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健達ねっと>認知症を学ぶ>家族が認知症かも?ご家族の向き合い方から対応まで解説

家族が認知症かも?ご家族の向き合い方から対応まで解説

認知症は誰しもがなり得る症状です。
もしも大切な家族が認知症になったら、不安な気持ちで胸が一杯になるでしょう。

しかし、認知症の兆候を理解し、焦らずできることをしていくことが大切です。
今回は認知症の判断基準をご紹介した上で、家族が認知症になったときの向き合い方をご紹介していきます。

  • 認知症の判断基準
  • 家族が認知症だと感じたときの対応や向き合い方

この記事をご覧いただき、認知症の家族と向き合っていくための参考にしてください。
ぜひ最後までお読みください。

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認知症である判断基準とは?

認知症の判断基準

認知症とは、脳に障害が起こり認知機能が低下することによって発症するものです。
認知機能が低下することで、様々な症状が認知症の初期症状として現れます。
ここからは、認知症である判断基準をご紹介していきます。

物忘れ

認知症の初期症状である物忘れは、誰でも忘れるような些細なことから忘れてしまいます
たとえば、「ついさっき財布を置いた場所」「昨日の夕飯のメニュー」などです。

誰でも忘れるような些細なことだからこそ、認知症だとは気付きにくいのが特徴です。
最初はたとえ忘れても時間が経てば思い出せていたことが、症状の進行によって体験したこと自体を忘れてしまうようになります。

そして、短期記憶にとどまらず、長期記憶までもが失われてしまいます。
些細なことを忘れるようになったり、探し物をするようになったら注意が必要です。
認知症は物忘れから始まることが多いので、物忘れの初期症状が現われたら認知症を疑いましょう。

判断能力の低下

認知症の初期症状により判断能力が低下してしまうと、今まで何不自由なく行っていたことができなくなります
たとえば料理や家事、運転や計算などです。

判断能力の低下によって効率よく物事を進めることができなくなるのでミスが増えたり、途中でやめてしまうなどが起こります。

新しいことも覚えられなくなるので、何に対しても意欲や関心が失われ、日常生活に支障をきたします
判断能力が低下することでできないことが増え、ストレスや不安に繋がります。

判断能力の低下がみられた場合は早めに病院を受診することが重要です。

日常的なミスが増える

認知症の初期症状では、日常的なミスが目立つようになります
物忘れや判断能力の低下からもミスは増え、日常生活に様々な支障をきたします。

たとえば、慣れているはずの道で迷ったり、人との約束を忘れてしまうなどのことが起こります。
また、料理や運転にミスがみられる場合もあります。

小さなミスは誰にでもありますが、認知症になると時々のミスではなく日常的にミスが増えます
なので、周囲の人は違和感を抱くでしょう。

「最近よくミスをする」と感じるのであれば、認知症の初期症状の可能性が非常に高いです。

人格が変わる

認知症は本来の人柄を変えてしまうことがあります
人格が変わることにより、以前は温厚で優しかった人が怒りっぽくなったり、暴力を振るうなどの行動がみられます。

他にも綺麗好きだった人がお風呂に入らなくなったり、服装に気を配らなくなるなどの状態もみられます。
認知症によって人格が変わる理由は、前頭葉の萎縮によって思考をコントロールできなくなるからです。

その結果、認知症を発症する前の性格と別人のように変化してしまうのです。

暴力的な言動・行為が増える

先ほどもお伝えしましたが、認知症になると前頭葉の萎縮によって思考をコントロールできなくなります。
なので、感情を制御できず、自分の思うままに動いてしまうようになります

その結果暴力的な言動や行為が増え、周囲の人たちを非常に困らせます。
一度感情が荒ぶり攻撃的になると、すぐに落ち着かせることは困難です。

また、周囲の人が無理やり押さえつけたり、同等の言動をすると余計に興奮させてしまう可能性があります。
ですが、暴力的な言動や行為が頻繁に現れると周囲の人は精神がすり減り、限界を感じるでしょう。

ですから、暴力的な言動や行為が増えたらすぐに病院へ受診し、医師に相談することが重要です。

徘徊

認知症の初期症状で徘徊が起こる原因は、自分が今どこにいるのかが分からなくなる「見当識障害」です。
場所の見当識障害が現われると今いる場所を正確に認識できなくなり、勝手に一人で外へ出て行ってしまう場合があります。

また、自宅を自宅と認識できないことで「家に帰りたい」と訴え外に出て行き、帰ってこれなくなることも珍しくありません。
その結果、フラフラと外を歩き回る徘徊へと繋がります。

