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健達ねっと>認知症を学ぶ>認知症になっても仕事はできるの?利用できるサービスも解説します!

認知症になっても仕事はできるの?利用できるサービスも解説します!

認知症と診断されると、仕事が出来るのかと不安になります。
そして仕事をするにあたりどんなフォローがあるのかわからない方が多いかもしれません。

本記事では認知症と仕事について以下の点を中心に取り上げます。

  • 認知症でも仕事はできるのか
  • 認知症の方が仕事を探したり続けたりするうえでどんなサービスを活用できるか

認知症と仕事についての理解を深めていただくためにも本記事をご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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認知症とは

まず認知症とはなんでしょうか。

認知症とは、脳の病気や障害などで脳の神経細胞が破壊されたり減少したりすることにより認知機能が低下し、日常生活が正常に送れない状態のことです

認知症には以下の表のようにさまざまな種類があります。

認知症の種類症状
アルツハイ型認知症(通称アルツハイマー)物忘れや新しいことが記憶できない、妄想や徘徊の症状
脳血管性認知症運動麻痺、歩行障害、嚥下障害、言語障害など
レビー小体型認知症パーキンソン症状が出る

認知症には様々な種類があり若くても高齢でも認知症になります。

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認知症の症状

様々な種類の認知症を種類ごとに解説していきます。

アルツハイマー型認知症

認知症の中で最も多く、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症です。
症状はもの忘れが多く、ゆっくりと進行します。

血管性認知症

脳血管障害(脳卒中)によって起こる認知症のことをいいます。

そのほかの認知症でもみられる記憶障害、見当識障害、注意障害、言語障害などの症状や、脳血管障害による神経症状が見られます。

レビー小体型認知症

アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症で、約20%を占めています。

レビー小体型認知症では、見えないものが見えたり(幻視)、認知機能が良い時と悪い時の波がある(認知機能の変動)、歩行など動作の障害(パーキンソン症状)、大声での寝言など睡眠中の行動異常(レム睡眠行動障害)など特徴的な症状があらわれます

前頭側頭型認知症

脳の前頭葉と側頭葉が障害されることで発症する認知症です。

思考や理性、社会性などに関わる前頭葉と知識や記憶、感情などを司る側頭葉が障害され、ほかの認知症ではあまりみられないさまざまな症状が現れます。

社会性が失われ、お店で万引きをする、赤信号を無視して道路を横断するなど、周囲の目や環境を気にしない自分本位の行動がみられるようになります。

認知症と診断されたら仕事はできない?

では認知症になると仕事が出来ないのでしょうか。
決してそのようなことではないようです。

認知症と診断された後、どのように仕事を続けたり見つけたりする事ができるでしょうか?

仕事を続ける場合

基本的に、診断されたと同時に昨日まで出来たことが急に出来なくなるわけではありません。
多くの場合、認知症の症状が急激に進むわけではないからです。

人によって症状や進行はさまざまです。
従って、会社側にも自分の状況、診断結果などをきちんと伝えることが大切でしょう。
伝えることにより、職場の理解とサポートを得られるでしょう。

現在は会社側にも支援サービスが用意されています。
会社も社員が認知症であることがわかれば、ハローワークなどの支援機関と連携して社員を十分にサポートするための対策を講じてくれるかもしれません。

認知症の方も就労支援サービスにより、今まで培ってきた経験や能力を活かして今できることを精一杯できるかもしれません。
いずれにしても会社側と良いコミュニケーションを取ることにより、お互いが満足できる方法で働き続けることが出来るように物事を進めていくことが出来るでしょう。

仕事を探す場合

別の不安として、これから新たな仕事を探す場合はどうでしょうか。
どんな点を考慮するとよいでしょうか。

認知症と診断された後に、仕事を探す際に想定される2つのケースをご紹介します。

クローズド就労

クローズド就労とは認知症であることを伏せて就労することです。
この方法を取れば、採用される可能性が高くなり経済面でも優遇されます。

しかし、会社が求めている仕事についていけなくなる可能性があります。
相互の信頼関係で会社との契約をしているので、自己責任の部分ですが十分に考える必要があります。

オープン就労

オープン就労とは自分が認知症であることをオープンにして働くことです。

この方法のメリットは障害者就労支援の種々のサービスを受けて仕事を探し決めることが出来ます。
ご自分の状況にあった仕事ができる可能性が広がります。

しかし、経済面において場合によっては給料が高くないということもあるかもしれません。
ただし経験や専門のスキルなど条件によっては好条件で就労もできます。

認知症患者が仕事をする際の注意点

一つ注意すべき点があります。それは車の運転です。

認知症を含む精神障害ではどうしても認知力が低下します。
そうなると運転方法、標識、交通マナーや交通法規、ペダルの踏み間違え等々が生じる可能性が高くなります。

事故を起こしてしまい自分だけではなく家族や職場、その他の方に大きな迷惑をかける可能性も否定できません。
ですから車の運転が伴う仕事は出来ないと考えた方が良いでしょう。

