防風通聖散を処方してもらうには、何科を受診したらよいのでしょうか?
本記事では、防風通聖散の処方について以下の点を中心にご紹介します。
- 防風通聖散の効能・効果とは
- 防風通聖散の処方について
- 防風通聖散の副作用について
防風通聖散の処方について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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防風通聖散とは
防風通聖散には、18種類の生薬が含まれています。
以下の表にあらわしています。
防風(ボウフウ) | 黄芩(オウゴン) | 大黄(ダイオウ) |
芒硝(ボウショウ) | 麻黄(マオウ) | 石膏(セッコウ) |
白朮(ビャクジュツ) | 荊芥(ケイガイ) | 連翹(レンギョウ) |
桔梗(キキョウ) | 山梔子(サンシシ) | 芍薬(シャクヤク) |
当帰(トウキ) | 川芎(センキュウ) | 薄荷(ハッカ) |
滑石(カッセキ) | 生姜(ショウキョウ) | 甘草(カンゾウ) |
生薬とは、植物の葉、茎、根など薬効があるとされている部分を加工したものをいいます。
漢方薬とは、漢方医学に基づき、2種類以上の生薬を組み合わせた薬です。
漢方医学(東洋医学)には、体質を測るものさしとして「証(しょう)」というものがあります。
「証」とは簡単にいうと、身体の体質・体力・抵抗力・症状のあらわれ方をあらわす漢方医学独自の用語です。西洋医学でいうところの「診断」を意味します。
つまり、同じ症状でも「証」が違えば、処方される漢方薬も変わるのです。
自分が服用している漢方薬を同じ症状の他の方が服用しても効果がない場合は、「証」が異なる可能性があります。
漢方医学では、ひとりひとりの病態だけを見るのではなく、体質に合わせた漢方薬を服用することが大切なのです。
漢方薬は、簡単にいうと天然の素材のみを使用した薬になります。
西洋薬よりも薬の効果は穏やかで、副作用のリスクは低いとされています。
防風通聖散は、体の熱をさまして、体内の余分な毒素を体外に排出させる働きがあります。
また、体内の水分循環を改善し、便通を改善する効果もあります。
ちなみに、今回紹介している防風通聖散の名前は、
- 生薬の名前である「防風」
- すぐれた人をあらわす「通聖」
からつけられています。
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防風通聖散は処方が可能
防風通聖散は、ドラッグストアや薬局などの店頭でも購入できます。
しかし、漢方薬は服用する方の体質によって効果が左右されやすいとされています。
そのため、漢方薬の効果をあまり実感できない可能性があります。
体質に合った漢方薬を服用するためにも、病院で処方してもらうようにしましょう。
病院で漢方薬を処方してもらうには、基本的には「内科」を受診します。
防風通聖散は、肥満治療が目的のため、予防や美容目的では処方してもらえないかもしれません。
肥満症や便秘症などの症状があると防風通聖散を処方してもらいやすくなります。
防風通聖散は用法、用量などが決められています。
用法とは飲み方のことをいい、多くの場合、食前、食間と指定されています。
食後に服用しても大丈夫ですが、基本的に漢方薬は空腹時の方が吸収されやすいとされています。
そのほか、診察のときに医師に「防風通聖散を処方してほしい」と伝えることも可能です。
防風通聖散は医師が診察し、必要と判断した場合に処方されます。
そのため、必ず防風通聖散を処方してもらえるとはかぎりません。
副作用のリスクは低いといわれる漢方ですが、防風通聖散を初めて服用する方は、副作用が出る可能性もあります。
防風通聖散は、市販で買える「一般医薬品」と処方される「医療用医薬品」では含まれている成分量が異なります。
一般医薬品は、医療用医薬品の50%〜80%程の成分しか入っていません。
一般医薬品は、誰でも自由に購入できるため、成分量が少なくなっているのです。
成分量を少なくし、漢方薬の効果を穏やかにすることで、副作用を予防しています。
まず防風通聖散を試してみたい方は一般医薬品を購入するのもおすすめです。
しかし、体質に合った漢方薬を服用したい方は、医師の診察を受けて病院で処方してもらいましょう。
