ホスファチジルセリンには、認知症の予防効果があるといわれています。
ホスファチジルセリンは、安全なのでしょうか。
実は、ホスファチジルセリンには、医薬品との相互作用と副作用があります。
本記事では「ホスファチジルセリンの副作用」について以下の点を中心にご紹介します。
- ホスファチジルセリンの副作用について知りたい
- アルツハイマー型認知症を改善したい
- 子供への摂取効果について知りたい
ホスファチジルセリンの副作用について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
スポンサーリンク
ホスファチジルセリンとは?
ホスファチジルセリン(PS)とは、人間の体を構成する約60兆個の細胞膜に存在しているリン脂質のことです。
特に、脳内に多いため、別名で「脳の栄養素」ともいわれています。
そう呼ばれる理由として、脳内の合成により
- アセチルコリン
- ドーパミン
- セロトニン
といった、神経伝達物質の分泌量を増加させる作用があります。
これによって、脳内の情報伝達がスムーズに行われ、記憶力の回復が期待できるのです。
一般的には、脳の機能改善、アルツハイマー病の改善と進行の遅延が目的になります。
実際に、一定量摂取した認知症の患者は、
- 認識力
- 記憶力
- 注意力
- 集中力
- 学習力
- 異常行動
などの改善が報告されています。
ホスファチジルセリンは、人の脳や神経組織に豊富に含まれているリン脂質の一種になります。ホスファチジルセリンにはどのような効果があるのでしょうか?ホスファチジルセリンはどのような食べ物に多く含まれているのでしょうか?この記事では、ホ[…]
スポンサーリンク
ホスファチジルセリン摂取による副作用
ホスファチジルセリンには、摂取による副作用があります。
代表的な副作用については、以下の通りです。
- 眠気
- 胃の不調
ここからは、ホスファチジルセリンの副作用について解説していきます。
ホスファチジルセリン摂取の副作用:眠気
ホスファチジルセリンは、適切な摂取量を遵守すれば、成人・小児でも安全です。
しかし、摂り過ぎると副作用の恐れがあります。
副作用の1つ目は、眠気です。
適量の摂取では、副作用は発生しにくいです。
しかし、約600mgを超える用量で、副作用が発生しやすいといわれています。
ホスファチジルセリン摂取の副作用:胃の不調
副作用2つ目は、胃の不調です。
この副作用も適量の摂取では、発生しにくいです。
しかし、約300mgを超える用量で発生しやすいといわれているため注意が必要です。
ホスファチジルセリンは、食事でも摂取が可能です。
しかし、大豆食品などに含まれるホスファチジルセリンはごく微量です。
常識的な量であれば、副作用の心配はないといわれています。
タンパク質について筋肉づくりや維持の為に、タンパク質を凝縮したプロテインを摂取する方も多いでしょう。しかし、タンパク質の特徴や過不足などを知らないと、健康のためのタンパク質摂取が逆効果になってしまうことがあることをご存じでしょうか。[…]
ホスファチジルセリンと医薬品の相互作用
以下の医薬品により、ホスファチジルセリンとの相互作用を引き起こすことが考えられます。
- 抗コリン薬
- アセチルコリンエステラーゼ阻害剤
ここからは、ホスファチジルセリンと医薬品の相互作用について解説していきます。
抗コリン薬
抗コリン薬は、主に高齢者に使用される副交感神経の働きを抑制し、気管支を拡張させる薬品です。
相互作用としては、血中アセチルコリン値を上昇させるため、抗コリン薬の併用は、薬の効果が軽減される可能性があります。
現在、抗コリン薬を服用している場合は、医師・薬剤師などに相談するようにしましょう。
また、医薬品の商品名と成分名は異なる場合が多いので、何か医薬品を服用している場合も念のため医師・薬剤師などに相談することをおすすめします。
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、神経伝達物質であるアセチルコリンを分解する酵素であるアセチルコリンエステラーゼを阻害する薬です。
脳のアセチルコリン量を増加させ、認知機能低下の進行を抑制するアルツハイマー病の代表的な薬といわれています。
「アセチルコリン」とは、神経細胞間の情報伝達をする「神経伝達物質」のことです。
そして、生体活動の中枢である脳も、神経伝達物質のやり取りがあり機能しています。
相互作用については、アセチルコリン値が上昇し、コリン作動性副作用が生じる恐れがあります。
そのため、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤を服用している場合は、必ずかかりつけの医療機関・医師・薬剤師に相談するようにしましょう。
