ホーム

認知症を学ぶ

down compression

介護を学ぶ

down compression

専門家から学ぶ

down compression

書籍から学ぶ

down compression

健康を学ぶ

down compression
健達ねっと>健康お役立ち記事>生活習慣病>生活習慣病とは?定義・具体的な病気や予防方法について

生活習慣病とは?定義・具体的な病気や予防方法について

食の欧米化など、生活スタイルの変化に伴い、日本でも生活習慣病が問題になっています。
生活習慣病は、誰しもがなってしまう病気であるため、正しい知識を身につけ予防していくことが大切です。
生活習慣病とは、どのような病気なのでしょうか?

生活習慣病は、どのようにして予防すればよいのでしょうか?
そこで今回は、生活習慣病について以下の点を中心に解説していきます。

  • 生活習慣病とは
  • 生活習慣病の原因と予防法
  • 生活習慣病は日本人の死因のどのくらいを占めるのか

生活習慣病について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ、最後までお読みください。

関連記事

生活習慣病は、ほとんどの方が一度は耳にしたことがある言葉ではないでしょうか。生活習慣病は、様々な病気と関わりがありますが、中でも認知症と深い関わりがあるとされています。今回は、生活習慣病と認知症の関係を紹介した上で、生活習慣の見[…]

スポンサーリンク

生活習慣病とは(定義)

厚生労働省は、以下のように生活習慣病を定義しています。

  • 「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」

出典:厚生労働省【e-ヘルスネット】

かつては「成人病」と呼ばれていました。
しかし、成人でなくとも発症のリスクがあることから、1996年に「生活習慣病」に改称されています。

スポンサーリンク

生活習慣病の種類

生活習慣病に分類される病気は数多くあります。
ここでは、生活習慣病とされている主な疾患について解説していきます。

糖尿病

糖尿病は、インスリンの分泌に問題が起こることで血糖値が高くなる疾患です。
糖尿病には、自己免疫疾患などが原因で発症する1型と、生活習慣が原因である2型の2種類あります。
日本人の糖尿病患者のほとんどが2型糖尿病です。

症状が進行すると、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症といった合併症を引き起こすほか、動脈硬化による心臓病や脳卒中のリスクが高くなります。

肥満症/メタボリックシンドローム

運動不足、食事の摂りすぎが原因で起こる肥満症/メタボリックシンドロームは、生活習慣病の1つとして知られています。
肥満症は「BMI25以上で、肥満が原因による健康障害を有している状態」をいいます。
一方のメタボリックシンドロームは、「ウエスト周囲が男性85㎝以上、女性90㎝以上で、脂質・血圧・血糖値のうち2つ以上が基準値から外れている状態」を指します。

脂質異常症

血液中のコレステロール、中性脂肪の値が基準値から外れていると、脂質異常症(高脂血症)と診断されます。
はじめのうちは自覚できる症状があらわれないため、発見が遅れることが多い疾患です。
そのため、気づかないうちに動脈硬化が進み、心疾患や脳卒中など重い病気にまでつながることが少なくありません。

高血圧

収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上が続くとき、高血圧と診断します。
高血圧の原因で多いのは、食事の乱れ(塩分の摂りすぎ)です。
高血圧状態だけでは、特に自覚症状がないことがあります。

しかし、放置していると動脈硬化や心疾患につながるため注意が必要です。

心疾患(心筋梗塞・狭心症など)

心疾患は心臓に関係する病気の総称で、心筋梗塞や狭心症が該当します。
日本人の死因として上位に挙げられており、原因は動脈硬化、脂質異常、高血圧など生活習慣に深く関係しています
狭心症は、比較的軽い症状で治まる場合もあります。

しかし、心筋梗塞では、発作が治まっても不整脈や心臓の動きが弱くなるなど、後遺症が残ることがあります。

脳梗塞・脳卒中

脳卒中(脳血管障害)には、動脈硬化により脳の血管が詰まる脳梗塞と、血管が破損する脳出血があり、生活習慣病に分類されています。
大きな原因はいずれも高血圧です。
脳卒中は、早期に治療できれば完治あるいはリハビリでの回復が期待できます。

しかし、手足の運動麻痺や高次脳機能障害など重い後遺症を患い、介護が必要となる場合もあります。

肝疾患(肝硬変・肝炎・脂肪肝など)

