アルツハイマー病は、女性に多いと言われます。
しかし、なぜ女性に多いのかはあまり知られていません。
女性がアルツハイマー病を発症しやすいのであれば、原因や予防法を知りたいものですよね。
そこで今回は、以下のことについて解説していきます。
- アルツハイマー病とはどんな病気か
- 男女比はどのようになっているのか
- 女性にアルツハイマー病が多い原因や予防について
- アルツハイマー病とBMIの関係について
ご自身やご家族でアルツハイマー病についての知識を深めていただけたら幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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アルツハイマー病とは
まず、アルツハイマー病とは、どのような病気なのか簡単に説明します。
アルツハイマー病とは、認知症の中で最も割合が高く、脳の萎縮により認知機能が低下します。
認知機能が低下することで、記憶障害や見当識障害などの中核症状、幻覚や妄想などの周辺症状があらわれます。
認知症症状で介護者を困らせるのが、幻覚や妄想などの周辺症状です。
周辺症状の具体例としては、「お財布を取られたという被害妄想」や「家に帰ると言い徘徊する」などがあります。
症状は、物忘れ程度から始まることが多く、急速に進行することもありますが、基本的にはゆっくりと進行します。
また、アルツハイマー病を完治させる方法はまだ見つかっておらず、薬も進行を遅らせたり認知症の症状を改善させるための薬しかまだ開発されていません。
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アルツハイマー病の男女比
次にアルツハイマー病の男女比について、解説していきます。
認知症全体では男性が女性の1.6倍ですが、アルツハイマー病は女性が男性の1.4倍、という統計が出ています。(参照:平成23年 厚生労働省 朝田構成員提出資料)
この統計からも読み取れるように、アルツハイマー病だけでの割合では女性の方が多いのです。
次に、なぜ女性に多いのかという部分について解説していきます。
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アルツハイマー病が女性に多い理由
アルツハイマー病が女性に多い理由として、3つの見解があります。
それぞれ、どのような見解なのか詳しく解説していきましょう。
女性が男性に比べて長生き
男性よりも女性の方がアルツハイマー病が多い理由としては、女性の方が長生きをしているからということがあります。
2020年の平均寿命では、女性が87.74歳、男性が81.64歳で過去最高になっています。
世界全体で見ても、女性は第1位、男性は第2位でした。
それだけ、女性は長生きをしています。
高齢者人口の割合に対して、女性の割合が多いため結果アルツハイマー病の患者も女性の方が多く出るということが考えられます。
女性ホルモンの減少
最後は、女性ホルモンの減少によって、アルツハイマー病が引き起こされるという見解です。
女性ホルモンの中でも、エストロゲンが関係していると言われています。
エストロゲンは記憶や学習に関連した神経伝達物質で、血管拡張作用もあるアセチルコリンを保護する作用があります。
女性は年齢を重ね、やがて閉経を迎えます。
閉経すると、女性ホルモンであるエストロゲンは低下してきます。
エストロゲンが低下することで保護されていた神経伝達物質が減少し、アミロイドβが増加することにより、アルツハイマー病が引き起こされると考えられています。
アミロイドβは、アルツハイマー病の原因物質とされている脳内で作られるたんぱく質の一種です。
女性のアルツハイマー病予防
次に女性のアルツハイマー病の予防についてみていきましょう。
夫婦のそれぞれの自立的思考
女性がアルツハイマー病にならないようにするためには、女性が夫に対して従属的すぎることがないようにしていく必要があります。
夫の個性が強かったり、威圧的な態度をする夫の場合、妻である女性は夫のいうことを無条件で受け入れてしまうことがあります。
夫の言うことを無条件で受け入れるということは、思考を停止させ脳の働きを低下させることに繋がります。
したがって、妻である女性は夫の意見に無条件で従うのではなく、自分の考えや価値観をしっかり持って生活していくことが必要です。
また、男性である夫はそのことを頭に入れ、自分の考えを妻に押し付けないようにしていくことも必要でしょう。
夫婦それぞれ自律的思考を持つことが女性のアルツハイマー病の予防につながります。
人生を楽しむ
アルツハイマー病の予防では、自分の人生を楽しむということも必要です。
前述の夫からの独立とも重複するところがありますが、自分のやりたいことをして、楽しむことで、脳へ刺激が伝わりアルツハイマー病の予防へとつながります。
実際、自分の人生を楽しんでいる高齢者は若々しく、年齢を重ねてもアルツハイマー病になっていない方を多く見かけます。
女性のアルツハイマー病の原因として、女性ホルモンの減少によるとの見解がありますが、それだけではありません。
むしろ、それよりも脳への刺激が少なくなり、脳を使わなくなることによって発症することの方が要因としてははるかに大きいでしょう。
女性のアルツハイマー病は、脳の活性化である程度は予防できます。
自分の人生を楽しんで、脳に刺激を与えていきましょう。
アルツハイマー病とBMIの関係
アルツハイマー病とBMIの値も関係しているとの見解が出されています。
BMIが高い肥満体質だと、脳の神経細胞が集まる領域である灰白質(かいはくしつ)が小さいということが分かっています。
アルツハイマー病は、灰白質が委縮することにより、様々な症状を引き起こします。
したがって、もともと灰白質が小さい肥満の方は、アルツハイマー病になりやすいとも言えます。
また、BMIが低い痩せている人も遺伝的リスクでは、アルツハイマー病になりやすいと言われています。
アルツハイマー病は、このようにBMIの数値と関係しており、肥満でも痩せでもなりやすいと考えられています。
閉経後のホルモン補充療法とアルツハイマー病の関係
アルツハイマー病の要因として、閉経後のホルモン補充療法も関係しているのではないかとの研究発表が、フィンランド・ヘルシンキ大学でありました。
全身ホルモン補充療法を受けた女性が、受けなかった女性よりもアルツハイマー病の発症が早かったとのことです。
特に、閉経後すぐにホルモン補充療法をはじめ、治療が10年以上の人はリスクが高いとの見解が出されています。
アルツハイマー病と女性の関係のまとめ
ここまでアルツハイマー病と女性の関係についてお伝えしてきました。
アルツハイマー病と女性の関係についての要点を以下にまとめました。
- アルツハイマー病とは、脳の萎縮により認知機能に障害を及ぼす病気
- アルツハイマー病の男女比は、女性が男性の1.4倍
- アルツハイマー病が女性に多い理由は、「女性の方が長生き」「女性ホルモンの減少」など
- 女性のアルツハイマー病予防としては、夫婦それぞれが独立した思考を持つこと、人生を楽しむことが大切である
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。