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健達ねっと>健康お役立ち記事>高齢者の病気について|生活習慣の改善方法まで徹底解説!

高齢者の病気について|生活習慣の改善方法まで徹底解説!

高齢になると、さまざまな病気にかかる事が多くなります。

高齢者特有の病気や症状というものがあるのでしょうか。

それがわかれば、家族や周囲の人々も注意できます。

本記事では高齢者の病気について以下の点を中心にご紹介します。

  • 高齢者が罹りやすい病気とは
  • 高齢者が病気を予防するのに大切なことは何か
  • 高齢者がかかりやすい病気に特徴はあるか
  • 歩行速度は健康のバロメーターになるのか

高齢者の病気について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。

ぜひ最後までお読みください。

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高齢者の病気の特徴


年齢を重ねれば、誰でも病気にかかりやすくなるものです。
具体的に、なぜ病気になりやすいのか理解している方は少ないのではないでしょうか。

老化には生理学的老化と病的老化の2種類があります。

生理学的老化は、細胞の減少や細胞そのものの働きが衰えることによって起こる老化です。
一方で病的老化というのは、生理的老化がベースとなります。

環境やライフスタイル、遺伝などによって引き起こされる病気です。

高齢者の病気の特徴には以下のようなものがあります。

  • 臓器機能の低下
  • 回復力の低下
  • 恒常性維持機能の低下
  • 複数の疾患を持っている
  • 重篤になりやすい
  • 日常生活動作(ADL)が低下しやすい
  • 典型的な症状に当てはまらない

それぞれ詳しくみていきましょう。

臓器機能の低下

高齢者は長期間、体を酷使することによって臓器機能の低下が起こります。

臓器を構成している細胞の減少や細胞自体の働きが低下し、生理的老化が進行します。

回復力の低下

新陳代謝が鈍くなり、体が弱った状態から元の状態に戻る時の回復力が低下します。

そのため、病気にかかりやすく治りにくいという高齢者特有の病気のきっかけになります。

恒常性維持機能の低下

恒常性維持機能というのは、自律神経をつかさどっている機能です。
「体温を調節」「血糖値コントロール」「血圧」は生きるために必要な機能です。

体温維持機能が低下すると、熱中症になりやすくなります。
血糖値が上がる、血圧が上がるといった恒常性維持機能の低下もみられます。

複数の疾患を持っている

高齢者は病気を患うと、予後の障がいが残ることも多くあります。

糖尿病や高血圧など慢性化する病気も多く、複数の疾患を抱えている場合もあります。

重篤になりやすい

高齢者は、生理的老化によって内臓の機能低下が起こりやすくなっています。

同じ病気でも若い人に比べると状態が変わりやすいのです。

そのため、急に重篤化する危険性があります。

日常生活動作(ADL)が低下しやすい

高齢者は病気やケガなどで長期間安静、あるいは寝たきりになると

  • 関節の拘縮
  • 筋力の低下
  • 褥瘡の発生
  • 深部静脈血栓症

という二次障害が起こりやすくなります。

二次障害によって、ADLが低下しやすくなります。

典型的な症状に当てはまらない

高齢になると、一般的な症状・兆候に当てはまらないことも多くなります。
たとえば、肺炎を起こしても微熱程度の場合もあります。

心筋梗塞の症状が、胸部の痛みではなく腹部の痛みの場合もあります。
軽い症状ゆえに、病気の発生を周囲が気付かないというケースもあります。

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高齢者が罹りやすい病気


病気による入院受療率をみてみましょう。

1年のうち、入院したことがある人の割合は全体では10%程度です。
全体に比べ、後期高齢者になると25%となっています。

高齢者になればなるほど、平均入院数も長くなっています。

高齢者が特にかかりやすい病気は以下のようになっています。

  • 脳卒中
  • 心筋梗塞
  • 高血圧
  • 肺炎

それぞれ詳しく説明します。

出典:厚生労働省「高齢者医療の現状等について」

全国の癌登録データをみると、65歳以上の高齢者で癌患者の割合は75%以上です。
高齢者になるほど癌にかかりやすいということがわかります。

癌の別名は「悪性腫瘍」と呼ばれています。
いわゆる「おでき」と言われるようなものです。

細胞のエラーなどで細胞が異常に増殖したものが、かたまりのようになってしまいます。
エラー細胞の増殖が止まらないために「悪性」と呼ばれ、最後は死に至ってしまいます。

高齢者が癌に罹りやすい理由は次の2点が挙げられます。

  • 年齢を重ねることで細胞分裂のエラーが多くなる
  • エラーを修復する能力が低下したこと

高齢者の場合は、無理に癌治療をせずに、余生を過ごすという考え方もあります。
治療・延命をすることにより、生活の質を落とすことも考えられるからです。
残りの人生と癌の進行スピードを比較して、積極的に治療をする選択肢もあります。

人生100年時代ですので、諦めず本人の体調に合わせた治療を選ぶこともできます。

脳卒中

65歳以上の高齢者の主な死因で、第4位となるのが脳卒中です。

脳卒中とは「脳梗塞」「脳出血」「クモ膜下出血」の3つの疾患を指します。
脳梗塞は血管が詰まって血液が脳に行き渡らない状態です。
65歳以上の高齢者の発症率はとくに高くなります。

