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健達ねっと>認知症を学ぶ>認知症の方の施設>認知症の方の施設とは?メリット・デメリットや施設の種類を解説!

認知症の方の施設とは?メリット・デメリットや施設の種類を解説!

認知症は、加齢とともに誰でも発症する可能性がある症状です。
認知症の症状が進行すると、介護の負担も増えていきます。

家族だけで介護することが困難になった場合はどうしたらいいのでしょうか。
今回は、以下を中心にご紹介します。

  • 認知症の方の施設のメリットとデメリット
  • 認知症の方の施設の種類
  • 認知症の方の施設選びのタイミングや準備

認知症の方の施設入所を考えるためにも参考にしていただけると幸いです。
ぜひ最後までご覧ください。

目次

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認知症の方の施設とは

認知症の方の施設とはについて話す介護士

認知症の方の施設には数人で料理や家事を分担しながら共同生活を送るものや、食事や清掃サービスを受けられるものがあります。
施設によって入所条件は様々なので、状況や目的に応じて施設を選ぶことができます。
金銭的に問題はないか、施設の方針に納得し共感できるかなどが施設選びの重要なポイントです。

施設には種類がいくつかあるため、認知症の方やご家族が納得のいくものを選ぶことが大切です。

出典:厚生労働省「施設・居住系サービスについて」

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認知症の方の施設のメリット・デメリット

認知症の方の施設のメリット・デメリットを知りたい高齢者

認知症の方の施設の良いところ、悪いところが気になる方は多いでしょう。

それぞれの特徴を知ることは、施設入所を考える際にとても役立ちます。
ここからは、認知症の方の施設のメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。

メリット

まずはメリットからご紹介します。
以下の2つが認知症の方の施設のメリットです。

介護の負担が減る

認知症の方が施設に入所することで、家族による介護の負担は軽減されます

認知症の方を施設に入所させることに罪悪感を感じたり、「介護放棄」と考える方も中にはいるかもしれません。
しかし、認知症の方本人やご家族が納得できる施設を選ぶことができれば、それぞれの生活が安定します。

日々の生活で大切なことは、家族全員が気持ち良い生活を送ることです。

生活自体がリハビリになる

認知症の方の施設には、介護の専門家がいます。
そのため、最適なサポートを受けることができます。

介護の専門家とともに生活することで、生活自体がリハビリになります。
専門的な知識がないまま介護するよりも、介護の専門家にお任せした方が心や生活の安定になるでしょう。

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デメリット

ここからは、認知症の方の施設のデメリットをご紹介します。
以下の3つが認知症の方の施設のデメリットです。

集団生活が苦手な人には苦になることも

認知症の方の中には、集団生活が苦手な方もいるでしょう。
施設には他の入所者が何人かいるため、集団生活が苦手な方はストレスになる可能性があります。

即入所は難しい

認知症の方の施設は、場合によっては即入所できない時があります。
定員数が限られているため、施設の定数に達している場合は入所できません。

即入所を希望する方は、前もって確認しておく必要があります。

退去させられる場合もある

施設によって条件が定められているので、場合によっては退去させられることがあります。
しかし、事前に聞いておくことで認知症の方本人の向き不向きを判断できます。

認知症の方の施設の種類

認知症の方の介護施設

認知症の方の施設には、いくつか種類があります。
認知症の方の施設は以下の4種類になります。

それぞれ違いがあるので、どの施設が合うか判断する際の参考にしてください。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、公的な介護保険施設の1つです。

要介護度3以上であることが入所基準となっています。
しかし、認知症の方であれば要介護度2以下でも入所可能な場合があります。
また、特別養護老人ホームでは終身利用を前提としているので、看取り介護まで対応しているところが多いです。

特別養護老人ホームは、「従来型」と「ユニット型」の2つのタイプに分けられています。

従来型は古くからあるスタイルで、病院の病室をイメージしてもらえると想像がつきやすいでしょう。
個室が設けられているタイプと、2~4人で過ごす相部屋タイプがあります。
従来型では多くのスタッフが入所者のケアを行うので、効率的にサポートできます。

