カルシウムと鉄分は人間の体に不可欠なミネラルです。
また、普段の生活において不足しがちな栄養素でもあります。
最近疲れやすい、イライラすることが増えたと感じる原因は、カルシウムと鉄分不足からくるものかもしれません。
では、カルシウムと鉄分は具体的にどのような栄養素なのでしょうか。
本記事では、カルシウムと鉄分について以下の点を中心にご紹介します。
- カルシウムと鉄分の働き
- カルシウムと鉄分の吸収率を上げる方法
- 妊婦・乳児に対するカルシウムと鉄の必要性
また、手軽に栄養素が摂れるサプリメントの落とし穴についても解説しています。
カルシウムと鉄分についてより理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までご覧ください。
栄養素について知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
栄養素は、健康を保つために欠かせない成分です。栄養素には具体的にどのような働きがあるのか御存じですか。本記事では栄養素について、以下の点を中心にご紹介します。 五大栄養素とは 五大栄養素の働き 一日あたりの[…]
カルシウムは、私たちの健康に欠かせない栄養素です。実は、カルシウムが私たちのイライラやストレスにも深く関与していることをご存知でしょうか?一体カルシウムが心の安定にどのように影響しているのか気になりますよね。そこで本記事では以下の[…]
スポンサーリンク
カルシウムと鉄分とは
カルシウムとは、人体で最も多く含まれるミネラルです。
成人の体内にある約1㎏のカルシウムのうち、99%近くが「貯蔵カルシウム」という硬い組織(骨や歯のエナメル質)です。
血液・筋肉・神経などのやわらかい組織に存在する「機能カルシウム」が残りの1%ほどといわれています。
続いて鉄分とは、人体に必要なミネラルの1つです。
鉄分はヘム鉄と非ヘム鉄に分類されます。
- ヘム鉄…動物性食品に多く、吸収率が高い(10~20%)
- 非ヘム鉄…植物性食品に多く、吸収率が低い(2~5%)
成人の体内に含まれる3〜5gの鉄分のうち、「機能鉄」と呼ばれる鉄分が70%ほどです。
機能鉄は、赤血球のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンに含まれます。
残りの30%は、肝臓・骨髄・筋肉にストックされている「貯蔵鉄」です。
体内の機能鉄が不足した場合に使用されます。
主な成分はフェリチンやヘモジデリンです。
カルシウムや鉄分の働き
カルシウムと鉄分の主な働きは以下の通りです。
【カルシウムの働き】
- 健康な骨や歯を形成する
- 血液凝固を促して出血を予防
- 筋肉の興奮を抑える
【鉄分の働き】
- 全身に酸素を運ぶ
カルシウムや鉄分は女性に不足しがち
カルシウムや鉄分は、特に女性が不足しやすい栄養素です。
50歳を過ぎると女性ホルモンの減少により、
- 骨密度の低下
- 骨粗しょう症のリスク
- 月経不順による月経量の増加
- 子宮筋腫の増大で貧血のリスク
など、さまざまな身体の不調を引き起こします。
また、カルシウムと鉄は、妊娠中の方や授乳期の女性にも大切な栄養素です。
積極的に摂取することを心がけましょう。
カルシウムの働きについて知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
カルシウムは健康には欠かせない栄養素です。カルシウムは骨や歯以外にも筋肉、血液、神経などにも欠かせません。カルシウムとはどういう栄養素なのでしょうか。本記事ではカルシウムについて以下の点を中心に紹介します。 カルシ[…]
スポンサーリンク
カルシウムと鉄分の吸収率をアップさせよう
カルシウムと鉄分は、食材の食べ合わせによって吸収率を高めることが可能です。
カルシウムと鉄分の吸収率を上げる栄養素や食材をご紹介します。
カルシウムの吸収率を上げるには
カルシウムの吸収率を高める栄養素は、ビタミンDです。
ビタミンDは主に魚類・きのこ類に多く含まれています。
カルシウムとビタミンDを含む食材は以下の通りです。
カルシウムを多く含む食材 | |
乳製品 | 牛乳 |
チーズ | |
ヨーグルト | |
小魚類 | イワシ |