また、抗コリン薬と同じく商品名と成分名が異なる可能性があるため、医師・薬剤師などに相談することをおすすめします。
子供のホスファチジルセリン摂取について
子供でも、ホスファチジルセリン摂取は可能です。
主な用途としては、
- 子供の落ち着き
- ADHDの改善
- 集中力の向上
などといった効果を期待し、服用されるケースが多いといわれています。
また、サプリメントや機能性表示食品は医薬品と異なります。
そのため、商品に表示されている用量を守っていれば大きな問題が生じることがありません。
ホスファチジルセリンの適正摂取量
ホスファチジルセリンの適正摂取量(成人)は、1日200〜300mgが目安とされています。
長期間の摂取により
- 認識力
- 記憶力
- 集中力
- 学習力
などの改善が報告されています。
ただし、過剰摂取は前述したとおり副作用の要因になるため注意が必要です。
300 ㎎以上を摂取した際に、不眠症や胃もたれが起こるといわれています。
ホスファチジルセリン摂取についての注意
前述したとおりで、ホスファチジルセリンの摂取はさまざまな効果が期待できます。
その一方で、以下のような3つの注意点があります。
- 動物由来のホスファチジルセリンに注意
- 妊婦・授乳婦の摂取に注意
- 大豆アレルギーへの注意
ここからは、ホスファチジルセリン摂取時についての注意点を解説していきます。
動物由来のホスファチジルセリンに注意
動物由来の製品は、牛海綿状脳症(BSE)に類似した疾患への感染が懸念されています。
そのため、安全な植物性サプリメントを探すようにしましょう。
現在、流通しているものはほぼ全て植物由来ですが、海外輸入などでは動物由来の可能性があるため注意する必要があります。
妊婦・授乳婦の摂取に注意
妊婦・授乳婦のホスファチジルセリン摂取は、控えるようにしましょう。
なぜなら、妊娠中・授乳中の安全性については信頼できるデータが不十分だからです。
そのため、
- 妊娠中
- 母乳授乳期
の方は、リスクを配慮し使用は控えておきましょう。
大豆アレルギーへの注意
植物由来ホスファチジルセリンは、大豆由来であることから、大豆アレルギーのある方は慎重に摂取するようにしましょう。
なぜなら、配合している大豆由来ホスファチジルセリンの原材料は、食品の含有成分と同等に分類されているからです。
そのため、アレルギー反応が懸念される要素になります。
アレルギー反応が心配な場合は必ず、医師等の判断を仰いで摂りましょう。
認知症の早期発見・対応の重要性
基本的に認知症は、初期症状を早期発見することが大切です。
普段の生活に支障をきたす段階ではなくとも、正常とはいえない状態である「軽度認知障害(MCI)」の段階を早期発見することが重要なことになります。
なぜなら、軽度認知障害の約半数が5年以内に認知症に移行するからです。
つまり、早期発見に至ることで、運動などの予防的活動や治療をしやすくなります。
治療方法は、適切なケアや環境調整、リハビリテーション等の非薬物療法です。
ただし、認知症のなかには、以下のような根治療法が困難な症状もあります。
- アルツハイマー型認知症
- 血管性認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症
変性性認知症は、完全に治す治療法がないことが現状です。
また、認知症は高齢者に多いイメージがあります。
しかし、若くても、65歳未満でも発症する若年性認知症もあるため、油断しないようにしましょう。
いずれにしても、大事なことは現状の認知能力・状態を見分けて早期発見することです。
以下の表を参考にして、認知症の傾向やもの忘れの違いを理解しておきましょう。
症状 | 認知能力について |
通常のもの忘れ |
|
初期症状 軽度認知障害(MCI) |
|
認知症によるもの忘れ |
|
同年齢と比較して、認知能力の衰えを感じていたときは、専門医を受診するようにしましょう。
出典:厚生労働省【みんなのメンタルヘルス総合サイト】
超高齢社会となった日本において、年々増加している認知症。そうした中、認知症に効果的なサプリメントが数多く販売されています。「どれを選べばいいの?」と、迷われている方が多いのではないでしょうか?本記事では、認知症に対するホ[…]
ホスファチジルセリンの副作用のまとめ
今回は、ホスファチジルセリンの副作用についてご紹介しました。
ホスファチジルセリンの副作用についての要点を以下にまとめます。
- 過剰摂取により、眠気や胃の不調を感じやすくなる
- 現状では、アルツハイマー病の根治療法は困難だが防止はできる
- 適量の摂取で子供の落ち着き、ADHD、集中力の向上が期待できる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。