高血圧といわれても、どうすれば下げることができるのかわからない。
高血圧は、とくに体調に変化がないため放置してしまう方も多いようです。
しかし、高血圧は脳梗塞や心筋梗塞の引き金になる怖い病気です。
本記事では血圧を下げる方法について以下の点を中心にご紹介します。
- 高血圧になる原因とは
- 高血圧が怖い理由とは
- 高血圧を下げる秘訣とは
血圧を下げる秘訣について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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血圧とは
血圧とは、心臓が血液を全身に送り出すときの圧力をいいます。
私たちの心臓は、動脈を通じて全身に血液を送るポンプのような働きをしています。
血圧計で血圧を測ると「上」と「下」が表示されますが、「上」は心臓が収縮したときの血圧で、「下」は心臓が膨らんだときの血圧です。
心臓が収縮したときには、動脈に圧力がかかるため数値は高くなります。
一方心臓が膨らんだときには、動脈は元に戻るため数値は低くなります。
また、血圧は常に変動しています。
朝起きたときは血圧は大きく上昇し、食事や入浴、ストレス、喜怒哀楽でも上下します。
さらに、冬には体温を逃さないようにするため血管が収縮して血圧は高くなり、逆に夏には体温を放出しようとして血管は膨張し、血圧は低くなります。
血圧が高いというのは、常に血管に強い圧力がかかっている状態です。
血管に強い圧力がかかる原因の一つとして、血管の弾力性が失われている動脈硬化の状態が考えられます。
高血圧は、脳梗塞や心筋梗塞といった命に係わる病気を誘発するため、高血圧と診断された方は血圧を下げることでリスクを回避することにつながります。
高血圧と認知症の関係について知りたい方は下記の記事も併せてお読みください。
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高血圧になる原因
近年は、若年層から中年層の男性を中心に、肥満、特に内臓肥満を伴う高血圧の割合が増加しています。
高血圧は
- 本態性高血圧
- 二次性高血圧
の2種類に分類されています。
それぞれ詳しくみていきましょう。
本態性高血圧
高血圧と診断された方のほとんどが本態性高血圧が原因となっています。
本態性高血圧とは、高血圧の原因となる基礎疾患を持っておらず、とくに原因が明確になっていない高血圧のことです。
本態性高血圧の原因として考えられるのが「肥満」「塩分の摂りすぎ」「加齢」「運動不足」「睡眠不足」「ストレス」といったものです。
本態性高血圧では、原因がひとつではなく複雑に重なり合っていることも多くありますが、生活習慣を改善することで血圧を下げることができます。
二次性高血圧
二次性高血圧は、原因がはっきりしており、治療することで血圧を下げることができます。
若い人で高血圧と診断された場合、半分の方がこの二次性高血圧だと考えられています。
二次性高血圧の原因となる疾患は「腎臓病」「ホルモン分泌の異常」「甲状腺機能亢進」「睡眠時無呼吸症候群」「薬の副作用」などが考えられます。
高血圧の改善について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読みください。
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血圧を下げる食べ物・飲み物とは?
血圧を下げるためには、塩分の摂取を抑えると同時に、塩分の排出も重要です。
塩分の排出には「カリウム」「カルシウム」「マグネシウム」の3つのミネラルが有効です。
ミネラル豊富な食材は、野菜、果物、海藻、ナッツ、大豆製品です。
とくに大豆製品には3つのミネラルがよく含まれているので、積極的に食べましょう。
それぞれを多く含む食材を紹介します。
【カリウムを多く含む食材】
- ほうれん草
- にんじん
- バナナ
- 芋類
- 大豆
【カルシウムを多く含む食材】
- わかさぎ
- 牛乳
- 豆腐
- 小松菜
【マグネシウムを多く含む食材】
- あおさ
- あおのり
- てんぐさ
- わかめ
野菜や海藻に含まれている食物繊維は、動脈硬化の進行を妨げる効果があります。
動脈硬化は高血圧のリスクになるので、食物繊維は、血圧を正常に保つ効果があるのです。
サバやアジなどの青魚に含まれるEPAやDHAには、血液をサラサラにする効果があります。
また、緑茶に含まれるカテキンも血圧を下げる働きがあります。
また、コレステロールや飽和脂肪酸を避け、野菜や魚を中心とした食事をしましょう。
血圧を上げる食べ物・飲み物とは?