肝疾患には、肝炎ウイルスによる肝疾患、肥満やアルコール過剰摂取など生活習慣による脂肪性肝疾患、自己免疫機能異常による自己免疫性肝疾患、などがあります。
病気が進行するまで、自覚症状はほとんどありません。
しかし、腹水・黄疸・体力低下などの症状があらわれ、進行すると肝性脳症(意識障害)も起こるようになり、命に関わる場合もあります。

がん(肺がん・胃がん・大腸がんなど)

異常な細胞が増殖し、臓器の機能不全を引き起こすのが「がん」です。
喫煙が原因となる肺がんや、食事生活の乱れが原因となる胃がんなど、生活習慣とがんは大きく関わっています

骨粗しょう症

骨粗しょう症は、骨密度が低下し骨折のリスクが高くなる病気です。
女性に多い病気であり、若いころのダイエットによる食生活の偏りや、加齢に伴い女性ホルモンの分泌が少なくなることなどが大きな原因といわれています。
運動不足も骨粗しょう症を引き起こす要因の1つです。

骨粗しょう症は自覚症状に乏しいため、発見が遅れ、骨折や痛みを伴うなどして病気に気づくケースもみられます。

高尿酸血症/痛風

尿酸値が高い状態を、高尿酸血症といいます。
値が高いだけでは症状がありませんが、進行すると結晶化した尿酸が関節などにたまって炎症が起こり、激しく痛みます。
高尿酸血症/痛風も、ほとんどが食習慣の乱れや肥満が原因です。

患者の多くが糖尿病や脂質異常症といった、他の生活習慣病を合併しているのも特徴です。

おすすめ記事

生活習慣病になっているかもしれないと気になる方も多いのではないでしょうか。生活習慣病になってしまう原因がわかれば、予防ができます。本記事では生活習慣病の原因について以下の点を中心にご紹介します。 生活習慣病の原因とは 生活習[…]

生活習慣病になる原因

生活習慣病には、

  • 食習慣
  • 運動不足
  • 喫煙
  • 過度な飲酒

といった生活習慣が大きく関係しています。
原因となる習慣について、順番に説明していきます。

食習慣

脂っこいものや炭水化物をよく食べる方、濃い味を好む方、野菜をあまり食べない方などは、生活習慣病のリスクが高くなります。
なぜなら、乱れた食習慣の方は、脂質や糖質、塩分を過剰摂取することや、栄養バランスに偏りがあることが多いからです。
食習慣が原因となる生活習慣病には、下記の疾患などが挙げられます。

  • 糖尿病
  • 肥満症・メタボリックシンドローム
  • 脂質異常症
  • 大腸がん

運動不足

人は適度に運動することで、脂肪を燃焼させ筋力を維持し、血管を健康な状態で保っています。
しかし、運動が不足すると、食べ物から得たエネルギーが余って脂肪になります。
脂肪が必要以上に蓄積すると肥満になります。

運動不足の方は、下記の生活習慣病のリスクが高まります。

  • 糖尿病
  • 肥満症・メタボリックシンドローム
  • 脂質異常症
  • 高血圧症

喫煙

喫煙によって体内に入るニコチン、一酸化炭素、タールは身体に有害です。
また、たばこの煙には60種類以上の発がん物質が含まれています。
さらに、喫煙は循環器系や呼吸器系に悪影響を及ぼすため、様々な生活習慣病を引き起こします。

  • 慢性気管支炎
  • 歯周病
  • 循環器病
  • がん(口腔・咽頭・食道・胃・肺など)

過度な飲酒

過度な飲酒が続くと、アルコールを分解する肝臓に大きな負担がかかってしまい、肝機能障害の原因となります。
また、過剰または長期の飲酒により、高血糖になる、不整脈のリスクが上がる、血圧が上昇するといった状態になる場合もあります。
飲酒が原因となる生活習慣病は、下記の疾患などが挙げられます。

  • 肝疾患(肝硬変や脂肪肝など)
  • 食道がん
  • 糖尿病
  • 高血圧

また、長年アルコールを摂取している方のなかには、アルコール依存症・アルコール性認知症を患っているケースもあります。

生活習慣病を予防するために

生活習慣病の予防には、生活習慣の改善1次予防と定期的な検査2次予防が重要です。

生活習慣をみなおす〈1次予防〉

まずは、生活習慣で気を付けるべき点について、いくつかの項目に分けて解説していきます。

適度な運動をこころがける

運動の習慣が全くない方は、いきなり激しい運動を取り入れると、逆に怪我などの危険性を高めてしまいます。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」では、まずは毎日10分だけでも、身体運動量を増やしていくのがよいと述べています。
例えば、出勤時少しだけ遠回りして歩数を増やしてみる、車や電車ではなく徒歩・自転車を使うようにするのも、運動量増加につながります。

