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健達ねっと>認知症を学ぶ>認知症の方は摂食障害が起こる?原因や注意点を解説します!

認知症の方は摂食障害が起こる?原因や注意点を解説します!

摂食障害とは、食事が摂れなくなる障害です。
若い女性に起こりやすいというイメージが強いですが、認知症の方にも起こり得ます。

そこで本記事では、認知症と摂食障害に関する事柄について以下の項目を中心に解説します。

  • 認知症によって摂食障害が起こる原因
  • 認知症による摂食障害が起こった場合の対応
  • 認知症による摂食障害のリハビリ方法

ぜひ本記事を最後までお読みください。

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認知症の方に摂食障害が起こる原因


ここからは、認知症の方に摂食障害が起こる原因についてそれぞれ解説していきます。

嚥下障害

嚥下(えんげ)障害とは、食べ物を上手く食べられない、飲み込めないといった状態のことをいいます。
嚥下障害の具体的な症状は、以下の通りです。

  • 食事中にむせる
  • 水や唾液をうまく飲めない
  • 痰が出て、のどに不快感がある
  • 食べ物をうまく飲み込めず、気管に入る(誤嚥)
  • 食事に時間がかかる

食べ物を飲み込むことが難しくなるため、食事をしないようになってしまい、摂食障害が起こります。
嚥下障害が起こっていると摂食障害も起こっている場合があるので注意しましょう。

口腔トラブル

口腔トラブルの代表例は、口内炎や腫瘍などです。

口内炎があると、口に食べ物を含んだだけで、激しい痛みを感じことがあります。
そのため、食べ物を口に入れること自体を嫌がったり、口に入れてもすぐに吐き出してしまったりするケースが見られます。

腫瘍や炎症も摂食障害の原因となります。
腫瘍は口腔内だけでなく、のどや食道にあらわれることもあるので、口からのどへ食べ物が通過しづらくなってしまいます。

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認知症の方に摂食障害が起こったら?


ここまで、認知症の方に摂食障害が起こる原因について解説してきました。
では、認知症の方に摂食障害が起こったらどうすればいいのでしょうか?

ここからは、認知症の方に摂食障害が起こった場合の対処法について解説していきます。

ありのままを受け入れる

認知症の方が食べ物を摂れなくなっても、ありのままを受け入れるようにしましょう。
食べるものに偏りがあったり、手づかみで食事をしたりしても、食事しているだけ良いと割り切ることが大切です。

誤嚥などの事故につながる可能性があるため、食べないからといって、無理やり食べさせようとすることはよくありません。

誤嚥は、誤嚥性肺炎に発展しやすいです。
誤嚥性肺炎は重症化しやすく、高齢者にとって危険の高い疾患です。

また、食事を強要することで、認知症の方を苦しめることもあります。
食事を強要されたことで、食事=不愉快なことだと認識し、ますます食事をしなくなることもあります。

食が細くなると体力が低下してしまうため、周囲からすれば、高齢の方が食べなくなることはとても心配なことです。

しかし、前述の通り、食事を強要したり、食べないことを責めたりすることは、認知症の方のストレスになります。
そのため、まずは、ありのままの現実を受け入れるようにしましょう。

安心できる環境を与える

心理的原因によって食べられなくなっている場合は、安心して食事できる環境を整えることが大切です。

たとえば、家族みんなで和やかに食卓を囲むと、認知症の方もリラックスして食事と向き合えるでしょう。
あるいは、食器のほか、料理の盛り付けや彩りを工夫することも良い方法です。

さらに、椅子の高さや、食べるときの姿勢に問題がないかもチェックしてください。

摂食・嚥下障害のリハビリについて


認知症による摂食障害やリハビリ方法について解説します。
摂食障害のリハビリは、大きく分けて食べ物を使わない方法と、食べ物を使う方法の2種類があります。

食べ物を使わないリハビリ

間接訓練とも呼ばれます。
食べ物を飲み込みやすくすることを目的に、舌や頬の筋肉を緩め、嚥下に必要な器官を鍛える訓練を行います。

嚥下体操

口、頬、舌を動かし、口腔付近の筋肉を鍛える方法です。
物を飲み込みやすくする効果があります。

発声トレーニング

発声によって、嚥下に使う器官を鍛える方法です。
嚥下がスムーズになります。

嚥下訓練

唾液を飲み込む訓練です。
嚥下器官の働きを高め、物を飲み込みやすくします。

呼吸筋の訓練

腹式呼吸などにより、呼吸筋を鍛える方法です。
食べ物や痰が詰まったときに、咳によって吐き出す力を強化します。

首・肩周辺のストレッチ

首や肩周りの筋肉をほぐします。
筋肉がほぐれることで、物が飲み込みやすくなります。

食べ物を使ったリハビリ

直接訓練とも言います。
実際に食べ物を使い、物を食べる訓練をしていきます。

やわらかいものを飲み込む訓練

ゼリーや水分が多いものを飲み込む訓練です。
飲み込む力を強化し、徐々に通常の食事に近づけていきます。

交互嚥下法

やわらかい食べ物と、かたい食べ物を交互に飲み込む訓練です。
固形物が、口腔やのどに残ることを防ぐことができます。

複数回嚥下訓練

一口飲み下すごとに、唾液を複数回飲み下す方法です。
固形物が、のどに引っかかることを防ぐことができます。

認知症の方が摂食障害である合図とは


認知症による摂食障害の方は、食べられないことを隠す傾向があります。
そのため、周囲がいち早く、異常に気付くことが大切です。

摂食障害の兆候には、以下の5つがあります。

急激な痩せ

物が食べられないため、当然ながら痩せていきます。
特に、短期間で急激な体重減少があった場合は注意が必要です。

髪が抜ける

栄養不足になるため、髪に栄養が届かず、抜け毛が多くなります。
女性の場合は、栄養不足によって女性ホルモンのバランスが乱れ、髪の生成そのものに支障をきたすこともあります。

肌が乾燥して黄色っぽくなる

栄養不足によって、肌を健康に保つ力が弱まります。
具体的には、肌が乾燥して、カサカサになります。

また、体力低下に伴ってカロテンの代謝回路が低下するため、肌に黄色みがあらわれやすくなります。

産毛が濃くなる

栄養不足になると、体内で熱を生み出せなくなり、身体を冷えから守ろうとし、産毛などの体毛が濃くなることがあります。

むくみがある

体重が減少する一方で、身体がむくみやすくなります。
急激な体重減少によって、腎臓の機能が低下し、水分をうまく排出できなくなることが原因です。

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認知症の方と摂食障害まとめ


ここまで、認知症と摂食障害に関する事柄についてお伝えしてきました。
今回の記事のまとめは以下のようになっています。

  • 認知症による摂食障害の原因は、口腔トラブルや心理的原因による嚥下障害など
  • 摂食障害が起こった場合は、食事を強要せず、本人が安心して食事できる環境を整える
  • 認知症による摂食障害のリハビリ方法は、間接訓練や直接訓練など

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

薬の使い方

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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