ちなみに、処方薬の場合は、保険適用となるため自己負担が軽くなります。
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処方してもらう防風通聖散の効果
防風通聖散の効果は
- 便秘が解消する
- 食事の脂肪吸収を抑える
- 体脂肪が減る
などがあります。
それぞれ見ていきましょう。
防風通聖散には、便秘を解消する効果が期待できます。
防風通聖散は、体の水分循環を良くして、余分な水分や老廃物を体外に排出する効果があります。
そのため、便秘の解消が期待できます。
また、防風通聖散には食事の脂肪吸収を抑える効果があります。
防風通聖散は、代謝をスムーズにすることにより食事で摂取した脂肪吸収を妨げる働きをします。
そのほか、防風通聖散はお腹の脂肪を燃焼する効果があり、脂肪細胞が活性化します。
脂肪細胞が活性化することで
- 代謝
- 利尿
- 便通
を改善します。
その結果、脂肪燃焼効果が上がり、お腹の脂肪を減らすことにつながります。
そのほか、防風通聖散はむくみの解消、肩こりやのぼせなどに効果があります。
防風通聖散は2週間〜1ヶ月ほど服用することで効果が得られるといわれています。
しかし、防風通聖散の効果には個人差があります。
すぐに効果があらわれなくても、最低1ヶ月は服用しましょう。
1ヶ月以上服用しても効果があらわれない場合は、体質に合っていない可能性があります。
効果があらわれなかった場合は、病院へ相談しましょう。
処方してもらう防風通聖散の副作用
防風通聖散には、副作用が出る可能性があります。
主な副作用を以下の表にあらわしています。
下痢、吐き気 | 肝機能障害 | 頭痛、発熱 | 呼吸困難 | 血圧上昇 |
肺音の異常 | むくみ | 脱力感 | 四肢麻痺 | 黄疸 |
腹部膨満 | 便秘 | 発疹 | 動悸 | 胃部不快感 |
食欲不振 | 不眠 | 発汗過多 | 排尿障害 | そう痒 |
防風通聖散を服用すると、下痢や吐き気などの消化管症状の副作用があらわれる可能性があります。
防風通聖散には「シャクヤク」「ダイオウ」という生薬が含まれています。
シャクヤクとダイオウは、腸へ働きかけ便秘を改善する生薬です。
そのため、下痢の症状は漢方薬の効果が得られていると感じる方もいるかもしれません。
しかし、防風通聖散を服用後に水下痢や下痢の症状が続く場合は、体質に合っていない可能性があります。
また、まれに肝機能障害の副作用が出る場合があります。
肝機能障害とは、肝臓が障害を受けることで炎症を起こし、肝細胞が破壊されることをいいます。
主な肝機能障害の症状には、
- 発疹
- 黄疸
- 褐色尿
- 全身のだるさ
- 食欲不振
肝機能障害の症状があらわれたら、服用をやめて医師に相談してください。
そのほか、頭痛や発熱などの副作用が出る可能性があります。
重篤になると、間質性肺炎の可能性があるので、注意が必要です。
間質性肺炎の症状には、
- 頭痛
- 息苦しい
- 発熱
- から咳
上記の症状が出た場合は、間質性肺炎の可能性があります。
服用をすぐに中止し、速やかに医師の診断を受けましょう。
肥満・高血圧で防風通聖散を処方
厚生労働省の研究結果では、防風通聖散を服用することで減量の効果や高血糖の症状が改善することがわかっています。
また、動脈硬化合併症の原因とされている血圧変動も改善されます。
防風通聖散を服用することで、肥満症や高血圧の方は、肥満や高血圧の症状が改善するとされています。
防風通聖散は、肥満症に対してどのように働くかなど詳細なメカニズムは不明です。
しかし、東洋医療と西洋医療を組み合わせることで、効率的に治療ができる可能性があるとされています。
肥満症で悩んでいる方は、防風通聖散を処方してもらい服用することで、症状が改善されるかもしれません。
防風通聖散処方まとめ
今回は、防風通聖散の処方の情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 防風通聖散には、便秘が解消する、体脂肪が減るなどの効果がある
- 防風通聖散は、基本的に内科で処方が可能である
- 防風通聖散には、下痢、吐き気、肝機能障害などの副作用がある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。