DHAやEPA、葉酸など認知症予防に効果的とされる栄養素は様々です。
中でもポリフェノールは認知症と深い関係があるため、積極的に普段の食事に取り入れたいですよね。
今回は認知症予防とポリフェノールの関係をご紹介したうえで、効果的なポリフェノールをご紹介します。
- 認知症予防とポリフェノールの関係
- 認知症予防に効果的なポリフェノール
- ポリフェノールが取れる食品
この記事をご覧いただき、認知症予防とポリフェノールの関係について理解を深めるための参考にしてください。
ぜひ最後までお読みください。
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ポリフェノールとは
ポリフェノールとは、植物の光合成によって作り出される抗酸化物質の総称です。
植物のストレスとなる紫外線や乾燥、害虫などから身を守るために作り出されます。
野菜や果物などのほとんどの植物に含まれており、色素や苦みの元になっています。
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認知症予防とポリフェノールの関係
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβやタウという異常なたんぱく質が脳に蓄積されることが原因と考えられています。さらに、アミロイドβやタウは脳内に広がっていくという性質を持っています。
そのため、異常なたんぱく質の蓄積や広がりを抑えることが認知症を防ぐカギとなるのです。
そこで注目されているものがポリフェノールです。
ポリフェノールには異常なたんぱく質の蓄積や広がりを抑え、毒性を弱める効果があるとされています。
ポリフェノールは自然界に5,000種類以上あるとされており、植物によって含まれるポリフェノールの種類は異なります。
そのため、全てのポリフェノールではなく、認知症予防に効果があるとされるポリフェノールがいくつか発見されたのです。
認知症予防に効果的なポリフェノール
では、どのポリフェノールが認知症予防に効果的なのでしょうか。
ここからは、認知症予防に効果的なポリフェノールをご紹介します。
カテキン
カテキンは紅茶やウーロン茶などに含まれていますが、中でも緑茶の含有量が多いポリフェノールです。
アルツハイマー型認知症の原因物質と考えられているアミロイドβの蓄積を抑える効果があるとされています。
さらに、レビー小体型認知症の原因物質とされるたんぱく質のαシヌクレインの蓄積を防ぐことも分かっています。
その他にも、加齢に伴って低下する判断力や注意力などの認知機能を高める効果も期待されています。
また、生活習慣病も認知症を発症する原因と考えられていますが、カテキンは高血圧や動脈硬化などの予防に効果的です。
そのため、間接的な認知症予防に繋がると考えられます。
クルクミン
クルクミンにもカテキンと同様、アミロイドβの蓄積を抑える効果があるとされています。
さらに、アミロイドβが持つ毒性から脳神経を守る働きもあります。
また、記憶力や判断力などの認知機能を維持したり高めたりする機能があることも分かっています。
フェルラ酸
フェルラ酸にもアミロイドβたんぱく質の蓄積を抑え、さらには神経細胞を保護する働きがあるとされています。
脳神経細胞は老化や認知症を発症することで減少します。
しかし、フェルラ酸は傷ついた脳神経細胞を修復し、細胞の死滅を防いでくれる作用があります。
そのため、記憶力などの認知機能の維持や向上を期待できます。
ポリフェノールを含む食品
認知症予防に効果的なポリフェノールをご紹介しましたが、どの食品に含まれているか分からない方もいるでしょう。
ここからは、ポリフェノールを含む食品をご紹介します。
以下の食品をぜひ普段の食生活に取り入れてみてください。
緑茶
緑茶はお茶の中でも特にカテキンの含有量が多く、以下のようなカテキンの種類があります。
- エピカテキン
- エピガロカテキン
- エピカテキンガレート
- エピガロカテキンガレート
茶葉に含まれるカテキンの含有量は約15%前後ですが、品種や栽培条件などによって変わります。
緑茶には血液をサラサラに保ったり、抗ウイルス作用によって風邪などを予防したりする効果があります。
また、カテキンが持つ強い抗酸化作用によって体内の細胞の酸化を防ぎ、老化や病気の予防に繋がります。
体脂肪を減少させる効果によって肥満予防にもなるため、緑茶には多くの効果があることがわかります。
紅茶
紅茶にはカテキンに加え、テアフラビンやテアルビジンというポリフェノールが含まれています。
