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健達ねっと>認知症を学ぶ>認知症の初期症状をチェックできる?進行を遅らせる方法も解説!

認知症の初期症状をチェックできる?進行を遅らせる方法も解説!

認知症は、治療が早いほど進行を緩和できるため、初期症状を見逃さないことが大切です。
しかし、どんな症状が「認知症の初期症状なの?」と思う方も多いでしょう。

本記事では、認知症の初期症状のチェック方法について解説します。

  • 認知症の初期症状のチェック項目
  • 認知症が疑われる場合の対応法

ぜひ本記事を最後までお読みください。

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認知症とは?

※画像はイメージです

認知症とは、後天的な脳の障害により認知機能が低下し生活が営めなくなっている状態を指します。

主な認知症には

  • アルツハイマー型認知症
  • 血管性認知症
  • レビー小体型認知症

の3つがあります。

それぞれの特徴を以下の表に示します。

認知症の種類原因初期の症状進行度
アルツハイマー型認知症脳が萎縮することによる物忘れ緩やかに進行
血管性認知症脳出血や脳梗塞などの脳組織の破壊物忘れ血管障害が起こるたびに段階的に進行
レビー小体型認知症レビー小体という特殊な物質が脳に出現幻視、妄想、うつ緩やかに進行
(早い場合もあり)

参考元:厚生労働省 認知症

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認知症の初期症状をチェックする必要性

※画像はイメージです

認知症の初期症状をチェックすることは、早期発見・早期治療に繋がるためとても大切です。

初期症状をチェックし早めに医師に相談することで、以下のようなことが期待できます。

  • 別の病気だったとしても早期治療できる
  • 進行を遅らせたり症状を緩和させたりできる可能性がある
  • 必要な介護サービスや支援を早めに考えられる
  • 症状が軽いうちに本人と今後について話し合うことができる

認知症の原因や種類によって治療は異なりますが、初期症状に気づくことは本人・家族ともにメリットがあるのです。

認知症の初期症状のチェックリスト|家族で確認しよう

※画像はイメージです


認知症の初期症状のチェック項目を紹介します。
以下の5つのチェック項目に心当たりがないか確認し、セルフチェックに役立ててください。

物忘れがひどい

記憶障害や物忘れは、重要なチェック項目の一つです。
しかし、物忘れは認知症でなくても起こります。

単なる物忘れと、認知症による記憶障害の違いは、「記憶が丸ごと抜け落ちるかどうか」です。
たとえば、食事を例にとってみましょう。

単なる物忘れであれば、メニューは忘れても、食事をしたことは覚えています。
また、自分が「メニューを忘れたこと」を自覚しています。

一方、認知症の記憶障害では、「食事したこと」自体を忘れます。
食事に関する記憶が丸ごと抜け落ちるため、忘れたという自覚はありません。

しかし、一緒に食卓を囲んだ家族は、もちろん食事したことを覚えています。
認知症の方だけが「まだ食事をしていない」と思っているため、家族との会話がかみ合いにくくなります。

このように、認知症の記憶障害は、「記憶が丸ごと抜け落ちる」という点が、単なる物忘れと異なります。

もし、「自分の認識」と「周囲の認識」がかみ合わなくなったら、認知症の記憶障害の可能性があります。

【物忘れのチェック項目】

  • 同じ話・質問を何度も繰り返す
  • 今切った電話の相手がだれか覚えていない
  • 物の置き忘れが増え、常に探し物をしている
  • 記憶違いを周囲に指摘される

判断力・推理力が衰えた

些細なミスや、手慣れた作業に手間取ることが増えたら、認知症の初期症状の可能性があります。

認知症が進行すると、判断力・注意力・理解力が衰えます。
そのため、何気ない作業がスムーズにいかなくなったり、ケアレスミスが増えたりします。

ケアレスミスは、疲労やストレスが原因のこともあります。
気を付けてもケアレスミスが改善できない場合や、理由もなく突然ケアレスミスが増えたと感じる場合は、認知症の初期症状を疑いましょう。

【判断力・推理力のチェック項目】

  • 簡単な計算ができない
  • 本やテレビの内容を理解できない
  • 料理・掃除・運転などがうまくいかない
  • お金の管理や計算ができない

時間・場所がわからない

今日の日付を正しく認識できない場合は、認知症の初期症状の可能性があります。
認知症の「見当識障害」と呼ばれる症状です。

見当識障害は、「時間・場所・人間」が分からなくなる障害です。
症状は上記の順番で進行するため、初期症状では「時間」の感覚が失われます。

たとえば、今の時間をど忘れすることは、だれにでもあります。
しかし、正確な時間を忘れても、今が「午前・午後」のどちらかくらいは想像がつくでしょう。

しかし、時間の見当識障害では、時間の感覚がすっぽり抜け落ちます。
よって、正確な時間だけでなく、「朝」「昼」「夜」の感覚も失われます。

あるいは、「何月か」や「季節」が分からなくなることもしばしばです。
「現在の時間に関する感覚」が丸ごと抜け落ちている場合は、認知症の初期症状の可能性が高いです。

【チェック項目】

  • 今日の日付が分からない
  • 今が昼なのか夜なのかわからない
  • 季節が分からない

人柄が変わる

性格や人柄が変わったように感じる場合、認知症の初期症状が疑われます。
たとえば「元気がない」「怒りっぽくなった」「他人に遠慮がなくなった」などのケースがあります。

