認知症の方は、環境への違和感や不安によって落ち着きがなくなることがよくあります。
特に「夕暮れ症候群」は夕方に起こりやすく、対応方法に悩んでいる方も多いのではないのでしょうか?
本記事では、以下の内容について解説していきます。
- 夕暮れ症候群の症状
- 夕暮れ症候群が起こる理由
- 認知症の方に夕暮れ症候群が起きた時の対応法
夕暮れ症候群が起きにくくなる工夫についても触れています。
ぜひ最後までご覧ください。
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夕暮れ症候群とは
夕暮れ症候群は、夕暮れ時に認知症の方に起こる症状です。
夕暮れ症候群の症状は以下のようなことがあげられます。
- 「こんな時間だから帰らないといけない」と落ち着かなくなる
- 些細なことに対して声を荒げるようになる
- 「もう家に帰ります」と出かけようとする
このような夕暮れ症候群が起きると、落ち着かない様子で歩き回ったり、ソワソワしてしまいます。
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認知症の方に夕暮れ症候群が起こる理由は
認知症の方に夕暮れ症候群が起こる理由としては、認知機能の低下があげられます。
見当識障害によって、今の時間やどこにいるのかが分からなくなってしまうことがあります。
また、記憶障害によってなぜ自分がここにいるのか状況が把握できなくストレスを感じます。
だんだん暗くなってくる夕方に、不安感がつのり夕暮れ症候群が起こりやすくなります。
認知症の方の脳内では記憶障害が起きているため、最近のことから忘れ、古い記憶を比較的維持する傾向があります。
認知症の方に起こる記憶障害の種類と症状は以下のようなものがあります。
- 短期記憶障害
→新しい記憶を覚えられなくなる - 長期記憶障害
→短期記憶障害が進行すると起こり、古い記憶の一部を忘れる - エピソード記憶の障害
→過去に経験した出来事を丸ごと忘れる - 手続き記憶障害
→身体が覚えているような習慣的に行っていた行動ができなくなる - 意味記憶の障害
→言葉の意味やものの呼び方を忘れてしまい、会話をしていても意味が伝わりにくくなる
また、記憶障害以外にも、以下のようなことも夕暮れ症候群を起こす理由として挙げられます。
- 昔は夕方になると帰宅や夕食の準備などをしていたため
- 夕食の準備を行う夕方に、自宅以外の場所にいると不安になるため
- 夕食前の準備をしている介護者の忙しい気持ちが伝わるため
介護者が忙しそうに夕食の準備を行っている姿を見て、迷惑になっていると感じ不安になり夕暮れ症候群が起きるケースもあります。
忙しい時間ではありますが、認知症の方の気持ちを考えて接することがより重要になります。
認知症の方が夕暮れ症候群になった際の対応法
残念ながら、記憶障害の根本的な治療法はまだありません。
しかし、夕暮れ症候群の症状は介護者の対応によって和らげることができます。
好きなことをしてもらう
自分の好きなことを集中して行っていると気が紛れることが多いので、同時に夕暮れ症候群も起こりにくくなります。
以下のようなものがおすすめです。
- 折り紙
- あやとり
- ぬりえ
- お手玉
- 新聞を読む
- 好きな音楽を流す
また、家事を一緒に手伝ってくれないかお願いするのもおすすめです。
完了後にしっかりお礼を伝えると達成感を感じることができ、心が満たされて落ち着くケースもあります。
認知症の方と会話する
夕方に一人でいる時間が長くなると不安になる方もいます。
このような場合には、認知症の方に話しかけたり、会話する時間を持つように心がけます。
急いでいる姿を見せると不安にさせてしまう可能性があるので、落ち着いて話しかけるように気をつけます。
また、お話が好きな認知症の方は、その方の楽しかった出来事を話題にすると会話を楽しむことができるでしょう。
そして、会話に集中することで心が落ち着く可能性があります。
軽食やおやつ
夕方になり小腹が空き、空腹が理由で気持ちがモヤモヤしてしまう方もいます。
このような不快感がきっかけとなり、夕暮れ症候群が起こるケースもあります。
そんな時には、軽食やおやつを勧めることをおすすめします。
また、おやつを一人で食べて貰うのではなく一緒に食べて過ごすとより落ち着くことができます。
照明の工夫
窓の外の景色が、夕日色に染まっていたり、暗くなっていくのを見ると不安になる認知症の方もいます。
このような場合は、早めの時間帯にカーテンを閉め外が見えにくくなる工夫が効果的です。
認知症の方の性格や意向に合わせて照明の明るさを調節することで、不安を解消することができます。
まとめ:認知症の方の夕暮れ症候群
ここまで、夕暮れ症候群の具体的な症状や、原因、実際の対応法などを中心にお伝えしました。
この記事をまとめると以下の通りです。
- 認知症の方に夕暮れ症候群が起きると、ソワソワして落ち着かなくなる
- 認知症の方に夕暮れ症候群が起こるのは、脳内で記憶障害が起きているため
- 夕暮れ症候群は介護者の対応によって和らぐ
- 夕方に認知症の方が好きなことをする時間を設けたり、おやつを食べたり、照明の明るさを調節することで和らぐ場合もある
これらの情報が少しでも、皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。