対してユニット型は、入所者1人1人の個性やライフスタイルに合わせた生活をサポートする「ユニットケア」を取り入れたものです。
1つのユニットで入所者は10人前後となっています。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者が安心して暮らせるようにバリアフリー構造になっている賃貸住宅です。
また、バリアフリーだけではなく、「安否確認」や「生活相談」などのサービスも受けることができます。

対象者は、「60歳以上の方」または「要介護者認定を受けた60歳未満の方」です。
「配偶者」「60歳以上あるいは要支援・要介護認定を受けている親族」などは同居可能です。

サービス付き高齢者向け住宅は、「一般型」と「介護型」の2種類があります。

一般型は、介護を必要としない自立した方が様々なサービスを受けながら生活する施設です。

しかし、介護型であれば介護が必要な方や認知症の方にも対応しています。

サービス付き高齢者向け住宅の場合、高齢者であることを理由に入所を断られる心配はありません。
また、バリアフリー構造になっていることや様々なサービスがあることから、安心して生活することができます。

認知症対応グループホーム

認知症対応グループホームは、認知症を患った要介護者が専門的なケアを受けながら生活する施設です。

1つの共同生活住居に対し、5〜9人で介護スタッフと共に生活を送ります。
食事の準備や後片付け、掃除や洗濯などの家事をそれぞれ役割分担して行います。

また、レクリエーション活動もあり、季節ごとの行事や認知症に効果のある作業療法などが多く取り入れられています。
その他にも、ボランティア活動などの地域交流を行う施設もあります。
そして入所者の方に合わせ、食事や排せつ介助を行う介護サポートを受けることができます。

また、看護師や訪問看護が配置されるなど、医療行為を行える施設も多いです。

認知症対応グループホームの入所対象者は、「施設のある市区町村に住んでいる」「医師による認知症の診断があり、要支援2または要介護1認定者」となっています。

介護付有料老人ホーム

介護付有料老人ホームは、「介護専用型」「混合型」「自立型」の3つに分けられています。

介護専用型と混合型では、24時間、掃除や洗濯、入浴や排せつ介助などのサービスを受けることができます。

介護専用型の入所対象は、要介護1以上の方のみです。
24時間介護サービスが受けられるので、たとえ緊急を要することがあってもすぐに対応可能です。

混合型は要介護認定を受けている方、受けていない方どちらでも入所が可能です。
対して自立型は入所の段階で要介護認定を受けていない方が対象です。

介護付有料老人ホームでは日常生活の介護サービスだけではなく、レクリエーション活動も充実しています。
施設によってサービス内容が異なるので、事前に確認が必要です。

認知症の施設の費用は?

認知症の方が施設に入居する際の費用は、施設の種類や地域、サービス内容により大きく異なります。

公的な支援や保険の適用範囲も考慮に入れる必要があります。

老人ホームの費用相場

老人ホームにかかる費用は主に「入居一時金」と「月額利用料」の2つから成り立ちます。
全国の平均的な費用相場を見ると、入居一時金の平均値は約100万円、中央値は10万円となっています。

一方、月額利用料の平均値は約15.2万円、中央値は13.5万円となっています。
これらの費用は施設の種類や地域、提供されるサービスにより大きく変動します。

施設の種類と費用

老人ホームは大きく「公的施設」と「民間施設」に分けられます。
公的施設は地方自治体などが運営し、費用は比較的安いですが、入居待ちの期間が長かったり、利用者が自由に施設を選べないといった制約があります。
一方、民間施設は民間企業や各種法人が運営し、サービス内容や設備に特色がありますが、費用は高めです。

地域による費用の違い

老人ホームの費用は地域によっても大きく変わります。
都市部では地価が高いため、全国平均よりも費用が高くなる傾向があります。
一方、地方では地価が低いため、全国平均よりも費用が安くなる傾向があります。

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入居中にお金が払えなくなったら?

入居中にお金が払えなくなったらどうするか考える高齢者

もし入居中にお金が支払えなくなってしまったら、すぐに強制退去となるのでしょうか?

