厚生労働省の調査によると、20~50代に至るまでの過半数以上の方が強いストレスを感じているようです。
ストレスが原因で体にあらわれる症状には、さまざまなものがあります。
そのうちの1つに吐き気があげられます。
吐き気は、どのようなことが原因でみられるのでしょうか?
ストレスによる吐き気は、どのように緩和したら良いのでしょうか?
この記事では、ストレスで吐き気が起こる理由や吐き気を改善する対処法などについてご紹介します。
- 吐き気がみられる病気
- ストレスでなぜ吐き気が起こるのか
- 吐き気を緩和する方法
ぜひ、最後までご覧いただき、ストレスによる吐き気で悩んでいる方は参考にしてください。
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ストレスも原因となる吐き気を起こす病気
ストレスが原因で吐き気を引き起こす病気には、さまざまなものがあります。
それぞれの病気の症状や原因などについて詳しく見てみましょう。
急性胃炎・胃酸過多
体内に侵入した細菌やウイルスによって胃が炎症を起こすことにより、吐き気がみられます。
急性胃炎や胃酸過多は、細菌やウイルスが原因といわれています。
細菌やウイルスの種類によっては、発熱や下痢などの症状を伴うこともあります。
吐き気や嘔吐が強く、水分を摂取できない場合は、脱水症状の危険性もあります。
早期に医療機関を受診し、点滴などの処置を受ける必要があります。
逆流性食道炎
胃酸が食道へ逆流し、食道粘膜に炎症を起こすことにより、吐き気がみられます。
逆流性食道炎は、加齢・喫煙・食生活の欧米化などが原因といわれています。
慢性的な吐き気以外にも、胸のむかつき・喉の痛みなどの症状を伴うこともあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の粘膜が深く傷つき、炎症を起こすことにより、吐き気がみられます。
ヘリコバクターピロリ菌の感染・食べ過ぎ・飲み過ぎ・過労・ストレス・痛み止めなどの薬剤などが原因といわれています。
吐き気以外にも嘔吐・腹痛・胸やけなどの症状を伴うこともあります。
これらの症状が食事中や食後にみられるのが胃潰瘍、空腹時にみられるのが十二指腸潰瘍になります。
胃潰瘍も十二指腸潰瘍も病状が進行すると下血を引き起こすことがあります。
原因がはっきりしない機能性ディスペプシア
内視鏡検査で消化管粘膜に異常が見つからないにも関わらず、
- 慢性的な吐き気
- 胃もたれ
- 早期満腹感
- みぞおちの痛み
などの症状がみられる場合は、機能性ディスペプシアと診断されます。
生活習慣や食習慣の乱れ・ストレス・胃や十二指腸潰瘍の知覚過敏などさまざまな原因が複雑に絡み合って発症するといわれています。
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ストレスで吐き気が起こる理由
ストレスを感じることで、なぜ吐き気がみられるのでしょうか?
ストレスが原因で吐き気がみられる理由について詳しく見てみましょう。
ストレスによる食生活の乱れ
過度のストレスは、食欲不振や暴飲暴食を引き起こすこともあります。
ストレスによる食生活の乱れから、胃腸が炎症を起こし、吐き気がみられるようになります。
ストレスによる自律神経の乱れ
ストレスを感じることにより、自律神経が乱れます。
自律神経が乱れると脳幹部にある嘔吐中枢が刺激されるとともに胃酸が過剰に分泌され、吐き気がみられるようになります。
また、胃腸がうまく働かないことにより、下痢を引き起こす場合もあります。
吐き気や下痢のみではなく、
- 動悸
- 息切れ
- 頭痛
- めまい
- 倦怠感
- 便秘
- 不眠
- 食欲不振
- 不安
などの症状を伴う場合は、自律神経失調症の可能性があります。
自律神経失調症は、自律神経が乱れることで、身体にさまざまな不調があらわれる病気になります。
ストレス・生活習慣の乱れ・ホルモンバランスの乱れなどが原因と考えられており、男性よりも女性に多くみられます。
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吐き気を改善するための対処法
ストレスによる吐き気は、どのように対処すれば良いのでしょうか?