認知症では、脳の萎縮に伴い感情や理性のコントロールが難しくなります。
よって、些細なことに怒ったり、情緒不安定になったりすることが多いです。

【チェック項目】

  • 怒りっぽくなった・いつもイライラしている
  • ぼんやりすることが多くなった
  • 活動的だった方が、元気がなくなった
  • 他人を気にしない言動が増えた
  • 暴力や暴言が目立つ

意欲がなくなる

何事にも関心・意欲を示さないのは、認知症の初期症状の一つです。
身なりに気を使わないケースや、無断欠勤が増えるケースがあります。

認知症は、無気力や抑うつを伴うことがしばしばです。
ただし、無気力や意欲の低下は、「うつ病」や「単なる疲労」でも起こりえます。

意欲の低下以外に、「物忘れ」や「見当識障害」などの症状がある場合は、認知症の初期症状の疑いが強いです。

【チェック項目】

  • 趣味や好きなことに関心を示さなくなった
  • 洗顔や入浴をしなくなった
  • 服装に気を使わない
  • ぼんやりしていることが多く、部屋に閉じこもりがちになった
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認知症の初期症状をチェクして認知症が疑われた場合の対処法

※画像はイメージです


認知症の初期症状は、単発でなく同時に複数あらわれることが一般的です。
よって、前項のチェック項目に複数の心当たりがある場合は、認知症の疑いが強いです。

認知症が疑われる場合は、早めに病院を受診しましょう。
認知症は、治療の開始が早ければ早いほど進行を緩やかにできるからです。

では、認知症が疑われる場合は、どこを受診すればよいのでしょうか。

まずは、かかりつけ医がおすすめです。
かかりつけ医がいない場合は、以下の診療科にかかることをおすすめします。

  • 物忘れ外来
  • 神経科
  • 精神科
  • 心療内科
  • 老年内科 など

日ごろから自宅周辺の診療科をチェックしておくと、いざというときに、スムーズな受診につながります。

病院の心当たりがない場合は、地域の包括支援センターに相談しましょう。
状態や症状に応じて、適切な診療科を案内してもらえます。

認知症の進行を初期症状から遅らせる方法をチェック

※画像はイメージです


認知症の主な治療法は、「薬物療法」と「非薬物療法」の2種類があります。

薬物療法について

薬物療法は、「認知症の症状を遅らせる方法」と「認知症による諸症状を緩和する方法」に分けられます。

認知症の症状を遅らせる方法では、「抗認知症薬」が用いられます。
一方、諸症状を緩和させる方法では、「向精神薬」や「睡眠薬」「漢方薬」が用いられます。

薬物療法に使用される薬を機能ごとに以下にご紹介します。

抗認知症薬

抗認知症薬は主に以下の2種類に分けられます。

  • アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
  • NMDA受容体拮抗剤

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、アセチルコリンの分解を抑制する働きがあります。
アセチルコリンは記憶保持や集中、覚醒などの作用がある脳内神経伝達物質です。
アセチルコリンの分解を抑制することで認知症の中核症状の進行を抑制するとされています。

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の一般的商品、副作用は以下のようになります。

【一般商品名】

  • ドネペジル
  • ガランタミン
  • リバスチグミン

【副作用】

  • 吐き気、下痢、食欲不振など消化器に作用する
  • ふらつきなどの歩行障害
  • 攻撃性の増加や興奮があり暴言や暴力につながることがある

NMDA受容体拮抗剤はグルタミン酸の作用を弱める働きがあります。
グルタミン酸は興奮性の脳内神経伝達物質です。

グルタミン酸の作用を弱めることで過剰な興奮からくる脳神経の損傷を抑えます。
NMDA受容体拮抗剤は認知症の中核症状の進行を抑制するとされています。

NMDA受容体拮抗剤の一般的商品、副作用は以下のようになります。

【一般的商品】

  • メマンチン

【副作用】

  • めまい
  • 眠気

向精神薬

向精神薬は慎重な扱いが求められる薬です。
もともと向精神薬は以下のような行動・心理状況に用いられてきました。

  • 異常な興奮
  • 焦り
  • 幻覚
  • 不安

しかしながら、以下のような問題があります。

  • 副作用が生じる可能性が高い(会話も身動きもできない、嚥下障害など)
  • 個人差が非常に大きい向精神薬の作用(各自適量の調整)
  • 多種多剤の服薬リスク(他疾患のある方)

