ストレスの軽減にはチョコが良いということは広く知られています。
チョコに含まれるカカオポリフェノールは、様々な健康効果が期待できる栄養素です。
では、チョコの具体的な効果はどのようなものでしょうか?
どのような種類のチョコを選ぶと良いのでしょうか?
本記事では、ストレスとチョコについて以下の点を中心にお伝えします。
- ストレスによって生じる身体の不調とは
- チョコと脳細胞の関係
- 健康効果があるおすすめチョコとは
現代におけるチョコ嗜好の変化についても解説しています。
ストレスとチョコについて理解するためにも、ご参考にしていただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
社会で生活していく上で、ストレスを完全に避けることは困難です。従って、正しくストレスと向き合っていくことが、人が健康的に暮らしていくためには大切です。今回はストレスについて、以下の点を中心に解説していきます。 ストレス症状[…]
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ストレスが溜まることで生じる症状・病気
ストレス社会といわれる現代、誰もが少なからずストレスを抱えて生きています。
ストレスによって身体に生じる症状や病気をピックアップしました。
軽度な症状
まずは、ストレスによって生じる軽度な症状についてです。
- 風邪
- 低体温
- 睡眠不足
- 口内炎
- アトピー性皮膚炎
順番に見ていきましょう。
風邪
上気道(鼻やのど)の急性炎症の総称です。
厳密には、「風邪」という病気はなく、「風邪症候群」と呼ばれます。
咳やのどの痛み、発熱、鼻水などの症状が一般的です。
低体温
ストレスなどによって、体内の熱の産生と放散のバランスが崩れて起こる症状です。
自律神経の乱れや、血管収縮機能の低下も影響します。
睡眠不足
ストレスが溜まると自律神経が乱れ、交感神経が活発化します。
そのため脳や身体が興奮し、夜になっても眠ることができない状態に陥るのです。
日中の眠気が強くなり、身体に疲労が蓄積します。
口内炎
ストレスや疲れなどで免疫力が低下することによって、口内炎を発症することがあります。ストレスによる口内炎では「アフタ性口内炎」が一般的です。
丸くて小さな白い潰瘍が口内に発生し、通常は10日~2週間ほどで自然消滅します。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、心理的ストレスによって引き起こされることがある症状です。
強いかゆみによってストレスを感じ、また掻きむしってしまうという悪循環に陥ります。
生活の中で感じる些細なストレスとのつながりが強いのがアトピー性皮膚炎です。
重度な症状
続いては、ストレスが原因の1つともいわれる重度な症状・病気です。
- 高血圧
- 過換気症候群
- 糖尿病
- 心筋梗塞
- ストレス性胃腸炎
- うつ病
- 扁桃炎
これらについてひとつずつ解説します。
高血圧
何らかのストレスがかかると、一時的に高血圧になることがあります。
ストレスによって交感神経が刺激されて血管が収縮し、血圧が上昇するのです。
持続的な高血圧は、血管を傷つけて動脈硬化を進行させます。
高血圧によって起こる動脈硬化は、心筋梗塞などの命にかかわる病気の原因です。
過換気症候群
いわゆる「過呼吸」と呼ばれる症状です。
極度の緊張や不安感に襲われたとき、あるいは肉体的な疲労時にも起こります。
過換気症候群の症状は以下のとおりです。
- 窒息しそうな息苦しさ
- 呼吸が乱れ、速くなる
- 手先・足先・口まわりのしびれ
- めまい
- 吐き気
- 冷や汗・動悸・頻脈
発作が長引くと、けいれんなどを起こして意識の消失がみられることがあります。
ただ、命に関わることではありません。
糖尿病
ストレスによる過食や運動不足が、糖尿病のきっかけとなることがあります。
ストレスは血糖を上昇させるホルモン(コルチゾールなど)の働きを活発化させるのです。
糖尿病は、網膜症や腎症などの合併症を引き起こします。
生活の質が著しく低下し、命にかかわる状態になることもあるため注意が必要です。
心筋梗塞
ストレスは、心筋梗塞などの循環器疾患の危険性を高めます。
脳内の神経伝達物質であるセロトニンの過剰分泌によって、血栓ができやすくなるためです。
ストレス性胃腸炎
ストレスや緊張、不安を感じた際に起こります。
ストレス性胃腸炎の症状は以下のとおりです。
- 腹痛
- 便秘・下痢
- 吐き気
- めまい・疲労感・不安感
- 肩こり
- 頭痛
心因性のストレスが原因となることもあります。
うつ病
人間関係や環境の変化によるストレスが、うつ病の引き金になることがあります。
うつ病の原因は、ネガティブなストレスだけではありません。
昇進や旅行、結婚など嬉しいことがきっかけで発症することもあるのです。
扁桃炎
ストレスなどによる免疫力の低下によって、ウイルスや菌が繁殖し扁桃炎となることがあります。
扁桃炎には以下の
- 急性扁桃炎
- 慢性扁桃炎
の2種類があります。
どちらも、のどの痛みや倦怠感が出る病気です。
命に関わる病気ではありませんが、慢性化すると治りにくいため注意しましょう。
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チョコがストレスを軽減する
万病のもととなるストレスは、チョコの摂取によって軽減が可能です。
続いては、チョコがストレスを軽減する仕組みについて解説していきます。
チョコと脳細胞の関係や効果
チョコと脳細胞の関係について、株式会社明治と愛知学院大学が共同研究しました。
その結果、チョコの摂取によって脳細胞増加に必要なBDNFの増加が確認されたのです。
BDNFは脳由来神経栄養因子と呼ばれ、神経細胞の維持や再生を促進するタンパク質です。
認知症や、記憶・学習などの認知機能との関連性が報告されています。
本研究の詳細および結果は以下のとおりです。
研究概要
期間 | 平成26年6月中旬~7月中旬(4週間) |