徘徊は事故のリスクがあり非常に危険なので、早めの対応が欠かせません。

その他の症状

ここまでご紹介した症状以外にも、妄想の症状が現われます。
妄想で特に多いのは、「物盗られ妄想」です。

物盗られ妄想は自分が物を置いた場所を忘れてしまい、結果的に「盗まれた」と思い込む妄想です。
本人には忘れた自覚がないため、身近な存在である家族に疑いの目を向けます。

適切な対応ができないと余計に状況を悪化させ、「悪い人」というレッテルを貼られてしまいます。

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家族が認知症だと感じたら

家族が認知症の場合

家族が認知症だと感じると不安になり、どうしたらいいのか分からなくなるでしょう。
しかし、ただ考えているだけでは時間が過ぎていくだけです。
仮に認知症だった場合、何もしない間に進行する危険性もあります。

家族が認知症だと感じても、対応策を把握しておけばすぐに対応することができます。
ここからは、家族が認知症だと感じた後の対応をご紹介していきます。

医療機関の受診

家族が認知症だと感じたら、まずは医療機関の受診をすることが第一にすべきことです。
認知症は脳腫瘍やビタミン不足などによっても発症することがあり、早めに医療機関の受診をし、適切な処置をすれば治せるものもあります。

認知症は早期発見がとても重要なので、少しでも違和感を抱いたら医療機関の受診をしましょう。
医療機関に受診し認知症と判明した場合は、医師としっかり相談をして今後どのような治療を行っていくのかを聞きましょう。

医師と相談のもと薬物療法を始めたり、薬を使わないリハビリ療法を行うなど、症状の改善や回復に向けて行動していく必要があります。
家族だけで考えるのではなく、医師としっかり相談をしながら認知症との向き合い方を考えることが大切です。

公共窓口への相談

認知症と診断された場合、介護認定を受ければ介護保険を利用して介護サービスを受けることができます
介護保険には、「第1号被保険者」と「第2号被保険者」の2種類があります。

第1号被保険者は65歳以上の方です。
サービス利用可能者は、認知症や身体機能の低下などにより介護や支援が必要だと認定を受けた方です。

対して第2号被保険者は40歳から64歳までの健康保険加入者です。
サービス利用可能者は脳血管疾患や初老期認知症など、16種類の特定疾患により日常生活で介護や支援が半年以上必要な状態になる可能性がある方です。

介護サービスは家族の負担を減らし、認知症の方にとってより良い状況で生活するサポートになります。
まずは認知症の方が住んでいる市区町村の役所で要介護、要支援の申請を行います。

申請を行った後は市区町村の役員が自宅を訪問し、家族や本人から日頃の心身状態を聞き調査をします。
調査時には主治医の意見書が必要なため、事前に意見書を作成してもらいましょう。

意見書を作成してもらう際は、現状をしっかり伝えることが大切です。
その後1ヶ月程度で認定結果が通知され、介護認定を受けられた場合は介護サービスの利用をスタートできます。

介護計画を考える

介護サービスを開始するためには、介護計画を立てる必要があります
要支援1・2の介護度だった方の介護計画は、地域包括支援センターが作成します。

対して要介護だった方の介護計画はケアマネージャーが作成します。
多くのケアマネージャーは、居宅介護支援事業所にいます。

なので、介護認定を受けたら居宅介護支援事業所を探し、ケアマネージャーを選びましょう。
介護認定の結果と一緒に、居宅介護支援事業所リストや地域包括支援センターの案内が送られてきます。
送られてきたリストや案内を参考にすると良いでしょう。
また、インターネットでの検索も可能です。

認知症の家族との向き合い方

認知症の家族との向き合い方

認知症の家族と向き合う上で重要なことは、相手を理解することです。
ここからは、認知症の家族と向き合うためにできることや、するべきことをご紹介します。

正しい認知症知識を付ける

認知症と一括りでは言いますが、認知症にも「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」などいくつか種類があります。
そして、種類によって原因や症状、進行速度などに違いがあります。

また、認知症の方との生活で大切な「周囲の対応」にも違いがあります。
家族が認知症の診断を受けた場合、診断を受けた認知症の原因や具体的な症状などを知ることが大切です。

最初は家族が認知症であることを受け入れることが難しいかもしれません。
しかし、認知症の正しい知識を身に付けた上で認知症の方と接していくことが、向き合うということです。
そして、認知症の方の家族がきちんと本人と向き合えば、家族全員が快適に過ごしていけるでしょう

