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健達ねっと>認知症を学ぶ>認知症の方が火事を起こすとどうなる?責任や対策を解説します!

認知症の方が火事を起こすとどうなる?責任や対策を解説します!

認知症の方が火事を起こしたらと考えると不安な方は多いのではないでしょうか?

健康な状態であれば火事も起こさないように注意して生活できますが、認知症になってしまうと状況は変わります。
認知症を抱えてしまうと注意力の低下から火の不始末やガスの付けっぱなしが増えてしまうことがあります。

本記事では、認知症の方による火事について以下の点を中心にご紹介します。

  • 認知症の方が火事を起こしたときの責任
  • 認知症の方による火事の主な原因
  • 認知症の方による火事を防ぐ方法
  • 個人賠償責任保険について

ぜひ最後までお読みください。

認知症について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読みください。

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認知症の方による火事について

認知症の症状が進行するにつれて注意力が低下し、火事を起こしてしまうリスクも出てきます。
もし自分の家に起こったらと心配している方も多いと思います。

火事は自分の家だけでなく近隣の住宅にも大きな迷惑や損害を与えてしまいます。

火事が起こってからでは手遅れなので、起きる前にしっかり対策しましょう。
認知症の症状について知りたい方は「こちら」の記事も併せてお読みください。

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認知症の方が火事を起こしたときの責任

過去の裁判事例を参考に、認知症の方が火事を起こしてしまったときの責任をご紹介します。
当時の裁判では、監督義務者でなければ認知症の方の家族は責任は負わないと判決が下っています。

しかし、ご家族が監督義務者であれば状況は変わります。

認知症の方と同居している場合、監督義務者とみなされ責任を負うこともあり得ます。
監督義務者に認められるケースとしては、比較的年齢が若く同居をしていたり、接触回数が多かったりする場合があります。

認知症の方による火事の原因

認知症の方による火事の原因は主に2つあります。

ガスコンロの付けっぱなし

認知症の方による火事の中で、ガスコンロの付けっぱなしが原因となっているケースはとても多いです。

ガスコンロを使用できないようにすれば防げるかと思いますが、もし料理を趣味にしている方であれば料理を制限するのは逆効果につながる場合があります。
趣味がなくなることによって認知症の症状が悪化する可能性があります。

さらに料理を禁止すると不安や混乱を引き起こすこともあります。

そこで効果的な対策としては、ガスコンロからIHクッキングヒーターに変えることです。
そもそも火を使わない道具に変えることで火事を防ぐことができます。

また電子調理器具を使うのに慣れないのであれば、認知症の方が一人のときは材料を切ったり、皮をむいたりと、火を使わない作業をしてもらい、家族や介護者がいるときに火を使うようにしてもらえばリスクを減らすことができます。

タバコの不始末

ガスコンロの付けっぱなしと同様に、タバコの不始末から火事になるケースも多いです。
たとえばタバコに火がついていることを忘れてそのままゴミ箱に捨ててしまい、カーテンに燃え移って家が全焼することも考えられます。

タバコ一本だけでも家全体が燃えてしまうので必ず対策をしましょう。

タバコを吸うこと自体を禁止するのが難しければ、タバコを吸っているときは誰かがそばにつき、不始末がないよう見届けることが大切です。

認知症の症状を改善する方法を知りたい方は下記の記事も併せてお読みください。

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認知症の方による火事を防ぐ方法

認知症の方も、勿論わざと火事を起こしているわけではありません。
一方で、上述したように症状が進行するにつれて注意力が低下し火事のリスクが高まってしまうことも事実です。

では、どのように対策すればいいのでしょうか?
認知症の方による火事を防ぐ方法を、以下でご紹介します。

火災報知器をつける

火災警報器を付ければ万が一出火してもすぐに気がつきます。
火事が大きくなる前にすぐに消し止められ、近隣の住宅へ被害が及ぶ前に対応できます。

認知症の方の部屋に付けるのは勿論のこと、キッチンやリビングなどのあらゆる場所に付けておくことをおすすめします。

燃えにくい家具にする

家の中の物を燃えにくい素材の物にすると、火事が起きにくくなります。

カーテンやじゅうたんなどの布製品に火がつくと一気に燃え広がって大きな火事となります。
燃えやすそうな家具を燃えにくい素材の物にすれば火が広がりにくく、小さい火事で済ませることができます。