シシャモ | |
豆・豆製品 | 小豆 |
納豆 | |
木綿豆腐 | |
葉物野菜類 | 小松菜 |
モロヘイヤ | |
チンゲン菜 | |
ビタミンDを多く含む食材 | |
魚類 | イワシ |
紅鮭 | |
うなぎ | |
きのこ類 | 干しシイタケ |
マイタケ | |
エリンギ | |
エノキ | |
その他動物性食品 | 鶏卵(全卵) |
うずら卵(全卵) | |
豚レバー | |
豚足 |
鉄分の吸収率を上げるには
鉄分の吸収率を高める栄養素はビタミンCです。
ビタミンCは主に野菜類・果物類に多く含まれています。
植物性食品に多く、吸収率が低い非ヘム鉄は、無機鉄です。
そのため、還元物質であるビタミンCを共に摂取することで、吸収率を高めることができます。
小松菜やほうれん草などの野菜をビタミンCと共に摂取するようにしましょう。
鉄分とビタミンCを含む食材は以下の通りです。
鉄分を多く含む食材 | |
肉類 | レバー(牛・豚等) |
牛ヒレ肉 | |
魚・貝類 | イワシ |
カツオ | |
アサリ | |
野菜・きのこ類 | 小松菜 |
ほうれん草 | |
きくらげ | |
ひじき | |
豆・豆製品 | 大豆 |
豆乳 | |
ビタミンCを多く含む食材 | |
野菜類 | ブロッコリー |
パプリカ | |
ケール | |
モロヘイヤ | |
ピーマン | |
キャベツ | |
果物類 | キウイフルーツ |
イチゴ | |
ゆず | |
レモン | |
アセロラ |
上記の表を参考にして、栄養素の効率的摂取を意識しましょう。
ビタミンCの他にも、動物性タンパク質とクエン酸などの果実酸は鉄分の吸収率を高める効果があります。
肉類や魚介類、乳製品に含まれる動物性タンパク質は、鉄分と結びつき、腸からの吸収を助けます。
リンゴ酸やクエン酸といった果実酸は、鉄分やカルシウムといったミネラルを吸収しやすい形へと変形するキレート作用という働きを持っています。
カルシウムと鉄分の効率的な摂取方法について知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
カルシウムはさまざまな食品に含まれています。また、骨を強くする以外にもさまざまな効果があります。より効果を得るために、効率よく摂取する方法を知りたいと思う方は多いと思います。今回はカルシウムについて、以下の点を中心にご紹介します。[…]
鉄分は私たちの体に必須のミネラルの1種です。鉄分が不足すると貧血を起こします。鉄分が不足すると貧血以外にも体にどのような影響があるでしょうか?鉄分不足をどのようにして補うことができるでしょうか?本記事では鉄分の効果に[…]
タンパク質について筋肉づくりや維持の為に、タンパク質を凝縮したプロテインを摂取する方も多いでしょう。しかし、タンパク質の特徴や過不足などを知らないと、健康のためのタンパク質摂取が逆効果になってしまうことがあることをご存じでしょうか。[…]
おすすめ鉄分サプリの選び方
鉄分サプリを選ぶポイントとして、鉄分の含有量やサプリの形状などを確認してください。
また、鉄分以外の配合成分や消費者庁などが指定した製品であるかどうか確認しましょう。
詳細は以下の通りです。
年齢・性別に合わせて鉄分の含有量を確認する
1日における鉄分の摂取推奨量は年齢や性別を考慮する必要があります。
男性の場合、成人後は7.5mgが摂取推奨量となります。
女性の場合は月経や妊娠・授乳中などにより摂取推奨量が異なることに注意しましょう。
月経時は鉄分の摂取量を増加したほうが良いでしょう。
特に初潮を迎える中学生から高校生までは成人より多く鉄分を摂取する必要があります。
中学生頃から閉経までは1日6.5〜8.5mg、月経時は10.5〜12.0mgが摂取目安となります。
子供の場合、基本的に鉄分サプリを摂取する必要がありません。
しかし、月経時は多くの鉄分が必要なため、サプリで補う方法も検討しましょう。
サプリの成分によっては子供の体質に合わない場合があります。
サプリの摂取を子供の自己判断で行わないように注意してください。
妊娠中は胎児の発育のため鉄分の摂取量を追加する必要があります。
妊娠初期は1日+2.5mg、中期から後期では+9.0mgが摂取目安となります。
