小体という特殊なタンパク質が脳の大脳皮質辺りに蓄積することで発症します。
認知機能の良い時と悪い時の波の発生、幻視や睡眠障害といった症状が現れます。
レビー小体型認知症も根本的な治療法がないため、対症療法が中心となっています。
三大認知症の一つとされているレビー小体型認知症。発症すれば幻視や妄想をともなう可能性のあるレビー小体型認知症ですが、どのような対策や予防があるのでしょうか?今回は、レビー小体型認知症について以下の点を中心にご紹介します。[…]
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パーキンソン病とは
パーキンソン病は、脳内のドパミンが減ることによって発症します。
高齢者によく見られますが、若い方でも発病することがあります。
手足の震えなどの軽い症状から始まり、進行すると寝たきりになることもあり、難病指定されている病気です。
現在のところ、完治することはないため対症療法が中心となっています。
パーキンソン病は、難病指定されている疾患でとくに高齢の方に多く見られます。パーキンソン病は早期の発見・治療によって進行をゆるやかにできるため、症状を見逃さないことが大切です。本記事では、パーキンソン病について解説します。[…]
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パーキンソン病の方とレビー小体型認知症の関係
パーキンソン病とレビー小体型認知症は類似点も多いため、本当はレビー小体型認知症なのにパーキンソン病と間違われることがあります。
また、パーキンソン病が進行すると認知症が発症することも多く、現れる症状によってレビー小体型認知症、パーキンソン病に伴う認知症に分けられます。
レビー小体型認知症なのか、パーキンソン病に伴う認知症なのかは、基本的に脳のどの部分にレビー小体が現れるかによって分けられます。
また、レビー小体型認知症では、認知機能の低下や精神症状が先に発症するという特徴があります。
一方、パーキンソン病では、歩きにくいなどの体の症状が先に現れます。
したがって症状の現れ方も判断材料の一つといえます。
パーキンソン病の症状
パーキンソン病の症状について、次の項目に従って詳しく解説していきます。
運動障害
パーキンソン病による運動障害は、主に4つあります。
- 振戦(ふるえ):じっとしているときに手足の震えが起きる
- 動作緩慢:歩くスピードが遅くなったり、手の振りが小さくなったりと動きが鈍くなる
- 筋固縮:筋肉がこわばり、動作がスムーズにできなくなる
- 姿勢反射障害:バランスが取りにくくなり、転倒する
排泄の失敗
パーキンソン病により、膀胱や直腸にも影響が出ます。
そのため、多くのパーキンソン病の方が頻尿や排泄困難、失禁といった症状を持っています。
また、運動障害も排泄の失敗に繋がることがあります。
動作が遅くなるのでトイレまで間に合わず、失禁するといったケースもあります。
レビー小体型認知症の症状
ここでは、レビー小体型認知症の症状について以下の項目を解説していきます。
認知機能障害
認知機能障害によって物事に注意を向けたり、記憶したり、計画したことに基づいて行動することが難しくなります。
また、計画すること・注意して行動することも難しくなるため、周りの方の手助けが必要になっていきます。
幻視
幻視は、見えないものが見える症状です。
実際には存在しないものが、本人には目の前に写っています。
幻視は、レビー小体型認知症や鬱といった病気に特有の症状であるため、周りの方が幻視を訴えかけてきたら病院に一緒に行くようにしましょう。
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レビー小体型認知症かもと思ったら?
レビー小体型認知症は早期発見が大切です。
そうした場合には、どういった病院を受診したら良いのか解説します。
日本認知症学会専門医に相談
日本認知症学会とは認知症についての、さまざまな臨床や研究を推進する機関です。
学会に認定された医師が、日本認知症学会専門医となることができます。
厳しい基準を満たした医師のみが日本認知症学会専門医になれるため、認知症に対するエキスパートであるといえます。
また、日本認知症学会専門医が在籍する病院は、日本認知症学会のHPで調べることができます。
認知症疾患医療センターに相談
認知症疾患医療センターは、認知症の方やその家族が住みなれた地域で安心して生活するための支援として、各都道府県や政令指定都市が指定する病院に設置されるものです。
認知症疾患医療センターでは、認知症の相談、鑑別や検査、合併症や周辺症状への対応、かかりつけ医や介護サービス提供者との連携などを行ってくれます。
直接受診することもできますが、かかりつけ医を通して受診をすることも多いようです。
かかりつけ医に相談
認知症かもしれないと不安に思った時は、まず日頃から接しているかかりつけ医に相談してみるのが、本人にとっては安心できるかもしれません。
普段から接しているため、ちょっとした変化にも気づいてくれることが多く、認知症の早期発見に繋がるケースもあります。
また、かかりつけ医の中には、認知症サポート医による研修を受けている方もおり、認知症への理解が深い方も増えています。
もし、適切な診断ができない場合でも適切な医療機関を紹介してくれます。
まとめ:パーキンソン病とレビー小体型認知症
ここまで、パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係をお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- レビー小体型認知症とパーキンソン病はレビー小体が蓄積する場所によって区別される
- パーキンソン病で発症する運動障害などの症状はレビー小体型認知症でもみられることがある
- レビー小体型認知症かもと思ったら、認知症学会専門医・認知症疾患医療センター・かかりつけ医に相談
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。