体の中には様々な栄養分があり、カリウムもその1つです。
カリウムは普段の食事から十分に摂取が可能なため、不足や過剰摂取になることは少ないとされています。
では、カリウムが不足したり過剰摂取になるとどのような症状が見られるのでしょうか?
本記事では、カリウムの働きや効果について以下の点を中心にご紹介します。
- カリウムの働きと効果
- カリウムの1日の摂取基準量
- カリウム不足の症状
- カリウム過剰摂取の症状
カリウムの働きや効果について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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カリウムとは
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カリウムとはミネラルの1つで、体内にある最も量が多いミネラルとして知られています。
カリウムはナトリウムと作用することで様々な働きや効果があり、私達の体に無くてはなりません。
遊離イオンやリン酸塩、たんぱく質との結合体とし、そのほとんどが細胞内に存在します。
また、カリウムは不足してしまったり、過剰摂取してしまうと体に不調が現れるので注意が必要です。
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カリウムの働きと効果
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カリウムは体内で様々な重要な役割を担っており、無くてはならない栄養素の1つです。
そこで、体内でのカリウムの働きと効果についてご紹介します。
カリウムの働き
カリウムはミネラルの1つで、成人の体内には約200g含まれています。
体内のカリウムのほとんどは細胞内に存在し、ナトリウムと相互に作用していきます。
カリウムとナトリウムが作用することで細胞の浸透圧維持や、水分保持などの重要な役割を担っています。
また、摂取されたカリウムは小腸で吸収され、全身の組織に運ばれ、大部分が腎臓により排泄されます。
カリウム量は、腎臓の機能によって維持され、血中カリウム濃度は3.6〜5.0mEq/Lに保たれます。
カリウムの効果
カリウムの効果として主に以下のものがあげられます。
- 高血圧予防
- むくみ改善
- 筋肉を正常に保つ
カリウムには、体内に残ってしまった余分なナトリウムを排出する作用があるため、血圧を下げる効果が見られます。
また、ナトリウムと共に作用することで、むくみ改善や心臓機能や筋肉機能の調節の効果も期待できます。
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カリウムの1日の摂取基準量
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カリウムは不足してしまったり、過剰摂取してしまうと、体に様々な不調が現れてきます。
そこで、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に1日の摂取基準量を確認していきましょう。
1日の摂取基準量
平成 28 年国民健康・栄養調査における日本人のカリウム摂取基準量は
年齢 | 男性 | 女性 |
3歳~5歳 | 1,400 mg/日 | 1,400 mg/日 |
6歳~7歳 | 1,800 mg/日 | 1,800 mg/日 |
8歳~9歳 | 2,000 mg/日 | 2,000 mg/日 |
10歳~11歳 | 2,200 mg/日 | 2,000 mg/日 |
12歳~14歳 | 2,600 mg/日 | 2,400 mg/日 |
15歳~74歳 | 3,000 mg/日 | 2,600 mg/日 |
75歳以上 | 2,800 mg/日 | 2,400 mg/日 |
出典:厚生労働省【日本人の食事摂取基準(2020年版)】PDF
この他にも、乳児は400 mg〜700 mg/日、妊婦は2,000 mg/日、授乳婦は2,200 mg/日とされています。
また、2012年に公表されたWHOのガイドラインでは、男女とも3,510mg/日がカリウムの摂取基準量です。
カリウムを多く含む食べ物
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腎機能が低下するとカリウムの排出も減少し、高カリウム血症を起こします。
そこで、カリウムの多い食べ物を把握し、過剰摂取にならないように気を付けましょう。
また、カリウムは水やお湯に溶けるため、野菜などを小さく切り「流水にさらす」などを行うことでカリウム成分を少しでも除くことができます。
野菜
- かぼちゃ
- にら
- 水菜
- なす
- 白菜
- セロリ
- キャベツ
- 切干大根
- かぶ
- アボカド
- ほうれん草
- ブロッコリー
果物
- バナナ
- なつみかん
- メロン
- 干し柿
- ドライマンゴー
- キウイフルーツ
- さくらんぼ
※100%ジュースも注意が必要です。
芋類
※全て多く含まれますが、特に里いもは注意が必要です。
豆類
- 納豆
- 枝豆
- 煮豆
- 黒豆
- きな粉
海藻類
- 刻み昆布
- 干しひじき
- 真昆布
- 利尻昆布
- 乾燥わかめ
- あおさ 素干し
- 焼きのり
- わかめ
- カットわかめ
- 乾燥わかめ
肉・魚
※全て多く含まれますが、特にお刺身は注意が必要です。
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カリウムが不足した場合の症状
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体内にある栄養素には全て意味があり必要な成分です。
では、体内のカリウムが不足してしまった場合、どのような症状が起こるのでしょうか。
カリウムが不足した際の症状や低カリウム血症についてご説明します。
カリウムが不足するとどうなるのか
一般的に、通常の食事ではカリウム不足に陥ることはありません。
カリウム不足に陥る原因は嘔吐、下痢、副腎の病気、利尿薬の使用が考えられます。