授乳中も鉄分の摂取量を追加する必要があり、1日+2.5mg必要です。
妊娠中や授乳中もサプリで鉄分を補給できます。
しかし、過剰摂取すると鉄沈着症や先天性異常を引き起こす可能性があります。
医師と相談の上、鉄分サプリを摂取するようにしましょう。
出典:厚生労働省【日本人の食事摂取基準 2020年版, (2)微量ミネラル, ①鉄(Fe)】
ヘム鉄配合のサプリを選ぶ
鉄分は大きく分けてヘム鉄と非ヘム鉄の2種類に分類されます。
ヘム鉄は肉など動物性食品に多く含まれ、非ヘム鉄は野菜など植物性食品に含まれます。
2つの鉄分は消化管の吸収率が異なります。
ヘム鉄の吸収率は10~20%で、非ヘム鉄の2~5%と比べ約5倍吸収率が高いです。
非ヘム鉄は食物繊維など他の食品からの吸収阻害を受け、ほとんど吸収されません。
また、非ヘム鉄は吸収時に胃や腸に刺激を与え胃腸障害を引き起こしやすいです。
一方ヘム鉄は鉄イオンがタンパク質に包まれているため他の食品の影響が少ないです。
吸収阻害を受けにくく、胃腸障害が起こりにくい特徴があります。
サプリメントを選ぶ際、吸収力の高いヘム鉄配合のサプリを選びましょう。
サプリの形状や味で選ぶ
サプリメントの形状はタブレット、カプセル、粉末、ドリンク、グミなどがあります。
タブレットやカプセルは鉄分独特の味や香りが少ない特徴があります。
しかし大粒の場合、飲みにくい場合があるため小粒の種類を選びましょう。
粉末の場合、栄養が濃縮されているため少量の摂取でも多くの成分が含まれています。
一方、鉄分独特の味や香りがするため飲みにくさを感じる方は少なくありません。
ドリンクやグミのタイプは様々な味の種類があり、おやつ感覚で摂取できます。
しかし、タブレットや粉末と比べ鉄分の含有量が少ないです。
サプリメントを迷った場合、飲みやすさと鉄分の含有量を確認して選びましょう。
鉄分以外の配合成分で選ぶ
貧血予防は鉄分以外の栄養素を摂取することも重要になります。
鉄分サプリを選ぶ場合、鉄分と一緒に配合されている栄養素に注目して下さい。
ビタミンB群やビタミンCは鉄分の吸収を高め、赤血球の形成に必要な働きがあります。
詳細は以下の通りです。
- ビタミンC:非ヘム鉄の吸収力を高める
- ビタミンB2:赤血球の生成
- ビタミンB6:赤血球の生成
- ビタミンB12 :造血作用
- 葉酸:造血作用や赤血球の生成
妊娠中は胎児に酸素を送る必要があるため、鉄分以外の栄養素も注目しましょう。
ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸は重要な栄養素になります。
鉄分サプリを選ぶ際、ビタミンが配合されたサプリを選びましょう。
機能性表示食品や特定保健食品、GMP認定証から選ぶ
健康食品として機能性表示食品や特定保健食品、GMP認定証のついた製品があります。
機能性表示食品とは、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。
消費者庁に届け出た安全性や機能性に関する情報が表示されています。
特定保健用食品とは、健康の維持増進に役立つことが科学的に認められた食品です。
身体に影響を与える保健効能成分を含んでおり、食品毎に消費者庁長官が許可しています。
GMPとは製品の安全性と一定の品質が保たれていることを保障しているマークです。
製品の人為的な誤りや汚染、品質低下を防止する働きがあります。
上記3つの表示が記載されている場合、サプリの品質が保たれている可能性が高いです。
鉄分サプリを選択する際、参考にしてください。
出典:消費者庁【「機能性表示食品」って何?】
出典:消費者庁【特定保健用食品とは】
出典:日本健康・栄養食品協会【GMPマークを目印に健康食品を選びましょう!】
おすすめの鉄分のサプリについて、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。
全身に血液や酸素を巡らせるには鉄分が欠かせません。食品から鉄分が摂れなくても鉄分をサプリメントで補うことはできます。そもそも鉄分とはどのような栄養素なのでしょうか?鉄分サプリメントはどのような効果を持つのでしょうか?[…]
【編集部厳選】おすすめ鉄分サプリメント3選!