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認知症になってもできる仕事

認知症と判明した後でも、ご自身の能力を活か酢ことのできる仕事についてご紹介します。

当事者としてできる仕事

同じように認知症を抱えている方やその家族の相談に乗ったり、講演をしたりすることができます。

自身が経験しているからこそ活躍できる職業になります。

長期記憶を生かした仕事

今まで在籍していた職場と同じ職種につくことで、ご自身が培ってきた長期記憶を仕事に生かすことができます。

例えば前職が接客業なら同様の接客業であれば覚えることが限られています。
またお客様に対する接し方も身についているものがあり、活かせるかもしれません。

また、長期記憶の活かし方として身についているPCの技術や語学力を活かした仕事もおすすめです。

体を使う仕事

記憶力に不安がある場合は、以下のような体を使う仕事を考えてみてはいかがでしょうか?
ただし、体力に自信がない方は無理しない方が良いでしょう。

  • 車販売店での洗車
  • 農産物生産のフォロー
  • 出来る範囲での大工仕事 (家具作製、レザークラフト、施設での食事作り)
  • スーパーのバックヤードでの商品運搬や移動
  • 清掃作業

単純作業の仕事

記憶力を使わなくて良い仕事として、単純作業が求められる仕事もおすすめです。
給料は下がってしまいますが、ご自身で稼ぎ続けられるという点で自立願望のある方にはおすすめです。

  • 草取り
  • 清掃作業
  • 定期刊行物のポスティング
  • 工場等での流れ作業
薬の使い方

認知症の方への仕事の関するサービス

認知症の方が仕事を探す際に利用してほしいサービスについてご紹介します。

ハローワークの障害窓口

障害者窓口では「精神障害者雇用トータルサポーター」と言われる精神保健福祉士や臨床心理士の資格を持つスタッフを配置しています。
障害特性に応じた求人紹介、アドバイスをしてくれます。また職業能力テストも受けることができます。

障害者就業・生活支援センター

このセンターは、障害のある方が仕事において自立できるように、ご本人の地元で就職面と生活面の支援を一体的に行います。
障害のある方の就業等のあっせんなどを行っています。

就労移行支援事業所

これは障害のある方が一般企業で働けるようにサポートする通所型の福祉サービスです。
サポートには職業訓練(職業スキルや体調管理)、コミュニケーションについて学ぶことが含まれます。

就職活動のサポート(面接対策、応募書類作成)も含まれます。
就職後は就業先で不安なく働けるように相談を受け付けたり、企業への環境調整依頼なども行います。

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構

 この組織は次のような事業をしています。

  • 障害者職業センターの設置・運営
  • 職業能力開発短期大学、職業能力開発大学校、職業能力開発促進センター、職業能力開発総合大学校等の設置及び運営
  • 求職者支援訓練の認定及び訓練の実施に必要な助言・指導

このように障がい者の職業能力の向上や安定を図っています。

若い年齢で認知症になったら

さて、認知症は高齢の方に多く出るとお考えの方もたくさんいらっしゃいます。
しかし若くても認知症になられる方いらっしゃいます。多くの不安を感じられるでしょう。

若年性認知症と診断されるのは働き盛りの年代であることを意味しています。
ご本人にとっても受け入れたくない現実です。

仕事を続けられるのか、家族を養っていけるのか等々多くの不安が頭をよぎります。
しかし、いくつか受けることのできる経済的なサポートがありますので以下でご紹介します。

傷病手当金

協会けんぽもしくは健康保険組合に加入している場合に利用できます。
若年性認知症などで仕事を休まなければならず、給料がもらえない間の生活保障をするのが傷病手当金(現金給付)です。

詳細情報は以下の通りです。

対象者若年性認知症などで仕事を3日連続で休み4日目以降の仕事に付けなかった人
期間働けなくなって連続して休んだ3日間は待機期間。
4日目以降休んだ日に対して支給。
最長1年6ケ月。
期間終了時点で障害認定をされると障害年金の給付。
支給額支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×3分の2。

障害年金

障害年金は加入している年金により、受給できる年金が異なります。

国民年金加入者

障害基礎年金を受給している方が対象です。

請求先は市町村役場もしくは年金事務所となります。

年金額は加入期間ではなく、障害の程度で決定します。
生計を維持している子がいれば、子の数に応じて加算額が支給されます。

年金額障害等級1級977,125円
障害度2級781,700円
加算額第1子・第2子各224,900円
第3子以降各75,000円

厚生年金保険加入者

障害基礎年金に加えて障害厚生年金も受給している方が対象です。

一般の方は年金事務所に、公務員の方は各共済組合に請求することとなります。
年金額は障害の程度で決定されます。

詳細情報は以下の通りです。

障害等級年金額
1障害基礎年金+報酬比例の年金×1.25
2障害基礎年金+報酬比例の年金

(生計を共にする65歳未満の配偶者がいる場合は配偶者加給年金が加算)

3報酬比例の年金
4報酬比例の年金の2年分 ※一時金  

就労支援

若年性認知症の方の就労に伴うサポートは前述の種々のサービス、事業所、団体などで実施しています。

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認知症の治療と仕事を両立するには

認知症の治療と仕事を両立する上で大切なことについて解説していきます。

早期発見・早期治療が大事

認知症の原因やタイプを見極め、早期に治療を開始することで、進行を遅らせたり、症状を緩和できる可能性があります。
早期に正確な診断をすることで、適切な介護サービスや社会的理解が得られます。

行政や周囲のサポートを得る

認知症の方が就労をする際「精神障害者保健福祉手帳」を持っている方(これから申請予定の方)であれば、障害者就業・生活支援センターや就労移行支援事業所で就労支援を受けることも可能です。

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認知症と仕事のまとめ

今回は、認知症と仕事についてご紹介いたしました。
認知症と仕事についての要点を以下にまとめます。

  • 認知症でも症状や置かれている状況で働くことのできる仕事は多くある
  • 仕事を探したり続けたりするうえで活用できるさまざまな就職支援サービスがあり、他には経済的なサポート制度も多くある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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