ホーム

認知症を学ぶ

down compression

介護を学ぶ

down compression

専門家から学ぶ

down compression

書籍から学ぶ

down compression

健康を学ぶ

down compression
健達ねっと>健康お役立ち記事>栄養>ナイアシンは美肌に役立つビタミン|効果が上がる正しい使い方を紹介

ナイアシンは美肌に役立つビタミン|効果が上がる正しい使い方を紹介

ナイアシンはビタミンの1種で、美容・健康に欠かせない栄養素です。
ナイアシンには具体的にどのような効果があるのでしょうか。
また、ナイアシンはどのように摂取すればよいのでしょうか。

本記事では、ナイアシンについて、以下の点を中心にご紹介します。

  • ナイアシンに期待できる効果とは
  • ナイアシンの過剰摂取・不足による症状
  • ナイアシンアミドの効果とは
  • ナイアシンを効率的に摂取するには

ナイアシンについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。

スポンサーリンク

ビタミンとは

ビタミンとは健康維持に欠かせない成分の1種です。
人体においては、タンパク質・糖質・脂質などの栄養素のサポートをしています。
ナイアシンはビタミンの1種で、ビタミンB群に属します。

ビタミンは大きく分けて脂溶性と水溶性の2種類があります。
脂溶性とは脂質に溶けやすい性質のことです。
一方、水溶性は水に溶けやすい性質を指します。

ナイアシンが属するビタミンB群は水溶性です。
なお、脂溶性・水溶性ビタミンには以下があります。

脂溶性ビタミンビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK
水溶性ビタミンビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンC

出典:厚生労働省「ビタミン | e-ヘルスネット(厚生労働省)

関連記事

ビタミンb1は糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素の1つです。また、ビタミンb6は健康や美容を維持するために欠かせない栄養素の1つです。それではビタミンb1やb6が不足するとどのような悪影響がみられるのでしょうか。今回はビタミ[…]

ビタミンAが含まれる食材

スポンサーリンク

ナイアシンの役割

ナイアシンの主な役割は、他の栄養素・酵素の働きをサポートすることです。
具体的な作用をみていきましょう。

糖質、脂質、タンパク質の代謝に関わる

ナイアシンは、糖質代謝・脂質代謝・タンパク質代謝をサポートします。
代謝とは、栄養を分解して身体のエネルギーに変換する仕組みのことです。

各代謝がスムーズにいくことで、体内では十分な活動エネルギーが生み出されます。
また、各代謝の正常化は、皮膚・粘膜などの健康維持にも役立ちます。

ナイアシンそのものがエネルギーを作り出すわけではありません。
しかしナイアシンは、代謝が正常に行われるために欠かせない栄養素です。

エネルギー産生を補助する

ナイアシンは体内で吸収された栄養を燃焼させ、活動エネルギーに変える仕組みをサポートしています。

エネルギー産生に関わるとき、ナイアシンはNADという成分に変化します。
NADは補酵素という立場から、エネルギーを生み出す酵素の働きをサポートします。

生み出されたエネルギーは、細胞分裂や内臓の活動エネルギーとして消費されます。
また、体温保持にも役立ちます。
人体内にある酵素のうち、NADを必要とする酵素は全体の約2割にものぼります。

脂肪酸やステロイドホルモンの合成に関わる

ナイアシンは、脂肪酸やステロイドホルモンの生成をサポートする作用もあります。

脂肪酸とは脂質とその他の成分が結合した有機化合物です。
人体においては、エネルギーを生み出す素になります。

ステロイドホルモンは、コレステロールから生成されるホルモンです。
生命維持や健康維持に欠かせない成分です。

ナイアシンは脂肪酸・ステロイドホルモンの生成を促進することで、健康を維持する役割を果たします。

DNAの修復や合成に関わる

ナイアシンはDNAを正常に維持する役割もあります。
DNAとはいわゆる遺伝子のことで、細胞の核である染色体の中に含まれています。

DNAの異常によって起こりやすいのは、がんです。
DNAに傷がつくと、新しい細胞分裂が正常に行われなくなります。
すると細胞分裂の過程でがん細胞が発生・増殖しやすくなります。

ナイアシンは傷ついたDNAの修復や、正常なDNAの合成をサポートします。
DNAの合成をサポートすることでがんなどの遺伝子異常を防いでいます。

おすすめ記事

タンパク質について筋肉づくりや維持の為に、タンパク質を凝縮したプロテインを摂取する方も多いでしょう。しかし、タンパク質の特徴や過不足などを知らないと、健康のためのタンパク質摂取が逆効果になってしまうことがあることをご存じでしょうか。[…]