対象 | 蒲郡市内外の45~69歳347人(男性123人・女性224人) |
摂取量 | カカオ分72%のチョコレート効果 1日5gを5枚(約150kcal) |
検査内容 | 血圧測定・血液検査による身体状態の変化 |
中間報告では、チョコの摂取で「精神的・肉体的に活動的になる」ことが分かりました。
その後の追加分析で分かった、BDNFの増加に関する研究結果は以下のとおりです。
検査項目 | 全体(n=347) | ||||||
摂取前(0週) | 摂取後(4週) | 平均±標準偏差 | |||||
BDNF | 6.07 | ± | 3.13 | 7.39 | ± | 5.87 | 0.005 |
出典:明治【チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究最終報告】
データによると、血清中のBDNF濃度がチョコ摂取前後で上昇したことが分かりました。BDNFが、記憶をつかさどる海馬の神経細胞の活動を促進させていると考えられます。
また、BDNFは脳にとって重要な栄養分ですが、加齢とともに減少していく物質です。
先述のとおり、BDNFは認知機能との関連性が報告されています。
年々増加する認知症を予防する可能性があるとして、今後さらに注目されていくでしょう。
アミノ酸をとれるチョコでストレス低減
アミノ酸は、人体を形作るために必要な栄養素です。
人体の60%が水分であり、残りの40%の半分をアミノ酸が占めています。
エネルギーを作り出すタンパク質を構成するアミノ酸は、全部で20種類存在します。
- 必須アミノ酸9種類…体内で作ることができないアミノ酸
- 非必須アミノ酸11種類…糖質や脂質から、体内で作り出すことができるアミノ酸
上記のほか、タンパク質を構成しないアミノ酸(遊離アミノ酸)も存在します。
遊離アミノ酸の一種である、γ-アミノ酪酸(がんま-あみのらくさん)です。
γ-アミノ酪酸は頭文字から「GABA」と呼ばれています。
GABAは抑制性の神経伝達物質で、脳機能改善や血圧改善効果なども認められる物質です。
一時的・心理的なストレスを低減させる効果もあります。
また、カカオポリフェノールの多く含むチョコもストレス軽減が期待できます。
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チョコの過食には要注意!
多くの健康効果がみられる高カカオチョコですが、食べ過ぎは肥満や体重増加の原因です。
カカオを多く含む高カカオチョコは、通常のチョコよりも脂質やカロリーが高い傾向にあります。
また、妊娠中や授乳中もチョコの摂取量は注意しましょう。
胎児の発育阻害や低体重に影響を及ぼすカフェインが、チョコにも含まれているためです。
農林水産省で提示されている、菓子・嗜好品の1日の摂取目安量は200kcalです。
板チョコの場合は約1/2枚とされています。
適正摂取量を把握して、健康的な摂取を心がけましょう。
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健康にはビターチョコレートが良い
ここまで、ビターチョコ(高カカオチョコ)は健康に役立つということをみてきました。
しかし、全てのチョコが健康にいいのかというとそうではありません。
続いては、通常のチョコとビターチョコ(高カカオチョコ)の違いを解説していきます。
ホワイトチョコレートにはストレス軽減効果は薄い
ホワイトチョコには、カカオマス(ココアパウダー)は使用されていません。
カカオポリフェノールが含まれていないため、ストレス軽減などの効果は期待できないといえます。
では、ミルクチョコは健康効果があるのでしょうか。
明治のチョコシリーズを比較しました。
カカオ分…カカオマス・ココアバター・ココアパウダーなど、カカオ由来の原料の合算
カカオポリフェノール量…カカオに含まれるポリフェノール類の総量
商品名 | カカオ分(%) | カカオポリフェノール量(㎎/1枚50g) |
ミルクチョコレート | 35~40 | 343 |
ブラックチョコレート | 35~40 | 639 |
ハイミルクチョコレート | 20~30 | 204 |
ストレス軽減や健康効果を発揮するためのカギは、カカオポリフェノールです。
高カカオチョコにはカカオポリフェノールが豊富に含まれています。
健康効果を期待してチョコを購入する際は、カカオポリフェノール量を確認しましょう。
チョコ嗜好も少しずつ変化している
近年、チョコを選ぶ際には健康・美容志向が高まっている傾向にあります。
2015年のチョコレート嗜好に対する意識調査(全体)での結果は以下のとおりです。
ビターチョコを好む割合 | 34.6% |
ミルクチョコを好む割合 | 46.8% |
ホワイトチョコを好む割合 | 18.9% |
ミルクチョコは半数ほどを占めています。
また、ビターチョコを好む割合も一定数いることが読み取れます。
チョコレートの味に求めるものという調査結果では、
データによると、「甘みが際立つ」の次に「苦みが効いたもの」という結果でした。
その結果、苦味がある高カカオチョコの需要が伸びていることが分かります。
健康意識の高まりにより、苦味=健康に良いというイメージに転換されつつあります。
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ストレスとチョコのまとめ
ここまで、ストレスとチョコの関係について解説してきました。
ストレスとチョコについての要点は以下のとおりです。
- ストレスは、風邪や睡眠不足、低血圧、心筋梗塞などを引き起こす可能性がある
- チョコは脳細胞の増加に必要なBDNFを増やす効果がある
- 健康効果があるチョコはビターチョコ
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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