出典:厚生労働省【健康づくりのための身体活動基準2013】

塩分をとりすぎない

血液中の塩分濃度が高くなると、濃度を下げるために水分をため込み、結果として血液量が増え高血圧となります。
高血圧になると血管が傷つき、動脈硬化へとつながります。
日本人の塩分摂取量は以下のとおりです。

男性の塩分摂取量平均値女性の塩分摂取量平均値
10.9g/日9.3g/日

出典:厚生労働省【国民健康・栄養調査結果(令和元年)】
現代の日本人は塩分を摂りすぎている、といわれています。
そこで、厚生労働省は目標とすべき1日の塩分摂取量を下記のように設定しています。

男性目標値女性目標値
7.5g未満6.5g未満

出典:厚生労働省【日本人の食事摂取基準(2020年版)】
最近では「減塩」と表示している食品も多くあります。
生活習慣改善の1つの方法として、活用してみるのもよいでしょう。

糖質・脂質を抑える

糖質・脂質は、摂りすぎると脂肪として体内に蓄積し、糖尿病や高血圧の原因になります。
消費者庁では、炭水化物(糖質+食物繊維)は1日320g程度、脂質は1日50〜60g程度の摂取を目安としています。
難しく思う方もいるかもしれませんが、麺類やお菓子を控えることで、糖質・脂質の摂取を抑えられます。

出典:消費者庁【栄養素等表示基準値及び栄養機能食品に係る食品表示基準案について】

野菜をたくさん食べる

野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維などが多く含まれており、循環器疾患やがん予防に効果があるといわれています。
そのため、厚生労働省「健康日本21」では野菜を1日350g以上摂取することを推奨しています。
しかし、ひたすら食べ続ければいいというものではありません。

緑黄色野菜(ピーマン・人参など)、淡色野菜(大根、キャベツなど)といった様々な野菜をバランスよく食べることが重要です。
出典:厚生労働省【健康日本21】

適度な飲酒をこころがける

いきなりの断酒は難しいため、日頃から適度な量の飲酒を心がけるのがよいでしょう。
普段から飲酒している方は、日本酒1合程度を1日の許容量とし、週に何日かは休肝日を設けることをおすすめします。
また、女性や高齢者は男性よりもアルコールの分解速度が遅いため、飲酒量を控えるようにしましょう。

タバコを避ける

タバコは体内に有毒物質を運んでしまい、生活習慣病のリスクを高めてしまいます
しかし、禁煙することで、心臓発作のリスク低下や呼吸器症状の改善、免疫機能の回復、肺機能の改善などが期待できます。
なかなか禁煙できない方は、医療機関(禁煙外来)を受診するなど、専門的な対策を検討してみましょう。

ストレスをためない

ストレスでついつい過食してしまう方もいるのではないでしょうか。
また、精神的・身体的なストレスが、心筋梗塞など循環器疾患と関連があることもわかっています。
天気の良い日はウォーキングやランニングなど運動するとよいでしょう。

ストレス発散でき、生活習慣病の予防にも効果的です。

睡眠をしっかりとる

日本人の5人に1人が睡眠障害であるといわれています。
また、睡眠がしっかりとれていないと、生活習慣病発症と症状悪化のリスクが高くなります。
睡眠に悩みを抱えている方は問題を放置せず、早めにかかりつけ医や専門の医療機関に相談しましょう。

定期的な検診で早期発見を〈2次予防〉

生活習慣病は初期の自覚症状が少ないため、症状が出現した頃には病気がかなり進行していることが多い病気です。
生活習慣の改善で発症を避けることに加えて、定期的な検査を受けて早期発見を心がけるようにしましょう。

健達ねっとECサイト

生活習慣の改善で生活習慣病は治るのか?放置したら…?