1〜2ヶ月の猶予がある

施設によって変わってくることですが、ほとんどの場合、支払いは1〜2か月程度猶予されます。
ひと月分支払えなくなったからといって、即日退去を求められることはないので、落ち着いて対応するようにしましょう。

本人が支払えなくなった場合は身元引受人が請求される

介護施設の契約時に、身元引受人や連帯保証人を求められることがあります。
これは入居者本人が、何らかの事情で費用を支払えなくなった時、身元引受人に費用を請求するためでもあります。

支払い滞納から強制退去までは3〜6ヶ月

本人・身元引受人どちらも支払いが困難になってしまい、猶予期間も過ぎてしまった場合は強制退去となってしまいます。
だいたい支払い滞納から退去勧告までは、3〜6か月程度であることが多いようです。

支払いができなくなった時は、早急に施設スタッフや介護支援専門員(ケアマネージャー)へ相談してください。
ケアプランの見直しや、もっと料金の安い施設などを紹介してくれます。

そのほか自治体で行っている、介護サービス費の助成制度を活用してみるのも、費用を抑えるのに役立ちます。 

薬の使い方

認知症の施設に入居するタイミングは?

介護は身体的、精神的な負担が大きいものです。

特に認知症の家族を介護する場合、24時間の見守りが必要な場合もあります。

そのため、

  • 介護者自身が体力的に持たない
  • 睡眠時間が削られている
  • 身体を痛めて介護ができない
  • 自分の家事や仕事ができない

これらを感じた時、施設入居を考えるきっかけとなります。

認知症の症状が進行した時

認知症の症状が進行すると、日常生活の自立が難しくなります。

例えば、

  • お金の管理ができない
  • 火の始末ができない
  • 思考力の低下
  • 幻覚や幻聴が出る
  • 日付や曜日がわからない
  • 一人でトイレに行けない
  • 排せつの失敗がある

これらの状況が見られた場合、施設入居を検討するきっかけとなります。

施設入居のタイミングを逃すリスク

介護をする方のストレス増に伴う介護放棄・虐待のリスクや、介護をされる方の認知症悪化のリスクがあります。
無理に在宅介護を続けることは、介護をする方とされる方、双方にとってリスクがあるため、適切なタイミングで施設入居を決断することが重要です。

認知症の方の施設選びのタイミング 

認知症の方の施設選びのタイミングについて知る高齢者

認知症の方の施設選びのタイミングはとても大切です。
認知症の方本人はもちろん、ご家族のタイミングも重要です。

認知症の方本人のタイミングと、ご家族のタイミングについてそれぞれご説明します。

本人のタイミング

認知症の進行速度は人それぞれですが、生活能力や適応力が日々損なわれていきます。
施設に入所するということは、新たな環境での生活が始まるということです。

新たな環境に慣れるためにも、生活能力や適応力が豊かな時こそ良いタイミングといえます。
「まだ症状が軽いから大丈夫」と考えるのではなく、認知症の症状が軽い段階から施設選びを始めましょう。

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家族のタイミング

認知症の方本人の意思はもちろん大切です。
ただ、ご家族が介護の負担を抱え込まないことも大切です。

認知症の方とご家族が豊かな生活を送れるように、入所のタイミングや入所後についてしっかり相談しましょう。

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認知症の方の施設選びの準備

認知症の方の施設選びの準備について話す介護士

認知症の方の施設選びに向けて、いくつか準備する必要があります。
ここでは、どんな準備をすれば良いのかについてご説明します。

認知症と向き合う

認知症の方の施設選びの準備で必要なことは、認知症と向き合うことです。

認知症が進行すればするほどご家族の負担やショックは大きくなります。
認知症の方との生活や介護は、決して簡単なものではありません。

しかし、認知症としっかり向き合っていけば少しずつ心の安定を取り戻すことができます。
環境が一変するタイミングなので、今まで以上に認知症と向き合うことが大切です。

将来を話し合う

将来について話し合うことはとても大切です。
今後の生活を考える良いきっかけにもなりますし、物事に対しての目標や目的がはっきりします。

「将来を考えるのは嫌」「先のことは考えられない」と悩んでいる方も多いです。
ただ、認知症の方だけでなくご家族のためにも、将来と向き合うことは大切です。

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認知症の方の施設選びの流れ

認知症の方の施設選びの流れを知る高齢者

ここからは、認知症の方の施設選びの流れをご説明します。

周囲との相談

まずは、かかりつけの医師やケアマネージャーに相談すると良いです。
ケアマネージャーは「近隣施設のどこが入所可能か」「どこの施設に空きがあるか」など、施設について詳しく知っています。