操作法が異なる器具にする

認知症の症状が進行すると、新しい作業や器具の使い方を覚えることが苦手になっていきます。
料理を制限してしまうことになってしまいますが、操作方法が今までと異なる電子調理機器に変えると操作が分からなくなり火を扱いにくくなります。

またガスの元栓の位置を変えることも効果的です。

操作できなくなるため、ガスが原因で火事を起こす確率は少なくなります。

健達ねっとECサイト

火事を防ぐガスコンロの安全装置

古いガスコンロには、安全装置がついていない場合があります。

「母が認知症だけど料理が趣味だからやめさせるのはかわいそう」という方は、安全装置が充実しているガスコンロに買い換えることをおすすめします。

現在のガスコンロには火事を防ぐ機能が豊富についています。

過熱防止装置

「天ぷら火災」という言葉をご存知でしょうか?
ガスコンロの火を消し忘れたことで天ぷら鍋などの油に火がつき、火事に発展してしまうことを指します。

火を消し忘れて油の温度が高くなり、360℃を超えてしまうと自然発火温度を超えて発火します。
ガスコンロから火が燃え移る訳ではなく、油そのものから発火することが天ぷら火災の原因です。

そのためIHクッキングヒーターなどの電子調理機器でも油の温度を上げすぎると火災は起こってしまいます。

新しいガスコンロには、天ぷら火災を防ぐためにSiセンサーという調理油過熱防止装置がついているコンロが有ります。
ガスコンロから出ている突起が油の温度を自動で計ってくれます。

そして天ぷら油の温度が高くなりすぎると自動でガスコンロの火を弱め、それでも温度が上がる場合は自動で火を消してくれます。

2008年以降に製造された国内のガスコンロであれば必ずついている機能なので、もし火を消し忘れても「天ぷら火災」にならないでしょう。

立ち消え安全装置

立ち消え安全装置は、ガスコンロから出ている突起の部分を冷やすことで火が消える装置です。
万が一火を消し忘れても、自動でガスを止めてくれます。

最新のガスコンロには立ち消え安全装置がついているため、安心して料理できます。

焦げ付き防止機能

上記2つの他にも、焦げ付き防止機能という安全装置もあります。
煮物やフライパンなどが焦げ付き始めると、火を止めてくれる機能になります。

料理が焦げ始めるとピピッと音で合図をし、勝手に火を消します。

消し忘れ防止装置

もしグリルで調理をしているときに、火を消し忘れても安全装置が働きます。
「消し忘れ防止機能」といい、少し金額の高いガスコンロにはついています。

グリルの中にグリルタイマーがついており、火をつけた瞬間からタイマーが自動で設定され一定時間経つと火を消してくれます。

またグリルタイマーがついていない機種でも最近のコンロでは15分で勝手に消火されるようになっており安心です。

またグリル内にも過熱防止装置がついており、魚が焼けすぎてグリル内の温度が高くなると火を消す機能もあります。
これら2つの機能があるので、グリル内での調理も安心に行えます。

薬の使い方

個人賠償責任保険ではカバーしきれない?

火事を含むさまざまな事故を起こしたときのために、個人賠償責任保険に入っている方も多いと思います。

しかし、個人賠償責任保険の中には家族が起こした事故を補償してくれない保険もあるので注意が必要です。

保険の項目の中に「保険金をお支払いしない主な場合」という項目があります。
その中に、「保険者の心神喪失に起因する損害賠償責任と記載されている場合、認知症の方は心神喪失状態とみなされ補償されません。

認知症の方が起こした事故をカバーしてくれない保険もあるので、しっかりと確認しましょう。

認知症の方による火事のまとめ

まとめ

ここまで、認知症の方による火事についてお伝えしました。
要点は以下の通りです。

  • 認知症の方が火事を起こすと、監督義務者が責任を負う場合もある
  • 認知症の方による火事の主な原因は、ガスコンロの付けっぱなしやタバコの不始末
  • 火事を防ぐ方法として、燃えにくい素材の家具にする、火災警報器を付ける、操作法が異なる器具にするなどが効果的
  • 個人賠償責任保険の中には、認知症の方による火事を補償してくれない場合もある

これらの情報が皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧頂きありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
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