生活習慣病になっているかもしれないと気になる方も多いのではないでしょうか。
生活習慣病になってしまう原因がわかれば、予防ができます。
本記事では生活習慣病の原因について以下の点を中心にご紹介します。
- 生活習慣病の原因とは
- 生活習慣病の予防策とは
- メタボリックシンドロームとは
生活習慣病の原因について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
食の欧米化など、生活スタイルの変化に伴い、日本でも生活習慣病が問題になっています。生活習慣病は、誰しもがなってしまう病気であるため、正しい知識を身につけ予防していくことが大切です。生活習慣病とは、どのような病気なのでしょうか?[…]
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生活習慣病とは
生活習慣病とは、食事や運動、喫煙、飲酒といった生活習慣が原因で引き起こされる病気です。
かつては「成人病」と呼ばれ、加齢が主な原因と考えられてきました。
しかし近年、生活習慣病は、幼少時代からの生活習慣が原因となることがわかってきました。
そのため、最近では「成人病」ではなく、生活習慣病と呼ばれるようになりました。
生活習慣病には、さまざまな病気があります。
直接的、間接的なものを含めると以下のような病気が考えられます。
糖尿病
血液中の血糖値が、慢性的に高くなる病気です。
糖尿病は、放置すると腎機能が低下する腎症、失明の恐れのある網膜症、神経障害などが起こります。
そのほかにも動脈硬化が進行して、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高くなります。
肥満
体内に体脂肪が過剰に蓄えられた状態を、肥満といいます。
カロリーの高い食事や、運動不足などが原因となります。
肥満は生活習慣病だけでなく、さまざまな病気の原因になります。
脂質異常症(高脂血症)
血液中のコレステロールや中性脂肪など、脂質の代謝に異常のある状態のことです。
動脈硬化を進行させ、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす原因となります。
高血圧症
肥満、運動不足などのほかに、塩分の摂りすぎが原因で発症します。
高血圧になると、血管の負担が大きくなり動脈硬化が進みます。
高血圧症は、狭心症や心不全、脳梗塞、認知症の原因になります。
心筋梗塞
動脈硬化によって心臓の血管に血栓が詰まり、血液が流れなくなってしまう病気です。
心臓の筋肉が壊死することもあり、突然死の危険性もあります。
脳卒中
脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血のことを脳卒中といいます。
脳卒中は死亡率が高く、後遺症が強く残ることがあります。
肺がん
喫煙や受動喫煙などが原因となって発症します。
気管支や肺胞細胞が、がん化します。
慢性気管支炎
喫煙や受動喫煙、空気中の有害物質などが原因となって発症します。
気管や気管支が炎症を起こし、咳や痰の症状が慢性的に続きます。
大腸がん
日本人のがんの中で、最も多いのが大腸がんです。
食生活や喫煙、飲酒などが原因で結腸、直腸、肛門の細胞ががん化します。
肝硬変
肝炎やアルコールの多飲、肥満などが原因で発症します。
初期のうちは症状がなく、進行してから腹水、黄疸といった症状があらわれます。
脂肪肝
肝臓内に中性脂肪が蓄積した状態です。
進行すると、肝炎や肝硬変を発症することがあります。
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生活習慣病の5つ原因
生活習慣病の発症リスクを下げるには、原因となる生活習慣を改めることが大切です。
生活習慣病を予防するには、原因を知ることから始めましょう。
食習慣が原因の生活習慣病
私たちの身体は、食事によって作られます。
そのため、毎日の食習慣が、直接生活習慣病へとつながっています。
食習慣が原因となる生活習慣病は、主に以下の通りです。
- 肥満症
- 脂質異常症
- 糖尿病
- 循環器疾患
- 大腸がん
- 乳がん
- 歯周病など
運動習慣が原因の生活習慣病
食習慣に問題があり、さらに運動不足である場合、糖尿病の発症リスクが高まります。
日常に運動を取り入れるだけでも、血液循環が良くなり、肥満やストレスを解消できます。
運動習慣が原因の生活習慣病は、主に以下の通りです。
- 肥満
- 脂質異常症
- 糖尿病
- 循環器疾患など
飲酒が原因の生活習慣病
お酒は、適量ならば百薬の長といわれます。
しかし、飲み過ぎは万病のもとになるでしょう。
過度の飲酒を長年続けていると、肝臓に負担がかかります。
飲酒が原因の生活習慣病は、主に以下の通りです。
- アルコール性肝炎
- 肝硬変
- 肝臓がん
- 糖尿病
- 膵炎など
喫煙が原因の生活習慣病
タバコの煙には、200種類以上の有害物質が含まれています。
発がん性物質も多く、体内に入ると全身の臓器に影響を及ぼします。