鉄分サプリには、数多くのものがあります。
おすすめの鉄分サプリ3選を以下の表にまとめました。
商品名 | ベルタ葉酸 | 美めぐり習慣 | Withmoon |
おすすめポイント | 業界最大級の鉄分 × 高吸収型葉酸 | 高品質ヘム鉄100%と豊富な栄養成分配合で女性に嬉しいサプリ | 高い吸収率で効率的に栄養バランスを補える! |
定期価格 | 初回:1,980円 2回目以降:3,980円 | 初回:1,480円 2回目以降:3,219円 | 初回:990円 2回目以降:2,498円 |
通常価格 | 5,980円 | 4,299円 | 2,998円 |
内容量 (30日分) | 120粒 | 150粒 | 120粒 |
鉄の種類 | 非ヘム鉄 | ヘム鉄 | フェリチン鉄 |
その他成分 | ビタミン13種類 ミネラル14種類 アミノ酸20種類 23種類の野菜 5種類の美容成分 | ビタミンC・B6・B12 葉酸 生姜 ヒハツ カルシウム | 有機大豆 |
安全性 | 無添加13種 GMP工場製造 安心安全マーク 管理栄養士による監修 | GMP認定工場で製造 放射能検査 残留農薬検査 | 非遺伝子組み換え大豆使用 |
詳細 | 公式サイトはこちら | 公式サイトはこちら | 公式サイトはこちら |
1位【ベルタ葉酸】
ベルタ葉酸は、鉄分だけでなく葉酸も含まれているサプリメントです。
鉄分は赤血球を作るのに必要な栄養素で、女性には特に不足しがちと言われます。
また、葉酸は妊娠を考えている女性にとって大切な栄養素の1つです。
妊娠中は鉄分不足に悩む女性も少なくないため、特に妊活中の方におすすめのサプリといえるでしょう。
さらに、ベルタ葉酸は、高吸収の酵母葉酸を含むのも大きな特徴です。
鉄分や葉酸は、体内でしっかりと吸収されることで、効果的に栄養を補えます。
忙しい日々で栄養バランスを気にする時間がない方や、妊活中の方にはおすすめのサプリメントです。
健康的な体を手に入れるために、積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
商品名 | ベルタ葉酸 |
おすすめポイント | 業界最大級の鉄分 × 高吸収型葉酸 |
定期価格 | 初回:1,980円 2回目以降:3,980円 |
通常価格 | 5,980円 |
内容量 (30日分) | 120粒 |
鉄の種類 | 非ヘム鉄 |
その他成分 | ビタミン13種類 ミネラル14種類 アミノ酸20種類 23種類の野菜 5種類の美容成分 |
安全性 | 無添加13種 GMP工場製造 安心安全マーク 管理栄養士による監修 |
2位【美めぐり習慣】
美めぐり習慣には、鉄分だけでなくビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンEも含まれています。
これらのビタミンは、美肌や美髪の成長・維持に必要な成分です。
実は、鉄分不足は肌荒れに繋がることもあります。
そのため、美めぐり習慣は、肌荒れが気になる方に特におすすめのサプリです。
また、美めぐり習慣は、美容成分だけでなく、血液の循環をサポートする成分も含まれています。
美容と健康を同時にケアしたい方に嬉しいサプリメントです。
美めぐり習慣は、身体の内側からも美しさと健康をサポートできる強い味方といえます。
美めぐり習慣で、美しく健康な体を手に入れましょう。
商品名 | 美めぐり習慣 |
おすすめポイント | 高品質ヘム鉄100%と豊富な栄養成分配合で女性に嬉しいサプリ |
定期価格 | 初回:1,480円 2回目以降:3,219円 |
通常価格 | 4,299円 |
内容量 (30日分) | 150粒 |
鉄の種類 | ヘム鉄 |
その他成分 | ビタミンC・B6・B12 葉酸 生姜 ヒハツ カルシウム |
安全性 | GMP認定工場で製造 放射能検査 残留農薬検査 |