また、医師やケアマネージャーだけではなく、ご家族とも相談するようにしましょう。
医師や家族と相談し、どこの施設が良いかじっくり考えてください。

情報取集

認知症の方の意思を確認した後は、インターネットで情報収集しましょう。
施設によって条件やサービス内容が様々なので、認知症の方本人やご家族の意見と照らし合わせながら情報収集すると良いです。

また、パンフレットを取り寄せることができるので、気になる施設を見つけたらパンフレットを取り寄せましょう。
インターネットやパンフレットで希望に沿って探せば、見つけやすいです。

下見

インターネットやパンフレット上で見るだけではなく、気になる施設があれば実際に足を運びましょう
無理して1つに絞る必要はありません。

足を運ぶ体力や時間がある場合は、いくつかの施設を比較することで新たな発見があります。
施設の職員と話すだけでなく、入所者の方の生活ぶりを見ることもおすすめです。

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認知症の家族が施設入所を嫌がる場合

認知症の家族が施設入所を嫌がる様子

たとえご家族が施設入所を考えていても、認知症の方本人が嫌がることもあります。
施設に入ることに抵抗感や不安を感じる方は多いでしょう。

施設に入所することを嫌がられた場合は、「なぜ嫌なのか」を話し合い、解決方法を一緒に探しましょう
不安要素やマイナスイメージを取っ払うことができれば、考え方は自ずと変わるはずです。

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認知症の施設に入所したあとは?

認知症の施設に入所したあとはどうするか考える高齢者

施設に入所して終わりではありません。
介護の負担は軽減されますが、施設入所後の関わりも大切です。

認知症の方のためにも、定期的な連絡はもちろん、時間がある時は実際に会いに行ってあげましょう。
施設入所後の関わりを大切にしていくことは、認知症の方の安心や安定にも繋がります。

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認知症と寿命

認知症は、高齢者の間で増加傾向にある疾患で、その影響は個々の生活だけでなく、家族や社会全体にも及びます。

認知症の進行と寿命

認知症の進行は個々の差や認知症のタイプ、発症年齢などによって異なります。
アルツハイマー型認知症の場合、前兆症状が見られてから約20年後に本格的な症状が出てくることがあります。

しかし、発症から約10年で死に至ることもあります。

一方、認知症患者の平均余命は約12年とも言われています。

認知症の種類と寿命

認知症の種類によっても寿命は異なります。

例えば、アルツハイマー型認知症の患者の10年生存率は約18.9%、血管性認知症の患者は約13.2%、レビー小体型認知症の患者は約2.2%とされています。

これらの数値は、認知症の種類による寿命の違いを明確に示しています。

認知症の死因

認知症自体が直接的な死因となることは少なく、多くの場合、肺炎や衰弱死が主な死因となります。

認知症の末期では、嚥下機能の低下から誤嚥による誤嚥性肺炎や、寝たきり状態や食欲不振から衰弱死といったことが原因となります。
これらの情報は、認知症患者とその家族が、病状の進行と寿命について理解するための重要な知識です。

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認知症の方の施設についてのまとめ

認知症の方の施設についてまとめる高齢者と介護士

ここまで、認知症の方の施設についてご説明してきました。
要点を以下にまとめます。

  • 認知症の方の施設には介護の負担が減るメリットや、即入所は難しいデメリットがある
  • 認知症の方の施設には「特別養護老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」「認知症対応グループホーム」「介護付有料老人ホーム」など種類がある
  • 認知症の方の施設を選ぶ際は、情報収集のあと下見に行くことが重要
  • 認知症の方本人が入所を嫌がった場合は、一緒に解決法を探す

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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