また、少量のカリウム不足であれば体に症状が起こることはありません。
しかし、カリウム不足が重症であると、体に不調が起こるので注意が必要です。
低カリウム血症とは
低カリウム血症とは血液中のカリウム濃度が3.5 mEq/L以下に低下した状態を言います。
低カリウム血症になると
- 筋力低下
- 筋肉痛
- 悪心
- 嘔吐
- 便秘
- けいれん
- 自律神経失調症
- 筋肉けいれん
- 呼吸筋麻痺
- 不整脈
- 麻痺性腸閉塞
を引き起こす恐れがあります。
主な症状は、筋力低下や筋肉痛、嘔吐、けいれんですが、重症になると麻痺性腸閉塞にまで至ります。
また、低カリウム血症と診断された際の治療方法は、カリウムのサプリメント摂取が一般的です。
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カリウムを過剰摂取した場合の症状
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カリウムの過剰摂取も体の不調に悪影響を与えます。
そこで、カリウムの過剰摂取の影響や高カリウム血症についてご紹介します。
カリウムの過剰摂取の影響
カリウムのサプリメントを服用しない限り、過剰摂取になる可能性はとても低いです。
しかし、腎臓への血流を減らす薬、腎臓からのカリウム排出を阻害する薬の使用で起こると考えられています。
従って、腎臓機能が低下している場合は注意が必要です。
高カリウム血症とは
高カリウム血症とは血液中のカリウム濃度が5.5 mEq/L以上に上昇した状態を言います。
高カリウム血症になると
- 悪心
- 嘔吐
- しびれ
- 知覚過敏
- 脱力感
- 不整脈
を引き起こす恐れがあります。
主な症状は悪心、嘔吐などの胃腸症状やしびれ、知覚過敏、脱力感などの筋肉・神経症状が目立ちます。
また、高カリウム血症と診断された際の治療方法は、カリウムの排出量を増加させる薬の摂取が一般的です。
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カリウム不足のセルフチェック
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カリウムが不足していくと以下の様な症状が見られます。
カリウム不足の症状
- 脱水
- 食欲不振
- 吐き気
- 筋力低下
- 無関心
- 不安感
- 不整脈
- 心停止
低カリウム血症の症状
- 嘔吐
- 下痢
- 緩下剤乱用
- 降圧利尿剤
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カリウムの摂取は健康への影響が良い?
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ここまでカリウムの働きや効果、不足や過剰摂取時の症状について説明してきました。
では、カリウムの摂取は健康への影響が良いと言えるのでしょうか?
カリウムの摂取は高血圧の方への低血圧効果や脳卒中リスクの低下が報告されています。
従って、野菜や果物の積極的摂取が推奨されており、健康への影響は良いことがわかります。
ただし、腎障害がある方にはカリウムの摂取は悪影響になることがあります。
そのため、腎障害がある方には積極的な摂取は勧められておりません。
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カリウムに関するよくある質問
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Q: カリウムは何に良いのですか?
A: カリウムは、心臓や筋肉の正常な機能を維持するために必要なミネラルの一つです。
また、血圧を正常に保つ役割も果たし、脳機能の改善、ストレスと疲労の軽減、体内の水分バランスの維持、骨の健康維持にも貢献しています。
Q: カリウムが多い食品は何ですか?
A: カリウムが豊富な食品には、バナナ、オレンジ、メロン、アボカド、スイカ、ほうれん草、ブロッコリー、ジャガイモ、豆類、ヨーグルト、魚などがあります。
Q: カリウムの過剰摂取はどのような影響がありますか?
A: カリウムの過剰摂取は、一般的には腎臓が正常に機能していれば問題になりませんが、腎臓の機能が低下している場合や特定の薬を服用している場合は、血中カリウム濃度が高くなりすぎるハイパーカリエミアを引き起こす可能性があります。
これは重篤な心臓の問題を引き起こす可能性があるため、カリウムの摂取量は医師や栄養士と相談することが重要です。
Q: カリウムとナトリウムのバランスはどのように重要ですか?
A: カリウムとナトリウムは、体内の電解質バランスを維持するために重要なミネラルです。
これらのバランスが崩れると、血圧の上昇や脱水症状を引き起こす可能性があります。
特に、ナトリウムの過剰摂取とカリウムの不足は、高血圧のリスクを高めます。
健康的な食生活を通じて、これらのミネラルのバランスを適切に保つことが重要です。
Q: カリウムのサプリメントは必要ですか?
A: カリウムのサプリメントは、特定の健康状態や食事制限により、食事から十分なカリウムを摂取できない人にとって有用な場合があります。
しかし、適切な食事を通じてカリウムを摂取することが最も理想的です。
サプリメントを使用する前には、必ず医療専門家に相談してください。
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カリウムのまとめ
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今回は、カリウムの働きや効果についてご紹介しました。
カリウムの働きや効果についての要点を以下にまとめます。
- カリウムには、余分なナトリウムを排出する働きがある
- カリウムの1日の摂取基準量は成人で2,600 mg~3,000 mg/日
- カリウム不足になると筋力低下や筋肉痛、嘔吐、けいれんの症状が現れる
- カリウム過剰摂取になると胃腸症状や筋肉・神経症状が現れる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。