脳梗塞には、

  • 脳の動脈内に血栓がつくられて詰まってしまう脳血栓
  • 脳以外の場所から血のかたまりが流れてきて脳動脈を詰まらせてしまう脳塞栓

があります。

脳出血は出血した場所、または血腫の大きさによってさまざまな症状があらわれます。
脳出血の主な原因は高血圧で、脳梗塞の次に高齢者に多い病気です。

クモ膜下出血は、脳を覆っているクモ膜下腔に出血が起こります。
クモ膜下出血の中でも脳動脈瘤破裂が80%を占めています。
クモ膜下出血は、死亡あるいは重度の後遺症が残ってしまう割合が多くなっています。

心筋梗塞

日本の死亡原因の2位が心臓病です。
そのなかでも心筋梗塞の死亡率は20%程占めています。

心筋梗塞は冠動脈に血液のかたまりである血栓が詰まります。
心筋に栄養や酸素供給ができなくなって細胞が壊死してしまう病気です。

動脈硬化の進んだ高齢者、とくに喫煙している男性に多いという統計もあります。
タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮する働きがあります。

不整脈など心臓にトラブルを抱えている方は、とくに禁煙が必要になります。

高血圧

高血圧と診断された方で65〜74歳では63%、75歳以上では74%になっています。
この数字から、高齢者の3人に1人は高血圧だといわれています。

高血圧は動脈硬化の原因になります。
高血圧と診断された場合、降圧剤などの薬を処方されます。
薬を飲むこと以外でも、生活習慣での高血圧対策が求められます。

毎日の生活の中でも

  • 減塩
  • 適度な運動
  • 減量
  • 節酒
  • 禁煙

を守ることで、高血圧を改善していきます。

肺炎

肺炎は、高齢になればなるほど死亡リスクが高まる病気です。
肺炎で死亡する方の実に98%は65歳以上というデータもあります。

高齢者は抵抗力が弱まっているため、細菌やウイルスに感染しやすくなります。
肺に細菌やウイルスが入り込むと、肺で炎症を起こして肺炎を発症します。

高齢者は、食べたり飲んだりする運動がうまくいかない「嚥下障害」が起こります。
誤って気管に唾液や食べ物が入ることもあります。
食べ物が気管に入り、むせてしまうということもしばしばあります。

一緒に細菌も気管に入ってしまい肺炎を起こすことを「誤嚥性肺炎」といいます。
誤嚥性肺炎を防ぐためには、常に口腔内を清潔にしておくことが大切です。
「成人用肺炎球菌ワクチン」を接種しておく方法もあります。

病気を予防できる高齢者の生活習慣

高齢者に多い病気には、生活習慣が大きく関係しています。

病気を予防して健康寿命を延ばすためには以下のような生活習慣が大切です。

  • 禁煙
  • 運動
  • 適量の飲酒
  • 十分な睡眠

それぞれ詳しくみていきましょう。

禁煙

喫煙は生活習慣病の大きなリスクとなります。

長期間の喫煙習慣によって肺の弾力性の低下、気管の炎症、肺炎や肺癌の原因になります。

禁煙することが理想ですが、困難な場合は喫煙回数をできるだけ減らす努力をしましょう。
最終的には禁煙することを念頭に置きながら、禁煙外来を受診しましょう。

運動

定期的な運動は、生活習慣病の予防に効果的です。
有酸素運動をすることで、呼吸器系の病気予防になります。

運動することで筋力の維持・向上になれば、転倒防止に役立ちます。
運動すると、代謝機能がアップして血流の改善などの効果が期待できます。

適量の飲酒

適度な飲酒は、血流循環を良くするなどの効果が認められています。
ただし飲み過ぎたり、毎日の飲酒習慣は見直す必要があります。

許容範囲を超える飲酒は、肝臓や膵臓にダメージを与えかねません。
あくまでも美味しく、たしなむ程度の量にとどめておきましょう。

十分な睡眠

睡眠不足が続くと自律神経が乱れ、恒常性維持機能の低下につながります。
高齢になると不眠を訴える方が多くなります。

適度な運動をしたり、寝室の環境を整えるなどしてみましょう。
なるべく、6時間以上の睡眠をとるようにしましょう。

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高齢者の歩行速度と健康の関係


日常生活の活動での歩行は重要な機能です。
そのため歩行能力の低下は、日常生活を送るためのクオリティの低下に直結します。

歩行能力の中でもとくに重要なのが「歩行速度」です。
死亡リスクとの関連性も強いという研究報告もあります。
65歳以降から歩行速度は徐々に低下していきます。

男性で80歳、女性で75歳以降になると、日常生活において支障が出始めます。
早く歩くことで血流を促し、心臓や肺などの臓器、脳の活性化にも効果的です。

高齢者が自立して生活するためにも病気予防だけでなく、筋力を鍛えることは重要です。
歩行速度は、健康バロメーターのひとつの目安となります。

出典:厚生労働省「後期高齢者の健康」

高齢者の病気まとめ


ここでは、高齢者の病気について紹介してきました。

その要点を以下にまとめます。

  • 高齢者が罹りやすい病気は「癌」「脳卒中」「心筋梗塞」「高血圧」「肺炎」
  • 高齢者の病気の予防で大切なことは「禁煙」「運動」「適量の飲酒」「十分な睡眠」
  • 歩行速度は死亡リスクとの関連性も強く、健康のバロメーターになる

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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