行動・心理状況は、それぞれの方にとって意味のないことではありません。
一人一人にあったケアが大事です。

睡眠薬

不眠症状に対して使用されます。
不眠による以下のような症状の軽減が目的です。

  • 日中ぼんやりして認知機能が落ちる
  • 昼夜逆転により夜間に不安になり大声を上げるなどの症状

一方以下のような副作用に注意が必要です。

  • ふらつき転倒(夜トイレに起きたときなど)
  • 翌日も薬の効果が残り、居眠りやせん妄状態になる

漢方薬

抑肝散などの漢方薬が使用されます。

抑肝散には以下のような効果があります。

  • イライラした気持ちを落ち着かせる
  • 不安、妄想、暴力などを抑える

向精神薬に比べて作用が穏やかなので重篤な副作用は生じにくいとされています。

空腹時の服用には注意が必要です。

非薬物療法について

リハビリや訓練によって、認知症の症状の改善を図ります。
自宅で取り組めるものも多く、副作用がない点がメリットです。

  • 回想法
  • 作業療法
  • リアリティオリエンテーション
  • 音楽療法 など

【年齢階級別】認知症有病率(初期症状から)の推移をチェック

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認知症の発症は年代があがるにつれ上昇する傾向にあります。

厚生労働省の2012年のデータによると、認知症の発症率は、65歳以上から徐々に増加しています。
割合でいうと、高齢者の約4人に1人は認知症または軽度認知障害で、約7人に1人は認知症になっています。

男女比では、どの年代であっても女性の割合が高くなっています。

これらのデータから、認知症の症状が無いと感じていても、65歳以上の方は初期症状のチェックをすることをおすすめします。

出典 厚生労働省「認知症施策の総合的な推進について (参考資料)

認知症の早期発見と治療に特化した「もの忘れ外来」について

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認知症は早期発見と適切な治療が重要であり、そのためには「もの忘れ外来」が大きな役割を果たします。

もの忘れ外来とは

「もの忘れ外来」は、認知症の早期発見と治療に特化した医療機関です。
物忘れや認知症の専門医が在籍し、患者の症状に合わせた適切な診断と治療を提供します。

近年、全国的にもその数を増やしており、認知症に対する理解と対策の一環として注目されています。

もの忘れ外来の役割と重要性

もの忘れ外来の最大の役割は、認知症の早期発見と治療です。

初期の段階で適切な治療を受けることで、認知症の進行を遅らせることが可能となります。

また、専門医による詳細な診断により、物忘れが単なる老化現象なのか、それとも認知症の初期症状なのかを見極めることができます。

もの忘れ外来の利用方法

もの忘れ外来は、物忘れや認知症に悩む人々に対して、専門的な診断とアドバイスを提供します。
もしも物忘れが気になる場合、近くの病院に「もの忘れ外来はありますか?」と尋ねてみることをおすすめします。

早期の相談が非常に大切であり、その一歩が認知症と上手に向き合うための重要なステップとなります。

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認知症の初期症状チェックについてのQ&A

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認知症の初期症状は何ですか?

認知症の初期症状は一般的に微妙で、しばしば通常の老化と混同されます。
それらの症状には、

  • 物忘れ
  • 新しい情報を覚えることの難しさ
  • 日常的なタスクを遂行するのに困難
  • 時間や場所の混乱
  • 言葉の見つけにくさ
  • 良好な判断力の欠如
  • 社会的または職業的な活動への関心の低下

以上の項目が含まれます。

認知症の初期症状と一時的な忘却はどのように区別しますか?

一時的な忘却は誰でも経験するもので、特定の名前や日付を忘れるなどが含まれます。

しかし、認知症の初期症状は、一時的な忘却以上の問題を引き起こします。

これらの症状は一貫して存在し、日常生活に影響を与え、時間の経過とともに悪化します。

どうすれば自分で認知症の初期症状をチェックできますか?

認知症の初期症状をチェックするには、

  • 物忘れが日常生活に影響を及ぼしているか
  • 日常的なタスクに問題が生じているか
  • 言葉を見つけるのに困難があるか
  • 時間や場所に混乱している

以上の項目を評価します。

しかし、自己評価はあくまで参考の一部であり、医療専門家による評価が必要です。

認知症の初期症状を見つけたら、どのような行動を取るべきですか?

認知症の初期症状を発見した場合、最初にすべきことは医療専門家に相談することです。
早期発見と介入は、生活の質を改善し、症状の進行を遅らせる可能性があります。

認知症の初期症状は、すべての人に同じように現れますか?

いいえ、認知症の初期症状は個々の人や認知症のタイプによります。

例えば、アルツハイマー病の初期症状としては、記憶喪失が最も一般的ですが、前頭側頭葉変性症の初期症状はパーソナリティの変化や行動上の問題がより一般的です。
そのため、何らかの症状に気づいたら専門家に相談することが重要です。

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まとめ:認知症の初期症状のチェック法

まとめ

※画像はイメージです


ここまで、認知症の初期症状のチェック方法に関する事柄についてお伝えしてきました。

  • 認知症の初期症状のチェック項目は「物忘れ」「判断力の低下」「見当識障害」など
  • 認知症が疑われる場合は、すぐ病院を受診する

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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