ナイアシン過剰と不足の影響

疑問

ナイアシンは摂取量が少なすぎても多すぎてもいけません。
ナイアシンの過剰症と欠乏症について解説します。

ナイアシン過剰で起こる副作用

ナイアシンを過剰に摂りすぎると、副作用が起こることがあります。
しかし実際には、ナイアシンの過剰摂取が起こることは稀です。

ナイアシンは水溶性の栄養素であるためです。
吸収されなかった大量のナイアシンは、汗や尿として体外に排出されます。

そのため、ナイアシンが過剰に体内に蓄積されることはありません。
特に食品からの摂取であれば、健康被害が出るほどの過剰摂取は起こりにくいです。

しかしサプリメントなどでナイアシンを摂取している方は、過剰症のリスクがあります。
サプリメントは、食品と比べて1度に摂取できる量が多いためです。

ナイアシンを1度に多量に摂取すると、以下のような副作用があらわれることがあります。

消化不良などの消化管の疾患

ナイアシンは胃酸分泌を促進する作用があります。
そのため多量に摂取すると、胃に不調があらわれることがあります。

代表的なのが消化不良です。
具体的には、胃もたれ・胸焼けなどの症状があらわれます。

ホットフラッシュ(ナイアシンフラッシュ)

ナイアシンを大量に摂ると、人によっては顔面紅潮や上半身のほてり、かゆみを感じたりする症状が現れることがあります。
ナイアシンの過剰摂取によって蕁麻疹や皮膚湿疹が出る症状を「ホットフラッシュ(ナイアシンフラッシュ)」といいます。

ホットフラッシュの原因は、ナイアシンの「血管拡張作用」や「ヒスタミン放出作用」が影響しています。

症状の出方は個人差があり、血流が悪い人やアレルギー体質の人、湿疹・蕁麻疹が出やすい人はホットフラッシュが出やすい傾向があります。
ただし、ホットフラッシュは一過性のもので、一定時間で元に戻ることが多いです。
時間が経っても症状が改善しない場合は、病院の受診を検討しましょう。

下痢・嘔吐

ナイアシンを多量摂取した場合、重篤な下痢他嘔吐の症状を引き起こすことがあります。

酸性のナイアシンが胃酸に影響し、胃の酸度を増加させることで、胃粘膜刺激症状をおこすのが原因であると考えられます。

ナイアシン不足が引き起こす症状|ペラグラ

ナイアシンは代謝に欠かせない栄養素です。
ナイアシンが不足すると、エネルギー不足の症状や神経症状などさまざまな症状が起こります。

ナイアシン欠乏症はペラグラとも言われ、以下のような症状が見られます。

  • 皮膚症状
  • 粘膜症状
  • 消化管症状
  • 中枢神経症状

ペラグラ発症患者はタンパク質不足や他のビタミンの不足を併発していることが多く、動物性タンパク質の摂取量が少なくとうもろこしを多食する地域で見られやすいです。
日本でのペラグラの発症は稀で、不規則な食事をするアルコール依存症患者で症状が見られることがあります。

ニコチン酸アミドの投与によって、ナイアシン欠乏症の改善が見込まれます。

ナイアシンの1日の推奨摂取量はどのくらい?

ナイアシンの不足と過剰摂取を防ぐためにも、1日の推奨量と上限摂取量を把握しておきましょう。
以下の表をご覧ください。

年齢男性(mgNE/日)女性(mgNE/日)
推奨量上限耐容量推奨量上限耐容量
0~5(月)
6~11(月)
1~2(歳)660(15)560(15)
3~5(歳)880(20)780(20)
6~7(歳)9100(30)8100(30)
8~9(歳)11150(35)10150(35)
10~11(歳)13200(45)10150(45)
12~14(歳)15250(60)14250(60)
15~17(歳)17300(70)13250(65)
18~29(歳)15300(80)11250(65)
30~49(歳)15350(85)12250(65)
50~64(歳)14350(85)11250(65)
65~74(歳)14300(80)11250(65)
75以上(歳)13300(75)10250(60)
妊婦(付加量)+0
授乳婦(負荷量)+3

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)

