胃ろうの手術を行いたいけど、費用がどのくらいかかるかわからない人が多数いると思います。
施設や入院期間によって、胃ろうにかかる費用は違ってきます。
そこで今回は以下について解説します。
- 胃ろうの手術費用とは
- 胃ろうのメリット・デメリットとは
- いつどのような状況で胃ろうを検討すべきか
ぜひ最後までご覧ください。
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胃ろう(PEG)とは
胃ろう(PEG)とは、自分の力で食べ物などから栄養を補給できなくなった人の胃に穴を開けてカテーテルやチューブを使用して、栄養分を直接入れることです。
脳血管疾患や認知症、腫瘍などが原因で、食べるときにむせてしまい、肺炎に繋がる恐れがあります。
しかし、胃ろう手術を受けることによりそのリスクを最小限度にすることができます。
胃ろうの手術は、手術を受けた本人はもちろんですが、家族など介護をする側にとっても負担が少ないです。
また、手術時間も30分以内に終わるので体への負担も軽減されます。
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胃ろうの費用には保険が適用される?
胃ろうの費用には保険が適用されます。
胃ろうの手術費用は、どの施設で手術を受けるのか・入院期間により異なる場合がありますが、すべて保険がきちんと適用されます。
しかし、手術費用に加えてチューブの交換、栄養剤費なども併せてかかってきます。
栄養剤は、医療品扱いになるため、こちらも保険が適用されます。
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胃ろうにかかる費用
手術費用
一般的に、胃ろうの手術費用は約10万円です。
しかし、約10万円を全額支払うのではなく、上記で述べたように保険が適用されるため費用を抑えることができます。
例えば、自己負担額が1割の人が約1週間、胃ろうの手術で入院をした際の手術費用は、1万円ほどです。
ここにプラスで治療費、ベッド費、食事代などがかかりますが1か月の自己負担の上限は44,400円ですので、何らかの原因によって1週間以上の入院になってしまっても費用がかさむことがありません。
交換費用
胃ろうの交換費用はどのタイプのカテーテル・方法を使用しているかで異なります。
交換費用と頻度は以下の通りです。
費用 | 交換頻度 | 特徴 | |
バンパー型 | 約2万2000円 (本体約2万円+手数料約2,000円) | 約4か月~半年 | 数分で交換できる 大きな痛みを伴う |
バルーン型 | 約1万円 (本体約8,000円+手数料約2,000円) | 約1か月 | 痛みが強くない |
栄養剤の費用
胃ろうの方の多くは、医師の適正な判断のもと処方される人工栄養剤を使用しています。
この栄養剤は医薬品扱いとなるので保険が適用されます。
1mlで1cal、1日のエネルギー量が1200kcalとだとすると、30日で費用は約2万円から3万5000円になります。
また、在宅で医療を受けている方の1か月の費用は、胃ろうにかかる費用に加えて、訪問診療もかかるので月に約6万円となります。
しかし、先ほど述べたように胃ろうの人工栄養剤には保険が適用されますので、例えば75歳後期高齢者ですと自己負担金上限は1万2000円で、保険適用のおかげであまり負担がかかりません。
この上限額は、人によって異なりますが一般的は年収であれば、8万円の費用です。
また、胃ろうの栄養養分剤の注入の仕方は、慣れるまで時間がかかりますが手順は以下の通りです。
- 手を洗い、清潔な状態を作ります
- 注入をするまえに上半身を30〜90度に起こします
- チューブのクレンメがしっかりと閉まっていることを確認します
- ボトルまたはバッグに栄養剤を入れます
- 注入容器、接続チューブ、カテーテルを接続します
- 投薬には再びクレンメを開け、速度を調節しながら栄養剤の注入を行います
- 時々確認しながら、1時間に200mlを目安に投薬します
- 投薬後は、40度のお湯で胃ろうカテーテルを洗浄します
- 投薬後しばらくは、逆流の恐れがあります。上半身は起こした状態で様子を見ましょう
胃ろうのメリット・デメリット
胃ろうのメリット・デメリットについて、それぞれのカテーテル毎に以下の表に詳しくまとめました。
種類 | メリット | デメリット | |
バルーン型 | ボタン型 | ・時間を短縮できる ・比較的目立たない ・邪魔になりにくい ・逆流の心配が少ない | ・短期間のうちで交換頻度が多い ・ボタンの開閉が手間である ・慣れるまでは、接続するのに時間がかかる |
チューブ型 | ・交換に手間がかからない ・投薬を行う際のチューブとの接続が簡単 | ・短期間のうちに交換しなければいけない(バルーンが破裂した場合) ・露出した部分のチューブが邪魔になりやすい ・自己抜去の恐れがある | |
バンパー型 | ボタン型 | ・自己抜去が起こりにくい ・交換頻度が少ない ・栄養剤がとおる部分が短いので汚染されにくい | ・開閉がしずらい ・痛みを感じることがある ・外側のストッパーの位置を変えられない |
チューブ型 | ・カテーテルが抜けにくい ・交換までの期間を長く保てる ・チューブとの接続が簡単 | ・露出したチューブが邪魔になりやすい ・自己抜去の恐れがある ・チューブ内が汚染されやすい |
参考:NPO法人PDN
どんな状態になったら胃ろうを検討するべき?
胃ろう手術に関してはさまざまな意見がありますが、延命治療の1つとして捉えられています。
胃ろうの手術を受けるのかどうかは、本人の意見が重要視されますが、時には周りの家族がその決断を下す時があります。
60〜70代であれば胃ろうになったからといって二度と食事ができないわけではありません。
練習をすることで、また食事ができるようになったという例もあります。
胃ろうを検討するべき状態を以下のとおりです。
- 「上手く飲み込むことができない」など食事ができなくなってしまったとき
- 食事をすることで誤嚥性肺炎などの危険がある場合
胃ろうにするべきかは、単に食事ができなくなったというだけではなく、胃ろうが必要な理由を考える必要があります。
高齢者になればなるほど食事を取る機能が低下します。
そのような方に胃ろうで栄養養分を与え続けても回復の可能性は低いです。
胃ろうにするのかどうかは、本人の年齢や状態、意思を考慮した上で医師の意見を参考にする必要があります。
胃ろうの費用まとめ
この記事では、胃ろうの手術にかかる費用、胃ろうのメリット・デメリット、交換の頻度や費用、保険が適用されるのか?などの疑問について詳しく説明しました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 胃ろうは、保険が適用されるため自己負担額が最低限で済む
- 年金暮らしの高齢者や所得が少ない方でも、費用面で心配することなく平等に手術が受けられる
- バルーン型とバンパー型の2種類があり、費用面やメリットなどをそれぞれ考慮した上で自分に適しているものを選択する必要がある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。