ホーム

認知症を学ぶ

down compression

介護を学ぶ

down compression

専門家から学ぶ

down compression

書籍から学ぶ

down compression

健康を学ぶ

down compression
健達ねっと>認知症を学ぶ>前頭側頭型認知症の原因とは?症状やケア方法まで解説します!

前頭側頭型認知症の原因とは?症状やケア方法まで解説します!

前頭側頭型認知症の方の行動でトラブルが起こったことはありませんか?
トラブルを防ぐためにも、前頭側頭型認知症の原因や特徴を知っておくことが重要です。

本記事では、前頭側頭型認知症の原因について解説したうえで、家族の対応も解説します。

  • 前頭側頭型認知症の原因
  • 前頭側頭型認知症の症状

ぜひ本記事を最後までお読みください。

スポンサーリンク

前頭側頭型認知症とは

前頭側頭型認知症は、四大認知症の一つです。
前頭側頭型認知症では、前頭葉と側頭葉の萎縮が起こります。

前頭葉は、言語、社会性、感情などを司る部分です。
側頭葉は、言語、聴覚などを司る部分です。

前頭側頭型認知症では、人格変化や社会性の欠如などの症状が目立ちます。
認知機能障害が比較的目立たないのも、前頭側頭型認知症の特徴です。

スポンサーリンク

前頭側頭葉型認知症の原因

前頭側頭型認知症の原因は、はっきりと解明されていません。

一説では、タウたんぱくやTDP-43などの異常物質の脳に蓄積することだと指摘されています。

タウたんぱくは、脳の情報伝達を助ける物質です。
タウたんぱくがリン酸化すると脳に蓄積しやすくなり、脳神経細胞を傷つけるため、萎縮させる原因となります。

脳の萎縮は、認知機能の低下を招き、認知症を引き起こす場合があります。

前頭側頭型認知症の症状

物忘れの症状はあまり目立たず、前頭葉や側頭葉の萎縮による症状がみられます。
以下では、前頭側頭型認知症の症状について解説します。

言語障害

意味のある言葉を発することが難しくなります。
失語と呼ばれる症状で、しばしば周囲との会話が成り立たなくなることもあります。

言語障害は、大きく分けて2つのタイプがあります。

1つ目は、流暢に話せるが、言葉の意味を理解できないタイプです。
自分の言葉だけでなく、相手の言葉を理解できない場合があります。

認知症の方が、理解できていないことを認識していない場合もあります。
話すことは出来ても、会話の内容は支離滅裂になります。

2つ目は、言葉の意味は理解できるが、流暢に話せないタイプです。
原因は、言葉を並べる機能が障害を受けるためです。
相手が話す内容は正しく認識できるものの、話すときは言葉が出てこないことが多くなります。

人格変化

人格変化でみられる状態は、以下の通りです。

  • 嗜好の変化
  • 意欲の低下
  • 抑止力の低下
  • 感情失禁・情緒不安定 など

嗜好の変化では、甘いものを好む傾向が強くなるといわれています。
以前は、好んで食べなかった方でも、異常なほど甘いものを欲しがり、食べ続けることもあります。

感情が不安定になりやすいのも、人格変化にみられる特徴です。
些細なことで異常な怒りをみせたり、気分が落ち込みやすくなったりします。

感情の鈍麻や愛着の低下がみられる原因は、脳機能の低下により、周囲への関心がなくなることです。
他人に関心を持てないため、他人への配慮を欠いた言動が目立つようになります。

常同(じょうどう)行動

常同行動は、一つの行動を際限なく続ける状態です。
具体的な症例は以下の通りです。

  • 電気をつける・消すということを繰り返す
  • 決まった時間に決まった道を散歩する
  • 手足を動かし続ける
  • 同じ物を食べ続ける

同じ時間に同じ行動をする症状は、時刻表的行動と呼ばれます。
常同行動を無理やり止めようとすると、怒りや暴力に発展することもあります。

反社会的行動

社会性をつかさどる前頭葉の萎縮により、善悪の判断が難しくなることがあります。
万引きや無賃乗車といった軽犯罪を犯す場合もあります。

他人への配慮がない言動や、会話中の立ち去り行動も多くなるといわれています。
罪悪感を感じないことも前頭側頭型の特徴です。

家族は何をしたら良い?

家族の対応には、相手を受け入れ、安心させる姿勢を示すことが求められます。
以下では、家族の対応について、具体的に説明します。

笑顔で接する

笑顔は、安心させることができます。
怒りっぽさや暴力などの認知症の周辺症状が起こりにくくなると考えられます。

前頭側頭型認知症の方は、周囲に影響されやすいという特徴があります。
相手の仕草や言葉をまねる傾向があります。
笑顔で接することで、本人にも笑顔や明るい表情が生まれます。

見守る

常同行動などの異常な言動を止められると、怒鳴る、暴れるなどがみられることがあります。
危険がない場合は、本人に任せ、見守ることが大切です。

変化に対応する

食生活の変化などが起こった場合、健康管理などの対応が必要になります。
甘いものに執着した場合は、糖分の過剰摂取による糖尿病や肥満に注意しなければなりません。

認知症の方が健康管理をするのは難しいため、家族が注意して行いましょう。
食べすぎを防止するためには、食べ物を隠す方法や、別のことに気を逸らす方法が有効です。

周囲への声かけ

周辺症状がみられる場合は、認知症を周知しておくのも良い方法です。
特定の店での万引きがある場合、あらかじめお店の方にお金を預けておく方法があります。

健達ねっとECサイト

前頭側頭型認知症は遺伝する?

前頭側頭型認知症には遺伝が認められます。
欧米の疫学調査では、30%~50%が家族性の認知症でした。

日本においては、家族性の前頭側頭型認知症の方はほとんど存在しません。
家族が発症しても、子供や親戚などに遺伝する心配は他の認知症と比較して少ないといえます。

薬の使い方

前頭側頭型認知症の原因まとめ

まとめ

ここまで、前頭側頭型認知症の原因に関する事柄についてお伝えしてきました。

  • タウたんぱくの蓄積によって前頭葉や側頭葉が萎縮すること
  • 起こりうる症状は、言語障害、人格変化、常同行動、反社会的行動など

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

スポンサーリンク