喫煙が原因の生活習慣病は、主に以下の通りです。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 肺がん
- 循環器系疾患
- 歯周病など
ストレスが原因の生活習慣病
ストレスは、生活習慣病の原因として最近クローズアップされてきました。
ストレスによって心理的な反応が起きると、過食、過度な飲酒、不眠などを引き起こします。
これらは、生活習慣病の大きな原因となります。
生活習慣病にならないためのチェックリスト
生活習慣病を予防するためには、現在の生活を見直すことから始めましょう。
以下のチェックリストをみて、当てはまるものにチェックをしてください。
チェックが多ければ多いほど、生活習慣病のリスクが高まります。
生活習慣
□40歳以上である
□20代の頃と比べて体重が10kg以上増えた
□お酒をよく飲む
□たばこを吸う
□運動をあまりしない
□睡眠不足
□ストレスがたまっている
食生活
□炭水化物をよく食べる
□脂っこい料理をよく食べる
□濃い味付けの料理をよく食べる
□甘いジュースをよく飲む
□間食が多い
□深夜の飲食が多い
□野菜をあまり食べない
運動習慣
□移動は車が多い
□運動をする習慣がない
□1日の歩数は7,000歩未満が多い
生活習慣病の予防策
生活習慣病は、毎日の習慣によって改善されます。
生活習慣病は複数ありますが、原因は同じである場合が多いです。
そのため、ひとつの生活習慣を改善すると、多くの生活習慣病を予防できます。
それでは、具体的にみていきましょう。
運動
日常生活で運動をする機会が少ない方は、できるだけ意識して運動をしましょう。
運動には有酸素運動と無酸素運動があります。
生活習慣病予防のためには、有酸素運動を中心に行います。
有酸素運動は、多くの酸素を体内に取り込んで脂肪や糖質の燃焼を促します。
有酸素運動を習慣にすると、肥満やストレスを解消できます。
有酸素運動を手軽に取り入れられるのが、ウォーキングです。
ウィーキングなら忙しくて時間がない方でも、気軽に取り入れられます。
例えば、電車やバスを利用するときは、ひとつ前の駅で降りて歩いたり、階段を使うことで有酸素運動ができます。
食事
食事は、年齢や性別に合わせた摂取カロリーを守ることが大切です。
たとえば、30〜40歳の男性では2,650Kcal、女性では2,000Kcalとなっています。
栄養バランスも大切です。
炭水化物50〜65%、たんぱく質13〜20%、脂質20〜30%が理想です。
その他に、ビタミンやミネラル、食物繊維を積極的に摂取しましょう。
また、高血圧を予防するために、塩分の摂りすぎには要注意です。
血圧が高めの方は、1日の塩分摂取量を6g未満にすることを目指しましょう。
喫煙
生活習慣病の原因の中でも、とくに重要な危険因子とされているのが喫煙です。
禁煙するだけで、病気のリスクは確実に減っていきます。
タバコを吸う本数を減らす節煙は、タバコの有害物質を取り込むことに変わりがないので意味がありません。
生活習慣病を予防するために、禁煙しましょう。
しかし、タバコに含まれるニコチンは依存性が高いので、なかなか禁煙できない方も多くいます。
そのような場合は、禁煙の専門家によるサポートを受けましょう。
禁煙の成功率を高めるには、禁煙補助剤や禁煙外来などの利用がおすすめです。
飲酒
飲酒が適量であれば、血流を良くして動脈硬化の予防になります。
適量とは、純アルコール量で20〜25g程度といわれています。
具体的には、以下の通りです
- ビールで中びん1本(500ml)
- 日本酒で1合(180ml)
- 焼酎で0.5合(90ml)
- ウイスキーでダブル1杯(60ml)
- ワインで2杯(240ml)
また、週に2日ほど休肝日を設けることも必要です。
睡眠
最近の研究により、睡眠不足が生活習慣の原因になることがわかってきました。
生活習慣病を予防するには、睡眠をしっかりとることが大切です。
理想的な睡眠時間は、7時間前後といわれています。
しかし、適切な睡眠時間には個人差があります。
睡眠の時間ではなく、睡眠の質に注目しましょう。
質のよい睡眠とは、朝目覚めたときに「ぐっすり眠った」という感覚があることです。
質のよい睡眠を得るために、規則正しい生活を心がけることが大切です。
毎日同じ時間に起きることで、睡眠のリズムを保つことができます。
出典:厚生労働省【生活習慣病予防】
生活習慣病は死亡原因のランキング上位を占めている
日本人に多い死因の順位は、以下の通りです。
1位がん
2位心臓病
3位肺炎
4位脳卒中
このうち「がん」「心臓病」「脳卒中」は、3大生活習慣病といわれています。
日本人の死亡原因は、上位が生活習慣病で占められていることがわかります。
生活習慣病が増加している原因
生活習慣病は、年々増加しています。
増加する背景には何があるのでしょう。
生活習慣病が増加した背景には、現代の食習慣が関係しています。
たとえば、食の欧米化です。
脂質や炭水化物の多いジャンクフードなどを食べる機会が多く、摂取カロリーが過剰になりがちです。
また、コンビニ弁当や外食などの食事は、脂質も塩分も多めになっています。
このような食事を食べる機会が多くなると、生活習慣病の原因になります。