血圧は食べ物や飲み物によって変化することがあります。
特に、以下のようなものは血圧を上げる効果があるといわれています。
- 砂糖の多い清涼飲料水:砂糖はインスリンの分泌を促し、血管を収縮させます。
- 果実の多い野菜ジュース:果糖は尿酸を増やし、尿酸は血管を収縮させます。
- 食酢入り飲料:酢はアセトアルデヒドに変わり、アセトアルデヒドは血管を収縮させます。
- 塩分の多い食品:塩分は水分を体内に留め、血液量を増やします。
- カフェインの多い飲み物:カフェインは交感神経を刺激し、心拍数や血管抵抗を上げます。
これらの食べ物・飲み物を過剰に摂取すると高血圧の原因になります。
血圧のバランスを整えるためには、カリウムやカルシウムなどを積極的に摂ることが大切です。
高血圧の改善について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読みください。
どのくらいの数値から高血圧?
高血圧の基準は
- 診察室血圧では最大血圧が140mmHg以上
- もしくは最低血圧が90mmHg以上
の場合です。
一方で、正常血圧の基準は
- 診察室血圧では最大血圧が120mmHg以下
- もしくは最低血圧が80mmHg以下
の場合です。
ただし、診察室で測った血圧は、緊張や不安などで上昇することがあります。
これを「白衣高血圧」といいます。
そのため、家庭で測った家庭血圧も参考にする必要があります。
家庭血圧では、高血圧の基準は最大血圧が135mmHg以上、もしくは最低血圧が85mmHg以上の場合、高血圧となります。
高血圧を改善するメリットとは?
高血圧を治療する前に、高血圧の治療がどのような効果をもたらすのか知りたいものです。研究によると
- 降圧薬を使って収縮期血圧を10mmHg下げる
- 拡張期血圧を5mmHg下げる
ことにより、高血圧による心臓や血管の合併症のリスクが約20%減少します。
さらに、すべての原因による死亡リスクも10~15%減少すると報告されています。
収縮期血圧を10mmHg下げる、拡張期血圧を5mmHg下げた際の病気の予防効果は
- 脳卒中が約30~40%減少
- 冠動脈疾患が約20%減少
- 心不全が約40%減少
するということがわかっています。
ただし、高齢者や糖尿病、高脂血症の方は、脳や心臓などの血管に障害が起こる可能性が高くなるため注意が必要です。
降圧薬治療による効果は、年齢、性別、他の病気の有無に関わらず期待できます。
高血圧のリスク
高血圧の状態が長く続くことで、とくに動脈にダメージを与えます。
動脈のしなやかさが失われ、硬く、もろくなってしまう動脈硬化を起こします。
この動脈硬化によって脳や心臓、腎臓などでさまざまな病気を引き起こします。
高血圧によってリスクの高まる病気を下に記します。
- 脳血管障害・脳卒中
- 心疾患
- 腎不全
- 高血圧性網膜症
それぞれ詳しくみていきましょう。
脳血管障害・脳卒中
血液の圧力の影響で血管が破れやすくなります。
さらに、動脈硬化が起こると、脳の細動脈に大きな圧力がかかり、血管が破裂する「脳出血」や「くも膜下出血」がおこりやすくなります。
また血管の内側が狭くなり、血管が詰まってしまう脳梗塞も起こりやすくなります。
脳血管障害は、認知症にもつながります。
脳血管性認知症について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読みください。
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心疾患
長年の高血圧で心臓の左心室には大きな負担がかかり、心肥大がおこりやすくなります。
また、脳梗塞のように冠動脈の血管が詰まってしまう冠動脈心疾患のリスクも高まります。
これらの病気は「不整脈」「心不全」「狭心症」「心筋梗塞」などを起こしやすくします。
腎不全
高血圧によって腎臓機能も低下してしまいます。
腎臓という臓器は、動脈のかたまりであり、ここで血液をろ過して尿として排出します。
高血圧によって動脈硬化が進行すると腎硬化症になります。
さらに状態が悪化すると腎不全になってしまいます。
高血圧性網膜症
高血圧の方が眼底検査を受けた場合、網膜からの出血や白い斑点、眼球のむくみなどが認められることがあります。
ほとんど自覚症状はありませんが、これは高血圧性網膜症と呼ばれるものです。
血圧を下げずにそのまま放置しておくと、血管が破れて網膜剥離を起こします。
網膜剥離を起こすと、極端に視力が落ちて失明することもあります。
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血圧を下げる生活習慣