介護保険等のサービスを利用する

家族が力を合わせて認知症の方を介護するのはとても大切なことです。
しかし、認知症の進行により対処しきれないときや限界を感じたときは、介護保険等のサービスを利用しましょう

認知症の方を介護し支えていくためには、介護者である家族が健康でいる必要があります。
介護疲れで体調を崩したり、ストレスを抱えるのでは元も子もありません。
無理をし過ぎず、介護保険等のサービスを頼ることも大切です。

介護経験者に相談する

認知症の方の初めての介護は、悩むことや分からないことがたくさんあるでしょう。
もちろん、初めてのことであれば悩むのは当たり前のことです。

しかし、一人で悩んでいるだけでは何も解決しません。
悩んだり、分からないことがあるときは介護経験者に相談することも一つの方法です。

介護経験者は知識があるので、話を聞いてもらうことで悩みが解消され心が軽くなるでしょう。
抱え込まず周囲に頼ることも、認知症の方を介護し向き合っていくためには必要なことなのです。

情報を多く集め、ネットワークを広げる

家族が認知症になったことを他人に知られることが、「恥ずかしい」と感じる方がいるかもしれません。
しかし、決して恥ずかしいことではありません。

認知症の方の実態を伝えることで、手を差し伸べてくれる人々が現れる可能性があります。
公的機関や地域の方々、インターネットなどから多くの情報を集め、ネットワークを広げていきましょう

伝えなければ誰も気付かないことが、伝えるだけで多くの人へと届く可能性は十分あります。

自分の時間も大切にする

家族が認知症になり実際に介護を始めると、息詰まることや悩むことが増えるでしょう。
自分の時間を確保できず、やりたいことができないという状況に陥ることもあるはずです。

しかし、いくら認知症の方の介護をしていても介護者は一人の人間であり、自由な時間を持ってはいけない理由などありません。
好きなことをしたり、気晴らしに遠出をしたりなど、自分の時間も大切にしましょう
介護疲れやストレスは、ネガティブな感情を生んでしまいます。

そしてネガティブな感情が認知症の方に伝わってしまえば、今よりもっと苦しい状況になる可能性もあります。
自分のため、自分以外の家族全員のためにも、自分という存在そのものを大切にしましょう。

認知症の家族の介護

認知症の家族の介護

家族が認知症になったとき、選択肢は家族介護だけではありません。
認知症の家族の介護をする上での選択肢はかなり多くあります。
ここからは、認知症の方の介護サービスをご紹介します。

在宅介護

在宅介護サービスでは実際にホームヘルパーが自宅に訪れ、入浴や食事などの身体介護をしてもらえます
また、料理を作ったり、掃除や家事をしたりなどの援助も受けることができます。

介護保険施設

介護保険施設には、「特別養護老人ホーム」や「介護老人保健施設」などがあります。

食事や入浴などの身体介護や、清掃や洗濯などの日常生活支援サービスを受けることができます。
また、リハビリや機能訓練に加えレクリエーション活動やイベントなどもあります。
さらに、特別養護老人ホームには日中に看護師が配置されています。

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認知症の家族が医療機関への受診を拒否したら

認知症の家族の医療機関受診拒否への対処

認知症の疑いがある家族が、医療機関を受診することを拒否することは珍しくありません。
できないことが増えたことへのもどかしさや、「認知症だったらどうしよう」という不安など、多くの葛藤があります。
認知症の疑いがある方に対して「認知症かもしれないから病院へ行こう」と言っても受け入れてもらえない可能性があります。

家族の認知症を感じると不安になりますが、一番不安を感じるのは本人です。
なので、医療機関の受診をする際は誘い方がとても重要です。
「今後のために健康診断を受けておこう」「高齢になると受ける人が多いらしいよ」などと、認知症を主張せず誘うと良いでしょう

薬の使い方

認知症の家族との向き合い方まとめ

認知症の家族との向き合い方まとめ

今回は、認知症の家族との向き合い方についてご紹介しました。
認知症の家族との向き合い方についての要点を以下にまとめます。

  • 認知症の判断基準である初期症状には「物忘れ」や「判断能力の低下」などがみられる
  • 家族が認知症だと感じたら、まずは医療機関の受診をする
  • 認知症の家族と向き合うためには、認知症の正しい知識をつけたり、介護経験者に相談することが大切
  • 認知症の方の介護サービスには、在宅介護や公的・民間施設などがある
  • 認知症の疑いがある家族が医療機関への受診を拒否したら、認知症を主張せずに誘うことが大切

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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  • グループホーム展開
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