ストレスによる吐き気を改善するための対処法について詳しくみてみましょう。
食事の仕方を工夫する
ストレスによる吐き気を改善するためには、食事の仕方を工夫する必要があります。
- 1回の食事量を減らしましょう
- 油っぽいものや食物繊維が多く含まれているものは避け、消化の良いものを食べましょう
- においがきつい食材は避けましょう
- 口当たりの良いものを食べましょう
- よく噛んでゆっくり食べましょう
- 1日3食規則正しい食生活を送りましょう
刺激物を控える
ストレスによる吐き気を改善するためには、刺激物を控える必要があります。
刺激物は胃酸の分泌を亢進させ、症状を悪化させてしまいます。
- アルコールやカフェインは控えましょう
- 辛い食べ物や香辛料など刺激となる食材は控えましょう
- 喫煙は控えましょう
睡眠をしっかりとる
ストレスによる吐き気を改善するためには、睡眠をしっかりとる必要があります。
睡眠不足や疲労の蓄積は、さらにストレスを感じやすくなり、自律神経の乱れにつながります。
十分と感じる睡眠時間には、個人差があります。
大切なのは睡眠時間ではなく、ぐっすり眠れたという熟睡感のある睡眠をとることです。
睡眠の質を上げるためには、朝食時にタンパク質を摂るようにしましょう。
朝食時に卵、大豆、肉、魚などのタンパク質を摂ることにより、日中セロトニンがつくられます。
セロトニンは、夜に眠気を誘うメラトニンというホルモンに変化します。
また、深呼吸をしながら軽いストレッチをすると自律神経が整いやすくなります。
ストレスをためないようにする
ストレスによる吐き気を改善するためには、ストレスをためないようにしましょう。
- 自分が好きなことをする時間を確保しましょう
- 友人や家族など親しい人と話しましょう
- 日光浴をしましょう
- 運動をしましょう
- 深呼吸をしながらストレッチをしましょう
自分自身に合った方法でストレスを発散しましょう。
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ストレス性の吐き気に効くおすすめの市販薬
ストレスによる吐き気を改善するために、食生活や生活習慣を見直すこと以外に胃腸薬を取り入れてみることも良いでしょう。
ストレス性の吐き気に効くおすすめの市販薬をご紹介します。
止逆清和錠(しぎゃくせいわじょう)
胃酸の逆流などによる胸やけ・胸のつかえ・胃もたれなどの不快な胃腸症状を緩和してくれます。
6種類の生薬からなる胃腸薬です。
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
下痢・消化不良・吐き気・胸やけなど胃腸のはたらきが弱ったときや口内炎などの症状を緩和してくれます。
- 「気」が上から下に飲食物を運ぶ流れを助ける
- 飲食物の「気」が肺に上がっていくのを助ける
- 胃腸を守る
という3種類の作用を持っています。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
のどがつまった感じがする方・咳払いをしてしまう方・体を動かす機会が少なく、ストレスをためがちな方の「気」の巡りを良くしてくれます。
六君子湯(りっくんしとう)
食欲不振・吐き気・胃もたれ・胃痛・胸やけなどの胃腸症状を緩和してくれます。
8種類の生薬からなり、「気」の流れを改善してくれます。
市販薬を服用することで、一時的に吐き気の症状が改善される場合があります。
しかし、吐き気が継続してみられる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
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病院は何科にかかればいいの?
吐き気の症状があるときは、内科または心療内科を受診しましょう。
症状に応じて、適切な診療科を選択することでスムーズに治療を受けることができます。
診療科 | 症状 |
内科 | 吐き気・食欲不振・胃痛・胸やけなどの消化器症状がある場合 |
心療内科 | 吐き気に加えて、気分の落ち込みや精神的ストレスを感じている場合 |
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ストレスがある人は胃の不調が1.4倍
全国の男女2,000名を対象に行った、胃の不調に関する調査の結果をみてみましょう。
胃の不調を訴えている人は全体の4割にものぼり、男女別でみると男性は39.8%に対し、女性は42.8%と女性の方がやや多く、胃の不調を感じていることがわかっています。
また、胃の不調の原因の6割がストレスという結果になっています。
さらに、ストレスを感じている人は、ストレスを感じてない人よりも1.4倍多くの人が胃の不調を訴えていることがわかっています。
ストレスを感じることにより、自律神経が乱れます。
自律神経が乱れると脳幹部にある嘔吐中枢が刺激されるとともに胃酸が過剰に分泌され、吐き気が引き起こされるようになります。
その他にも胃もたれ・胃痛・胸やけなどの症状がみられる場合もあります。
これらのことから、ストレスと胃の不調の関係性は明らかとなっています。
参考:2000人へ緊急調査! コロナ禍で胃の不調を訴える人は41.3%! うち3人に1人はコロナ禍で胃痛を訴える“コロナ胃痛“か
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ストレスと吐き気まとめ
ここまで、ストレスも原因となる吐き気を起こす病気やストレスで吐き気が起こる理由、吐き気を改善する対処法などを中心にお伝えしてきました。
- 吐き気がみられる病気には、胃炎・食道炎・胃十二指腸潰瘍・機能性ディスペプシアなどがある
- ストレスを感じると自律神経が乱れ、吐き気が引き起こされる
- 吐き気を緩和する方法には、食生活や日常生活の見直し、薬の服用などがある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。