認知症の方の介護に限界を感じた時は、施設に入居してもらうことも一つの方法です。
しかし、認知症施設に入るタイミングとはいつなのでしょうか。
本記事では、認知症の方が認知症施設に入るタイミングについて解説します。
- 認知症の方が認知症施設に入るタイミングとは
- 施設への入居に向けて、具体的に動き出すべきタイミング
- 施設入居する際に気をつけるべきこと
ぜひ本記事を最後までお読みください。
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認知症の方の施設入居を考えるタイミング
ここからは、認知症施設に入るタイミングについて解説します。
介護者が側にいないと危険な時
認知症の方に常に見守りが必要になった場合は、認知症施設に入るタイミングと考えましょう。
理由は、事故や転倒といった危険から認知症の方を守るためです。
認知症の方は、認知症の進行に伴って、判断力や理解力が低下するので、予測不能な行動に出ることがあります。
予測不能な行動は、重大な事故や事件に発展しかねません。
実際に、妻が短時間外出した間に、認知症の夫が紙を燃やして、重大な火災に発展した事件があります。
あるいは、家族が目を離したすきに、認知症の男性が線路に立ち入り、電車にはねられて死亡した事件もあります。
このように、認知症は重症化するにつれて24時間体制の見守りが必要になります。
しかし、24時間体制の見守りは介護者に対する負担が大きくなってしまいます。
そのため、認知症の方に常に見守りが必要になったら、施設入居を考えるタイミングとして捉えましょう。
介護者への負担が大きくなったと感じた時
介護者への負担が大きくなったと感じた際は、施設に入るタイミングと考えましょう。
理由は、介護者への負担が大きすぎる介護生活は、介護者と認知症の方がどちらも苦しい思いをするからです。
介護者への負担が大きくなると、介護疲れが起こりやすくなります。
多くの場合、介護生活は数年~数十年続きます。
介護による疲労が蓄積すると、肉体的にも精神的にも余裕がなくなります。
疲労のあまり、認知症の方に八つ当たりしたり、ひどい言葉を投げかけたりすることもあるでしょう。
あるいは、介護による疲労から介護が雑になることも少なくありません。
介護が雑になると、介護される認知症の方は、悲しい思いやもどかしい思いをします。
心身ともに疲弊した介護者の多くが、優しくしたくても優しくできないという悪循環に陥っているからです。
介護にプロの手を借りるのは、悪いことではありません。
プロの手を借りれば、介護者の方は苦しい介護生活から解放されます。
さらに、認知症の方は質の高い介護を受けることができます。
そのため、介護者の負担が大きすぎると感じたら、認知症施設に入るタイミングが来たのだと、気持ちを切り替えるようにしましょう。
認知症が進行し、将来について不安な時
このまま本当に在宅で生活し続けられるのか?と将来に不安を抱いたときは、認知症の方が施設に入居するタイミングとして捉えましょう。
介護者の方が、自身の老いや、体力や気力の低下を感じた場合があてはまります。
今はまだ元気でも、年齢を重ねれば、介護を続けることが困難になるからです。
認知症の進行に伴い、家族だけでは介護が難しくなった場合も、認知症の方が施設に入居するタイミングに当てはまります。
たとえば認知機能の著しい低下や、徘徊や暴力といった異常行動が頻発する場合が該当します。
介護者だけでは対処できない場合は、事故や深刻な近隣トラブルにつながることもあります。
したがって、介護者が介護を続けられないと感じるのであれば、施設への入所を検討するべきです。
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入居に向けて動き出すタイミング
ここまで、入居を考えるタイミングについて解説してきました。
ここからは認知症の方が施設へ入るタイミングについて解説していきます。
以下の項目に思いあたるようでしたら、入居に向けて準備を始めるようにしましょう。
介護者の疲れが解消しない
介護生活が長くなると、肉体的な疲れも蓄積してきます。
肉体的な疲労のサインの具体例は以下になります。
- 腰が痛い
- 疲れが取れない
- 夜間の対応で寝不足が続く
- なんとなく元気が出ない
- 些細なミスが多い
疲れが溜まると、介護したくても動けないという状態になることもあります。
本当に動けなくなる前に、施設への入居を検討するのも一つの方法です。
介護で気持ちに余裕がなくなった
長い介護生活は、精神的にも疲労します。
精神的な疲労のサインの具体例は以下になります。
- 常に介護のことが頭から離れない
- 介護はいつまで続くんだろう?という絶望感がある
- 気晴らしや趣味に取り組んでも、気持ちが晴れない
- イライラすることが多くなった
- 認知症の方本人にあたってしまう
気持ちにゆとりがなくなると、些細なミスが多くなります。
また、認知症の方への八つ当たりは、認知症の方を悲しませるだけでなく、介護者自身の後悔にもつながります。
そのため、精神的に限界がきているなら、認知症の方が認知症施設に入るタイミングと考えましょう。
施設入居する際の注意点
施設への入居に向けて、押さえておくべきポイントを2つ紹介します。
いずれも、実際に認知症施設に入るタイミングが来るよりも早く備えるようにしましょう。
認知症の方と事前に相談する
施設選びやサービス内容は、認知症の方本人とよく相談しましょう。
本人の希望に沿うことで、後悔のない予後を送ることができるからです。
本人が納得できる施設を選ぶためには、認知症の症状が軽度なうちに準備する必要があります。
認知症が進行すると、理解力や判断力が失われ正常な判断ができなくなるからです。
同じく、施設への入居も、認知症が軽度のうちが望ましいです。
認知症が進行してから入居すると、混乱し、環境に適応できないことがあるからです。
しかし、元気なうちに施設の環境に慣れておくと、認知機能が低下した後も質の高い生活を維持しやすくなります。
介護者の負担が大きくならないうちに
施設選びは、介護者にもある程度余裕があるうちに済ませましょう。
介護生活に疲れ果てると、認知症の方にとって最適な判断ができなくなるからです。
基本的に認知症の方本人では施設選びの適切な判断が難しいため、介護者が代理として判断しなくてはなりません。
しかし、介護者の疲労が大きすぎると、適切な判断ができない可能性が高くなります。
家族、認知症の方の双方が納得できる選択のためにも、気持ちと体力に余裕があるうちに、入居の準備を始めましょう。
まとめ:認知症の方が施設に入るタイミング
ここまで、認知症の方が認知症施設に入るタイミングについてお伝えしてきました。
今回の記事のポイントは以下のようになっています。
- 認知症の方が認知症施設に入るタイミングは、「常に見守りが必要になったとき」や「介護に限界を感じたとき」
- 施設への入居に向けて、具体的に動き出すべきタイミングは、介護者の心身の疲労が大きいとき
- 施設入居する際の注意点は、認知症の方と相談し、介護者の負担が大きくならないうちに施設を選んでおく
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。