本態性高血圧の場合には、生活習慣を変えることで血圧を下げることができます。
生活習慣のなかでもとくに以下のことに気をつけましょう。
- 食生活
- 飲酒
- 喫煙
- 運動
それぞれ詳しくみていきましょう。
食生活
日本人が高血圧になる要因の多くは、塩分の摂りすぎだとされています。
日本高血圧学会で推奨されている塩分は、1日6gまでです。
薄味を心がけ、ラーメンやうどんなどの汁は飲まないようにするなどの摂取塩分量を下げる工夫が必要になります。
血圧を下げる食べ物・飲み物
血圧を下げるためには、塩分の摂取を抑えると同時に、塩分の排出も重要です。
塩分の排出には「カリウム」「カルシウム」「マグネシウム」の3つのミネラルが有効です。
ミネラル豊富な食材は、野菜、果物、海藻、ナッツ、大豆製品です。
とくに大豆製品には3つのミネラルがよく含まれているので、積極的に食べましょう。
それぞれを多く含む食材を紹介します。
【カリウムを多く含む食材】
- ほうれん草
- にんじん
- バナナ
- 芋類
- 大豆
【カルシウムを多く含む食材】
- わかさぎ
- 牛乳
- 豆腐
- 小松菜
【マグネシウムを多く含む食材】
- あおさ
- あおのり
- てんぐさ
- わかめ
野菜や海藻に含まれている食物繊維は、動脈硬化の進行を妨げる効果があります。
動脈硬化は高血圧のリスクになるので、食物繊維は、血圧を正常に保つ効果があるのです。
サバやアジなどの青魚に含まれるEPAやDHAには、血液をサラサラにする効果があります。
また、緑茶に含まれるカテキンも血圧を下げる働きがあります。
また、コレステロールや飽和脂肪酸を避け、野菜や魚を中心とした食事をしましょう。
飲酒
お酒は一時的に血圧を下げる作用があります。
しかし、飲み過ぎや飲酒が習慣的になっている場合には、血圧を上げてしまいます。
お酒の適量目安は男性で1日20gとされており、
- 日本酒1合
- ビールロング缶1本
- 焼酎半合弱
- ウイスキーダブル1杯
- ワイングラスで2杯弱
が目安となります。
女性ではこの半分が目安になります。
血圧と飲酒の関係について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読みください。
喫煙
タバコには4,000種類以上の化学物質が含まれています。
その中でも血圧に影響を及ぼすのはニコチンです。
喫煙は、交感神経を刺激して脈拍や血圧を上げ、血管へ負担をかけます。
運動
血圧を下げるためには有酸素運動が効果的です。
早歩きのウォーキング、水中運動、自転車などがおすすめです。
できるだけ毎日続けることがポイントです。
1日のトータルで30分以上の運動を目指しましょう。
ただし、運動の中でも重いものを持ち上げたりする運動は避けましょう。
負荷が大きく、力む運動は心臓に負担がかかるため高血圧の方には適していません。
高血圧の運動療法について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読みください。
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アドレナリン自己注射薬と高血圧
アドレナリン自己注射薬は高血圧に影響を及ぼすかもしれません。
アドレナリン自己注射薬は、商品名で「エピペン」とも呼ばれています。
主に、アナフィラキシーショックになった時に使われる薬剤です。
アナフィラキシーショックとは、「食事」「蜂」「薬品」などに対する重度のアレルギー反応のことであり、アナフィラキシーショック症状が起こって30分以内にアドレナリンを投与することで生死が分かれるともいわれています。
また、アドレナリンは、副腎髄質から分泌される神経伝達物質です。
血中にアドレナリンが放出されることにより、心拍数・血圧を上げる働きがあります。
高血圧症の方は、アドレナリン自己注射薬の使用について医師と相談することが大切です。
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血圧を下げる方法まとめ
ここでは、血圧を下げる秘訣について紹介してきました。
その要点を以下にまとめます。
- 高血圧は生活習慣で起こる「本態性高血圧」と病気で起こる「二次性高血圧」がある。
- 高血圧が続くと動脈硬化を起こし「脳血管障害」「心疾患」「腎疾患」のリスクを高める。
- 血圧を下げるためには「食生活」「飲酒」「喫煙」「運動」に注意する。
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。