セロトニンは精神を安定させる効果があり、メラトニンを分泌するために必要です。
そして、メラトニンには睡眠と覚醒のリズムや季節の変化に対応する働きがあります。
睡眠に関係するメラトニンとは精神を安定させる効果があるセロトニンの関係はどのようなものなのでしょうか?
メラトニンとセロトニンは体内でどのような働きをするのでしょうか?
本記事では、セロトニンとメラトニンについて以下の点を中心にご紹介します。
- セロトニンとメラトニンの関係とは
- セロトニンとメラトニンの働きについて
- セロトニンとメラトニン、トリプトファンの関係について
セロトニンとメラトニンについて理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ、最後までお読みください。
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セロトニン・メラトニンと眠りの質の関係
セロトニンには気分を安定させたり、ストレス耐性を上げてくれる働きがあります。
メラトニンには、覚醒と睡眠のバランスを整え、夜中に向けて自然な睡眠へ誘導してくれる働きがあります。
セロトニンとメラトニン両者のホルモンバランスが乱れると、精神と睡眠の質が大きく損なわれてしまいます。
体内時計・睡眠を調節する機能がセロトニンにはある
セロトニンには体内時計や睡眠を調整する機能が備わっています。
リズムの整った生活を送るためにはセロトニンが持つ働きについて知り、セロトニンを増やす必要があります。
これから、セロトニンと睡眠の関係についてご紹介します。
睡眠の質を上げる
セロトニンには、睡眠の質を上げる効果があります。
セロトニンは、体内の材料をもとにして朝方から分泌されます。
そして、日が沈むに従って徐々にセロトニンの分泌量は減っていき、メラトニンに変化していきます。
夜中に向けて増えるメラトニンは、私たちの睡眠の質を左右しています。
セロトニンの量を増やすことが、メラトニンを増やすことに繋がり睡眠の質を向上させてくれます。
深い睡眠を取ることができる
また、セロトニンには気分を落ち着かせてリラックスできる効果があります。
私たちが眠るときは、副交感神経が活発に働く必要があります。
副交感神経を活発に働かせるには、適度にリラックスしている必要があります。
そのため、十分なセロトニンによってリラックス効果が高まり副交感神経が活性化します。
結果として、深い睡眠を取ることができ、寝不足や不眠症が改善する可能性が高くなります。
ネガティブ思考を改善する
セロトニンが不足すると
- ネガティブ思考
- イライラ
- 不安感
など気持ちの乱れが生じやすくなります。
セロトニンには精神安定剤のような働きがあります。
そのため、十分なセロトニンが分泌されることによって精神が落ち着きやすくなります。
その結果、ネガティブ思考の改善や落ち着きを取り戻すことにつながります。
そして、物事へのやる気が湧き上がるなどポジティブな行動を起こしやすくなります。
特に、女性は男性と比較してセロトニン量が少ない傾向にあります。
そのため、ネガティブ思考に陥りやすいです。
女性はこれから紹介する、意識的にセロトニンを増やす行動を取り入れると良いでしょう。
参照:厚生労働省【眠りのメカニズム | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
厚生労働省【健康づくりのための睡眠指針2014】
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セロトニンとメラトニンの重要性?
セロトニンとメラトニンはお互いに作用しながら身体に良い影響を与えています。
セロトニンとメラトニンは身体にとって、とても重要なホルモンなので理解を深めていきましょう。
精神を安定させる
セロトニンには精神を安定させる働きがあります。
しかし、セロトニンの産生に必要な日光が減少する高緯度地方や冬季には「季節性情動障害」と呼ばれるうつ病の一種があります。
日光によるセロトニン産生の恩恵を受けるためには、起床してから早めに日光を浴びる必要があります。
日光を15分〜30分程度浴びることでセロトニンは産生されると言われています。
不規則な生活の改善
不規則な生活はセロトニン産生、メラトニン産生を乱してしまいます。
お昼過ぎに起床したり、夜更かしをしていると日光を浴びるタイミングや体内時計が崩れていきます。
休みの日だからとお昼過ぎに起きてしまうと、セロトニン産生がガクッと減ります。
セロトニンが減った結果、日が暮れるに従って増えるはずのメラトニン量も不十分となってしまいます。
そして、夜中に適切な眠気が訪れないので夜更かしになり生活リズムが乱れていきます。
このような悪循環に陥らないよう、セロトニンとメラトニンの効果を妨げる不規則な生活を改善する必要があります。
生体リズム調節を整える
上記で説明したように、太陽の動きに連動したような生活を送ることが大切です。
太陽と同じリズムで生活することで、生体リズムも整っていきます。
目から入った日光は、生体リズムを司る視交叉上核と呼ばれる部位を刺激します。
視交叉上核が刺激されて後にメラトニンの産生がストップして、体内時計が朝方にセットされます。
このように、日光を浴びて夜中に増えたメラトニンの産生が止まることで生体リズムは整っていきます。
体内の抗酸化力を高める
セロトニンから作られるメラトニンには高い抗酸化力が備わっています。
メラトニンは眠っている間に起きる身体の酸化を抑える働きがあります。
寝不足や生活リズムの乱れによってメラトニンが減ると、肌のキメやくすみが目立ってしまいます。
身体を健康に保ち、綺麗な肌を保つためにも、しっかりセロトニンとメラトニンを作ることが大切です。
参照:厚生労働省【セロトニン | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
厚生労働省【メラトニン | e-ヘルスネット(厚生労働省)】
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セロトニン・メラトニンとトリプトファンの関係とは?