生活習慣病は、日々の生活習慣が原因でおこる病気ですので、徹底した生活習慣の改善と適切な治療を受けることがとても重要です。

しかし、残念ながら、ほとんどの生活習慣は完全に治る可能性が低いとされています。
つまり、生活習慣病にかかってしまうと、生涯にわたり、治療や生活習慣の見直しを継続しなければならないということです。

完治しない生活習慣病

なぜ生活習慣病は完治しないのでしょうか。
その理由としては次のようなことが考えられます。

  • 生まれつき何らかの生活習慣病になりやすい体質がある
  • 女性の場合なら閉経後のホルモン変化が影響している
  • 根本的な生活習慣の改善ができていない

生活習慣病の1つである脂質異常症は、体質的に脂質異常症になりやすい場合があることがわかっています。
また、太りやすい遺伝子というものもあり、両親が肥満の場合、子供も肥満になりやすいということがわかっています。

女性なら、閉経後に女性ホルモンが減少することで骨粗しょう症になる危険が高くなると言われています。
体質的に他の人よりも生活習慣病になりやすい人は、治療や生活を改善しても完治することが困難です。

どうしても生活習慣を変えられない、一旦は改善させたが、しばらくするとまた悪習慣を繰り返してしまうという人も、病気の完治は難しいでしょう。

だからと言って、生活習慣病の改善をあきらめてはいけません。
たとえ完治しなくても、治療を続ければ、症状は軽くなります。
生活習慣病とうまく付き合うことで、病気が悪化することなく元気に暮らせる可能性もあるのです。

生活習慣病を放置すると命に関わることも

「完治しないなら直す努力も必要ない」などと考えて、生活習慣病を放置してしまうと、更に重い病気を引き起こすことになりかねません。
例えば、糖尿病・脂肪肝・高尿酸血症・高血圧を放置するとどうなるのか、具体的に説明します。

糖尿病

血糖値が高いまま放置すると、糖尿病はどんどんと悪化します。
そして、腎機能が低下する腎症や失明する可能性が高くなる網膜症、動脈硬化の進行による脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクが高くなります。

脂肪肝

肝臓内に中性脂肪が蓄積する脂肪肝を放置すると、肝炎や肝硬変を発症する可能性が高くなります。

高尿酸血症

血中の尿酸値が高いまま放置していると、激しい痛みを伴う痛風発作を起こすリスクが非常に高くなります。
また、腎臓病や高血圧、糖尿病などの合併症も起こしやすくなります。

高血圧症

高血圧の状態が長く続くと、血管の負担が大きくなり、動脈硬化が進行します。
動脈硬化が進むと、心筋梗塞・脳梗塞・狭心症など、様々なリスクが高まるほか、認知症の原因になります。

このように、生活習慣病を放置していると、命にかかわるような病気を引き起こすかもしれないのです。

薬の使い方

生活習慣病は死因の6割を占める!

下の表は日本人の死因別割合を示したものです。
悪性新生物(がん)・心疾患・脳血管疾患など、生活習慣病が死因の6割を占めています
【死因別割合(2004年度)】

悪性新生物31.1%
心疾患15.5%
脳血管疾患12.5%
糖尿病1.2%
高血圧性疾患0.6%
その他39.0%

出典:厚生労働省【厚生労働白書(H19)】
国民医療費についてみてみると、生活習慣病が全体の3割程度を占めています。
【医療費(2004年度)】

悪性新生物2.6兆円
虚血性心疾患0.9兆円
脳血管疾患2.1兆円
糖尿病1.9兆円
高血圧性疾患2.8兆円
その他21.7兆円

出典:厚生労働省【厚生労働白書(H19)】
日本人の死因や国民医療費における割合をみると、生活習慣病が身近に存在し、日本国民の健康を脅かす病気であることがわかります。
しかし、生活習慣病は、生活習慣の改善や定期的な検診などにより、早期予防・早期発見できる病気でもあります。

生活習慣病について知識を持つことや、普段から予防を意識して生活するなど、自身の健康づくりに取り組むことが大切だといえるでしょう。

生活習慣病まとめ

ここまで生活習慣病についてお伝えしてきました。
今回の記事のポイントをおさらいすると、以下の通りです。

  • 生活習慣病は食事、運動、喫煙、飲酒などの習慣が深く関連する病気の総称
  • 生活習慣病には食習慣など主に4つの原因があり、予防には食習慣の改善、適度な運動のほか、定期的な検査を受けることが大切である
  • 生活習慣病は死因の6割を占めており、普段から予防を心がけていく必要がある

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

スポンサーリンク