ビタミンB2は皮膚や髪の健康にかかわることから美容・発育のビタミンとも呼ばれます。
もしビタミンB2が不足すると、身体や健康にはどのようなトラブルが起こるのでしょうか。
本記事ではビタミンB2が不足すると起こる事柄について、以下の点を中心にご紹介します。
- ビタミンB2とは
- ビタミンB2が不足するとどうなる?
- ビタミンB2の1日の摂取推奨量
ビタミンB2が不足すると起こる事柄について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
栄養素に興味のある方は、こちらの記事も合わせてお読みください
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ビタミンB2とは
まずはビタミンB2の特徴や働きをみていきましょう。
ビタミンB2の特性
ビタミンB2は水溶性のビタミンです。
水溶性とは、水に溶けやすい性質です。
また、ビタミンB2は皮膚・爪・髪の健康にかかわることから「美容のビタミン」「発育のビタミン」とも呼ばれます。
もしビタミンB2が不足すると皮膚・爪・髪などのトラブルが起こりやすくなります。
そのほか疲労の原因となったり、子供の場合は発育に支障をきたしたりすることもあります。
水溶性であるビタミンB2は、尿と一緒に体外に排出されやすい栄養です。
つまり体内にとどまりにくい性質であるため、意識してこまめに補給することが大切です。
ビタミンB2の働き
ビタミンB2は、ほぼすべての栄養の代謝にかかわります。
とくに重要な役割を果たすのが、脂質の代謝です。
脂質代謝とは、簡単に言えば脂質をエネルギーに変換する仕組みです。
そのため、エネルギーの消費量が多い方や、脂っこい食事をよく摂る方は、ビタミンB2の積極的な摂取が推奨されています。
ビタミンB2はそのほかにも、皮膚や粘膜を保護したり、身体の発育を促進したりする作用があります。
ビタミンB2の働きについてより詳しく解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
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ビタミンB2が不足するとどうなる?
ビタミンB2(リボフラビン)は健康維持に欠かせない栄養素であり、その不足は多くの身体的な症状と精神的な問題を引き起こす可能性があります。
エネルギーの代謝、細胞の成長、目の健康、そして神経機能の維持に重要な役割を果たします。
ビタミンB2不足によって起こる症状は以下の通りです。
疲労感が消えない | ニキビが増える | 口内炎が頻繁に発生 | だるさを感じやすい |
野菜中心の食事 | 外食やコンビニ食が中心 | 睡眠不足 | 朝起きるのがつらい |
ここでは、ビタミンB2が不足すると体にどのような影響があるのかを、具体的な症状を挙げながら詳しく説明します。
疲労感がなかなか消えない
ビタミンB2は体内でのエネルギー生成に不可欠です。
このビタミンが不足すると、体は食物からエネルギーを効率良く生成できなくなり、慢性的な疲労や活力の低下を引き起こすことがあります。
ニキビが増える
ビタミンB2は皮膚の健康を維持する効果があり、特に皮脂の正常な分泌に関与します。
不足すると皮膚の問題、特にニキビが増える原因となります。
口内炎が頻繁に発生
口内炎はビタミンB2不足の典型的な症状の一つです。
このビタミンが不足すると、口腔内の粘膜が健康を保てず、炎症を起こしやすくなります。
だるさを感じやすい
ビタミンB2が不足すると、全身のだるさや無気力感が生じることがあります。
これは、体内のエネルギー代謝がスムーズに行われないために起こります。
野菜中心の食事
野菜にもビタミンB2は含まれていますが、量は限られています。
肉類や乳製品など、他の食品群からもバランスよく摂取することが重要です。
外食やコンビニ食が中心
外食やコンビニ食では、必要な栄養素が不足しやすいため、ビタミンB2をはじめとするビタミン群の摂取が不十分になりがちです。
睡眠不足
ビタミンB2は神経系の健康を支える重要な役割も担っており、不足すると睡眠の質が低下する可能性があります。
朝起きるのがつらい
ビタミンB2の不足は、全体的なエネルギーレベルの低下を招き、特に朝の目覚めが困難になることがあります。
(出典:整形外科たかひろクリニック-こんな方はビタミンB群不足かも!?)