紅茶に含まれるカテキンは、一般的に12~20%ほどとされています。
テアフラビンやテアルビジンには脳卒中や動脈硬化を予防したり、がん細胞の増殖を抑えたりする作用があります。
また、カテキンと同様に体内の細胞の酸化を防ぎ、老化を予防する効果も期待できます。
玄米
玄米は白米に比べてフェルラ酸が多く含まれており、発芽前の含有量は約12mgもあります。
また、玄米にはフェルラ酸の他にギャバやビタミンE、イノシトールなど様々な栄養素が含まれています。
ギャバはストレスを軽減したり、血圧やコレステロールを下げたりする効果が期待できます。
ビタミンEは老化や動脈硬化、生活習慣病などの予防に効果的です。
イノシトールもビタミンEと同様に動脈硬化を予防したり、カルシウムの吸収を促す効果もあります。
その他にも玄米には食物繊維が多く含まれているため、排便を促進して便秘解消の効果も期待できます。
ターメリック
ターメリックはカレーに使われる香辛料の一つであり、クルクミンというポリフェノールが含まれています。
クルクミンはアミロイドβの蓄積を抑える他、脳を活性化させることで記憶力の低下を防ぐ効果が期待されています。
その他にもシミやしわなどを予防するアンチエイジング効果や、肝機能の改善などが挙げられます。
様々な効果が期待できるクルクミンですが、吸収されにくいという難点があります。
しかし、大豆や卵黄などに含まれるレシチンという成分はクルクミンの吸収を助けてくれます。
カレーに卵黄や納豆をトッピングすることでクルクミンを取り入れることをおすすめします。
チョコレート
チョコレートの主原料であるカカオには、カカオポリフェノールが含まれています。
一般的なカカオの含有量は約30~50%ですが、70%以上含まれるハイカカオチョコレートには様々な効果が期待できます。
ハイカカオチョコレートは認知機能を高める他、血液をサラサラにしたり若さ溢れる肌を保ったりする効果があるとされています。
また、カカオポリフェノールには食物繊維が豊富に含まれているため、便秘解消や予防に効果的です。
コーヒー
コーヒーと聞くとカフェインを一番に思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、コーヒーにはクロロゲン酸というポリフェノールがカフェインより多く含まれています。
コーヒーカップ一杯分に約300mg近くのポリフェノールが含まれており、お茶よりも含有量が多いです。
クロロゲン酸は糖尿病や動脈硬化、がんなどの予防に効果的であるとされています。
また、胃の消化を助ける働きもあります。
ポリフェノールの一日の摂取目安
ポリフェノールの一日の摂取量にはっきりとした基準はありません。
しかし、生活習慣病の予防や血中脂質の酸化などの効果を考えると、約1,000mgから1,500mg以上と考えられています。
多くのポリフェノールは水に溶けやすい状態で含まれているため、吸収されやすいことが特徴です。
そのため、効果が出始めるのも約30分と比較的早いです。
しかし、効果が長時間持続しないという観点から、こまめに摂取することでさらに効果を期待できます。
ほとんどのポリフェノールが抗酸化作用を持っていますが、それ以外の栄養効果は種類によって異なります。
野菜や果物など私たちが日頃よく食べている食材にも、ポリフェノールが含まれています。
たとえば、ショウガには3種類のポリフェノールが含まれており、血行や発汗を促進させる効果があります。
玉ねぎやブロッコリーなどに含まれるケルセチンは、コレステロール値を下げたり関節の痛みを和らげたりするのに効果的です。
また、捨ててしまいがちな野菜や果物の皮にもポリフェノールが含まれていることもあります。
ポリフェノールは美容や健康の両面に様々な効果があるので、自分に合ったものを食生活に取り入れてみてください。
ポリフェノールと認知症のまとめ
今回は、ポリフェノールと認知症についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
- いくつかのポリフェノールの中には、認知症の原因となる異常なたんぱく質の蓄積を抑える効果が期待されている
- ポリフェノールは約5,000以上の種類があるが、中でもカテキンやフェルラ酸などが認知症予防に効果的
- 日頃よく食べている食品にポリフェノールが含まれているため、積極的に取り入れると良い
これらの情報が皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。