3位【withmoonフェリチン鉄サプリ】
withmoonフェリチン鉄サプリは、鉄分だけでなくフェリチンも含まれています。
フェリチンは鉄分を貯蔵するためのタンパク質で、体内の鉄分のバランスを整えるのに役立ちます。
ゆえに、withmoonフェリチン鉄サプリは、吸収率が高いことが特徴です。
体内でしっかりと吸収されるため、効果的に鉄分不足を補えます。
忙しい日々で栄養バランスを気にする時間がない方にぴったりといえるでしょう。
また、鉄分不足を感じている方に幅広くおすすめできるサプリメントです。
商品名 | withmoon |
おすすめポイント | 高い吸収率で効率的に栄養バランスを補える! |
定期価格 | 初回:990円 2回目以降:2,498円 |
通常価格 | 2,998円 |
内容量 (30日分) | 120粒 |
鉄の種類 | フェリチン鉄 |
安全性 | 非遺伝子組み換え大豆 |
鉄分サプリの適切な摂り方
適切な鉄分サプリの摂り方を以下にご紹介します。
飲むタイミングや成分量を必ず確認する
鉄分サプリメントを服用する際は、飲むタイミングや成分量を必ず確認しましょう。
鉄分は摂取した量の三分の一も吸収されません。
飲むタイミングを間違えると吸収効率が悪くなります。
そして、鉄分だけでなく、その他の成分の過剰摂取にも気をつけましょう。
サプリに依存せず、食事で賄うよう努める
サプリメントに栄養を依存すると消化力が落ちます。
噛むことをしなくなると、唾液と胃液も分泌されにくくなるからです。
サプリメントに依存し、食事からの摂取を怠ると、溶けやすく体内に吸収されやすい栄養ばかりになります。
すると、食品を消化吸収する力が弱まってしまいます。
1つの栄養素のみに対して、消化吸収が困難になることもあります。
サプリメントはあくまでも補助的に摂取するようにしましょう。
カルシウムと鉄分の吸収を妨げるもの
カルシウムや鉄の吸収率を高める栄養素とは反対に、吸収を妨げる成分も存在します。
具体的にどのようなものなのか解説します。
カルシウムの吸収を妨げるもの
カルシウムの吸収を妨げる成分は、
- リン
- シュウ酸
- 多量の食物繊維
などが挙げられます。
リンは主に、スナック菓子や加工食品の保存料です。
過剰摂取により体内のカルシウムを排泄します。
また、精製された糖によってもカルシウムの吸収が阻害されます。
摂取量によっては、食事から摂取したカルシウムの80%が体外に排出されることもあるため注意が必要です。
鉄分の吸収を妨げるもの
続いて、鉄分の吸収を妨げる成分は以下のものが挙げられます。
- タンニン
- フィチン酸
- 多量の食物繊維
タンニンは、
- コーヒー
- 紅茶
- 緑茶
に含まれる成分です。
フィチン酸はライ麦や玄米に含まれています。
また、おからや大豆に含まれる食物繊維を多量摂取した場合も、鉄分の吸収を阻害することがあります。
習慣としてコーヒーやお茶を頻繁に摂取する方は、鉄分不足による貧血に注意しましょう。
カフェインについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
カフェインと聞くと眠気覚ましのコーヒーをイメージする方が多いですよね。一方で、カフェインの摂りすぎはよくないとも聞きます。では、ちょうどいいカフェインの摂取目安はどのくらいなのでしょう?本記事では、カフェインについて以下の点を中心[…]
妊婦さんは葉酸と一緒にカルシウム・鉄分も
妊娠前後の重要な栄養素は、葉酸だけではありません。
カルシウムや鉄分も、妊娠の順調な経過と胎児の発育のためには欠かせない栄養素です。
カルシウムが不足した場合には、母体のカルシウム(骨など)を溶かしてまで胎児に栄養を届けようとします。
そのため母体側がカルシウム不足となり、骨粗しょう症などの原因になる場合があるため注意が必要です。