ビタミンB2が不足するとどうなるのかについてより興味のある方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
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ビタミンB2の1日の摂取推奨量
ビタミンB2は尿と一緒に排出されやすいため、比較的摂取が難しい栄養です。
効率的に摂取できる食べ物・調理法と、1日の摂取目安量を紹介します。
ビタミンB2が豊富に含まれる食べ物
ビタミンB2が豊富な動物性食品は以下の通りです。
可食部100g当たりの含有量(mg) | |
牛レバー(生) | 3.0 |
豚レバー(生) | 3.6 |
鶏レバー(生) | 1.8 |
牛はつ(生) | 0.9 |
豚はつ(生) | 0.95 |
鶏はつ(生) | 1.1 |
牛乳 | 0.15 |
鶏卵(全卵・生) | 0.37 |
ビタミンB2は一部の植物性食品にも含まれます。
たとえば葉物野菜・海藻・豆類が代表的です。
【ビタミンB2が豊富な植物性食品】
可食部100g当たりの含有量(mg) | |
焼きのり | 2.33 |
乾燥わかめ | 0.83 |
糸引き納豆 | 0.56 |
アーモンド | 1.06 |
ごま(乾) | 0.25 |
モロヘイヤ(生) | 0.42 |
ブロッコリー(生) | 0.23 |
推奨摂取量
厚生労働省の発表をもとに、1日のビタミンB2の摂取推奨量をまとめました。
推奨量(mg) | ||
男性 | 女性 | |
1~2歳 | 0.6 | 0.5 |
3~5歳 | 0.8 | 0.6 |
6~7歳 | 0.9 | 0.7 |
8~9歳 | 1.1 | 0.9 |
10~11歳 | 1.4 | 1.3 |
12~14歳 | 1.6 | 1.4 |
15~17歳 | 1.7 | 1.4 |
18~49歳 | 1.6 | 1.2 |
50~74歳 | 1.5 | 1.2 |
75歳以上 | 1.3 | 1.0 |
妊婦 | ー | +0.3 |
授乳婦 | ー | +0.6 |
成人は1.2~1.5mgほどの摂取が望ましいです。
ただし、エネルギー消費量が多い方ほどビタミンB2も大量に必要です。
たとえばスポーツをしている方や、日ごろから活発に体を動かす方は、規定よりも多めの摂取を心がけましょう。
また、ビタミンB2はアルコールの分解にも用いられます。
そのため飲酒の習慣がある方も、多めの摂取が推奨されています。
ビタミンB2の調理方法
ビタミンB2は光・アルカリに弱いという性質があります。
そのため食品の保管・調理の際は、光とアルカリに注意しましょう。
たとえば保管は、日光などがあたらない冷暗所で行いましょう。
また、調理の際はアルカリ性の食品を避けるようにしてください。
アルカリ性の食品にはたとえば以下があります。
- 梅干し
- 野菜
- 大豆・大豆製品
- 海藻
- 重曹
野菜は葉物・根菜などを問いません。
基本的にほとんどの野菜はアルカリ性と考えておきましょう。
なお、ビタミンB2は酸や加熱には比較的強いです。
ただし水溶性の性質には注意しましょう。
水溶性のビタミンB2は、水に溶けだしやすいという性質があります。
そのため茹でる・煮るなどの調理法では、せっかくの栄養が煮汁に逃げ出してしまいます。
栄養を逃さないためには、煮汁ごと食べられるような煮込み料理やスープ料理がおすすめです。
ビタミンB2が含まれる食べ物についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
ビタミンB2を過剰摂取すると?
ビタミンB2の過剰摂取による健康被害はほとんどありません。
ビタミンB2は摂りすぎたとしても、尿と一緒に体外に排出されるためです。
ちなみにビタミンB2を摂りすぎると、尿が黄色くなることがありますが、とくに身体への問題はありません。
ただし、過剰摂取による健康被害リスクはゼロではありません。
まれに過剰症が起こることもあります。
具体的な症状は以下の通りです。
- 手足のしびれ
- 皮膚のかゆみ
食品からの摂取であれば過剰症のリスクはほとんどありません。
サプリメントなどを服用している場合は、摂りすぎに注意しましょう。
ビタミンB2についてより詳しく解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
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ビタミンB2の摂取状況
日本人の1日あたりのビタミンB2の平均摂取量を以下の表にまとめました。
平均摂取量(mg) | |
1~6歳 | 0.80 |
7~14歳 | 1.24 |
15~19歳 | 1.22 |
20~29歳 | 1.09 |
30~39歳 | 1.05 |
40~49歳 | 1.10 |
50~59歳 | 1.13 |
60~69歳 | 1.26 |
70~79歳 | 1.33 |
80歳以上 | 1.16 |
1日あたりの推奨量と比べると、実際の摂取量はほぼすべての年代で少ないことが分かります。
つまり日本人の多くは、ビタミンB2不足の傾向がみられます。
高齢者の方に関しては、数字だけをみると比較的ビタミンB2を摂取できています。
しかし実際には、口内炎などの症状に悩む高齢の方は少なくありません。
口内炎の原因の多くはビタミンB2不足です。
つまり高齢者の方も、ビタミンB2を十分に摂取できていない可能性があります。
健康を保つためにも、全世代ともビタミンB2の積極的な摂取を心がけましょう。
ビタミンB2が不足することのまとめ
ここまでビタミンB2が不足すると起こる事柄についてお伝えしてきました。
ビタミンB2が不足すると起こる事柄の要点を以下にまとめます。
- ビタミンB2は脂質をエネルギーに変え、身体の成長を促進するビタミン
- ビタミンB2が不足すると口内炎などの粘膜部位のトラブルのほか、肌・髪・爪のトラブルや生活習慣病のリスクが高まる
- 1日のビタミンB2の摂取推奨量は、成人は1.2~1.5mgほどの摂取が望ましい
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。