なお、上限耐容量の()内の数値は、ニコチン酸アミノの重量をあらわします。

健達ねっとECサイト

ナイアシンアミドの効果について

ナイアシンアミドとは、ナイアシンの一種でニコチン酸アミドまたはビタミンB3とも呼ばれています。

ナイアシンアミドは粘膜や皮膚を正常に保つ作用や、血流を良くする作用があり、不眠やうつ症状の改善が期待できると言われています。

特に、ナイアシンアミドは「美容効果」が高いと言われています。
ナイアシンアミドがもたらす美肌効果は以下の通りです。

  • 紫外線でダメージを受けたDNA修復の促進
  • メラニン生成の抑制
  • 肌荒れの抑制
  • 肌のバリア機能の向上

ナイアシンアミドは刺激が弱く、美肌効果が高いことから多くの化粧品やスキンケア製品に配合されています。

薬の使い方

ナイアシンの供給源となる食品

Ketogenic low carbs diet – food selection on white wooden background. Balanced healthy organic ingredients of high content of fats. Nutrition for the heart and blood vessels. Meat, fish and vegetables.

ナイアシンは体内でも合成されます。
しかしさほど量が多くないため、食品から摂取することが大切です。

ナイアシンが摂取できる食品についてみていきましょう。

ナイアシンが多く含まれる食品

ナイアシンが豊富な食品には以下があります。

  • 魚介類
  • 肉類
  • きのこ類
  • 穀類

特に含有量が高いのは魚類です。

ナイアシンアミドが多く含まれる食品

ナイアシンが豊富な食品とは、すなわちナイアシンアミドが豊富な食品です。
ナイアシンアミドが豊富な食品を具体的にみていきましょう。

魚介類

ナイアシンアミドが豊富な魚類には以下があります。

  • かつお
  • かつおぶし
  • たらこ
  • いわし
  • まぐろ

肉類

ナイアシンアミドが豊富な肉類には以下があります。

  • 豚レバー
  • 牛レバー
  • 鶏胸肉
  • ささみ
  • くじら(赤肉)

きのこ類

ナイアシンアミドが豊富なきのこ類には以下があります。

  • しいたけ
  • まいたけ
  • ひらたけ
  • えのき
  • まつたけ

穀類

ナイアシンアミドが豊富な穀類には以下があります。

  • 小麦
  • 玄米・発芽玄米
  • ライ麦
  • 大豆・大豆製品
  • あずき

ナイアシンを増やす食べ方

ナイアシンを摂取するときのポイントをご紹介します。
ぜひ、以下のポイントを抑えた調理・摂取を意識してください。

煮汁ごと飲める料理にする

ナイアシンは水溶性の栄養です。
そのため、食材を洗う・茹でるなどの過程で栄養が水に溶け出しやすいです。

ナイアシンを余さず摂取するには、洗いすぎ・茹ですぎなどに注意しましょう。
また、煮汁ごと飲めるスープ類や煮込み料理にすると、溶け出した栄養もいただけます。

赤身の魚や肉を選ぶ

ナイアシンは赤身の魚・肉類に豊富です。
動物性食品を食べるときは、なるべく赤身の部位を選びましょう。

 

レバー類を食べるのもおすすめです。

きのこを冷蔵庫に常備する

ナイアシンはきのこ類に多く含まれます。
そのためきのこを定期的に食べると、効率のよいナイアシン摂取が期待できます。

なお、きのこは冷凍保存も可能です。
房をばらしてフリーザーバックにいれておけば、必要なときに少しずつ取り出せます。

全粒穀物を食べる

主食を選ぶときは、精製されていないものを食べましょう。
ナイアシンは穀類の胚芽部分に豊富であるためです。

ごはんであれば、玄米・発芽玄米を選びましょう。パンは全粒粉パンのほか、ライ麦パンもおすすめです。

サプリで補う

食事でナイアシンを十分に摂取するのが難しい場合は、サプリメントを活用するのも1つの方法です。

なお、サプリメントは1度に多量のナイアシンを摂取することになります。
副作用を避けるためにも、過剰摂取にならないよう注意してください。

ナイアシンまとめ

ここまで、ナイアシンについてお伝えしてきました。
ナイアシンの要点を以下にまとめます。

  • ナイアシンは、人体維持に必要なエネルギー産生をサポートする作用がある
  • ナイアシンは過剰摂取・不足ともに深刻な症状を引き起こす
  • ナイアシンのうちナイアシンアミドには、美肌・不眠改善・うつ病予防などの効果が期待できる
  • ナイアシンを効率的に摂取するには、肉・魚・きのこ・穀類などを食べる

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

スポンサーリンク