生活環境では、車や電車がなかった昔に比べると、歩く機会が少なくなっています。
便利な一方で、慢性的な運動不足が原因で生活習慣病になることもあります。
過剰なエネルギー摂取と運動不足で、エネルギーの消費量が少なくなり肥満につながっています。
このように、肥満になる方が増加することで、生活習慣病も増加傾向になっています。
生活習慣病のリスクは子供にもある
生活習慣病は、かつて「成人病」と呼ばれていました。
「成人病」が「生活習慣病」と改名されたのには、理由があります。
それは、生活習慣病が、幼児、小学生にも見られるためです。
2014年、香川県が小学4年生を対象に行った血液検査で、男子10.2%、女子11.5%に、脂質、血糖値、肝機能に異常が見られました。
さらに、男子12%、女子10.9%が糖尿病予備軍でした。
異常値を示した子どもたちの生活習慣には、以下の共通項がありました。
- 食事の量が多い
- 早食い
- 食事時間が不規則
- 外で遊ばない
- 室内でゲームをする時間が長い
このような生活習慣を変えない限り、生活習慣病の若年化は進む一方となるでしょう。
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メタボリックシンドロームも生活習慣病
通称「メタボ」と呼ばれるメタボリックシンドロームも生活習慣病の一種です。
メタボリックシンドロームとは
メタボリックシンドロームとは、肥満が原因となってとなって高血圧、高血糖、脂質代謝異常が複数組み合わさることをいいます。
内臓脂肪の蓄積は、高脂血症、高血糖、高血圧を誘発し動脈硬化を起こす原因となります。
そして動脈硬化は、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など生活習慣病の原因となります。
メタボリックシンドロームの原因と改善策
メタボリックシンドロームの原因は「食生活」「運動不足」です。
肥満の原因として、脂質が多い食事や栄養バランスの悪い食事、運動不足などが挙げられます。
肥満を解消するには、食生活の改善と運動をすることが大切です。
食生活では、活動量に適したカロリーを摂取し、野菜中心の食事を心がけましょう。
また、運動による脂肪燃焼効果で、内臓脂肪を減らすことができます。
運動は有酸素運動が有効です。
1日30分ほどの運動を、週に2〜3回程続けることが大切です。
出典:厚生労働省【e-ヘルスネット】
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生活習慣病は自覚症状なく進行する
生活習慣病は、自覚しないまま動脈硬化が進行します。
そして、ある日突然「心筋梗塞」や「脳卒中」を引き起こし死に至る危険性があります。
そのため、生活習慣病は、サイレントキラー(沈黙の殺人者)と言われています。
生活習慣病の対策は、まず自分の状態を知ることから始めましょう。
定期的な健康診断で、生活習慣病を早期発見し予防することができます。
健康診断を受けて生活習慣病と指摘されても、実際に不調を感じることは少ないでしょう。
そのため、医師から指示された注意事項を、忘れてしまうことも多くあります。
不調を感じたときには重症化している、という危険性もあるので注意が必要です。
生活習慣病に対する正しい知識を得ることと、生活習慣病にならないために日頃から意識することが大切です。
出典:厚生労働省【生活習慣病対策の総合的な推進について】
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生活習慣病を防ぐのに必要なことは?十文字学園女子大学特任教授國井先生が徹底解説
生活習慣病(メタボリックシンドローム)を予防するために、まずは食べている食事内容(特に「糖質」)を意識してみましょう。「糖質」が多く含まれるものが多い「ごはん類や麺類、パンなどの主食や果物、嗜好品(アルコールやスイーツ、甘い飲み物)」などです。
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の過剰蓄積(内臓脂肪型肥満)によって発症します。この内臓脂肪は中性脂肪でできていて、主に「糖質」の摂りすぎ(消費エネルギー量の減少)が過剰蓄積の原因です。
体重が増えてきた方は、まず、主食や果物、嗜好品(アルコールやスイーツ、甘い飲み物)に多く含まれる「糖質」の「量」と「食べる順番」に気を付けてみましょう。目安は、「1食当たり糖質量として20~40g程度」にして最後に食べること。全く摂取しない、というわけではないので注意してください。「糖質」に気を付けることで、体重の減少や血液中の中性脂肪の改善を体感できると思います。
生活習慣病の原因のまとめ
生活習慣病の原因について紹介してきました。
その要点を以下にまとめます。
- 生活習慣病の原因は、現代の食生活や運動不足が主な原因である
- 生活習慣病の予防方法は、栄養バランスのとれた食事と適度な運動
- メタボリックシンドロームとは、肥満によって引き起こされる
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。