認知症の方の数は年々増加しており、ご家族や身近な方が認知症という方も増えています。
その中で、認知症による興奮や暴力といった症状が起こり、周囲の方が困ってしまったという経験がある方もいらっしゃると思います。
しかし、認知症の影響で興奮はいつ起き、どのような行動が出るのかを理解している方は少ないです。
この記事では、以下の内容について解説していきます。
- 認知症の影響による興奮はいつ起きるのか
- 認知症による興奮と暴力の関係
- 認知症の方にやってはいけない介護について
認知症の影響による興奮について知り、認知症の方への接し方の参考にしていただけたら幸いです。
介護で気をつけるポイントについても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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認知症の影響による興奮はいつ起こる?
認知症の影響による興奮は、認知症の方全員に起きるとは限りません。
また、認知症が進行したからといってあらわれるものでもありません。
認知症による興奮は理由なく起きるのではなく、いくつかの要因があると考えられています。
ここからは、認知症の方に起こる興奮の要因について解説していきます。
不安を感じている
認知症の症状が進行すると状況がわからない、理解できないということが増えます。
また、一緒にいる人が誰かわからない、今いる場所が理解できないということはとても不安で心細いことです。
そのような不安を解消するために興奮が起きることがあります。
家族や友人がしっかり話を聞いて相談にのり、認知症の方の不安を取り除くようにしましょう。
感情のコントロールがうまくできない
認知症を発症すると、脳機能が低下し、感情のコントロールがうまくできないことが増えます。
また、理解力も衰えるので、恐怖や不安、怒りなどを感じやすくなります。
感情をうまく表現できず、感情が暴走し、興奮することがあります。
したがって、周囲の方は認知症の影響によって感情のコントロールが難しくなったのだと受け入れるようにしましょう。
薬の影響
認知症の方は、認知症の影響だけでなく治療として使用している薬の影響で興奮の症状が現れることがあります。
認知症の進行を緩和する薬の副作用で、場合によっては興奮の症状が強く出るケースもあります。
また、いくつかの薬を同時に服用している時にも注意が必要で、飲み合わせが悪いと興奮が起きることもあります。
認知症の治療に対する治療として薬を飲み始めた頃に、興奮が現れる場合は、一度医師の方と相談してみましょう。
自尊心を傷つけられた
認知症の方も、否定されたり、過度に心配されたりすると自尊心が傷つけられ、興奮につながることがあります。
周囲の方は認知症だからといって、特別に態度を変えたりせず、今までと同じような態度で接することを意識しましょう。
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興奮と同じように暴力も起こる?
認知症の影響によって起きることは、興奮だけでなく暴力もありえます。
強い興奮状態になると攻撃的な発言や行動が見られることも多いです。
先ほど解説したように、認知症の方は、その人を傷つけようと攻撃しているわけではなく、身体的な不調や精神的不安をうまく表せないために、暴力や暴言を起こすこともあります。
興奮が起きた時と同じように、家族や友人が話を聞き、相談にのるようにしましょう。
絶対にやってはいけない介護について
介護者や周囲の方は、認知症の方の急な興奮や暴力が見られると、慌ててしまうかもしれません。
興奮の度合いによっては、恐怖を感じることもあるでしょう。
以下のようなことは、認知症の方が興奮している際に対応法として絶対にやってはならないことなので、対応する際に気をつけてください。
力で解決
認知症の方が、興奮し、暴れたり暴力を振るっている時に、力で押さえつけるのは逆効果です。
身を守るために仕方がないこともありますが、基本的には押さえつけたり、怒鳴って止めたりすることは、やめましょう。
そのため、介護者の方が身の危険を感じるような時は、距離を取るなどして身を守ることが良いとされます。
興奮や暴力が続く場合は、ショートステイなどを利用し数日間、認知症の方と離れてみることも良いとされています。
ここでのポイントは、物理的な距離だけでなく、心理的距離を取ることです。
介護者の方にとっても興奮や暴力の症状は大きな負担になりますし、認知症の方の暴力により、介護者の心身が疲弊してしまう場合もあります。
介護者の方は頑張りすぎず、介護から離れ、自分の時間を過ごしリフレッシュすることも大切です。
放っておく
興奮状態が治ったからといって、そのまま放っておくことは今後の解決策につながりません。
認知症の方だからと、気持ちを理解しないままでは、すぐに興奮や暴力が起きてしまうこともあります。
なぜ興奮しているのかと話を聞いたり、興奮状態が起こった場所や時間などを振り返ったりすることで、原因を探ることが大切です。
認知症の方の気持ちに寄り添った対応をしていくと、興奮や暴力は減少につながっていきます。
医師に相談しない
医師やケアマネージャーなど専門家に話すことで、適切な対処の方法が分かったり、原因が分かることもあります。
また、興奮状態の原因には、薬の副作用による場合もあり、薬によるものかどうかは、専門の知識がないとわからない場合も多いです。
興奮や暴力が見られたら、必ず医師やケアマネージャーなど専門の知識を持つ人に相談しましょう。
相談することは、介護者にとってもプラスに働きます。
家族に危害を加ええられるのは悲しいですし、話すことで認知症の方が悪者になってしまうような気がするかもしれません。
相談することで、介護者の方の気持ちが楽になることも多く、認知症の方に対する接し方に余裕が持て、興奮や暴力に冷静に対処できるようになるケースもあります。
まとめ:認知症の影響による興奮
ここまで認知症の影響で起きる興奮の原因や対処法などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると、以下の通りです。
- 認知症の影響による興奮は、不安を感じる時や、薬の副作用などの要因が考えられる
- 認知症の方が興奮するとパニックになり大声を出したり、暴れたりすることもある
- 認知症による興奮が強いと暴力や暴言など攻撃的な言動が現れることもある
- 力づくで解決する、放っておく、医師に相談しないことは、介護で絶対にやってはいけない
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。