超高齢社会に突入した日本では、認知症発症者数が年々増加しています。
認知症とは脳がダメージを受けて萎縮し、正常な機能が低下している状態ですが、具体的にどのような機能が関係しているかご存知でしょうか?
認知症には、「海馬(かいば)」という部分が大きく関わってきます。
今回の記事では、認知症と海馬の関係について以下の点を中心にご紹介します。
- 海馬とは
- 海馬が萎縮するとどうなるのか
- 萎縮した脳は回復するのか
海馬についての知識を深め、認知症の対策をするためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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海馬とは
脳は様々な部位に分類されます。
海馬とは脳の一部ですが、普段どのような役割をしているのでしょうか?
海馬は、記憶をつかさどる脳の一部で主に新しい記憶を整理整頓します。
特徴として、非常にデリケードで壊れやすいです。
海馬が傷つくと、脳に影響が現れるので傷つけないようにしましょう。
また、海馬は運動や睡眠、バランスの良い食事、ストレスのない生活で鍛えることができるので、日頃から日常の活性化を図るようにしましょう。
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海馬が萎縮するとどうなる?
上記で述べたように、海馬は記憶をすることにおいて重要な役割を果たしています。
認知症の方の多くが、この海馬が萎縮することによって起こっています。
それではなぜ、海馬が萎縮すると認知症を発症することに繋がるのでしょうか?
海馬が萎縮したり破壊されたりすると、新しいことを記憶できなくなり、古い情報しか覚えていられなくなります。
脳や海馬が萎縮する要因として、脳にタンパク質が異常に溜まることが考えられます。
脳にタンパク質が異常に溜まると、タンパク質を分解する「アセチルコリン」という物質の分泌量が減り、海馬の機能が低下します。
また、脳の萎縮は海馬から始まることが多く、海馬が萎縮することから早期の認知症が始まります。
段階を追うごとに心身、労力、金銭への負担も大きくなっていくため、できる限り早期発見することが重要です。
萎縮した脳は回復するの?
認知症は脳の萎縮が原因の症状ということを説明しました。
脳は一度萎縮してしまうと、その後どうなるでしょうか?
今のところ、萎縮した脳を元に戻す治療はありません。
しかし、脳の萎縮の進行を日頃から予防する方法はあります。
脳を常に動かし血流を促すことで、萎縮予防になります。
そのため、日常的な頭や身体の運動が重要となります。
また、過度の飲酒や喫煙は脳を萎縮させる原因となるためアルコールの過剰摂取や喫煙は控えるように心がけましょう。
VSRADとは
認知症を始め、あらゆる病気は早期に発見することが重要です。
認知症を早期発見して重症化を防ぐために役立つ手段としてVSRAD(ブイエスラド)があります。
ここからは、VSRADで何がわかるのか、どのようなことをするのかを解説していきます。
わかること
VSRADは、脳の萎縮具合を調べるための画像診断装置です。
認知症の中でも、特に多いアルツハイマー型認知症の早期発見の一助として導入されました。
脳の中でも海馬の萎縮具合を確認できるという特徴があります。
周りから見て「認知症かもしれない」と感じる言動に、脳の画像をもって正確性を後押します。
人間ドックのMRIでも脳を確認することはできます。
しかし、海馬の体積は小さいため異変を見逃されることも頻繁にありました。
MRIと併せてVSRADを受診することで、認知症についてより正確に調べることができます。
どんなことをするのか
上記で述べたように、VSRADは脳の画像を撮影して診断するツールです。
健康な方の脳と撮影した脳の画像を比較し、異常が無いかを視覚的に確認します。
海馬の萎縮具合は4段階で評価され、萎縮度4の場合はほぼ確実に認知症を発症していることがわかります。
そのためPETやSPECTといった体内に点滴を流し込むような核医学検査と比べると、正確性は劣ります。
しかし、画像の撮影ということで、人体への負担が少ない、費用も保険診療で3000円ということで気軽に受けられるというメリットもあります。
また、検査における食事制限や痛みなどが無いこと、検査後はすぐに日常生活を送れるということも特徴です。
病院によっては、VSRADを利用するために年齢制限が設けられている場合もあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
海馬と認知症のまとめ
ここまで認知症と海馬の関係についてお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 海馬とは日常的な出来事や、今日覚えたことを整理整頓したあと記憶する脳の部位
- 海馬が萎縮すると、新しい情報をインプットできず、古い記憶しか残らない状態になる
- 今のところ萎縮した脳を戻す治療法は無い
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。