筋トレをすることが認知症の予防に効くと言われていますが、なぜ認知症予防に効果があるのでしょうか。また、どのような筋トレを行うと良いのでしょう。筋トレと認知症の関係や高齢者におすすめの筋トレ、筋トレをする際の注意点などを解説します。
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筋トレと認知症の関係について
認知症の発症件数が増加傾向にある中、認知症の予防への関心も高まっています。
近年では、筋力トレーニングが認知症の予防に効果があるといわれ、取り入れる方も増えています。
ですが、「なぜ認知症に効果があるのか」「どのような筋トレが良いのか」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。
そこでこの記事では、筋トレと認知症の関係について、以下の点を中心に解説します。
- なぜ筋トレが認知症の予防につながるのか
- 筋トレのメリットについて
- 高齢者の方へおすすめの筋トレ方法
- 筋トレをする際の注意点
日常的に取り入れやすい筋トレの方法や、注意点についても解説していますので、参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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筋トレが認知症の予防に繋がる?
認知症の予防に筋トレが効果があるといわれる理由は、筋トレが脳の働きを活発にさせるからです。
筋肉を動かす際、脳から運動神経を通して伝令が出されます。
そして、筋肉が動くと感覚神経から脳へ刺激が送られます。
このように筋肉と脳は密接に関わりがあり、筋肉を動かすことは脳を動かすことにもなるので、認知症予防の効果が期待できるのです。
また、筋トレにより身体の血液の流れも促進され、脳への血流も増えるので、脳の活性化につながります。
また、認知症の予防について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
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筋トレのメリット
筋トレには、間接的に認知症の予防につながる効果も多いです。
以下のような、さまざまなメリットがあります。
転倒を予防できる
筋トレを行うことで、筋肉が増強します。
筋肉が増強すると、姿勢保持能力が向上し、転倒の防止の効果も期待できます。
認知症の予防の観点からも転倒の防止は大切です。
高齢者の場合、転倒による骨折や怪我で寝たきりになるケースが頻繁にあります。
寝たきりになると、脳の老化が進むため、認知症の発症リスクが高まる可能性があります。
血流改善
筋トレをし、身体を動かすことで血液の流れが促進されます。
また、定期的に筋トレを行うことで筋肉が増強すると、基礎代謝が上がるので血流改善につながるといわれています。
血流は脳の働きに欠かせません。
血流が改善することで、脳の働きも活性化され、認知症予防になるのです。
寝たきり予防
老化にともない、筋肉が衰えることは仕方がないことです。
筋肉が衰えると、疲れやすくなったり、立つことや歩くことが億劫になったりするので、活動量が減少する傾向にあります。
活動量が減少すると、さらに筋力が衰えることになります。
その結果、介護が必要な寝たきり状態や、脳機能の低下により、認知症を発症するリスクが高まります。
定期的な筋トレで筋力を増加、維持することが、健康寿命を伸ばし寝たきりを予防することになります。
高齢者におすすめの筋トレ
筋トレというと、身体に負荷のかかる激しい動きを想像する方も多いのではないでしょうか?
高齢者の方には、激しい筋トレではなく、自宅で無理なくできるトレーニングでも効果があるといわれています。
ここからは、おすすめの筋トレとその理由をご紹介します。
スクワット
人間の筋肉の約7割は下半身にあり、下半身を鍛えることは脳の機能維持にも効果的です。
下半身を効率よく鍛えるのに適した筋トレが、スクワットです。
足を肩幅に開き、ゆっくりと腰を上げ下げします。
お尻を後ろに突き出すように下げ、膝がつま先より出ないようにするのがポイントです。
慣れないうちは、椅子の背もたれなどを持つと、バランスを崩さず安全です。
腕立て伏せ・腹筋
腕の筋肉やお腹周りの筋肉が衰えると、物が持てなくなったり、姿勢維持が困難になったりと日常生活で支障をきたすことが増えます。
腕の筋肉を鍛える腕立て伏せや、お腹周りを鍛える腹筋は、負荷を調整しやすく自分のペースで鍛えることができます。
つま先と腕で身体を支えるのが難しい場合は膝をついて行うと良いです。
腹筋も起き上がるのが辛ければ、おへそを覗き込むように首から肩をあげる、椅子に浅く座り座位で上体を起こす、というように自分に合った負荷で行いましょう。
壁たて伏せ
壁たて伏せは、腕立て伏せよりも負担が少なく、筋力がない人におすすめです。
また、立った状態で壁があればできるので、場所も取らず、ちょっとした隙間時間に簡単に行えます。
壁に手をつけ、ゆっくりと肘を曲げていき、あごが壁についたらまたゆっくりと肘を伸ばします。
背中から腰が一直線になるようにするのがポイントで、壁との距離で負荷を調節できます。
筋トレをするときの注意点
高齢者の方の筋トレの目的は、日常生活に必要な筋肉の維持です。
筋トレによって身体に痛みが生じたり、身体の状態が悪化することが無いように、以下のポイントに注意しましょう。
鍛えている部分を意識する
鍛えている部分を意識することで、トレーニングの効果が向上します。
無理のない回数や頻度で、効率よく鍛えるためにも、どこを鍛えているのかしっかり理解しましょう。
負荷をかけすぎない
負荷をかけすぎると、怪我に繋がることがあります。
健康のために筋トレをするのに、怪我をしてしまっては元も子もありません。
無理をせず、自分のペースにあった回数や頻度で行いましょう。
筋トレ以外に認知症に有効なトレーニング
認知症の予防には筋トレ以外にも効果的な運動があります。
筋トレが苦手な方や、痛みや怪我などでこれまで紹介した運動ができない方は以下の運動を試してみてください。
筋トレ以外で脳に刺激を与えて認知症を予防できる運動は、有酸素運動とコグニサイズの2種類になります。
運動は継続することがとても大切であり、友達や家族と一緒に行うことで続けやすくなります。
それぞれの運動によって得られる効果や運動の種類などは以下の通りです。
有酸素運動
有酸素運動は筋トレとは違い、時間を掛けてゆっくり体を動かす運動になります。
具体的には以下のような運動が有酸素運動となります。
- ウォーキング
- 水泳
- 自転車
- ヨガ
- 太極拳
関節や腰の痛みがある場合は、水中で行うウォーキングや自転車・エアロバイクなどが関節への負担が少なく運動することができます。
運動強度は軽く息が切れる程度で、目安は話しながら運動できるくらいがちょうど良いです。
友達と会話を楽しみながらウォーキングやヨガをすることで、有酸素運動を継続することができます。
コグニサイズ
コグニサイズとは運動と頭を同時に使って行う運動になります。
具体的には以下のような運動がコグニサイズとなります。
- 歩きながらしりとり
- 数字を声に出しながら決めた倍数で手拍子や立ち止まる
- 引き算をしながらウォーキング
会話をしながら運動することが多くなるので、デイサービスや地域活動などで集団体操として取り組むところもあります。
参加者によって、運動難易度または頭を使う課題難易度を調整することができます。
筋トレと認知症の関係まとめ
ここまで筋トレと認知症の関係やメリット、高齢者の方におすすめの筋トレなどについて解説してきました。
この記事のポイントをおさらいすると、以下の通りです。
- 筋トレは脳の働きを活性化させるので認知症予防にも効果が期待できる
- 筋トレは転倒予防や血流改善、寝たきり防止などのメリットがある
- 高齢者におすすめの筋トレは、スクワット、腕立て伏せ、腹筋、壁たて伏せなど
- 筋トレをする時は怪我をしないよう、無理せず自分のペースで行うことが大切
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。