十分なセロトニンとメラトニンを作るには、トリプトファンと呼ばれる物質が重要になります。
トリプトファンとはセロトニンとメラトニンの材料になる必須アミノ酸の1つです。
トリプトファンの詳しい働きについてご紹介します。
メラトニンの生成にはセロトニンが必要
メラトニンは起床してから15時間前後で分泌されます。
メラトニンには、副交感神経を活発にしてリラックスして眠れるような身体へと変化させていきます。
そして、睡眠に重要なメラトニンが十分に分泌されるには十分なセロトニンが必要です。
セロトニンの増加にはトリプトファンが必要
睡眠に重要なセロトニンを増やすには、トリプトファンと呼ばれる必須アミノ酸を補給することが必要です。
偏った食生活によってトリプトファンが不足すると寝つきが悪くなったり、不眠症になる可能性があります。
トリプトファンは体内で生成できない
トリプトファンは体内では合成することができません。
そのため、食事として体外から摂取しなければなりません。
食事から摂取したトリプトファンはセロトニンへ変化していきます。
セロトニンの増加にはトリプトファンが必要
トリプトファンを効率的に摂取して、セロトニンをたくさん分泌するにはコツがいります。
食事と運動が重要な要素となっています。
トリプトファンを摂取する効果的な方法とは
トリプトファンを摂取して効率的にセロトニンを分泌するには以下の方法があります。
- 食事から摂る
- サプリメントで摂る
- 適度な運動
これらの具体的な内容についてご紹介します。
食事から摂る
トリプトファンは
- 豆腐、味噌、納豆などの大豆製品
- チーズやヨーグルトなどの乳製品
- 穀類
- 卵
などに含まれています。
朝に豆腐のお味噌汁とご飯、卵焼きといった伝統的な朝食を摂ることでトリプトファンを摂取することができます。
また、バナナにも少量ながらトリプトファンが含まれています。
忙しい朝には良いでしょう。
サプリメントで摂る
トリプトファンはサプリメントで摂ることもできます。
しかし、トリプトファンをサプリで摂って、食事でもトリプトファンの多い食事になると過剰摂取になる危険性があります。
サプリメントに記載されている用法・用量はきちんと守りましょう。
適度な運動
食事で摂取したトリプトファンをセロトニンとして分泌するには適度な運動が効果的です。
朝方に散歩や軽いダンスなどリズミカルに運動するとセロトニンが増えるという報告もあります。
もし、簡単な運動が困難であればしっかりと朝食を取ることをオススメします。
朝食を食べるときに行う咀嚼運動がリズム運動となっており、セロトニンを増やす可能性が高まります。
トリプトファンの過剰摂取にも注意が必要
トリプトファンはたくさん摂ればいいかと思われますが、摂りすぎは危険です。
食品安全委員会によると、1日にサプリメントで摂取するトリプトファンを220mgまでに制限するように求めています。
また、余分に摂取したトリプトファンは体内で脂肪となってしまいます。
さらに、代謝機能が低下した状態で過剰なトリプトファンを摂取すると体内のセロトニンが過剰になる危険性もあります。
サプリメントでの用法・用量を守る、持病などで現在服用している薬がある場合は必ず主治医に相談しましょう。
参照:内閣府 食品安全委員会【食品安全関係情報詳細 】
セロトニン・メラトニンについてのまとめ
ここまで、セロトニンとメラトニンについてお伝えしてきました。
セロトニンとメラトニンの要点をまとめると以下の通りです。
- セロトニンが増えるとメラトニンが増えていく
- セロトニンは精神を落ち着かせる効果があり、メラトニンには睡眠をサポートして身体を健康に保つ
- トリプトファンはセロトニンの材料となるため食事からしっかりと摂取することが大切
これらの情報が、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。