また、妊娠中は体内の血液量が非妊娠時の最大1.5倍ほどになります。
そのため、酸素の運搬・胎児の血液原料として多くの鉄分が消費され、鉄分が不足しやすい状態です。
妊婦の鉄分不足によって起こるリスクは以下の2つです。
- 母体及び胎児の死亡
- 早産・低体重出生児出産の可能性
無事に出産を終えるためにも、カルシウムや鉄分を意識的に補うことが大切です。
スポンサーリンク
乳幼児離乳食にもカルシウム・鉄分を意識
乳幼児は成長が著しいため、母乳育児の場合は生後6か月あたりから鉄分が不足気味になります。
生まれてくるときに蓄えていた貯蔵鉄が減少するためです。
乳幼児期に必要なカルシウムと鉄分の摂取量は以下の通りです。
月齢 | 0~5ヵ月 | 6~8ヵ月 | 9~11か月 | ||||
栄養素 | 男児 | 女児 | 男児 | 女児 | 男児 | 女児 | |
カルシウム(㎎/日) | 目安量 | 200 | 250 | ||||
鉄分(㎎/日) | 推定平均必要量 | - | 3.5 | 3.5 | 3.5 | 3.5 | |
推奨量 | - | 5.0 | 4.5 | 5.0 | 4.5 |
出典:厚生労働省【乳児の食事摂取基準】
ミルクやフォローアップミルクを飲んでいる乳児は、カルシウムや鉄分の不足を気にする必要はありません。
母乳育児でカルシウムや鉄分の不足が気になる方は、離乳食に取り入れてみましょう。
しかし、必要量だけを意識しすぎると1つの食材に偏りがちになります。
目安として把握したうえで、様々な食材を使って摂取することが大切です。
カルシウム不足についてさらに詳しく知りたい方は、是非こちらの記事も是非ご覧ください。
カルシウムは骨を作るための代表的な栄養素です。しかし、実は日本人は慢性的にカルシウムが不足しがちであることをご存知でしょうか?カルシウム不足の原因は何でしょうか?また、カルシウムが不足するとどのような症状が出るのでしょうか?[…]
カルシウムは、人間の骨や歯に含まれているミネラルです。骨を丈夫にするだけでなく、血液の循環や筋肉の収縮にも関わっています。そもそもカルシウム不足のサインとは、どのようなものなのでしょうか?本記事ではカルシウム不足のサインにつ[…]
スポンサーリンク
カルシウムや鉄分のサプリメントの落とし穴
不足しがちな栄養素であるカルシウムと鉄分ですが、サプリメントによる過剰摂取に関しては健康上のリスクが挙げられています。
カルシウム過剰摂取のリスクは主に、
- 高カルシウム血症・高カルシウム尿症の恐れ
- 軟組織(筋肉や血管など)の石灰化
- 泌尿器系結石や前立腺がんの恐れ
- 鉄や亜鉛の吸収障害
- 便秘
などがあります。
続いて、鉄分の過剰摂取のリスクは、
- 長期過剰摂取による鉄沈着症
- 非ヘム鉄のサプリメントによる胃の不快感などの副作用
などです。
カルシウムと鉄分は、通常の食事で過剰摂取になることはほぼありません。
日常的に消費される栄養素のため、意識的に摂取する必要があります。
手軽に摂取できるサプリメントですが、適正量の摂取を心がけましょう。
サプリメントについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
スポンサーリンク
カルシウムと鉄分まとめ
ここまで、カルシウムと鉄分についてお伝えしてきました。
カルシウムと鉄分の要点をまとめると以下の通りです。
- カルシウムと鉄分の働きは、全身に酸素を運搬する働きがある
- カルシウムはビタミンDと、鉄分はビタミンCと共に摂取することで吸収率が上がる
- 妊婦・乳幼児は、カルシウムや鉄分を多く消費するため適正摂取が重要
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※この記事はアフィリエイト広告を含んでおります